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Channel: 大八洲徘徊記
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FinePix F700で遊ぶ

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今回は記事がいつにもまして長いので、小見出しいれてます。

なんというか、微妙にツッコミどころの多いカメラの出来、スーパーCCDハニカムSRのおかげで奥が深いCCD-RAW現像、イレギュラーな使い方などなど、とにかく触るのが面白いカメラで、書くことが次から次へと出てきちゃう。



FinePix F700というと、時は2003年。
第四世代スーパーCCDハニカムが、画素数・解像度重視のHRと、ダイナミックレンジ・階調表現重視のSRに分かれ、そのSR搭載第一号モデルとして、F700は発表された
2月に春に発売すると発表されたF700は遅れに遅れ、夏を過ぎ、秋になってから発売された。

その頃、私はちゃんと新品を買って最新情報をしっかりチェックしているデジカメファンだった。
スーパーCCDハニカムSR、こりゃ大したもんっぽいぞ、F700はすごいかもしれない……と思ってたけど現物が出てこず、発売される頃には忘れていた記憶がある。

まあ、2003年ってコニカKD-510Zが出た年で、あれは我々コニカKDファンの頭をそれ一色に埋め尽くしてしまうインパクトがあったので、その時に絶賛延期中だったF700のイメージが消えちゃうのも仕方なかったかも。


それから10年経って、10年前のカメラをジャンクで漁るなんて趣味を持つようになった。
じゃあ、当時ウワサのFinePix F700をつまんでみるか、とはなかなかならなかった。
F700は、当時そこらじゅうのデジカメを故障に追い込んでいた、不良CCD問題にぶち当たっている機種。決してジャンクワゴンではレアな機種ではないけれど、ちょっと手を出しづらい。

が、改めてスーパーCCDハニカムについて調べていたら、「スーパーCCDハニカムSRを搭載したコンパクトデジカメはF700とF710だけ」という事実が浮かび上がって、やっぱり試したくなった。
この2機種を探して、どうにか動くものが手に入った。


今回は口上が長いが、元々、「自分的にデジカメが熱かった300~500万画素時代を追体験する」というのが私のジャンクカメラ漁りの主目的だから、あの頃の機種はあれこれ言いたくなる。




個体の状態について


さて、手に入れた個体は、アスファルトに落下させたらしい傷がある。
筐体右後ろと左前にあるのだけど、傷のつき方がかなり違うので、2回やったっぽい。
普通はこんな個体は避けるのだけど、安かったからまあいいや、で行っちゃった。同じ日に外観は極上なF710もつまんだけど、こっちはCCD不良でアウト。なかなか見た目じゃわからない。


テレ端遠景・等倍切り出し。
ダイセル堺工場跡地に残る、創業時の本社社屋。

レンズに落下の影響があるかな……と撮った画像を見ていると、テレ端で無限遠が出てないか何かで、えらくぼんやりしている。
Exifを見ると最小のF10まで絞ってるから、開放が甘いとかでもない。小絞りボケってここまで強くは出ないと思うし。

ワイド側遠景・等倍切り出し。
大和川。緑の鉄橋は南海本線。

ワイド側での遠景はこの程度には解像してるので、こっちは一応大丈夫そう。

とはいえ、今回はこんな状態ということで、あまりレンズの質をどうこう言わないことにしよう。
ワイド側は、別に文句あるような写りはしてない。周辺減光があんまり見えないのは良いし、歪曲もデジタル補正しない世代としては普通のレベル。あ、どうこう言ってる。

ワイド端じゃなくてワイド側といってるのは、このカメラ、なぜか起動した直後が広角端じゃなくて、少しだけ望遠側に寄った位置になっている。
この画像を撮った時は気付いてなくて、気付いてからもすぐ忘れちゃう。
ちなみに起動時8.5mm・換算39mmくらい、広角端は7.7mm・換算35mm。
これはそういう仕様なので、落下によっておかしくなってるわけではない。


F700は、元々無印xDピクチャーカードにしか対応しなかったらしく、上限容量は512MB。
そうなると、今からでは使えるメディアを探すのが苦しい。私は256MB持ってるけどね。

しかし、かつて実施されていたPictBridge対応のファームウェアアップデートサービスを受けていると、Type Mなど大容量にも対応して、2GBまで扱えるようになっているとか。
私の手元のF700は、CCDも生きているし2GBも使えるから、どうやらファームウェアは新しいらしい。Exifを見て、Softwareの項目が「Digital Camera FinePix F700 Ver3.00」なら最新とのこと。
リコールを受けたついでにアップデートされていたケースもあるとか。

2GBのカードをフォーマットすると心配になるくらい時間がかかるけど、そのうち終わるので無理に止めずにそのままで。


実写その一・堺


で、まず堺のあたりを徘徊しながらぱちぱち撮ってみた。

画質設定は、とりあえず600万画素にした。
スーパーCCDハニカムSRは、S画素とR画素の特性の異なる画素を同数備えて、それぞれ1画素ずつ、合わせて2画素使って1画素相当の情報を取り出す。
F700のCCDは、S画素300万・R画素300万を持つ600万画素CCD。
これが通常のベイヤー配列CCDであれば、「じゃあ300万が出力画素数だろう」で済む話なのだけど、ハニカム配列だからまた話が変わる。
ハニカムは画素数の2倍で出力するのが当時のフジフイルムの考えなので、そうすると600万画素で記録するのがベストとなる。

まあ、さっきの等倍切り出しを見ての通りで、ちゃんと600万画素の解像度があるか、というと、やっぱり足りない感じはある。
でも被写体によっては600万でもいいかなと思えるシーンもあったりもする。
ならまあ、一応600万画素にしておくのがいいかな。
(このblogではどうせ200万画素くらいにしちゃうけど)


画素数は選べるけど、JPEGの記録品質は選べなかった。
Exifを見るとNORMALと書いてある。FINEじゃないのが気になるけど、別に低いわけじゃなさそう。

その他の設定はまるっとデフォルト、何でもカメラまかせのオートで撮影。
ただ、測光モードだけは、平均・マルチ・スポットのうち、平均を選んだ。多分デフォルトはマルチ。
以前FinePix 6800Zを使ってみた時、マルチでは中央に偏重してる感じで好みに合わなかったため。私わりと平均的なのが好き。


七道駅海側のふたつの石碑。
左は、江戸初期の砲術家の偉業を称える「放鳥銃低限記」の碑。
右は、近くにあった鉄砲試射場跡地を示す「鉄砲鍛冶射的場跡」の碑

さてスーパーCCDハニカムSRは、広いダイナミックレンジが売り。
で、実際にダイナミックレンジが広いかどうかと画像を見ていても、うーん、どうだろう。正直よくわからない。

そこで、この画像のガンマをぐっと下げてみた。


こうすると、光が反射して真っ白になりかけていた金属の説明板が、白飛びせずに粘っている。
他のカメラでも粘るシチュエーションだったかもしれないけど、とりあえずF700は粘った。

感度の高いS画素と、感度の低いR画素を同時に使うことで広いダイナミックレンジを実現、というからには、「S画素では白飛びしてしまう部分を、R画素が補う」と考えられる。
逆かもしれないけれど、まあ説明見る限りSが主でRが従に見える
とすると、白飛びを抑える作用はあっても、黒つぶれを抑える作用はあんまり期待できないかも。


ともあれ、こういう金属看板をメモ代わりに撮影すると、反射で飛んで読めなくなっていたりしがち。
F700で撮ったのは、明るすぎるようでもガンマを下げればちゃんと読めた。少なくとも看板メモには強そうだ。



大和川を渡ってぶらぶら歩くと、安立町の商店街に。
何度か来たことはあるけれど、ここの東通り商店街には行ってみたことがなかったので行ってみる。

これはガンマを上げると商店街の中も写っている。
しかしハニカムSRは暗部の階調には効果なさそうなので、何でも写るのかも。
ピントが合わず。暗くて無理だったにしても、なぜ遠くじゃなくて近くにピンを置いちゃうんだろう……?
さすがに商店街の向こうは白飛びで、ハニカムSRといえど救えない。
短い東通り商店街の端まで来て、安立町商店街に戻ろうとするとこんなところ。
左手はかつて店舗が入っていたらしい廃墟。右手は住宅。陰と陽。
奥は小さなテナントビルみたいな建物で、暗い中に肉屋さんが営業中。通り抜けると元の商店街。
知らずにずいぶんディープなところを通ってしまった。昭和の残り香……



ところで、花を撮ってみたら見事がっかりな奥ピン。
この後何度か花マクロにチャレンジして、やたらと奥ピンが乱発されて成功例が少ない。
マクロ最短は9cmというからそれなりに寄れるはずなんだけど、どうも手前より奥にあわせがち。液晶もピント確認できるほど大きくも高解像度でもない。
マルチAFじゃなくて、1点指定でやればもう少し歩留まり良くなるのかな……。

阪堺線安立町駅、天王寺方面行きホーム横にいい感じの廃屋が。

とりあえず簡単に撮って回ってみて、まあ、なかなかよく写るな、と。
起動も早いし、使いやすい。

気になったのは、電源スイッチが結構固めのスライドスイッチ。
これは多くの人には不満点になりそう。特に、スライド左でOFF・中央で再生・右で撮影なんだけど、固すぎて再生しようとして撮影までいっちゃいがち。
しかしながら、手袋しながらでも問題なく撮影開始できる。
バイクに乗ったままスナップを撮りたいときに、押しボタンスイッチが押せなくて手袋を外すことが多いんだけど、これならそのままいける。私にとってはメリット。

レンズがワイド端で起動しないことの他にも、わりと細かいところで首を傾げるところはある。
露出補正しても液晶ファインダーに反映されないとか。撮影してポストビューには反映されてるけど、おおまかな確認くらいしたいな。
露出補正の操作も、露出補正ボタンを押しながら十字キー左右で操作。独立ボタンがあるのはいいけど、まさか押しながらとは。
必ずしも押しながらで悪いとはいわないけど、露出ボタンを押してない時に左に入れるとマクロモードで、ズームしてるとワイド端に移動する。つまり操作ミスするとズーミングと構図取りをやり直し。

DISPボタンで画面に分割線を出せるけど、この設定は記憶しないので、電源切ったら分割線なしに戻ってるのも惜しい。
液晶オフも記憶しないから、省エネ利用にも差支えがあるな。

このカメラはある程度大きさに余裕がありそうな筐体なのに、700mAhしかない小さなNP-40を使う。
カタログスペックでさえ明らかにスタミナがないのがわかる(CIPA基準で110枚)。
すると液晶オフは記憶してほしいところ。



それから、あまり色味のないシーンで目立つんだけど、ホワイトバランスが緑に転ぶ気がする。
上の写真なんか結構目立つし、東通り商店街入り口のカットも緑っぽいように思える。

まあ、異常というほどではないかもしれないけど。


載せたカットでは目立ってないけれど、CCDにゴミがついてるみたい。
どうもこのカメラはずいぶんゴミが入りやすいみたいで、私以外でもゴミ入った報告がネットで多数見られた。
レンズが動いたら外気を吸い込むとか、何かゴミを入れやすい造りになってるんだろうな。


実写その二・RAWで国道170号旧道南部


F700は、CCD-RAWでの撮影が可能。
そして嬉しい事に、s7rawというフリーウェアで現像できて、これが高機能。

どうせならRAWで撮ってみようということで、再び実写へ。

とりあえず、特に設定を触らずそのままs7rawで現像したRAWと、RAWのプレビューとして入っていたJPEG画像を見比べてみる。
ちなみにプレビューは1280x960で、Irfanview当たりのビューアに.RAFファイルを食わせると表示してくれる。

大森神社拝殿。

色がぜんぜん違いますがな。

s7rawの方に「Use Old WB」という設定があり、それを有効にしてみると下のような緑っぽいホワイトバランスになった。
そうすると、どこかでFinePixのホワイトバランスのアルゴリズムが変わったのかな。
以前撮ったFinePix 6800Zとか4700Zとかも、下のような色だったような気がしなくもない。F700より一年後のF610だと、下より上の色だったような。

どっちが正しいかとなると、私は上のs7rawの色のほうが正しく思える。
上がマゼンタに転んでるように見える人も居るとは思うけれど。

また、JPEGは若干周囲がトリミングされるようで、RAWの方が写っている範囲が広い。

大森神社は熊取町の山手にある古い神社。
拝殿前には小さめながらも舞台がある。
撫で牛はよくあるけど撫で犬? 安産祈願の子安犬だそう。
台座に十二支も刻まれていて、自分の干支と犬を撫でるとご利益が。
神社全景。わりと広々している。
熊取町から貝塚市へ。

貝塚だとやはり水間寺。
本堂裏側。
お夏清十郎、というと姫路の駆け落ち話がポピュラーだが、こっちのは水間に来た勅使・山名清十郎とそれに給仕した地元の娘さんお夏の身分違いの悲恋話。

旧道を行くと「楠神社」という看板がある。入って行くと、この西葛城神社がある。
元々、ここの豪族松浦氏が楠公を偲んで建てた楠神社があり、明治になって近くの村のお社を合祀したもの。
拝殿前の「駒繋ぎの杉」は枯れてしまっているが、うろの中にお地蔵さんが輪になっていた。
貝塚市から岸和田市へ。

神於山という、和泉山脈の手前にぽつりと離れた山がある。
かつては大伽藍を誇ったという天台宗神於寺は、廃仏毀釈で見る影もなくなってしまった。

FinePixのマルチ測光は中央重点が強すぎて気に入らない……と先に書いたのは、上の神於寺のようなカットで、真ん中に引っ張られて大オーバーになるのが嫌だから。こういうのよく撮るし。
しかしF700の場合、平均測光にすると空や屋根の反射に引っ張られてずいぶんアンダーになる。
あとでマルチ測光に切り替えてみると結果がよくなった。このカメラはマルチのほうが無難か。


RAWで撮って気になるのは、撮影時の制限。
[F]ボタンから入れるFinePix Photo Modeメニューがアクセス不能になる。
そのメニューには、ISO感度・記録画素数・FinePixカラー(スタンダード・クローム・B&W)がある。
画素数固定は当然としても、感度が最低で固定。それはちょっと厳しいものがある。

もっとも、機能制限がヘンなのはRAWに限らない。JPEGでも不思議な制限だらけ。
モードダイヤルで、何でもかんでもオートにしかできないAUTOモードにすると、感度・ストロボがオートにできる。しかし測光モードは選択不可で露出補正も不可。
Pモードにすると、感度が選べるようになるけどオートがなくなる。ストロボオートもなくなって、使うなら強制発光になる。A/S/Mいずれも同じ。
シーンプログラムだと、シーンモードを問わずAEブラケットも露出補正も使えなくなる。
ほとんどすべてのモードにおいて、何らかの機能が制限されてしまう。無制限ですべてができるモードが存在しない。

コンパクトカメラって、Aモードがあっても絞りが二段階だったりするのが多いのに、F700はしっかり絞り羽根を備えてF2.8から8.0まで3段分、1/3段刻みで設定できる。(シャッタースピードが1/1000秒までで、昼間は開放使えないけど)
なのに、意図のよくわからない機能制限に邪魔されるのはなんとも惜しいな。

高感度使いたい時だけJPEGに戻すというのは、RAWの切り替えがメニューの奥の奥にあって非常に面倒。
-2EVまで露出補正して現像で救えば2段増感のISO800相当だから、そのほうが早い。


RAWでは撮影間隔も長くなって、10秒とはいわないまでも、5秒は待つ感じ。
ファイルサイズが13MB程度になり、単純に書き込みに時間がかかるんだと思う。
連写モードボタンも無反応になり、連写もブラケットも使えない。使えてもこれじゃしかたないな。

2GBのカードで、RAWの撮影枚数は157枚と出る。
JPEG 6Mで1360枚、3Mで2558枚。
2GBあればRAWでもいいけど、512MB程度だとなかなか使えなさそう。すぐJPEGと切り替えられるような仕様なら使い分けもできるんだけどなあ。


s7rawで現像して遊ぶ


s7rawで現像すると、ハニカムSRのS画素とR画素を別個に現像したり、比率を変えて混合したりといった処理ができちゃう。
実際に見てみると。

OCATビル屋上庭園にて。
デフォルト設定現像 S:50 / R:50
S画素のみ
R画素のみ

こうして並べてみると、やっぱり主に使われるのはS画素で、R画素はハイライトの白飛び防止のためのものなのがわかる。S画素だけでも画像は成立している。R画素じゃ成立していない。
しかしS画素のみだと、太陽の周りは完全に潰れてしまって、太陽に重なった葉や枝も掻き消えている。そんな極端なところだけでなく、白い花にも飛んでる部分がある。
SR混合の画像だと、太陽まわりもかなり潰れずに生きていて、白い花はより綺麗に写っている。

別にハイライト以外がアンダーになっているわけでもなく、これはよくハニカムSRが活きたカットだと思う。もっとR画素の比率を増やして、空の白飛び面積を減らすこともできる。
まあ、こんな太陽モロ入れなんて無茶は極端な例だとしても、普段はさりげなく画像を白飛びから救ってるんじゃないかな。


プレビュー画像
ちなみに、ネットで「JPEGではS画素しか使われてない」という説をちらっと見かけたんだけど、RAWのプレビューJPEGを見ると、これはS:50/R:50の混合に近い。
通常のJPEG撮影ではわざわざR画素を殺してる、というのも変な話だし、多分ちゃんとR画素も使ってるんじゃないかな。


大阪工芸館の田の神
画像左下、等倍切り出し。

露出補正-2EVで、現像で+2EV増感、をやってみた上がりがこちら。

ハニカムCCDは割と、どんな被写体でもちょっとざらついた感じの写りをする。
偽色が出るようなノイズではないので、コンクリートなんかでは別に違和感も出ない。
2段増感でこの程度だったら、私なら想定内かな。


大阪工芸館屋上の大瓶展示。
この手前のツボは釉薬のヒビがあるけれど、この写真を増感したり明度を上げたりすると、明るい部分でヒビが見えにくくなる。
そこでSR混合比を変えてRを増やすと、またヒビが見やすくなる。
太陽ほど極端なものでなくても、やはりハニカムSRは効果ありそう。


s7rawには、「SR画素混合比」のようなスペシャルなものはもちろん、ホワイトバランスやトーンカーブ、シャープネスなどの一般的なRAW現像でやれることはひと通りやれる。
レンズ補正の機能もあり、さすがにデジタル一眼の純正レンズのようにフルオートで歪曲収差補正までは無理(手動ではできる)とはいえ、「画面全体を走査して倍率色収差を検出して補正する」ところまではやってくれる。

RAW現像を使いこなせれば、F700/F710のポテンシャルをぐっと引き出せそう。





ついでに、RAW関係ないけど、平均測光とマルチ測光の上がりの違いを。
同じようなカットのつもりで結構違ってたけど、まあマルチのほうが無難な仕上がり。
露出補正がファインダーに反映しない仕様だから、無難な方が頼もしい。



バッテリーライフとモバイルバッテリー


二度目になるけど、F700はバッテリーがNP-40で、700mAhそこらの小さいもの。
筐体は大型とは言わないけど小型モデルともいえないサイズなのに、バッテリーだけ超スリムモデルで使うようなやつ。
おかげで、あんまり持たない。


ところで、このカメラは充電器は付属しない。
ACアダプターが付属して、接続すると本体で充電する。
ということは、こういうことができる。

レンズ上の赤いチャージランプが点灯している。
しばらくチャージすると満タンになって消える。

F700のACアダプターは、電圧5V・電流1.5Aのもの。
電圧ならUSBで足りるし、電流も最近の大出力タイプなら出せるものがある。

プラグが問題だけど、これはありふれた汎用の丸ピンで、EIAJ極性統一プラグタイプ2というもの。
同じプラグを使っているのがPSP。おかげでUSB充電ケーブルが簡単に買える。


他にも、手元にあるものではSONY Tablet PとかLifetouchのようなタブレットPCのACアダプターが、同じプラグで同じ電圧、電流も1.5Aや2A程度のものだった。
これらを接続すると、電池を抜いていても撮影できた。

すると、1.5A以上を出力するものなら、モバイルバッテリーで駆動することもできそう。
……と思って上の写真の、2A出力だというモバイルバッテリーを買ってきたのだけど、あいにくこれではちゃんと動作できなかった。
まあケーブルが明らかに細いし、抵抗値とかチェックされて出力下げられてるのかもしれない。


モバイルバッテリーで充電はできるから、この頼りないバッテリーライフを補う役目は果たせる。
充電だけであれば、モバイルバッテリーの出力電流は500mAでも1Aでも大丈夫そう。再生モードもなんとか動くみたい。


EIAJ タイプ2のプラグを使うデジカメは、古いものを中心にかなり多数ある。
同じプラグで2Aくらい出るACアダプターがあると、動作確認などに便利。
稀にある本体充電のカメラ(LUMIX DMC-F7とか)では、同じように充電もできるだろうと思う。



それにしても、F700とはなんとイジるところの多いカメラだろう。
ぶっちゃけJPEG撮って出しだと微妙に物足りん感じで、RAW現像やろうという気にさせる。
カメラ自体にもなんか頼りない部分が多いから、工夫して使って補う必要がある。

こうなると、レンズの状態がまともな個体を探し出したいな……

住吉区など (FinePix F11)

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 2005年に大ヒットしたFinePix F10の後継モデルたるF11。

 新型のスーパーCCDハニカムV HRで、他社製品では設定すらできなかったISO1600の高感度が、十分鑑賞に耐えるほどの高画質で利用できることで大ヒットしたF10に、ソフトウェアを更に改善して出してきたのがF11とあって、こいつはどれほどのもんだろうなと興味津々で試用してきた。




絶滅危惧種の鳥・ポンパ君
マクロだと結構背景はボケる。
マクロで最短5cmまで寄れる。
しかし、AFがどうも奥に合いがちで、カタログほど寄るのが大変な感じ。

ただこの個体、前のF700と同じくまたテレ端だけ妙に甘い。
今回は甘さがカットごとに違うので、AFが怪しい気がする。テレ端で、わりと近めの距離になら合焦するけど、遠景はピントがこないような……。
広角端では特に問題には見えないけど、また何らかのレンズトラブルがありそう。マクロ頼りないのもそのせいかもしれない。


JR阪和線・堺市駅からぶらぶら北に歩いて、大和川を越えて住吉区に入ろう……としてみたけれど、どこから渡るかわからない。
仕方なく、浅香駅からひと駅電車に乗る。

浅香駅ホーム北端から。川岸ギリギリくらいまである。 
テレ端開放をポートレートで使ったとしたら、大体これくらいボケると思う。
どうも、テレ端で遠景にピントを合わせようとしてもダメっぽい。故障か。
駅はテレ端で撮っちゃったカットばっかだ。これは割とまし。

ひと駅移動して杉本町駅へ。

JR阪和線の大阪市内エリアは高架工事が進んで、隣の我孫子町駅まで建て替えられてしまった。
しかし杉本町駅だけは、私が知ってる15年前の姿とあまり変わらない地上駅。

杉本町駅からさらに北へぶらぶら歩いて行く。
このへんは住宅地で、線路沿いなんかには特に何もない。

我孫子駅近くまで来て、我孫子観音に参拝。

看板の案内に沿って来たら裏手から入ってしまった。
どうも比較的オーバー気味で、パっと見華やかな写りになる。
特に、こういうオーバーになって当然なカットになると極端に白飛びが出ちゃう。

観自在楠と名付けられた、室町中期から700年弱くらいの樹齢という楠。
我孫子観音の本堂。
宗派は、観音宗という独立宗派でやっている。
創建は546年と古く、日本最古の観世音菩薩寺院。
明治時代に火災でだいぶやられて、その後復興。寺院の歴史の割には境内に古さはない。
我孫子観音の山門。

この後、自分でもなぜだか忘れたけれど北西に歩いて行ったようで、阪和線を越えて南海高野線の沢ノ町駅近くに来ていた。

すると、止止呂支比賣命神社という神社にばったり。


こんな逆光でこんな写りなら上々ではある。
祭神は素盞鳴尊と稲田姫命。
いつできたかは不明だけど、延喜式には載っている。住吉大社の奥の院とされていた。
境内に清水の湧く「轟池」があって、轟橋が掛かっていたのが名前の由来だそう。
欄間のような感じの、しかしえらく立体的な彫刻が飾ってあった。
クリックすると原寸。ISO1600の等倍切り出し。
縦縞が出るけど偽色は少ないし、2006年あたりの製品としては確かにすごい。
境内摂社の霰松原荒神。
元は延喜式にも載っている天水分豊浦命神社といって、もっと海の方の安立町にあった。
江戸時代の研究者・並河誠所が、延喜式内社の場所を特定する活動をしていた。
わかったところには碑を建てて回っていて、大阪周辺に全部で20箇所あるそう。
後鳥羽天皇が熊野行幸の折に行宮を立てたことがあり、その記念碑もある。

ここからさらに西にぶらぶら歩いて行くと、熊野街道にぶつかったので北上。

ふと東側の路地を見ると、何か木立が見えて、小さな神社でもあるかと近づいてみた。
すると神社じゃなく児童公園の植木で、外れかと思いきや看板と石碑が見える。
一休さんが応仁の乱を避けて京都から堺に来ていて、外れのこのあたりに庵を結んでいたそう。
いつにもまして漫然と歩きまわっていたが、さすがにかなり距離も来ているので、そろそろ帰ろうと住吉大社を回りこんで阪堺線に向かう。

一運寺という古寺。聖徳太子が開いて、伝教大師も立ち寄ったことがあるという。
法然上人も、讃岐に流されるときに一度船が難破して住吉に流れつき、ここに滞在した。
境内には、赤穂浪士の墓がある。
かつて住吉にあった龍海寺に四十七士全員の墓石があった。
しかし龍海寺が廃寺になってから散逸し、一運寺の住職が保護した頃に残っていたのはこの3基のみ。
中央が大石内蔵助、右が大石主税、左が寺坂吉右衛門。
一運寺の近くにある生根神社。
今となっては住吉大社の影に隠れてるけど、式内大社。


さて今回の、FinePix F11。

どうも撮ってて気になるのが、ちょいとオーバー気味にでる露出。
フジフイルムって、製品の想定客層に合わせてばっさり割り切ったようなモノづくりをする節がある。このオーバーな露出は多分、そのほうがウケのよい素人さんを狙ってのものと思う。
FinePix F10は、スペックその他を見る限りフルオートのファミリーカメラだったから、この画質も狙い通りなんだろう。F11もそれを踏襲しているだけ。

上の写真を見ても、華やかに明るい。コントラストも強め。
全体的にオーバーなところ、「こういうカットならオーバーになるだろうな」という時は、さらに大オーバーになっている。

ただ、F10はもうフルオートカメラなんだからそれでいいけど、F11は、絞り優先・シャッター優先を備えて画作りを考えて撮影できそうな気がするカメラだ。
そういうこと考えるタイプのユーザーには、このオーバー露出はちょっと気になる。


じゃあ露出補正使いたいのだけど、まさかのメニューの中。
メニュー出して下2回、右1回で補正に入り、そこから上下で露出をずらす。めんどくさい。とても頻繁に使えるインターフェースとはいえない。
露出補正をこまめに使えないようなカメラは、画作り考えるようなユーザーには適当でない。

AEブラケットがあればいいのに、ない。

どうもちぐはぐというか、「フルオートカメラに、取ってつけたように絞り優先・シャッター優先オートをただ足した」という感じがありありと。


他にも、フジ伝統の「何も設定できない完全オートのオートモード」と「露出補正やホワイトバランスが触れるマニュアルモード」という区分けに、取ってつけたようにAモード・Sモードを足している。
すると、普通のカメラ言語なら「プログラムオート」とか「Pモード」であるべきところに「M マニュアル」という異様な表現になっている。絞り・シャッター手動の、普通にいうMモードはない。
さすがにこれは、カメラメーカーとして疑問持たなきゃいけないとこじゃないかな……

また、A・SモードではISOオートが使えず手動設定になる。
そうすると、「動くものを止めて写したい」と思ってシャッター優先にして、1/1000秒に設定していざ撮ろうとすると露出が足りない、Fメニューから感度出して上げて……と、不便。

まあ、ほんとにじっくり撮るなら、Aモードにして絞りを決めて露出を確認、アンダー・オーバーになるならメニューを掘って露出補正、さらに手ブレが気になるならFメニューを掘って感度を上げて、と、できることはできる。
しかし、どうにも操作が煩雑でたまらない。
ここまで煩雑だったら、Mモードのほうがいっそ操作が簡潔になりそうなくらいだ。でもMなし。


すごく正直にいって、使って不満ばっか出てくるような操作性のカメラだった。
多分、最初からフルオートだけとわかってるF10を触ったんだったら、高感度画質の良さだけに目が行って、こりゃ良かったと思ってたんだろうなあ。
この中途半端なマニュアル撮影ができるF11の方を触っちゃったから、とっ散らかった操作性が気になって気になって。こんなん、絞り優先オートを求めるような客が許すはずがないぞ。


まあ、オートで撮るなら良い出来。
今時の完成されたデジカメと比べても、画素数以外は特に遜色がない。
起動も早いし、ボディの厚みがちょっと今時よりは大きいけど十分コンパクト。その分電池がバカでかいから、バッテリーライフも安心。液晶も大きくてきれい。
安い機種ではないこともあり、筐体もかっちりしている。

高感度画質だけでいえば、今でもローエンドモデルだとISO1600で比べたら負けるかも。
これだけソツのないカメラに、この高感度画質があれば、そりゃ評価高くなろうと思う。


映画「ディス/コネクト」

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*ある程度ネタバレあります。




 私は、映画館から出てきたら大抵は「面白かったー」といってる幸せ者。
 けっこう物語に好き嫌いがある方だと思うし、マンガや小説やアニメなんかだと嫌う作品も実際多いんだけど、映画だと不思議に嫌いな作品に当たらない。

 なんでだろう、といえば、まあ映画だと十分好みと思われる作品でないとチケット買わないから、というのはもちろんある。
 それに加えて、「こういう作品ならこういう内容でないと嫌だ」というような、こだわりを持って映画に臨むことが少ないからだと思う。
 前に観た「アクト・オブ・キリング」はもう大傑作だったけれど、こんなテーマの作品が相手だと、予断のしようがなかった。
 その前の「ラッシュ/友情とプライド」も、「ラウダはこうでないと許せない」とかそういうのはない。まあラウダの時代を観てる年齢じゃないんだけど。
 アクション映画でもハリウッド風大破壊映画でも、大体なんでも、特に「こうあってほしい」という予断は持たない。

 まあ、たまに予断を持ってしまう場合もあって、そういうときには期待はずれと思えてしまうこともなくはない。
 「隣の家の少女」は原作ファンだったから、映画は主人公が半端に改変されて、原作小説の持つおぞましさを大きくスポイルしていたのが正直物足りなかった。
 「ぼっちゃん」に至っては、秋葉原通り魔事件の犯人をテーマにしていながら、彼と向き合うことから逃げていて、単に凶悪犯を客寄せにしただけの筋の悪い作品としか見えなかった。

 そして「ディス/コネクト」はというと、これは予断を持って観た側の作品だった。
 まあ、ネットをテーマにした映画となれば、もう人生の半分、15年以上をネットと共に過ごしてる私が、予断持たないわけにもいかない。
 持った上でこの映画は、テーマにしっかり向き合ってる良い作品だと思えた。



 映画のストーリーは、大きく三つの話がからみ合って進む。
 子供同士のSNS経由での悪質な嫌がらせのせいで、少年が自殺未遂に追い込まれる話。
 チャット経由で知り合った人からクレジットカードや銀行口座の情報を抜かれて、全財産を失う夫婦の話。
 ポルノ系のライブチャットに出て暮らしている少年と、それを見つけてドキュメンタリー番組を作ろうとするレポーターの話。

 舞台はアメリカだけど、日本でもある話ばっかり。
 さすがに児童ポルノの被害者は知り合いにはいないけれど、時々捕まる奴のニュースを聞いて、そういうのがあることは知れる。
 全財産を奪われるほどの酷い犯罪被害者はやはり知り合いにはいないけれど、程度問題に過ぎない。企業が個人情報を流出させたことなら私もやられたことがあるし、あるいは下手なことしてウィルスやら不正アプリやらを踏む知り合いは数知れず、まさかあの人がという人もやってるから、私もそのうちやらかすかもしれない。
 ネットでのいじめ・嫌がらせなんてもう、たまたま自殺に至らないだけで、そこらじゅうでやってる。自分がなにしてるかわかってるんだかどうだか、喜んで加害者やってる奴が身近に現れてしまったりもする。あんまり酷いと縁切るけれど、自分だって過去に遡ればいろいろあるだろうしなあ。

 もしこの映画を観て、「そうかネットというのは怖いものなんだなあ、気をつけないと」というような感想を持てる人は、まあ幸せな人。
 ネットが悪用されて、人の生活を破滅に追い込むこともあるということを、知らない、あるいは自分とはあまり関係ない遠い話だと思ってるからそういう感想なんであって、それはそのまま、そして今後も被害に遭わずにいられるならその方がいい。

 悲しいことに、こんな嫌な話が今日日のネットにはゴロゴロしてることをよく知ってしまっている私たちにとっては、この映画はどうなのか。
 「ネットではこういうことがざらにある」ということを知っているんだから、もちろんリアルに思える。
 酷い目に遭った人たちのその後の行動、あるいは加害者の方の事情の描かれ方も、劇的ではあれ嘘くさくはない。特にネットいじめの加害者側が、悪ふざけが行き過ぎていく過程といい、行き過ぎてしまってからの行動といい。
 まあ、ちょっと技術的にそれは無理があるんじゃないか、と思えるような部分がないわけじゃないんだけど、それは枝葉末節。

 もちろん、リアルだからそれでいい、ということでもない。
 ただ単に「ネットっていうのはこんなに危険で怖くて嫌な世界なんですよ」というだけの話だったら、「そんなことわかっとるわ」と思うだけで、そう大して面白くもない。
 ネットで酷い目に遭ったけどどうにか切り抜け、今まで見失っていたものも取り戻してハッピーエンド、というような話だったら、まあ文句はいわないけど、「普通に面白い」くらいの感想になる。
 あるいは何もかも手遅れで、事件の被害を取り戻すこともできず、悲惨な現実だけが残る……という話でも、まあリアルだと言い出したらそれがリアルだろうけど、映画としてはなあ。

 この映画は、「物語の結末をぼかして想像に任せる」というより、さらにその数歩手前くらいに思えるところで、スクリーンで語る話を打ち切ってしまう。
 事件はまだ解決していない、問題も解消していない、受けた損害は回復されていないし傷も癒えていない、家族の絆は取り戻せたのかもまだわからない。
 でも、その後にもまだ物語はあるはず。
 「これから最悪の事態には至らず、不運を切り抜けてハッピーエンドに向かう」と考えることも、「結局最悪の事態に至って、誰もかもが破滅してしまう」と考えることもできる、それだけの材料だけを提示したところで、スクリーンにはスタッフロールが流れる。


 ところで、私も「今のネットならこんな酷いことはいくらでも起こる」という現実を知ってしまっている。
 いろいろ便利なサービスが整備されて、何をするにもすぐ簡単にやりたいことができるようになったけど、いきなり悪意を人に向けることすらすぐ簡単にやれてしまうようにもなった。
 床下一枚下には誰のとも知れない悪意が渦巻いていて、時に噴出して不用意な人が飲み込まれるのをしょっちゅう見せられる。
 ああはならないようにしないと、と気をつけて、下手に他人を刺激せず静かにニコニコ過ごしていなくちゃいけない。
 床下に悪意を吹き込んでる奴も誰か居るはずなんだけど、そういう奴らはこそこそやっていてすぐには見えない。こそこそやる方法も充実してるから。誰がやってるんだろう。案外身近な友人や家族かもしれない。

 こんなもんに関わらないほうがいいんじゃないか、とは思う。
 しかし、今日日ネットなしではあんまりにも不便だ。今更手放すのも難しい。
 どうしても付き合っていかなくちゃいけない。


 「ディス/コネクト」の語られない結末を、ハッピーエンドと信じるか、バッドエンドだろうと思ってしまうか。
 映画自体の中にはその答えはない。
 そうすると、結末は私自身の中から出てくる。
 ネットは酷いものだけど、それでも人にとって何か意味のあるものであってほしいなら、ハッピーエンドを願う。もうネットに失望と諦めが強いなら、バッドエンドが思い浮かぶ。

 映画を通して、自分のネットへの目線を再確認させられる。
 月並みな感想文に「考えさせられる作品でした」なんてフレーズがあるけれど、この映画はまさしくそれだった。もう少し正しく言えば、「何を考えているを見せてくれる作品」か。

 私にとっては、見る前に持っていた予断を大きく上回って面白い、素晴らしい作品だった。

 まあ、しょっちゅうザッピングしながら複数の話が平行する、ちょっと油断するとわからなくなりそうな構成で、私も外国人の顔の区別が怪しいからかなり頑張って観てたし、わかりやすくはない。
 多分、ある程度ネット漬けになっているか、なったことがなければあまりピンと来ない話だろうから、客を選ぶ。
 でも、この映画に選ばれるべき客なら、観に行く価値は大いにあると思う。

大阪各所 (Cybershot U10)

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前から欲しかったCybershot Uシリーズだけれど、どうにもこうにも動作品が手に入りにくい。

2002年の発売当時、「超薄型」の初代Exilimと、「超小型」のCybershot U10と、互いに小さく軽く身につけやすいのが売りで向こうを張り合っていた。
重さもどちらも80g台後半。(装備重量はニッケル水素電池が入るとCybershot Uが重い気がする)
カード型のExilimに対して、Cybershot Uは直方体で、厚みがある分だけ高さがうんと低く、幅もやや狭い。
多分Exilimは胸ポケットに入れて、Cybershot Uはペンダントみたいに首にかけて、しっくりくるものなんだろうと思う。

で、Exilimはよく売れて、結構ジャンクワゴンにも転がっている。
一方、Cybershot Uは、なかなか滅多に見かけない。
理由ははっきりわからないが、Uシリーズ全機種が例の不良CCD問題にぶち当たっているので、早逝した個体が多いのは一因だろう。
ベーシックなU10~30はまだしも見かけなくもないが、世界最小のスイバル機であろうU50とか、縦持ち水中カメラのU60とか、リチウムイオン電池に変えて目一杯小さくなったU40とか、特徴的な機種は全然見ない。稀に出てもすぐ売れちゃうだろうし。




ともあれ、なんとか入手できた。
珍しく短い期間にU20、U30、U10と続けて手に入ったのだけど、U20は、シャッター不良で一部ケラレが出て、CCDも死にかけで発色がおかしい。
U30はCCDが死んでてダメで、結局最後のU10だけがOK。
やっぱり生存率低いわ……

道頓堀を掘った安井道頓の碑。堺筋沿いにある。
どこにあったんだっけ。多分地下鉄長堀橋駅近くと思うけれど。
壁を昇るボートに敬意を表して写真は横倒しで。大阪産業創造館ビル。
大阪産業創造館にある、「大阪企業家ミュージアム」に立ち寄ってきた。
松下幸之助、安藤百福、小林一三など、大阪で立身した企業家について紹介しまくる博物館。
ほとんどパネルと資料の展示なんだけど、日本を近代化させた偉人の情報がこれでもかと盛り込まれているので、じっくり見るとかなり時間がかかる。偉人伝好きにはおすすめ。

大正時代あたりには大阪は日本一の大都市で、そんな時代だから現在「歴史ある大企業」が多く大阪にルーツを持つのもまあ当然ではある。
逆にいえば、現代の大阪が凋落してんだよなー、とは思うものの、現在の大阪企業の独自技術を紹介するコーナーもあったりして、なかなか面白いものも展示されている。

意外と、昔のCybershotは発色が地味で大人しい。むしろLUMIXの方が派手。
で、昔のCybershotは割と逆光耐性がないのが多いような……
つまり、曇った日のこんな構図はかなり苦手。
道修町の神農さん・少彦名神社。
ピント外してるように見えるが、手ブレかもしれない。
1/60秒だけど、どうしても雑なホールディングで片手撮りとかしちゃうし。
パンフォーカスのExilimと違って、10cmまで寄れる。
特にマクロモードへの切り替えはなく、そのままで10cmまで。
ちょいプラス補正すべき被写体だけど、露出補正がない。
さらにいえばホワイトバランスも設定できない。
ほとんど何も設定できない、ただボタンを押すだけのカメラ。
感度はわりと遠慮無く増感する。しきい値は1/30秒のようだ。
これがISO320。別に画質悪くなってる感じなし。
新今宮駅の南海そば。
南海そば名物の箸タワーはここではディスプレイで、使う箸は洗えるやつ。
森ノ宮。
この後、近くの労働基準監督署に行った。
大阪城公園の車止め。ボケを使うのはこの程度が精一杯。
何年ぶりで入った大阪城。中身ずいぶん綺麗にしちゃってた。

晴れた日にはもうちょっとよく写るカメラらしいのだけど、どうも私がこれ持ってる日は曇りか雨ばっかりだった。
上でも触れてるけど、案外地味な色と、逆光ですぐコントラストが下がるレンズで、雨にはかなり弱い方だと思う。

パンフォーカスのExilimと違って、AFだから寄れるのが嬉しい。
一方で、どうもピント外してるようなカットも結構あり。
サイバーショット恒例のプリセットフォーカスがあって、0.2, 0.5, 1.0, 無限遠に固定できるので、それを活用してもいいかもしれない。このセンサーサイズなら1.0mでだいたい遠景撮れると思うし。
ホワイトバランスも露出補正も触れないのに、ピントは触れるとは不思議なカメラだけど。

センサーは1/2.7型130万画素、レンズは換算33mmF2.8の単焦点。
AFレンズだけど沈胴・繰り出しなんかはないので、起動は概ね速やか。
……といいたいところなのだけど、メモリースティックの容量が128MBだと、起動後にアクセスして3秒ほど待たされ、どうにもこうにもスピーディーに撮影できない。
手元に16MBがあったので、それを使えばすみやかに立ち上がるんだけど、これだと表示で撮影枚数45枚とかいわれて寂しい。今回は61枚撮れたけど……
画像サイズはだいたい250KB前後で、±50KBにほとんど収まる。

バッテリー持ちは、単4電池2本という厳しさの割にはなかなか頑張る感じ。
いつ充電したとも知れないeneloopを2本で、1ヶ月以上のスパンでかばんに入れたまま、たまに使うという撮り方で、一応インジケーターが半分を表示した程度だった。
発売当時の2002年にeneloopは存在しなかったんだけど、当時存在してたら素晴らしく運用しやすかっただろうなあ。

操作性は……というか、操作をほとんどできないから、スイッチ入れて撮影するだけ。
スイッチは大きくかつなめらかなスライドバリアで、スムーズに操作できる。
数あるスライドバリアスイッチ機の中でも、特になめらかで気持ちいい感触。これU30になると閉じ側に軽くノッチがついてるので、若干感触が悪くなってる。
別途POWERボタンがあって困惑するけど、これは再生モードで起動するときのためのものと思う。モード切り替えは、再生・撮影・動画のスライドスイッチ。

背面には、上下のみのキーに、左にMENU・右にEXECボタン。
メニューが上下キーのみで使う形に整理されていたりして、見た感じとは一致する操作系になっている。操作なんかほとんどしないが。

液晶モニターは1インチの極小のもの。今やイメージセンサーの方がこれより大きいのがあるぞ……。
解像度も低いので、おおまかな構図の確認くらいしかできない。
もしかしたら、光学ファインダー覗きこむつもりで目に近づけるという手があるかもしれないけど。
明るい場所では、バックライトのみオフにして使うこともできる。

なんかプラスチックっぽい見た目だけど、これちゃんとアルミ外装らしい。塗装のせいでプラっぽいようだ。
ただ、シルキープラチナシルバーなる色で、光が当たると微妙に薄桃色に見えたりする、密かに凝った塗装。

USBが素直なmini-Bコネクターなので、メモリースティックリーダーがなくても気安く使える。
電池を充電したり、電池なしでUSB給電で撮影したりは不可。


まあ、携帯にカメラがついちゃってから居所のなくなった商品カテゴリーだけど、でも私からすれば、いちいちカメラアプリ立ち上げて携帯で撮るくらいなら、こういうの持ってるほうがいいな。
どうしたって「いい写真を撮ろう」と思うようなもんじゃないけど、適当にかばんに放り込んでおくと、適宜必要なときにさっと使える。

電子ブックリーダー使用レポート

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最近、電子ブックリーダーの旧機種が投げ売りされているので、買いたくなる人もいるかと思う。
私はかれこれ3年半に渡って、主力機だけで3機種4台使ってきたので、その間に得た知見をここにメモしておく。


電子ペーパーについて

電子書籍リーダーには、普通にカラー液晶を使ったものと、E Inkとか電子ペーパーとかいわれるモノクロのパネルを使ったものがある。

「本を読む」ということをちゃんとしたいのなら、液晶ではなく電子ペーパー推奨。
読書家が、「読もうと思ったら電池切れ」なんて許容できるわけがないけど、電子ペーパーならほぼ電池切れは発生しない。バッテリーライフのスパンが日や週じゃなくて月に届く。

また、発光していないから見た目がかなり紙に近く、目が疲れにくい。
暗いと見えないが、紙が読める明かりがあれば読める。

電子ペーパー機は軽い機種が多いので、片手持ちで読むのも楽。
紙と違って大量に持ち歩いても重さが変わらないのも大きい。

また、「軽い」「電池持つ」「疲れない」という特性はもうかなり前から完成しているので、端末がモデルチェンジしてもそれほど大きな性能・機能差がない。
だから、投げ売りの旧機種でも不足は感じにくいと思う。不足なら新機種にしても解決しない。


短所として、モノクロかつ応答時間が非常に長いので、動画はおろかブラウジングすら苦しい。
WiFiとブラウザがある機種は多いけど、結局読書以外のことには使うのが困難。やっぱり読書しない、となるともう他に使い道なし。

また、大判の電子ブックを拡大&スクロールで見る、というのも辛い。
雑誌とか読むなら、10型くらいのAndroidタブレットでも調達する方がいい。

各ストアについて

電子ブックストアもいろいろあるが、2014年に至って、ここまで売れ行きに差がついてるそうな。
特にKindleユーザーにだけ売れる本とは思えないので、利用者の差がそれくらいあるんだろうなあ。

KoboにせよReaderにせよ、ストアが潰れる事態は十分ありえる。
特に北米のReader Storeは撤退したので、日本も時間の問題かも。

自炊するならストアなんてなくてもいいけど、自炊しないで使い続けるならKindleにせざるを得ない。

Reader Store

2年以上利用しているけど、別にラインナップが壊滅的に悪いとか、そういうことはない。
今でもちゃんと新刊は追加され続けている。「新着リスト」のページがあって、それに週一で目を通せる程度の数ではあるんだけど。
ただ、紙とほぼ同時に発売するようなものは少ない。
また、講談社学術文庫とかちくま学芸文庫とか、そういう方面のレーベルはだいぶ弱い。読書の方向性にもよるだろうけど、読書家の要求を満たしきれないかも。

最大の難点は、買った本をPCで見る手段がないこと。
Android用のアプリが出てるので、スマホやタブレットは可。PlayStation Vitaでも行けるが、これは書籍の側が対応しないといけないので、何でもいけるわけではない。
……と思ってたら、近々PCで読むのにも対応するようだ。

割引も時々あって、ポイントバック増量とか、続き物の1巻だけ期間限定で無料とか、そういうのが多い。

Rakuten Koboストア

端末を買って間がないので、Koboのストアはまだ使い込んでないからほぼ第一印象。

聞いた話だと、かなり割引が激しいとか。
とりあえず、購入・登録翌日に1冊無料クーポンが来た。まあ1冊めサービスはReaderにもあった気がするから、とりあえずこれは標準的なところか。

その無料クーポンを使うべくアクセスしたのだけど、なんかカテゴリー分けが無茶苦茶。
「『資本論』を読む」という本が語学学習カテゴリーで、その語学学習カテゴリーのその他サブカテゴリーに、ディズニー本からブルーバックスからスピリチュアル本から何でも入っている。
「科学・医学・技術」というカテゴリーがあるのに、そこにブルーバックスじゃなくてスピリチュアル本とかエセ科学健康本とかが入っている。

また、「紙をスキャンしただけのものだから、文字サイズ変更とか辞書引いたりとかできません」と書いてある書籍も、ブルーバックスに多数あった。
この手抜きをされると、Kobo Touchじゃもう事実上読むのが無理に近い。文字が小さくなりすぎる。
そういえばReaderでブルーバックスを買った時もそんなのがあったけど、講談社がそうしてるのだろうか。

書籍管理ソフトウェアについて

KoboにせよReaderにせよ、書籍の購入は、WiFiから端末側で直接行うか、ネットに繋がったPCで購入して専用のソフトウェアで転送するか、どちらかになる。

Readerの転送ソフト「eBook Transfer for Reader」が、どうも結構ポンコツ。
  • フォルダにあるPDFファイルをeBook Transfer経由でReaderに移動しようとして、何らかの理由で失敗すると、移動できていないのに移動元ファイルが削除される。ゴミ箱に入ってるからまだしも、いささか非常識な動作。
  • 先に転送先の本体またはSDカードを一度開いてファイルリストを読み込ませておかないと、転送失敗になるみたい。
  • たまに、eBook TransferのタスクがCPUを1コア使いきった状態でハングアップしていることがある。多分ネットワーク回線が切れた時に起こってると思う。ノートPCを外で使ってる時に起こると、バッテリーがどんどん食われる。気付いても正規の対処法があるでもなく、タスクマネージャーで殺すしかない。
  • Reader端末側には「ダウンロードした本をSDカードに保存する」という設定があるが、おそらくReader自体でWiFi経由でストアに行って購入する場合のみ有効。PCで書籍を購入してeBook Transfer経由でReaderに落とすと、無視して本体側に行く。コミックを多めに行くと本体メモリーは案外すぐ埋まるので、結構困る。
と、かなり非常識な動作が見られる。
転送とファームウェアアップデートくらいしか機能がないシンプルなもののはずなのに、どうも色々変なところがある。

「Reader Storeからの購入は本体で直接やる」「自炊本はエクスプローラーで直接コピーする」という運用でeBook Transferを使わないこともできる。
ただ、Reader Storeを使うのはPCの方がはるかに使いやすい。
自炊のみで使うなら、eBook Transferは切ってしまうのがいいと思う。ファームウェアアップデートは単独のアップデーターも配布されてるので。


端末メモ

故障するまで使ったものは、どんな状態で故障したかも記載する。
1年ちょっとで壊れるケースが多いけど、私はもう毎日使わない日はなく使用時間も長く、いちいちケースをつけたりとかもせず、しばしば風呂に持ち込んだり、時には落としたりと、かなり酷使している。
一応、E Ink端末の本体は軽量なので、落下一発で即死したようなケースはない。その点ではスマホなんかより強いと思う。落下以外にはあまり強くなさそうでもあるけれど。

amazon Kindle 3

2010年12月、北米amazonから購入。2012年5月ごろに壊れるまで使用。
使っているうちに内部でネジが脱落し、それがショートしてハングアップする事態が発生。
筐体の隙間に細いものを突っ込むと隙間を作れてしまうので、そこからネジを落とし出して対処。
しかし異常動作が出始め、だましだまし使い続けたら突然、E Ink画面の更新が一切行えなくなって処置なしの状態に。

  • ページ送りボタンが本体左右にあり。
  • 物理フルキーボードつきで、ストアに直接アクセスしたりすると便利。
  • 内蔵メモリがReaderより多く4GB、ユーザー空間3GB。
  • 入っているMP3ファイルを順に再生するだけのシンプルさながら、音楽再生アリ。
  • メッキとか塗装金属パーツとかがないフル樹脂なので、見た目が劣化しにくかった。

×

  • 筐体がプラスチックで剛性が低く、ちょっとひねるとよじれる。ジーンズのポケットに突っ込んで座ったりすると、筐体が開くべきでないところから開いたりする。ネジが落ちたのも最終的に壊れたのも、剛性不足が原因なような。
  • ページ送りボタンが側面ではなく前面から押す形で、手が大きくないと使いにくいかも。私は、「6インチタブレットを片手でわしづかみ」をごく自然にやってしまう手のサイズなので、私が平気でも参考にならん。
  • WiFi周りが変な感じで、なぜか設定がうまく行かずつながらないこと多々。
  • microSDカード入れられない。
  • そもそもこれの旧機種を安く買える機会あるだろうか。

SONY Reader PRS-T1

2012年5月、ソニーストア直販で購入。これは1年半ほど使って壊れなかったが、友人に譲った。
バッグに入れていたら何か画面に硬いものを強く押し付けてしまったのか、常時黒にしかならない大きな点がついてしまっていた。
また、ボタン類の銀メッキが剥げてきていた。

  • 後のモデルより元値が高いだけあって、筐体がかっちりしている。使い方は変えてないのにこれは壊れなかったから、やはり他のものよりタフだと思われる。
  • ボタンのメッキが剥げたといっても、1年近く使ってからのこと。私はKindle 3からの習慣で、タッチじゃなくボタンでページ送りをしていたから、何万回と押されていた。十分タフなメッキと思う。
  • 音楽再生機能ありで、プレイヤーがAndroidのあれ。Kindle 3のあまりにもオマケすぎる機能よりはまとも。
  • microSDカードを挿せるので、大量の漫画を一気に持ち歩いたりも可能。
  • 2011年のモデルとしてはページの書き換えが速い。
  • プロテクター入りポーチとかスタイラスも付属していて、後継機より豪華。後継機やPRS-350はUSBケーブルだけ。

×

  • 2万円で買う→2ヶ月後にKobo Touch発売7980円→対抗して14800円に値引き→さらに2ヶ月後にPRS-T2発売9980円という私の間の悪さ。
  • ページ送りボタンの位置が正面下部で、片手持ちしてボタンを押すにはどう持てばいいかわからない。いや、私のでかい手なら、わしづかみにして親指が届くけれども……
  • スリープしたら音楽再生が止まるまさかの仕様。読んでいる間のBGMにはなっても、音楽プレイヤーの代わりにはならない。
  • どうも全般的に動作がもっさりしたところがあり、たまに悩んで数秒無反応になるようなことも。AndroidベースのReaderは全部そう。
  • ボタンのメッキがはげるとカッコ悪い。引っかき傷とかついたらそこから広がるから注意。
  • PRS-T3Sの768x1024画面を見てからだと、600x800の画面ではやや荒い。ストアで購入したコミックは特に、リサンプルのせいもあってか、ジャギーが目立つ場合あり。
  • 2011年時点でKoboよりページ書き換えが早かったが、後に出たKobo(多分glo)がずいぶん高速化していて驚いたことが。
  • 別にT1に限ったことじゃないけれど、読む本を選ぶ本棚ページのインターフェースがあんまり良くなくて、大量の本が入ってると選ぶのが大変すぎる。一覧性も選択性も悪い。せいぜい50冊くらいにしないと……
  • プロテクターポーチ、寸法が本当にギリギリだから出し入れしづらくって使えない。

SONY Reader PRS-350

2013年11月ごろ、1980円で投げ売りしてたのを購入。
しかし大して使わないうちに水没事故を起こした。

  • この世代はAndroidベースじゃないのだけど、少なくとも操作への反応は後のAndroidモデルより機敏だった印象。
  • 一回り小さい5型の画面も、解像度は600x800でPRS-T1と同じだし、漫画以外ではそれほど苦にならない。むしろ持ちやすいか。
  • 本体にスタイラスペンを内蔵できる。手書きメモとかで嬉しい。
  • 古いから心配したページ書き換え速度も、T1よりは遅いが不便なほどとは思わなかった。
  • これも廉価モデルとはいえ元値が高いので、筐体はしっかりしている。見た目もなかなか洒落ているように思えた。

×

  • eBook Transfer for Readerで認識させると、中にある書籍の確認がやけに遅かった。
  • 漫画を読むときには、ちょっと画面が小さくて見づらい。
  • ボタンの位置が悪いのも同じ。
  • WiFiがないのでブラウザなども当然なく、PCから本を転送してそれを読む以外には使えない。
  • メモリーカードも入らない。

SONY Reader PRS-T3S

2013年12月に、PRS-T1の画面を傷つけてしまったのが気になって、ソニーストア直販で購入。
新品買うなら実売価格に大差ないし、3年ワイド保証がキャンペーンでついたので。
ワイド保証だと、水没や落下などの故障も対象になる。使用頻度高いほど起こってしまう事故だから、付けておいたほうがいいと思う。

修理について

2013年4月ごろから不調に陥って、6月に耐えかねて修理に。
出先で読むに耐えないほど不調が悪化し、たまたま梅田近くを通っていたから本体ひとつ持ってソニーストアの窓口に行った。
今保証書持ってないけど直販で買ったものだし、保証情報を確認できるかと聞いてみたら、シリアルナンバーから可とのこと。
そもそもPRS-T3Sは3年保証だったから、まだ保証切れの個体は存在しないんだけど、私のはワイド保証に入っていることも見てくれた。

それからワイド保証なら消耗品以外だいたい何でも大丈夫、といった説明を受けて、データは消えても良いという確認書にサインして、その場で預けてきた。
10日くらいは見込んでほしい、症状確認できなかったら連絡するかも、といった話もあったが、実際は二日で確認され、新品交換で対応となった。

修理に出す時気づいたが、本体裏面側カドに大きなアタリがあったから、多分どこかぶつけるか落としたかしたかも。
手元での症状は、電源が不規則にON/OFFしたり、フリーズしてOSから再起動の頻発。
ソニー側で確認した症状は、ホームボタンに反応しないことがある、処理待ちの頻発、PC接続時すぐに切断される、などとあった。
特に打撃が原因というような話はなく、通常保証の対象かワイド保証の対象かも不明。

サービスの対応は上の通りで、まったく良かった。
ただ一点だけ、交換対応だから本体のシリアルナンバーが変わってるんだけど、Reader Storeでのアカウントと旧本体との機器認証が解除されずに残ってしまった。
自分では認証解除できず、結局サポートに連絡し、認証IDを伝えて解除してくれと依頼する必要があった。これだけは修理時にやっておいてほしかったな。

  • 画面が高解像度化されている。初めて見た時は大差なく思えたけど、たまに旧機種を触るとずいぶん荒く見える。
  • PRS-T2から導入されていたEvernote連携、使うと便利らしい。私は使ってないけど。
  • WiFiあり、microSD対応。
  • 大差ではないけどT1より小型軽量になっていて、久しぶりにT1を持つと枠が大きく感じる。
  • T1についてたプロテクターポーチを流用すると、やや小型化しているおかげで使いやすい。

×

  • どうもT1に比べるとヤワな筐体になった印象。値段が半分になってるとはいえ。
  • 少なくともボタン類のメッキはやたらと弱くて、3ヶ月と使わないうちにハゲた。
  • ボタンの形が<とか>とかなのは、ちょっと指が痛い。位置が悪いのも変わらずで、場所的に爪を引っ掛けるみたいに押してしまい、そしてますますメッキが剥げる。
  • Androidがどうも鈍いのは同じ。本棚のページ送りとか、もうすこし早くならんものか。
  • PRS-T1にあった音楽再生機能はカットされた。(T2にもない)
  • 画面以外はPRS-T2から大きな向上がない。そもそもT2がT1に比べて機能を削ったもので、T2のマイナーチェンジがT3。機能・性能・品質とも一番力が入ってたのはT1じゃないかな。

Kobo Touch

2014年6月に、1480円と投げ売りだったから買ってみた。
ちょうどPRS-T3Sの修理中で、自炊を読めるE Ink端末ならなんでもいいから予備機がほしい、と思って。
まだあんまり使ってないので少しだけ。

  • 内蔵ソフトウェアに、例えば一晩中読書してたら解除されるとか、Xbox 360の「実績」みたいな機能がある。些細な事だけど遊び心が嬉しい。
  • 自炊を表示する時、パネルの600x800ピクセルをフルに使って表示できる。ChainLPで.cbz形式を使うとそうなる。
    他の機種だと、ページ数とか情報表示のために画面の一部が予約されて、そして表示域が小さくなりがち。些細だけど大きなアドバンテージ。
    なお、PDFだとKoboもページ数表示で下50ピクセル分予約される。
  • ページ書き換えは、かつて店頭展示を見た時は酷く遅く感じたが、ファームウェアアップデートか何かである程度高速化されたようだ。
  • WiFi, microSDスロットあり。

×

  • Readerより重い。
  • カバーのないmicroSDスロットが本体側面に口を開けている。
  • USBコネクターがなぜか裏返し。
  • ページ送りボタンなし。タッチによるページ送りも、画面右側・左側をタップするか、左右へのスワイプどちらでも行えるようになってるせいで、誤認識されて逆に行くことがある。
  • やり方によるかもしれないが、.cbz形式の自炊ファイルは横書き扱いで読み込まれ、ページ送りが感覚と逆になってしまう。
  • ストアから買うと違うかもしれないが、自炊本はなんだか表示品質が悪い。少なくとも、カラー画像から16階調グレースケールに落とす処理は確実に悪くて、マンガのカラーページとかがダメ。

SHARP GALAPAGOS EB-W51GJ

2013年に8000円くらいで売ってたので、Androidタブレット欲しかったので購入。
これは液晶端末で、E Inkではない。

  • アップデートでAndroid化できるので、本を読まなくなっても大丈夫。
  • アプリを入れればReaderでもKindleでも好きなストアの本が読める。もちろんカラーだから、ReaderやPaperwhiteでは見られないカラー書籍もOK。E Ink主力の電子ブックユーザーでも、カラー対応のAndroid端末はひとつ欲しい。
  • 今は異常にでかいスマホがあるが、当時は片手で読書ができる6型前後のAndroid端末はあまり多くはなかったはず。

×

  • いかなSHARPといえど液晶でじっくり本を読むのは辛い。Readerアプリからカラー版ToLoveるダークネスをネタで買って笑って終わってしまった。
  • まあAndroid 2.3じゃ古くさいので、いまさら探して買うようなものではない。
  • 私だけの話だけど、そもそもAndroidのGoogleアカウント認証で躓き、さらにタッチパネルがいかに思ったことをちゃんと実行しないかを痛感させられ、スマホなんて買わないと決心させてくれた。
  • Readerよりは重い。電池切れる。

まあ、現在なら「たまにカラーの書籍だけ読みたい」というならスマホにアプリ入れればよいから、ことさら6型タブレットを買い足す必要もない。
「カラーかつ大判の雑誌も読みたい」となると、6型じゃなく10型くらいのタブレットでないと読んでられない。

エフトイズ・艦これモデルひとつ作ってみました。

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艦これモデル、発売はもう3ヶ月位前なのだけど、ふと模型屋で見かけてひとつ購入。
なかなかにクオリティと難易度が高いキットだった。




零式三座水偵までついてくる。塗装済みで。
当たったのは利根ちゃま。
うちの艦隊ではLv.98まで愛用しているので、今回の面子だとアタリを引いた。

土台のカードは、写真の通常の他に中破状態のものも入っている。

土台の長手が11.5cm、艦そのものが約10cm。
コレクションものとしては若干フットプリントが大きいから、置き場は少し取る。
台を諦めれば小さくなるけれど。

1/2000という小スケールながら、なかなかどうしてクオリティ高い。
まあちょっと甲板の塗り分けが大味だから、組立前に塗りなおしてもよかったかな。組立後だとちと苦しい。

グレーの軍艦色は、その色のプラで成形してあるので、ヤスリかけても大丈夫。
クレーンの支柱だけ、黒塗装のところにゲートがあるから、そこをタッチアップしたいところ。
後部甲板にある水偵移動レールも、銀ででもちょっと塗ってやれば引き締まりそう。
最後に全体にちょっとスミ入れかな。


ただ、組立が結構な難しさ。
ある程度模型慣れしていればわかるけど、知らないと困惑すると思う。
そもそも部品が非常に小さく、数ミリのものばかり。製作中に落として床までいくと見つからない可能性が大きいから、布敷いた広い作業台でやるといい。

ニッパー、カッターナイフ、ピンセット、流し込み接着剤が「あると便利」と説明書に書かれているけど、あると便利というか必須。
模型用の小さく切れ味のいいニッパー、模型用棒ヤスリ、ちゃんと合うピンセット、瞬間接着剤くらいはほしい。

組立順序も説明がない。
説明書では、上部船体に近く描かれているものを先につければだいたい良いのだけど、番号順にやろうとかするとハマるところがある。

パーツ10番は、少々緩いので瞬着で固定したい。
またパーツ8番のカタパルトも、ちょっとゆるいので瞬着。

スクリュー(13番)と舵(14番)も、小さすぎる・差し込みが硬い・他のパーツが邪魔と三拍子で、これ素手で組み付けなんかまず無理。
塗装の厚みのせいで取り付けがタイトになってるみたいなので、ヤスリで落とすと多少やりやすくなる。

船体上部と下部の合いが少し悪い、というか支柱に挿したら先端が開いたりするので、これは瞬着で貼っておいたりすべきかも。



1/2000スケールというと、アオシマから同じスケールでワールドネイビーシリーズというのが出ている。

アオシマ1/2000ワールドネイビー 巡洋戦艦フッド
まあ作った私の腕が悪いので作例としてはアレだけど。

同じスケールを活かして夢の艦隊決戦をつくり上げるのも一興。

エフトイズ・艦これモデルを少し塗り替えてみました。

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昨日の艦これモデル、やはりちょっと塗装を加えてみた。




とりあえず、甲板の塗りの粗さは気にならざるを得なかったので、塗替え。

甲板の色がなくて適当に赤黒黄を混色して調合したけど、利根の場合はもっと赤い感じの、つまり元々塗ってる色が近いみたい。
水偵のレールは、塗ってからナイフで塗料を落としてみた、けどあんまり目立たないな。やっぱり銀塗ったりがいいかも。

主砲は、元々だと砲身の根本近くを塗っていたんだけど、これは砲塔と砲身の継ぎ目を布で覆ってるのであって、ちと塗る場所が違う。
ナイフで塗装を削り落とし、それっぽい場所に塗り替え。

零式水偵は翼前部に黄色い塗りがあると思うので、これも適当にそれっぽく着色。
キャノピーのとこは白くしたけど、これはちょっとやりすぎか。

塗ってる時に画像検索して気付いたけど、カタパルトに載せてる零式水偵の向きが逆だった。
普段艦船キット作らないのがまるわかりっていう。

最後に艦橋や機銃などにスミ入れ。

1時間くらいの簡単な工作だけど、まあまあの結果としておこう。

Lavie ZでSDカードをブラウザキャッシュにする

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もう1年くらい使っている初期型Lavie Z (正しくはVersaPro VK19G/S) だが、軽量UltrabookだけあってストレージはSSD。

SSDは当然フラッシュメモリーでできているから、当然、書き込みを繰り返すほど劣化していく。
まあ劣化するのはHDDでも何でも同じだけど、書き込み回数に依存するSSDならば、書き込みを減らせば少しでも寿命が伸びる使い方ができる気がした。

普段、PCを使っていて頻繁に書き込みが起こるといえば、やはりブラウザーのキャッシュだろう。
これをSDカードやUSBメモリーに逃がして、本体SSDの無駄な書き込みを減らせないだろうか。

(キャッシュ程度の書き換えを避けたところで大して変わらないとか、SDカードの方がすぐ死んで割高になるとか、やる意味がないor逆効果な可能性が色々考えられるのだが、ひとつの実験ネタとしてお付き合いください)




さて、SDカードかUSBメモリーかだが、Lavie ZのSDカードスロットはUHS-1対応で、対応カードを使えば非常に速い。
逆にUSBは2口しかなく、片方はUSB2.0。
SDカードのほうを利用するのが利口だろう。
幸い、差し込んでもほとんどカードが飛び出さないスロットなので、このまま持ち出すのも平気。


で、とりあえず手元に余っている中途半端なSDカード、Panasonic RP-SDW04GJ1K (4GB Class 10)を入れて、ブラウザーのキャッシュとシステムのテンポラリフォルダーをSDカード以下のフォルダに設定した。
が、これが笑うほど遅くてどうにもならない。

当初、SDカードをNTFSでフォーマットしていて、これをFAT32に変更するとある程度マシになった。
とはいえ、やはり体感レベルで遅くなる。
chromeが「キャッシュを待機しています……」といいながら、なんかノロノロと仕事をする。


SDカードの速度は、一般にシーケンシャルアクセスの速度ばかり見られる。
デジカメの連写やハイビジョン動画撮影など、SDカードの用途としてはシーケンシャルアクセスが重要なのは当たり前だ。
しかしブラウザーのキャッシュの場合、数キロバイトからせいぜい数百キロバイト程度の細かいファイルが多数読まれて書かれて、という動作のはず。
問題になるのはランダムアクセスの速度だ。

SDカードのランダムアクセス速度について検索すると、こちらのページ(トップ)がヒットした。
読んでみたのだけど、どうもClass 10のカードよりも、Class 2の遅いカードの方がランダムアクセスが全然早かったりすることがあるようだ。

そんなわけで、家にある雑多なSDカードを片っ端から出してきて、CrystalMarkでベンチマークを取ってみた。
フォーマットはFAT32のセクターサイズ4KB (16GBのカードのみ8KB)とした。
ハードウェア付属品なんかもあるので、品番不明のものもある。また、品番の他に裏面にある型番っぽいものも書いておいた。


まあ、さすがUHS-1対応ってもんで、ADATA Premier使えばよさそう。
ADATA Premierにしてみると、SDカードが足を引っ張って遅いとか、そういう感じはしなくなった。100Mbの光回線に対して負けてることはなさそうだ。


ところで、ベンチマークを見比べると、4Kランダムアクセスの速度では、UHS-1のADATA Premierと、SanDiskのLifetouch付属品Class 4の速度が大して変わらない。
というか、このSanDiskだけ、ランダムアクセスにおいては異様に速い。
シーケンシャルアクセスは6倍違うのだけど、このSanDisk Class 4をキャッシュにしてみても、体感の話だけど、ADATA Premierに匹敵するような使用感だった。
やはりキャッシュ用途では、ランダムアクセスの速度が効くようだ。

先ほどのサイトでも、TranscendのmicroSD Class 2がランダムアクセスが速いとあった。
どうも、低速品の中には、かえってランダムアクセスが速いものが含まれているらしい。そうなる理由は皆目見当もつかないんだけど……
内蔵SDカードリーダーがUHS-1に対応していないPCで同じようなことをするなら、手元のSDカードの4Kランダムのベンチを取ってみて、速いのがあればそれを使うのがよさそう。


逆に、Lexar PLATINUM IIが不思議なほど書き込み速度が出ていないのが気になる。
まあ、うっかりPENTAX Q10にSDカード入れ忘れ、郊外の電器店でいつ仕入れたものかもわからないようなものを急に買ったから、単に世代が古かった可能性もあるんだけど。

(追記7月9日)
あんまり意識して高速カードを買うことがなくてちゃんと知らなかったけれど、低価格なUHS-1対応カードの速度が30MB/sというのは割と普通のことのよう。
このLexarのカードも、200xと速度表記があった。多分CD-ROMの150KB/sの200倍だろうから、30MB/sなら表示通りの速度。8GBで1500円ほどの値段なりのものだ。

SONYのSR-16C4は際立って遅いが、多分故障しかけてると思う。
認識しづらいとか、カメラで使っても妙に遅いとか、途中でエラーでて撮影不能になるとか、トラブルばかり。(SONY Tablet Pの説明書では、これは試供品だからあてにすんな、みたいなこと書いてた気がする)

環境計量士(濃度関係) 過去問チャレンジ H25-環濃

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インフルエンザも治って、また勉強しなければいけません。
「化学分析概論および濃度の計量」の過去問に当たりましょう。




問1 「JIS B 7981 排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器」に準拠した溶液導電率式の濃度計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


JISは無数にあるから、内容まで全部覚えろと言われても無理そうなので、選択肢を見ておかしそうなのを抜くしかないか。

1は、SO2の吸収に「塩酸酸性過酸化水素水」というのもなんか異様なような。
2は、タンクから吸収液を送り出すんじゃないか。
3は、これはもっともらしい。
4は、なんだろ。露点って、それより低いと結露する温度だから、結露は不味いとは思うが。
5は、まあそんな都合のいい装置もそんなになかろうと思う。

それで3かな、と思ったが、4の方だった。

3は書き方に順番とかの指定もないし、「などから」なんて他の装置があることも含んでるから、あってはいけない装置が書かれてるのか。
あれかな、フィルター通さずにそのまま吸収部に入れるものか。


問2 天秤で水の質量を測定した。空のフラスコのひょう量値が25.124 gであり、20 ml 用の全量ピペットで水を入れたフラスコのひょう量値が45.116 gのとき、浮力補正後の質量として次の中から、最も近いものを一つ選べ。ただし、水の密度は1.0 g/cm^3、分銅の密度は8.4 g/cm^3、空気の密度は0.0012 g/cm^3とする。


とりあえず空の時点で釣り合っているので、そこをゼロとすれば、フラスコの比重とか浮力は考えなくていい。
水 20 cm^3が、45.116 - 25.124 = 19.992 g の分銅と釣り合っているとかんがえる。

水の密度 1.0 g/cm^3から、空気の密度 0.0012 g/cm^3を浮力として差っ引くと、0.9988 g/cm^3。
分銅の密度 8.4 g/cm^3から同じく浮力を差っ引くと、8.3988 g/cm^3。

分銅の表示値は19.992 gだけど、浮力が働いて密度が下がっているので、8.3988/8.4 倍する。19.9891 g。

水の質量は、空気の浮力を受けて19.9891 gとなるので、浮力を加味しない値に戻すため、1.0/0.9988 倍する。
そうすると、20.01316という値が得られる。

すると選択肢4に近い値になる。


天秤の分銅の表示値というのは、もしかして元々浮力を加味した値じゃないか、という気もする。

そうすると、水は浮力を受けてる状態で19.992 gで、1.0/0.9988倍すると、20.01602、と出た。
どっちつかずな数字で、選択肢4とも5とも選べない。
やっぱり分銅側にも浮力の計算は必要だ。


問3 以下の表はイオン電極の種類の一例を示している。表中のア~ウに入る内容の組合せとして、正しいものを一つ選べ。

電極の形式 / 電極の種類 / 応答勾配 / 測定pH範囲 /妨害を与える主なイオン
ガラス膜電極 / (ア) / 50~60 / 6~11 / Ag(+),H(+)
固体膜電極 / S(2-) / (イ) / 13~14 / -
固体膜電極 / CN(-) / -50~-60 / (ウ) / S(2-),I(-)
*応答勾配は、(mV/10倍濃度変化)で表した値である。


とりあえず(ウ)について。
シアン化水素は弱酸だから、アルカリ性側でないとCN(-)がイオン化せずにHCNになっちゃいそうな感じ。
よって、CN(-)の測定pH範囲は、強アルカリ性側の11~13と想像した。
これで選択肢1か4に絞れる。

(ア)については、1か4ならNa(+)かNH4(-)。
同じ理屈で行くと、Na(+)なんて簡単にイオン化するだろうから、それほど測定範囲にこだわらなくて良さそう。
……と思いきや、測定pH範囲が6~11とあるけれど、妨害イオンに水素イオンがあるせいだろうから、イオン化とは別件と思われる。
陽イオンなのにpH=11なんてアルカリ性側でも測れる、というのはやはりナトリウムの強いイオン化傾向あってこそではないか。少なくともアンモニアがpH=11で電離できるか?

ということで、(ア)にナトリウムイオン、(ウ)に11~13が入る選択肢1が正解と観た。
答えを見ても1となってるので、よしとしよう。


問4 「JIS Z 8401 数値の丸め方」にしたがって、15.305 及び7.475 の2 つの数値をそれぞれ有効数字4 桁及び3 桁に丸めよ。その上で、両者の積を計算して、適切な桁数に丸めた答えとして次の中から、正しいものを一つ選べ。


15.305を4桁に丸めれば、15.31。
7.474を3桁に丸めれば、7.47
掛けると114.3657になるけど、適切な桁数ってなんだろ。まあ桁数の小さい方に合わせりゃいいのかな。3桁に丸めると114。

なので選択肢は1になるけど、答えもそうなってる。


……と、特に考えなしに計算したけど、これは途中経過が間違いになる。
JISを確認すると、丸めの幅の中間点の値が与えられた時は、丸めた結果を偶数にする、という規則があった。(この方が複数の値を丸めていく時に誤差が小さくなるらしい)
すると、15.305は、15.31ではなく15.30と丸められるべき。

15.30 * 7.47 = 114.291。
3桁に丸めると、やっぱり114。


問5 ガスクロマトグラフ法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。スプリット注入法って確か、試料の一部分しか導入されないので、全部入れるスプリット注入法よりはピーク小さくなるだろう。正しい。
選択肢2。カラムの全長が全然違うし、同じにはならんような……。自信ない。
選択肢3。別に保持時間が変わったりとかしないだろうから、量と分離度は関係なしか。
選択肢4。わからん。
選択肢5。わからん。

で、正答は3とのこと。

加熱脱着装置は、固体とか液体の試料を加熱して、ガス成分を揮発させるものだそう。それを導入して分析する。なんでそういうもんを「脱着」というのかわからんけれど。

4が何のことかさっぱりわからんけれど、検索するとそれらしい話があった
2は、保持比なら同じでいいのか。


問6 (90)Sr は放射性物質であり、その半減期は29 年である。現在の(90)Sr の放射線量が1/10 量になるまでの期間を年で表したとき、次の中から、最も近いものを選べ。ただし、log 2=0.30 とする。


半減すなわち1/2倍なので、n回繰り返せば1/10になる。
試験会場にはルート付きの四則電卓しか持ち込めないので、関数電卓でピっとはいかない。

要は2^n = 10を解けばいいのよね。
n = log2(10)
n = log(10) / log(2) *底の変換公式 
n = 1 / 0.30 = 3.33...

半減期の3.33...倍で1/10になるので、半減期29年を掛けると、96.666年。
答えは選択肢3の97年。正解ともあってた。


問7 ICP発光分光分析における物理干渉に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


ICPって、プラズマ炎で対象元素を励起させて、それが基底状態に戻るときに起こす発光を計る装置ね。
分析装置はまとめて何がどういうものか覚えておかないと……

選択肢1。これが正しくないわけがないので正しい。
選択肢2。検量線に干渉の状態ごと再現してしまえ、ということになるから正しそう。
選択肢3。試料そのものに標準物質を加えて検量線も作ってしまえ、ということなので、正しそう。
選択肢4。わからん。蠕動ポンプというものらしいんだけど。
選択肢5。分解能高かったら紛らわしい波長でもちゃんと分けられるので、これは正しい。

答え見たら5だという。わけがわからない。

ペリスタルティックポンプで物理干渉を軽減できる、というのも何のことかわからんので、検索してると、堀場製作所のサイトでICPの干渉についての文書があった
これによると、私は物理干渉というのを、物理現象として起こる干渉全般を指すものと思っていて、「目的元素と似たような波長で発光する共存元素が妨害する」というのも、物理干渉だと思っていたのだけど、これは分光干渉というらしい。

物理干渉は、試料導入時に起こる。
例えば試料の粘度が高くなると、ネブライザーでの霧化がうまくいかなくなって試料がうまく導入できなくなる。
そこでネブライザーで圧送してやれば、多少粘度があっても霧化不良を抑えることができる。
そういう場合が選択肢4のようになるそうだ。

選択肢5は、物理干渉なのに分光干渉の話をしているから、間違い。


問8 「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」で規定されていない器具、又は装置はどれか、次の中から一つ選べ。


この手の記憶問題はどうしようかな。
正解は2というけれど。

選択肢1~3が捕集器具。
1が吸収瓶、3が採取用カートリッジと、どちらも捕集液に吸収させて集めるもの。
2の捕集バッグはそのまま集める。
ここに違う点があるか。


問9 原子吸光分析における原子化の方式と調節すべき装置操作条件の例との組合せとして、次の中から正しいものを一つ選べ。


1は、アセチレンガスとかで炎を上げてるものだから、発熱体は関係ない。
2は、電気加熱方式にバーナーはない。
3は、あんまり冷蒸気方式よくしらないのだけど、冷蒸気といって助燃ガスも変なような。化学的にイオン化させるやつよね。
4は、イオン化はフレーム中で一瞬にして行われるだろうから、その時間気にしなくてもいいような。
5は、別にシースガス流したりしないと思うんだけど……

あれ?と思うと、5が正しいそう。
ものによっては、試料の酸化防止とかでアルゴンなどのシースガスを流すものがある、とJIS K0121に書いてあった。


問10 排ガスの分析法に関する日本工業規格(JIS)において、吸光光度法が適用されていないものを以下の中から一つ選べ。


吸光しなさそうなもんに吸光光度法もないだろー、と思っても、発色剤と反応させて吸光光度法、なんての死ぬほどあるしなあ。
どうにか見抜く方法があるのかな。リストアップして眺めてりゃ見えるだろうか。

まあ、答えは3とのこと。


問11 「JIS K 0151 赤外線ガス分析計」について、次の構成要素と部材の例との組合せの中から、正しいものを一つ選べ。


赤外線ガス分析計って、一酸化炭素とか二酸化炭素が測定対象のはずだけど、水質の公害防止管理者じゃ聞かれるようなもんじゃないからなあ。
仕組みまで聞いたことないし、ちょっと想像もつかない。

途方に暮れて答えを見ると、1が正しいそう。


JIS K0151を確認した。

まず光源がある。
光源は、ニクロム線や炭化ケイ素など、抵抗体に電流を流して加熱したものとする、と明記されていた。

次に回転セクタというのを通る。プロペラみたいなもんが光を一定間隔で遮断して、変調させるものらしい。

それが光学フィルタを通る。いらない波長の赤外線をカットする。
これは特に何を使えという指示はなかった。ベリリウム板、なんて書いてない。

そして光束が試料セルに入る。
セルの両端にはもちろん、「両端の窓から試料光束が通過する構造のものとする」と記載はあるが、窓を何にしろとは書いていない
プラモデルの成分ってポリスチレンだけど、あれで窓作っても、透明度も耐久性も全然ダメな気がする。赤外線ならガラスでいいと思うけどな。

試料セルとは別に光束を作って、比較セルを通すものもある。
これにはアルゴンまたは窒素を封入するとのこと。
純水だと大気中からどんどん二酸化炭素を吸収するから、具合悪そうね。

通り抜けた光束が検出器に入る。
検出器の信号が増幅器で増幅され、指示針なりに出力される。
検出器については、選択的なものとして、特定成分(または代用の)ガスを封入したコンデンサマイクロホンまたは熱式流量計。あるいは光学フィルタで波長を選択した上で、非選択的な検出器、サーミスタボロメータ、焦電系などの熱検出素子、硫化鉛・セレン化鉛などの半導体検出器を使う。
チャンネルトロンは、電子やイオンや中性子なんかを検出するものだそうで、全然関係ない。


問12 「JIS K 0103 排ガス中の硫黄酸化物分析方法」に関する以下の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。別にそんなややこしいことせんでも良さそうな気がするけれど……
選択肢2。これはまあ影響しそう。
選択肢3。還元性だといけないなら、酸化性の雰囲気におかんといけないわけかな。
選択肢4。まあ硫酸バリウムの沈殿はできそう。
選択肢5。知らんけど現代の科学力をもってすればSO2以外も測れないか。

正解は1とのこと。
やっぱりイオンクロでそんな余計なことしなくてよかった。


JIS K0103を確認。
分析方法は、イオンクロか沈殿滴定が主。
附属書には、沈殿滴定法(トリン法)、比濁法、中和滴定法、またイオンクロによるSOxと塩化水素同時、SOx・塩化水素・NOx同時滴定法も規定されている。

採取時は過酸化水素水に吸収させることで、酸化して硫酸になった状態にしておくよう。
採ったものは水でメスアップして試料とする。固形物が入っていれば濾過。

イオンクロは、還元性ガスが高濃度に共存しているときは使えない、とは選択肢の通り。
硫酸イオンが酸化性があるからかな。

沈殿滴定法では、アルセナゾIIIを指示薬として酢酸バリウムで滴定。選択肢通り。

自動計測法については、「JIS B 7981に規定する方法による」と丸投げになってるけど、「自動計測法(対象成分: SO2)」とか、二酸化硫黄のみが対象だと明記してあった。


問13 「JIS K 0095 排ガス試料採取方法」に規定されている、排ガス試料の連続分析のための前処理部の除湿に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。変なことは書いてなさそう。
選択肢2。あるでしょう。
選択肢3。ちょっとわからない。
選択肢4。露点を保って冷却する、ってそんなことできるのだろうか。
選択肢5。これはまあ正しいんじゃないか。

3が正解とのこと。
アタリマエのことだけど、JISに除湿機の理屈まで書いてるわけじゃないからなあ。

半透膜気相除湿方式、となると、試料ガスと乾燥ガスを、水は通過する半透膜を隔ててる状態にして、乾燥ガスは当然水分が少ないから、試料ガス側から浸透圧みたいなもんが働いて水が移動する、といったもんか。
そうすると、乾燥ガス側が冷却されてると、含むことができる水蒸気の量が減ってしまうから、浸透圧が小さくなってしまう。むしろ加温するほうがいいのか。

電子冷却式って、ペルチェクーラーで冷却除湿をするものっぽい。
露点を一定に保つって、「露点を変えずに冷却する」なんてウルトラかつ除湿ができなくなるようなことじゃなくて、温度をコントロールして露点をふらふらさせないってことか。


問14 「JIS K 0085 排ガス中の臭素分析方法」のうち、滴定を用いる定量法に関する次の記述について、(ア)~(ウ)に入る語の組合せの中から、正しいものを一つ選べ。

排ガス中の臭素化合物を(ア)溶液に吸収し、(イ)溶液で(ウ)として滴定する。

さっぱりわからん。
3が正解か。

臭素化合物は、「臭素・臭化水素などのガス状無機臭素化合物中の全臭素を分析する」そう。JIS K0085がそのための規格。

方法は、「チオ硫酸滴定法」と、「チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法」がある。
この問題は、チオ硫酸滴定法の話のよう。

臭素化合物を水酸化ナトリウム吸収液に吸収して採取。
次亜塩素酸ナトリウム溶液で酸化し、臭素酸イオンBrO3(-)にする。
余剰の次亜塩素酸ナトリウムをギ酸ナトリウムで還元する。
そして臭素酸イオンをチオ硫酸塩で滴定する。

チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法は以下。
臭素化合物を水酸化ナトリウム吸収液に吸収して採取。
これを酸性にし、過マンガン酸カリウムで酸化し、四塩化炭素で抽出する。
四塩化炭素層に水と硫酸鉄(Ⅲ)アンモニウム溶液・チオシアン酸水銀(Ⅱ)溶液を加える。
臭素が含まれれば水層が発色するので、吸光を計る。


問15 「JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則」に規定されている装置校正用ガスに関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


さっぱり。
選択肢1はまあ正しそうとして。
選択肢2は、真空捕集瓶に試料入れて希釈ガス入れて、みたいな作業かな。
選択肢3。まあ調整弁つきのY字管みたいなんで混合して調製、みたいなことか。
選択肢4。ちょっとぐぐった
パーミエーションチューブって、恒温で保持するとチューブ内の液化ガスが一定のペースで浸透拡散するので、そこに希釈ガスを一定流量で送ってやると、一定濃度のガスを含んだ試料が取れる、というものだそう。まさに校正用のガス調整装置みたい。
ディフュージョンチューブ、というのも、ガスが揮発拡散することで同じことを実現するものだそう。

じゃあこの選択肢が正しいのかというと、ステンレス管じゃなくてフッ素樹脂管。
まあ、確かにステンレスだと微妙に影響与えたりしそうな気はする。

選択肢5。よくわからんけど正しいのね。


問16 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている、よう素滴定法による溶存酸素の分析において、必要のない試薬を以下の中から一つ選べ。


ヨウ素滴定はやったことがあるのだけど、ヨウ素滴定を含む複数の実験で亜硫酸ナトリウムを使った記憶がないような……
というズルはさておき。

よう素滴定法、ウィンクラー法とかウィンクラー・アジ化ナトリウム変法とかの別名もある。

ウィンクラー瓶という独特の瓶を使う。
そこに試料水をいっぱいに入れ、硫酸マンガン(Ⅱ)とアルカリ性ヨウ化カリウム-アジ化ナトリウム溶液を加えると沈殿ができる。
よく振ってから静置して沈殿を底に沈め、硫酸を加えて振ってやると沈殿が溶ける。
これに指示薬としてデンプンを入れてやると青くなる。
チオ硫酸ナトリウムで滴定していって、青が消えたら終点。

しかし、このへんもちゃんと思い出さないと答えられないな。うーん。一度は覚えたはずなのだが……


問17 「JIS R 3505 ガラス製体積計」に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


1。時間なんか決まってなかったと思うんだけど、単に私がその水準で操作したことないだけかしら。
2。ピペットならわかるけど、ビュレットは都度乾かして使うもんじゃない。
3。温度意味あるのかな。
4。±0.05 mLとか、数字で示してある。
5。そんなことないと思うけれど。

正解見たら1だって。
私の取り扱い能力云々じゃなくて、ピペットを排水したらこれくらいの時間をかけて出るように、というのが規格で決まってるという話だった。あんまり豪快にじゃーっと出たり、ぽたぽたとしか出ないようなのはNGになる。
ホールピペット・メスピペットには決められてるけど、ビュレットには決められてなかった。ちょっと意外。

目盛りは、20℃の水を測定した時の体積で打ってあるそう。
水の体積に拠るんだねえ。

材質は、ほうけい酸ガラスでなければならない。線膨張係数が55×10^7/℃以下であること。


問18 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されているイオンクロマトグラフ法による工場排水中の硫酸イオンの分析において、以下の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


1は標準添加法のこといってるんだろうから、誤ってはいないだろう。
2は、サプレッサーについて、島津製作所が情報を出してくれていた
溶離液を電気伝導度の低い組成に変換して、ベースラインを下げてピークを高める仕掛け。
そうするとより微量でも検出できるようになって、定量範囲が広がる。
3は、特に変なことなし。
4はちょっとよくわからんけれど、イオン交換体を使う以上、高濃度の陰イオンなんか入ってたら不味い感じはする。
5もわからんかった。

JISを確認すると。
5については、硫化物イオンをろ別するためには酢酸鉛じゃなくて酢酸亜鉛溶液を使って沈殿させるとのこと。
4についても、特によう素がというより、何かの陰イオン濃度だけが飛び抜けて高いような場合は、不完全分離による交差感度妨害というのを起こすそう。


問19 「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


1は正しい。
2はちょっと知らない。
3は、むしろ燃焼するようなものが混在したまま高熱のジルコニア素子に触れると、酸素が消費されてしまって測定値が代わる。炭化水素入りなんてNGのはず。
4は、酸素計は素子が物理的に動くのを検出したりするので、振動があると使えないはず。
5も正しい。

3が明らかに間違ってるので。


問20 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている工場排水中のほう素の分析法について、次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


ホウ素は公害防止管理者の水質四種でも出る範囲なのだけど……

1は、ホウ珪酸ガラスのものを使うなって話だろうから正しい。
2と5、吸光光度法なんか物質ごとに違う発色剤使って規定されてて、どうやって覚えりゃいいもんかなあ。
3はわからん。
4はそんな話は聞いたことある気がするけど、なぜそうなのかわからない。


ホウ素は、メチレンブルー吸光光度法、アゾメチンH吸光光度法、ICP発光分析法とICP-質量分析法でやる、とのこと。

メチレンブルー吸光光度法は、ホウ素化合物入り試料に硫酸とフッ化水素酸を加え、テトラフルオロホウ酸イオンにする。それにメチレンブルーを加えるとイオン会合体ができるので、1,2-ジクロロエタンに抽出して吸光を計る。
多量の硝酸イオンが妨害する。クロム酸イオンも妨害するが、過酸化水素で酸化処理する。フッ化物イオンや多量の有機物も、事前処理で除去する。

アゾメチンH吸光光度法は、ホウ酸がpH6で、アゾメチンHと反応してできる黄色の錯体を吸光光度法で計る。
汚濁の少ない試料に適用する、と条件がついている。
鉄、マンガン、アルミニウム、銅、クロム、ベリリウム、チタン、バナジウム、ジルコニウムが正の誤差を与えるとのこと。アルカリ金属やアルカリ土類金属、亜鉛、りん酸・硝酸・硫酸イオンは妨害しない。

ICP発光分析は装置に突っ込んで249.773nmで発光を計る。
イットリウムで内標準法を使ってよい。
ホウ素のメモリー効果が大きいことも記載あり。

ICP-MSでも、イットリウムかインジウムで内標準法を使える。

そういうことで、内標準法にビスマスを用いる、という選択肢3が間違い。


問21 液体クロマトグラフィーで使う略号と対応する用語の次の組合せの中から、誤っているものを一つ選べ。


全部はわからんけど、RPLCだとReverse Phase Liquid-Chromatographyだろうから、逆相液体クロマトグラフィー。選択肢2が違う。

LC/MSはそのまま。
ODSはカラムの固定相につかうやつ。
RIDが示唆屈折率計なのはいいとして、Refractive Index Detectorだそう。
Height Equivalent to one Theoretical Plateの頭文字で理論段相当高さだとのこと。


問22 試料中における多成分の農薬類を同時に測定する方法として、「JIS K 0128用水・排水中の農薬試験方法」に規定されていないものを、次の中から一つ選べ。


公害防止管理者のレベルだったら、そもそも多成分同時測定ができないようなものがいくつも混じってたりしてくれそうなんだけどな。

農薬なら大体有機物が多かろうから、FID(水素炎イオン化検出器)でも行ける気はするけど、ちょっと用途が違う気もする。炭化水素類の検出用か。
熱イオン化検出器は、NPDともいわれて窒素・りんを検出するやつだから、使えるはず。
炎光光度検出器(FPD)も、りんに有効だそう。
GC-MSなんか大体なんでもできそう。
確かHPLCは農薬には使うんだったはず。

なので、2のGC-FIDがダメ。


問23 質量分析計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


質量分析計の装置の大まかな理屈だけは知ってるつもりだけど、しかしソレを実現するための装置の仕組みがもうひとつよくわかってなくて。

磁場偏向式分析器はわりと理屈がわかりやすいと思う。飛ばしたフラグメントイオンを磁場に通したら、イオンの価数と質量数によって軌道の変わり方が違うから区別ができる、みたいな。

しかし四重極型はポピュラーらしいんだけど、理屈聞いてももひとつわからない。
なんか長い棒の電極を4つ、◇に置いてその中央にイオンを飛ばして通す。電極の電圧やらによって、特定の電荷の質量数のイオンだけを選択的に通過させて、他のものを外に弾き出すようなことができる、と。電磁気学とか知ってたら意味わかるんだろうか。

他に飛行時間式というのもあって、イオンを同じエネルギーを与えて飛ばしてやると、やはりイオンの価数と質量数によって飛行速度が代わって、発射してから検出器に当たるまでの飛行時間を元に分析する。これもわかりやすいな。
で、そういう飛行時間式のやつで、何もなくまっすぐ飛ばすのがリニア型。電場をかけて飛んだイオンがUターンして戻ってくるようにするのがリフレクトロンというものだそう。

1はそういうわけで、四重極型じゃなくて飛行時間式にリニア型とリフレクトロン型がある。
2は、質量数とイオンの価数で分離するので、質量数だけではない。
3は、三次元四重極型、よく知らんけど、四重極を環状にしたものらしい。環状だからサイクルかもしれんけれども、サイクロトロンって加速器だし、別に四重極で加速するわけじゃないような。
4は、四重極型はそうするんじゃないか。
5は、普通ガスクロの後に質量分析計を繋ぐだろうし、その順番なら質量分析計の方式がなんだろうと繋ぐことはできると思うけれど。

そういうことで、選択肢4が正しい。

問24 用水・排水中のテトラクロロメタンの試験方法として、次の試料濃縮法と検出器の組合せの中から「JIS K 0125 用水・排水中の揮発性有機化合物試験方法」に規定されていないものを一つ選べ。


ヘッドスペースかつFIDだと、CCl4にはあんまり感度上がらないかなー、と思ったので5を選んだけど、それでいいみたい。

ヘッドスペース法は、液体試料を入れた容器の上部空間に揮発してきた成分をガスクロに入れる方法。
パージアンドトラップ法は、液体試料にパージガスを流して強制的に成分を揮発させ、一旦吸着剤にトラップしてから、それを加熱脱離してガスクロに入れる。
もちろん、感度が高いのはパージアンドトラップ法の方だろう。

水には溶けにくいCCl4だから、溶媒抽出はできそう。

電子捕獲検出器(ECD)はハロゲン化物に有効なものだから、CCl4には使いやすそう。
溶媒抽出はもちろん(選択肢4)、ECDでCCl4ならかなり高精度に測れそうなので、ヘッドスペースでもなんとかなるんじゃないか。(選択肢2)

質量分析計はまあ大体なんでもできそうなので(実に雑な考え)、パージアンドトラップ法でGC-MSならいけるでしょう。(選択肢1)

水素炎イオン化検出器(FID)は、炭化水素の検出、特にC-Hの結合に対して感度があると調べたことがある。一度パラベンとか酢酸エチルとかの有機溶剤を計ったことがあって。
なので、CCl4だと水素も含まないし、あまり高感度に計ることはできないように思った。
多少悪くても検量線引ければいいだろうけど、残ってる選択肢がFIDにヘッドスペースかパージアンドトラップかといわれれば、より感度が悪かろうヘッドスペースの方がNGと思う。


問25 「JIS B 7954 大気中の浮遊粒子状物質自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


いくつも誤ってるように見える。どうしよう。

β線吸収方式は、ろ紙に捕集してβ線を当てて、どれくらい透過するかをもって浮遊粒子状物質の質量を計る。
水質の公害防止管理者で勉強した液体の自動計測器なら、どれも連続処理になるようにしてるものばっかりだけど、浮遊粒子状物質の場合はろ紙使うってことはバッチ処理っぽいな。
選択肢1は正しいみたい。

光散乱方式って、光が粒子に当たって遮られるのを検出器で拾うようなやつで、ごく細い光ビームを使えば遮られた回数をもって粒子数を数えられそうだなー、とは思ったのだけど。
でも、なんかもっと高精度なものらしくて、粒子系も測れるものみたい。浮遊粒子状物質は10μm以下の粒子だけが対象だけど、計ってしまってから10μmより大きいものをカウントから除外する、という形でいけるみたい。
よって選択肢2は正しかった。間違ってるかと思ったんだけど。

圧電天秤方式は、確か水晶発振子みたいな電流流したら振動する素子を使って、粒子状物質が吸着されて重くなると振動数が減るのを検出する、といった話だったはず。
あんまり山盛りに振動板に積もってたら、いわばベースラインが高い状態になるだろうから、パージする必要はあるだろう。選択肢5もよし。

粒子状物質は負電荷帯びてるだろうから、そのままじゃ素子につかないと思うので、選択肢4は正しそう……と思いきや、答えを見るとこれが間違いらしい。
そうじゃなくて、コロナ放電で荷電させることで、水晶発振子にくっつける、とのこと。

フィルタ振動方式も、ろ過フィルタを振動させておいて、そこに試料ガスを通過させて浮遊粒子状物質をフィルタに捕集し、それによって質量が増えて振動数が減るのを検知するというものだそう。
選択肢3も書いてるまま。



公害防止管理者を取った時にある程度の勉強はしたから、計量法なら多少の知識はあるつもりだったんだけど、うーむ。知識不足でずばり答えを見つけられないことがほとんど。特に大気関係のは圧倒的に足りない。
何で何をどう計る、計る方法の原理はどうだ、どういう装置だ、というのは整理しておかなきゃいけないな。

高度1万メートルのボーイング777はどれくらいの大きさに見えるか

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 ウクライナ上空で撃墜されたといわれている、マレーシア航空MH17便のボーイング777-200型機。
 なんだって民間の旅客機がそんなややこしい所飛んでたんだろう、と疑問に思ったのだけど、確認すると、今回のマレーシア機は高度1万メートルを飛んでいて、飛行禁止の高度より高いところだったそう。


 高度1万メートルを飛ぶボーイング777-200型というのは、果たしてどれくらいの大きさに見えるものだろうか。



 Wikipediaによると、全長63.7m、全幅は200型・200ER型で60.9m、200LR型で64.8m。
 どっちの型かわからないが、全長・全幅は近い大きさなので、全長63.7mで計算する。

 距離10000mで、全長63.7mのものがどう見えるか。
 どれくらいの大きさで見えるか、というのは、視角で求める。

 10000mの辺と、63.7 ÷ 2 = 31.85mの辺を直角につないで、余った頂点を結んだ直角三角形があると考える。
 するとタンジェントは31.85 ÷ 10000 = 0.003185 と求められる。
 そのアークタンジェントから、直角三角形の鋭角の角度を出して2倍すると、0.365度と出る。これが視角。Excelで簡単に計算できる。

 視角0.365度というのはどれくらいか。いくつか例を計算してみた。


  • 視力0.05で見える、ランドルト環の隙間の幅。(参考)
  • 一円玉(直径2cm)を、3.14m離れて見る。
  • 身長170cmの人が、267m離れたところにいる。
  • ランボルギーニ・ガヤルド(全長4.3m)が、675m離れたところにある。
  • ガンダム(18m)が、2.83km離れたところにある。お台場のやつを、品川インターシティ、東京電力新豊洲変電所ビッグドラム、東京有明医療大学あたりから見れば近い。
  • 通天閣(高さ100m)を、15.7km離れたところから見る。信貴山や生駒山、大阪空港、甲子園、などから通天閣までの直線距離。高さと地球の丸さは無視。
  • 戦艦アイオワ(全長270.43m)を、42.4km先から見る。見た目の大きさとは無関係だが、戦艦大和の46cm45口径三連装砲の最大射程が42026mなので、大和とアイオワの喧嘩すら起こらない距離。
  • 月(直径3474.3km)を、544,488km離れたところから見る。地球からの距離が384400kmくらい。
  • 太陽(直径1,392,000km)を、218,370,000km離れたところから見る。地球からの距離が149,597,871km。


 まあ、空の中にぽつんと存在すれば、目視は十分できる。
 月の直径の7割くらいの全長になるので、月に飛行機がかかってる写真が絵になりそうな大きさ。


 このニュースを初めて聞いた時は、「なんだRPG-7でもぶっ放したら偶然にも当たっちゃったのか」と思った。一応飛行機を目視できるわけだから、みんな対空射撃のつもりでAK-47ぶっ放しながらRPG-7も一緒に飛ばしたら奇跡的に当たっちゃった、みたいな。
 だけど、RPG-7の射程は1000mくらいのもんで、しかも打ち上げだったら間違っても届かない。
 クリミアの親露派は、9K38イグラのようなひとりで扱える携帯式地対空ミサイルを使って、ウクライナ空軍にかなり被害を出しているようだけど、これも1万メートルの撃墜に使えるようなものとは思えない。
 ゲパルトみたいな対空機関砲を備えた対空戦車でも無理な高度。
 私が素人目で簡単にぐぐった範囲では、今回使われたらしい9K37ブークのような地対空ミサイルシステムとか、軍艦が備えている艦載砲システムくらいでないと、高度1万メートルは攻撃できなさそう。


 今日見てたテレビニュースでは、「1万メートルの飛行禁止区域外だからって、安全だと思い込んでいたんではないか」というようなコメントがあって、まあ実際安全ではなかったとはいえ、これはテレビのコメンテーターがよくやる後知恵なのか、それともまっとうな指摘なのか。

 1万メートルなら、ゲリラが調達できる程度の対空兵器では届かない距離だろう、というのは、そう異常な判断ではないのかなとも思う。
 とはいえ、小泉悠氏のような事情をよく見ている方は、ロシアから防空システムが供与されている可能性も排除できない、と見ていたりもして、飛行禁止区域を決めている人たちは、少し見通しが甘かったのかな、とも思う。
 しかし、そんな大規模な防空システムは、数人の兵士やゲリラが独断でうっかり使用してしまうというものではない。ウクライナ軍なりロシア軍なりが、指揮命令のもとで動員しないと、9K37は動かせるもんではないと思う。それが、誤認か何かをしでかして民間の大型旅客機を攻撃するというのは、なかなかあるものではないと思える。
 ただ、紛争が起きているようなややこしい状況では、かの米軍もF-14とエアバスA300を間違えて撃墜する大ポカをやらかしたこともあるんだし、ありえないことではない。
 どうだろう。クリミアを避けたらルートロスが大きくなるとか、何か別の事情もあったのかな。


 まあ、マレーシアの民間機を攻撃するというのは、誰も利益にもならないように思えるから、誰がやったにせよ何かの誤認だろうとは思う。
 こともあろうに9K37まで引っ張りだして間違えるとは何なんだろう。たまたま似たような航路かタイミングで、敵軍の航空機が飛ぶような情報があったとか、そんなことかな。

アオシマ1/700 初春の新旧キット比較

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 最近艦これブームで艦船プラモデルの売上が、3割とか5割どころじゃなく5倍とかに急伸しちゃってるそう。

 ところで、1/700スケールの手軽な艦船キットは、静岡の模型メーカー3社、タミヤ・ハセガワ・アオシマが共同でラインナップしている「ウォーターラインシリーズ」というのが主。

 これが1971年に始まった歴史あるシリーズなもので、艦によっては70年代に設計されたレトロなキットが未だにそのまま入っていることもある。
 一方で、21世紀になってから現代の技術で新設計されたキットが出てくる艦もある。
 またメーカーによる設計力の差もある。今は大幅に挽回しているけど、古いキットについてはアオシマのものはかなり辛いと定評がある。

 先日、同じアオシマ製の駆逐艦初春の、70年代の古いキットと、2010年にリメイクしたキットを共に入手したので、作り比べてみた。
 古い方は相当古い時期のもののようで、こちらのページ最下部の左から2番めのロゴのものだった。1975年以前のロゴだから、私より年上だよ。
 新キットには、竣工直後の重武装な1933年仕様と、友鶴事件・第四艦隊事件を受けて大改修された後の1941年仕様のふたつがある。旧キットは改修後仕様なので、新キットも1941を使った。





 手前が新キット、奥が旧キット。
 どちらも、基本的にはキットをただ組み立て、塗装をしただけ。
 技術的に酷いのは色々勘弁してください。艦尾の旭日旗、取り付け方が全然見当もつかず、チャレンジしては失敗を繰り返してどうにもならなかった……

 塗装はファレホという輸入塗料を使った。
 色々扱いが難しい塗料で、普通にGSIクレオスのMr.カラーを使うほうがいいと思う。すぐ塗装がハゲたり溶けたり……
 ただ、悪臭がほぼゼロという大きなメリットがあり、エアコン使いたいとか、同居家族に体調の悪い人がいるとか、奥さんうるさいとか、そういう事情があれば強い。

 使う色はどちらも同じにした。
 リノリウム甲板の色が黄色すぎるのも、少々船体のグレーが薄いのも、単に私の色の見立てが悪かっただけ。ファレホの店頭色見本わかりにくいのよね……


 奥の旧キットは、ほぼ組み立てて塗っただけ。
 ただ、どうも金型の作りが悪いみたいで、砲塔や魚雷発射管の上面、艦首舷側に酷いヒケがあり、そのパテ埋めは行った。
 砲塔・魚雷発射管には少しモールドでディティールを作っている形跡があったんだけど、ヒケの方があまりにも酷いから、結果的に削り落とすことになった。
 全体にパーツに変なヒケや傷があり、あれこれ修正していたらモールドが消えたところ多々。艦橋なんて窓もない単なる立体構造になっちゃったので、窓にあたるところを削り落として代えた。

 ボートダビットがなくて甲板にそのままカッターや内火艇が置かれてるのは、元からそう。ダビットのパーツなんか存在しない。


 手前の新キットは多少は頑張って、張り線なんてやってみた。やってみただけの水準だけど。
 前煙突の前につくはずのパーツが、切り出し失敗して飛んでいって行方不明につき省略。恥ずかしい……
 それから、スミ入れもやってるけれど、通常タミヤエナメルでやるスミ入れをファレホ塗りには行えない。なので、勝手が違って大げさになったりしてしまった。
 内火艇のダビットが逆向きになってることに気付いたのは取り付け後だった。酷い。

 12.7cm連装砲は、キットにもっとしっかりしたものがついているのだけど、なぜか砲身パーツの嵌合が悪くて、砲身が内向きハの字になってしまった。
 どうにもかっこ悪かったので、ウォーターラインシリーズのキットに共通で入っている「組合パーツ」といわれる、日本軍小艦艇共通部品にある12.7cm砲を使った。



 さて、見比べると、やっぱり新キットが格段に見栄えがいい。

 組み立ての難易度も、新キットの方が細かい部品が多そうに見えて、旧キットも十分多い。
 また旧キットは、受け穴とダボの大きさが怪しいパーツも多い。取扱説明書にも間違いがあって、ひとつのパーツを2箇所につけろと誤指示されてたり、取り付け場所が違うパーツがあったり(これは修正されているかもしれないけど)。
 取り付けるパーツがないダボが見えるところにあったり(本来埋めるべきだけど埋めてない)、上記の酷いヒケもあり、パテくらい使えないと辛い。
 着色の指定も、なぜかリノリウム甲板は無視して全面グレー指示だったり、何かとおおらか。
 おおらかな分だけ組み立ても楽なら、初心者は旧キットをあえて選ぶ線もあったんだけど、そうもいかない。


 しかしまあ、色々大雑把とはいえど、新旧並べて旧キットが別の艦に見える、というほどでもないと思う。1/144スケールの飛行機なんか、雑過ぎて別物というか何者にも見えないようなのたまにあるし。

 違いといえば、まず船体の全長が違う。なんだろう。フォルムも旧キットの方が丸い。
 機銃も、旧キットはなぜか三連装機銃だけど、多分正しいのは新キットの毘式40ミリ機銃と思う。機銃は台座から違うなあ。
 他に旧キットは、主砲の照準窓が左右逆。爆雷投射機もない。後艦橋もだいぶ違う感じ。

 新キットでは、タグボートと内火艇は組合パーツを使う指示になってるけど、組合パーツのボート類はちょっとでかすぎるとの話。確かにそうかも。
 それからディティールのモールドがみっちり施されているのはいいけど、少しオーバーとも思えるし、甲板の滑り止めっぽい突起なんかスケールがおかしいとか、ケチはつけられる。まあ漫画的表現と思えばいいと思うけれど。


映画「革命の子供たち」

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見てきました。公式サイトはこちら

かの日本赤軍の重信房子と、ドイツ赤軍の前身であるバーダー・マインホフ・グルッペのウルリケ・マインホフという、東西二人の女性革命家(あるいはテロリスト)の、それぞれの娘を中心に、当時の革命運動関係者へのインタビューを映画にした作品。



ちなみに、よくある間違いで、総括といってリンチ殺人を繰り返し、あさま山荘事件を起こしたのは連合赤軍で、日本赤軍は異なる。
どちらも母体は赤軍派という組織だけど、そこから運動を世界に広めるべくアラブに渡って、パレスチナ解放人民戦線と協力して反イスラエル活動をしていたのが日本赤軍。
日本に残った赤軍派が幹部の逮捕などで弱体化し、京浜安保共闘という組織と連合してできたのが連合赤軍。


なんというか、70年代に繰り広げられた新左翼の革命運動についての基礎知識がないと、ひたすら訳の分からない話を聞かせられ続けるだけの映画。
当時のデモやニュースの映像が交えられつつ、ひたすらインタビューが続く。再現ドラマとかそんなもんはない。ストーリーもない。説明もあまりない。

私は学生運動には興味があるので、多少は予備知識はある。でなきゃこの映画観に行かないけれど。
興味があるっていっても、別に憧れはしないし、あの時代に生きていても参加しなかった気もする。まあよくいっても、やる前に理論に走って何が正しいか迷って行動しない口だけ小市民になると思う。小心者だしね。

後知恵で21世紀の視点から見ていると、少なくとも中核・革マルの内ゲバ殺人や連合赤軍の総括なんかは、どれほど崇高な理想のためだと理由があるとしても、肯定できる線を完全に超えている。
しかし、運動がかなり世間に受け入れられていたらしい時代もあったり、少なくとも私なんかよりよほど頭も良ければ理想も高い人たちが大勢活動していたこともわかるし、それがなぜあんな方向に向かっちゃったか、など、知る価値のあることは数多くあるようにも思う。

そんなわけなので、私にとっては意味不明ということはなかった。
しかし、理解できていたかというと、やっぱり難しい。
後知恵ではどうにもならないところが多い。映画の中にもジグザグデモやら、マスクとヘルメットのゲバスタイルでの大行進やら、当時の映像は差し込まれるけど、それを見ただけで当時の空気がわかるわけではない。
学べることは多い映画だけど、そもそも学んだだけでどこまでたどり着けるかは未だよくわからないね。第二次大戦よりも最近のことだというのに。

もちろんこういう映画の常で、かつての革命運動を全肯定するか全否定するという答えを、観客に与えてくれるものではない。
重信メイが母にもその運動にも好意的なのに対して、ウルリケ・マインホフの娘であるベティーナ・ロールはかなり否定的な口ぶり。

日本赤軍については、好意的に語る人のインタビューが多かった。
連合赤軍や内ゲバのような迷走じゃなくて、アラブの人々のために活動するという目的はブレてなかったのかな、とは思えてくる。
とはいえ、おそらく日本赤軍最大の汚点であろうテルアビブ空港乱射事件を「あれは軍と交戦した中で巻き添えが出てしまったものを、検証もなくすべてテロリストによる虐殺ということにされた」とい語るのは、なかなか今の日本人である私には受け入れにくい。もうちょっと他の意見もほしい。これは確か重信房子の弁護士である大谷恭子氏の話だったかな。
あれ以外では日本赤軍は民間人に死傷者を出していないとの話で、確かに確認してみると、何度も行われたハイジャック事件ではいつも人質は解放している(死傷者なしではなさそうではあるが)。
重信房子の罪状も、殺人未遂であって殺人ではない。

一方、ドイツ赤軍には手厳しい。
何より主に語る娘ベティーナが手厳しい。ドイツ赤軍には「麻薬中毒者のような連中」といってしまう。テロリストの娘として送った少女時代もかなり酷い思い出として語っていたし、「母を英雄扱いする若い人の手紙がよく来る。親と違ってお前は、みたいなことも書かれる」とうんざりしていたりも。
当時の映像として、ウルリケ・マインホフ自殺後にあった「彼女は(政府の弾圧によって)殺された」と横断幕を掲げたデモの映像が入ったりもするから、世間的には支持する声もあったらしいが、娘のベティーナはさっぱり支持していないようだ。
重信メイとベティーナのパーソナリティの違いかもしれないし、日本赤軍とドイツ赤軍の違いかもしれない。
ドイツ赤軍は日本赤軍と違って、爆弾テロとか死者が出ることを辞さない手口も使っていたらしいから、そこからも違いがあるのかもしれない。


客席を見ると、30代なかばの私がもう抜群に一番若く、他の観客はみな学生運動世代の人たちばかり。
革命にシンパシーを持ってたのか、中核派や革マル派だったか、それとも逆に右派だったか、何だったにせよ、あの時代を生きてきた人たちだろう。

リアルタイムに出来事を見てきていれば、多くの新鮮な情報に触れて、日本赤軍に対しても何らかの判断も付けてきただろうし、それで今回この映画を見て、その判断を改めるなり改めないなり、影響されることができる。
私には未だ、判断をつける段階にも至れない。
まだまだ日本赤軍も、革命運動も、よくわかっていない。
いつか判断できる時がくるのなら、この映画でそれに一歩近づきはしただろうけど、まだまだ当分先なんだろうな。

巡洋艦高雄の艦内神社・護王神社

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旧海軍の軍艦には、艦内に神社が分霊されて祀られていた。
重巡高雄には、護王神社が分祀された。
地名由来の名前がついた艦なら、その土地にちなんだ神社から分祀されることが多いそうで、高雄の護王神社も、まあ近いってほどでもないけど高雄山と同じ京都にある。





京都御所のすぐ傍らという立地。
別格官幣社というのは日本の国に功績のあった人物を祀る神社なのだけど、ここでは道鏡が天皇に即位しようとしたのを食い止めた和気清麻呂とその姉の広虫姫を祀っている。

ご利益は子育てにあるとされている。
広虫姫は孝謙上皇の女官をしていたが、これが慈悲深い人で、藤原仲麻呂の乱で孤児となった子供を83人も引き取って養子として育てた。それにちなんだご利益。


そして門前を護るのが、狛犬ならぬ狛猪。

道鏡が「宇佐八幡宮の神託によると自分が天皇に即位すると世の中安泰になる」と言い出したとき、はるばる九州まで確認に行った和気清麻呂。
そして、そんな神託はない、と確認して戻ってきた和気清麻呂は、道鏡の(道鏡を即位させるつもりだった称徳天皇の、とも)怒りを買って、名前を別部穢麻呂と変えられた上に大隅に流罪になった。
しかしともかく皇統が途絶えるのを阻止できたし、途中で宇佐八幡宮にお礼参りしていこう、と思ったら、どこからともなく300頭の猪軍団が現れ、宇佐八幡宮までの道のりを守って案内した。
和気清麻呂は足が悪いのに悩んでいたが、なぜかそれも治った。
そんなエピソードがあり、この護王神社や、岡山にある和気神社では狛猪を祀るようになった。

そういうわけで、足が悪いのを癒やすというご利益もある。


もちろん清麻呂公像もある。


京都の中心部からは外れているとはいえ、広めの境内とりっぱな拝殿。


巡洋艦高雄に関係するものとしては、乗員が寄贈した「忠烈」の額が神楽殿に飾られている。

艦これ的には特に運が高いとされていない高雄だけれど、潜水艦Darterにやられて大破したもののすぐ報復を果たして自沈させたし、その後なんとかシンガポールまで沈まずに辿り着いた。霊猪は海上でも加護があるらしい。
その後、イギリスにリムペットマインでいたずらされたものの、不発が多くて軽症で済む、という幸運を発揮して、とうとう終戦まで生き延びた。霊猪の加護だろう。


そんな神社であるからして、社務所にすごい猪コレクションがある。猪猪猪猪……
狛犬が狛猪なら、絵馬が絵猪になるのも当然と言ってよい。


近くにあまり飲食店などが見当たらないが、嬉しい事にコーヒーやお茶を出してくれる休憩所がある。300円とリーズナブル。
で、この休憩所の壁面にもぎっしり猪猪猪猪猪。

かくも猪パラダイスな護王神社。
さりげなく非常に細かく史実や実艦からネタを拾っていることで知られる艦これ、高雄もきっと護王神社の猪ネタをどこかに拾っていることであろう。体型とか

艦これAL・MI作戦

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さてイベントなのだが、みなさん進捗どうですか。

こちらはAL作戦初戦から、舐めて掛かったら16回連続でボスにも行けず撤退させられ、これはガチで行かなあかんと思って利根・筑摩・龍驤・祥鳳いずれもLv.90以上を大投入したら過剰戦力で、想定以上にAL作戦を楽に突破してしまいました。

MI作戦は、これ空母が花形と思わせて、実際戦うのは主に第二艦隊の水雷戦隊と重巡だった、ということに助けられ、まあまあ楽に進めています。現在E-5(MI-3)攻略中。

戦力は以下のとおりです。
Lv.60以下の重巡・軽巡・駆逐は略。
あれ、これもしかしてE-6やる前から詰んでる……?

AL/MI作戦 E-5まで終了の記

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どうも戦力的にE-6を突破できる気がしないので、とりあえずE-5までで気付いたことメモ。



司令部レベルは102。多分一番厳しい編成が来ると思う。

さすがにプレイ歴が長いので、装備はひと通り揃っている。
航空機は、烈風改1・烈風6・紫電改二7・爆戦8・Ju-87C改2・彗星十二型甲11・流星改10・彩雲7・二式艦偵1・晴嵐2・六三四空4。
主砲ももちろんひと通りは揃って、20.3cm(3号)・(2号)各4つ。
探照灯1・照明弾2・夜偵1も。

戦艦の最高レベルが金剛改二の78で、伊勢と比叡だけ70台。
正規空母の最高レベルが赤城の87で、加賀と飛龍だけ70台。軽空母は90以上が龍驤・祥鳳だけで他は全然。
北上も大井も40前後で、木曾もまだ軽巡洋艦。
でもLv.90以上の重巡が8隻、航空巡洋艦が3隻、軽巡が3隻、駆逐艦が6隻。
明石・あきつ丸・まるゆもLv.90以上。

かなり偏った育成をしていた結果、MI作戦まではむしろ楽に突破してしまった感じ。


タイミングずれたけどE-1 (AL-1)終了。
散々言われている通り、イベントの初戦としてはすごく難易度が高い。

当初、Lv.40~50程度の編成で舐めて掛かったら、16回もボス到達できず。途中で何度も撤退させられた上、索敵も足りなかった。
なので、愛宕・高雄を利根(98)・筑摩(95)に、飛鷹・準鷹を龍驤(90)・祥鳳(91)に。
長門はLv.37、陸奥はLv.41だったけど、まあ長門型ならそのレベルでもAL-1でやられたりはしない。

この編成に変えてからは、もう出撃して戻ったらバケツかけて、疲労が抜けたらまた出撃の繰り返し。
AL-1だけなら、この編成は完全にやりすぎなので、もう少し抑えてもよかったかもしれない。
しかし、AL-2も過去のイベントのE-2ほど手ぬるくはなかったし、編成的にも利根・筑摩・龍驤・祥鳳の高レベル組はAL-2でも使いまわせたし、結果的にそう間違った選択ではなかった。


E-2(AL-2)終了。
で、過剰戦力の利根・筑摩・龍驤・祥鳳のおかげで、わりと気安く突破できたAL-2。
島風はLv.51、浦風はLv.73だった。後に駆逐艦が要ると思って温存したが、MI作戦に必要な駆逐艦は4隻で、E-6では出る幕なさげ。うちはLv.90超えの駆逐艦6隻いたのに、出し惜しみすぎた。

投入した重巡が利根・筑摩だったのは、索敵不足に悩まされずに済んでよかった。
ただ、やっぱり本来かなりキツいはずのマップ。
幼女は三式弾ないとダメージ通せないので、倒せるかどうかは重巡の夜戦連撃にかかる。駆逐2・重巡2・軽空母2で最後まで突き抜けるなら、やはり重巡の装備とレベルはしっかりしたい。
とはいえ、MI作戦も結局、第2艦隊の重巡が夜戦で決着をつけるところは同じ。MI用にも重巡2隻は必須。育った重巡が4隻以下だったら、かなり悩ましい。

見ての通り、これだけレベルが高ければ、筑摩を残したまま利根が幼女叩き伏せてるくらいの余裕はあった。反航戦だとちょっと仕留め切れないこともあったけれど。
ここまで重巡育ってなければ、トドメは戦艦2隻入れて上ルートか、重い決戦支援を入れることになると思う。


今イベントのハイライト、一番の見せ場を間違えて先走ってしまった那珂ちゃん。
E-3(MI-1)終了。
ここからMI作戦。
連合艦隊の華々しさは、久々に自分の中で盛り上がった。

MI作戦用の部隊を間違ってALに出撃させないようにくれぐれも注意。


第1艦隊は、蒼龍(54)・赤城(87)・加賀(72)・飛龍(68)・伊勢(74)・日向(66)。
なんとも中途半端なレベルの編成だけど、ぶっちゃけ第1艦隊は制空権取って索敵するのが仕事な感じで、戦闘力はあまり発揮されなかった。
蒼龍のレベルが低かったけど、蒼龍がやられて途中撤退は、MI作戦最後まで2回あったかどうか。記憶にあるのは1回だけ、航空戦で珍しく一発もらって大破した。
もしかすると、正規空母はLv.50くらいで十分だったかもで、高レベルのはE-6に温存する手があったかも。
制空権争奪に掛かるから、軽空母じゃ烈風を飛ばせる数が不安だけど、飛鷹・準鷹なら大丈夫な気もした。装甲薄くたって、航空戦は戦闘機で防げるし、昼間から戦艦とかに殴られる機会も、MI-2の一箇所くらい。

空母の装備は、どれも烈風を最大と2番めのスロットに、爆戦を3番目、彩雲を最小スロットに配備。これが最初から最後まで基本。
こんなのでも、昼間の個別航空攻撃は、まあ足りる程度はこなした。

伊勢・日向は、46cm・41cm・晴嵐・六三四を基本装備とした。
航空戦艦を選んだのは、他にレベル高い戦艦って金剛改二(78)・比叡改(72)くらいだったし、水上観測機で索敵を足したり、晴嵐や六三四で航空戦力を足したりと柔軟性があると半段。
晴嵐や瑞雲系は航空戦で損耗するので、空母に彩雲が足りない場合なんかは、零式水偵or零観にしたほうが安定するかも。

第2艦隊は、那珂ちゃん(114)センターに初春(93)・子日(92)・五月雨(91)・古鷹(114)・加古(107)。
とにかく夜戦に振って、那珂ちゃんに探照灯、初春・子日に照明弾。
五月雨は13号対空電探改、古鷹・加古は主砲の他は零式水上観測機と零式水偵・夜間偵察機で索敵にダメ押し。第2艦隊の索敵は関係ないというウワサもあるけど。


でまあ、第2艦隊が高レベル艦で埋まってるので、攻略自体は楽々。
MI-1はこの編成でルート固定されるし、道中は航空戦だけで、夜戦で殴られて撤退とかもないし。
連合艦隊だから攻撃機会も多くて、ボスの撃ち漏らしもほとんど起きない。一度だけ24残されたことがあって、それで那珂ちゃん先走りが起きたんだけど、逆に言えば撃ち漏らしはたった1回だけ。

ただ、あと1回でゲージが終わるところになると、ボス艦隊の戦力が底上げされる感じ。
妙に随伴艦が粘って残るせいで、2~3回ボスに粘られてしまった。鬱陶しいから駆逐駆逐瑞鳳鳳翔の軽い支援艦隊を入れて、駆逐艦一隻削らせてようやくトドメを刺せた。

AL作戦がえらいキツかったというのに、MI-1は「こんなんでええの?」という感じ。
キラ付けも行わずに突破できた。

E-4(MI-2)終了。
MI作戦で難しいといえば、このMI-2だったように思う。
ここは何しろ羅針盤が鬱陶しい。

第2艦隊の編成はそのまま。
第2艦隊に駆逐艦を4隻(つまり重巡を1隻に)にするか、第1艦隊にあきつ丸殿を入れることで、羅針盤を最初の一コマだけ固定できる。
うちのあきつ丸殿はLv.90だったので、蒼龍を外して入れ替えた。

あきつ丸殿の装備は烈風・烈風・電探(何か忘れた)。
彩雲が1部隊減ることになるので、飛龍の烈風をひとつ減らして彩雲をもうひとつ入れた。

またボスは三式弾有効なので、古鷹は零観と三式弾、加古は夜間偵察機と三式弾、伊勢・日向は六三四空を外して三式弾に入れ替え。


しかし、最初の1コマの羅針盤こそ固定できるものの、その次に、南へ行ってくれる確率がやけに低い。私は7分3分くらいで北東が多かったから、何か条件に掛かったのかも。

これは経験談で統計とか取ってないけど、Lv.90超えるような艦娘は、潜水艦とか夜戦で一発もらっても、中破で耐えることのほうが多い。一撃で大破はそんなに多くない。
だから、北東の潜水艦マスに行っちゃっても、そこで大破撤退は回避できることも多かった。
が、その次の羅針盤がまた五分五分でお仕置き部屋。鬱陶しい。

また、南ルートを取れたとしても、どうも索敵が足りていてもたまに羅針盤が逸れる。
逸れなかったとしても、ボス前のフラ戦艦にどつかれて大破撤退もあった。正規空母がやられよったりするんだ……。


まあ、ボスにたどり着きさえすればよし。
夜戦の三式弾でものすごいダメージ入るから、撃ち漏らしは起こらなかった。
ただ、あきつ丸を第1艦隊に入れているおかげで、第2艦隊の重巡を2隻にできている。あきつ丸が居ない場合は重巡が1隻になるので、撃ち漏らしの確率は上がってしまう。

艦これでは火力の低い艦が命中弾を与えた時は、耐久値の10%くらい持っていくようになってるけど、それであきつ丸殿が中間棲鬼から50ダメを2回叩き出したりする。
これが空母棲鬼だと避けられるから無意味だけど、中間棲鬼は全然避けない。
あきつ丸殿がやたら活躍して見えるし、第1艦隊MVPをばんばん奪い取ったりして面白い。

AL-2もほとんど羅針盤が障害で、戦闘に苦労はなかった。
キラづけもせず突破。ただ、これは駆逐艦のレベルが十分だからで、足りないならキラ付けしないと潜水艦が面倒かも。

E-5(MI-3)終了。
MI-3は、なんかMI-2より楽だった気がする。

最初はあきつ丸殿を入れたままやってたけど、特に意味がなかったので蒼龍に戻した。
結局1戦目と同じ編成・装備になった。古鷹が零式水偵じゃなくて対水上電探になっただけかな。別に必要があってやったわけでもなく、なんとなく。


ここも羅針盤次第で、楽な南ルートなら潜水艦1回やり過ごすだけで後は航空戦2回でボスに行ける。
しかし、潜水艦1回、夜戦2回の後にボス、というえげつないルートもある。

……あるのだが、しかし、前述のとおりLv.90以上の艦娘って中破で耐えるから、夜戦2回を平然とくぐり抜けてボスまで行っちゃうことしばしば。
夜戦装備を固めて、撃ち漏らさずに敵艦を片付けていけば、敵の攻撃機会自体も減らせるし。
MI-2のボス前昼戦フラ戦艦に比べて、夜戦が際立ってキツいとは私には思えないなあ。同等か、まあ少しだけ夜戦の方が危険かな、くらい。

夜戦が辛いのは、重巡のレベルが低いからですきっと。
古鷹が重巡洋艦のいいところをもっと知ってほしいといってるのに、無視して重巡を放置してるから夜戦で苦しむのです。さあレベリングするのです。
去年の夏、加古のパラメータが軽巡より低かった頃からの古鷹型重巡愛用者の私だから、あの頃の苦労を今ドヤ顔で取り返すくらい許されていいじゃないか。


ボスは今回も、到達しさえすれば大体S勝利できる。
過去のイベントだと、とにかくボスだけ倒してB勝利になるように祈るようなことが多かったけど、今回はあっさり全滅させてしまえる。
どの海域でもドロップがすごく豪華に感じるけど、S勝利してるからってのも大きい。

今回もキラ付けなし。
支援艦隊も不要だった。



E-5までに関していえば、結局それほどキツいイベントでもなかったな。
燃料・弾薬は3万足らずくらい、鋼材16000、ボーキサイト2万くらいの消費量。

ただ、とにかく同じ艦隊を繰り返し出撃させるから、バケツの消費は大きかった。
まあ2200も貯めこんで始めたからかすり傷でもどんどん使ったんだけど、終わってみると1700ちょっとになっていた。


……で、ほんとにE-6どうしようかな。手駒が妙高型と青葉型、熊野、金剛改二、Bismarck zwei、若葉、初霜、涼風かー……全部重巡だけでいけんかな……

常陸国旅行記(1) ひたち海浜公園・阿字ヶ浦

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なかなか大阪から大洗は遠くて行く機会を持てなかったのだけど、珍しくもつくばに用事ができ、そのついでに立ち寄ってみることにした。
大洗だけじゃ何なので、近くのひたちなか海浜鉄道も、ということでそちらを先に。

まさか私の人生にあって、産業技術総合研究所に関わることがあるとは思ってもみなかったのだけど、現地で知ったところでは、地質標本館とかサイエンススクエアとか、一般公開の展示施設があったので、関わろうと思えば開館日に行けばよかったようだ。
さておき、産総研に宿泊して朝の七時、高速バスに乗って水戸へ。





水戸駅で、いきなり「納豆購入額 日本一のまち 奪還!」という横断幕がかかっていた。
さすが水戸だが、これまで水戸が日本一を転落していたということにも驚いた。
調べてみると、1年だけ偶然にも、とかじゃなく、7年に渡って負けていたらしい。しかも最後に水戸の上に立っていたのは福島市だ。

それにしても、水戸駅前はビックカメラとヤマダ電機が向かい合わせに建っているが、また激しいケンカするもんだなあ。


簡単に朝マックして、JR常磐線で隣の勝田駅に。

ここでひたちなか海浜鉄道に乗り換えるのだが、ひたちなか海浜鉄道湊線ではICカードが使えない。
なので勝田駅で一度改札を出て、磁気切符を買って再入場、湊線ホームに向かったら目の前で発車されてしまった。それで40分ほど待ち。
実際は、湊線の改札口にICカード集札機があったから、一度出場するなんて手間かけなくてよかった。そうだよねそれくらいのことはやってるよね。

言い訳なのだが、改札内に改札がある駅は関西にはあんまりない。
すぐ思い浮かぶのは、南海本線和歌山市駅改札内のJR紀勢本線改札くらい。
しかしこれはどちらの路線もICカードが使える。改札機はあるけど、これは私鉄-JR間の乗り換えになるからそれを記録するためのもの。これはこれで、磁気券の改札機もあるわ、横に素通り通路があるわで複雑なのだが、それゆえによほどイレギュラーなもんに見える。

勝田の駅前は、寂れている感じはないけれど、ちょっと観光するようなものがある場所ではない。商店街も駅からは見えなかったし、あってもまだ開店する時間じゃなかった。
コンビニで土産物など冷やかして、やっぱり納豆が多いななどと思いながら時間待ち。


常磐線普通列車。
ところで、常磐線の快速ですらない普通列車が10両編成で、しかもグリーン車があるというのは驚いた。
東京の方まで直通してる車両なんだろうか。


ひたちなか海浜鉄道湊線には、キハ20型とかすごい古いものもあるらしいが、主力として走っているのはこのキハ3710型だそう。わりと新しい車両だ。

駅名票がおもしろデザイン。
ちょうどみなとメディアミュージアム(MMM)というアートイベントの開催期間で、駅や近辺で色々やってるようだったが、このあたりはアート好きの気風があるのかな。

車内には観光客らしい人も多く、そういう人たちも含めて多くは途中の那珂湊駅で下車。
私はとりあえず端っこの阿字ヶ浦駅まで。


阿字ヶ浦駅にこういうポスターがあって、これもMMMの展示品だった。
各駅にそれぞれ駅の風景と少女を描いたポスターが掲示されているらしい。

駅から、もう少し北の国営ひたち海浜公園への無料シャトルバスが出ていた。夏場限定の運行かな。


はい到達。
ここからしばらく園内を散策。


途中で「歴史ギャラリー」というところを見かけて入ってみれば、かつてこのあたりは旧陸軍水戸東飛行場や、戦後は米軍の射爆場になっていたという歴史が解説されていた。
昔聞いた時にあまりにも印象的だった米軍機母子殺傷事件も、ここで起きたこと。
他に100件以上の誤爆と、なぜだか機銃による誤射も10件以上、それでついに抗議運動が起きた末、71年に停止、73年に返還となった。
射爆場に潜入して、超低空を飛行してくる爆装したF-105Dサンダーチーフを画面いっぱいに捉えた写真なんて展示されていて、ちょっとなかなか他では見れそうもない。

なにぶん不発弾やら山ほど埋まってる土地だけれど、人が立ち入らないおかげで生態系が保存されていたそうで、そんな土地を20年くらいかけて公園に仕上げて、1991年に開園した。

見晴らしの丘。標高58m、ここがひたちなか市最高高度らしい。
古民家・旧土肥家住宅。
PENTAX Q10のボケコントロールを使ったら変になっちゃった。

木材の鑑定により、1600年代中頃の建物とわかっているそう。母屋と隠居屋の二棟。
どうもこれからさらに古民家を増やすらしく、これが第一弾として、もっと時代の新しい民家を置いていき、農村の時代の変化を見られるようにする予定とのこと。


こちらは里の家と名付けられ、那珂川を挟んで南の水戸市側、旧常澄村にあった農家を移築したもの。
古民家というほどじゃないけど、まあ私が子供の頃はこういう家に住んでる同級生もいたな。

公園には遊園地的エリアもあり、観覧車が遠景できる。
見晴らしの丘から南へ行くと、砂丘ガーデンというところがある。
が、どうもこのへんはわりとほったらかし感もあるような……
ひまわりのこの種の抜け方は人の手だろうか、愛すべき偶然だろうか。
公園を出て、歩いて駅の方へ。
さらっと書いてるけどそこそこの距離になっちゃうので、無難にはバス使うほうがよい。
ただ、バスが主に勝田駅方面のようで、那珂湊に行きたいとなると阿字ヶ浦駅に戻るべき。
それならシャトルバスを待つしかないが、これは湊線の運行に合わせて発着するので、40分に一度くらいの乗車機会。


もう少し早ければ海水浴場が開いているのだけど。
阿字ヶ浦総鎮守、堀出神社。
堀出神社拝殿。
堀出神社は単立の宗教法人になってるようで、ウェブサイトに由緒の説明もあるんだけど、なんかよくわからない。
黄門様がここの遺跡を発掘したら、酒列磯前神社のものらしい出土品が出たことから、掘り出したから掘出神社となった、くらいのことでいいだろうか。(だったらなぜここが酒列磯前神社にならなかったのかは私にはわからない)


干し芋の神様・小池吉兵衛氏の銅像。
茨城県は干し芋のシェア8割を占める大干し芋産地。
それはこの小池吉兵衛氏が、明治時代に郷土に殖産するべく蒸切干甘藷の製造をはじめ、技術向上から販路拡大まで行って大産業に育て上げたことに始まる。


阿字ヶ浦駅にちょっと戻って。
蒸気機関車時代の給水塔が見える。小さい気もするが。


再び海の方に歩いて行くと、なんだか奈良や藤井寺で見られるような丘があるぞ、と思ったら、川小塚古墳という前方後円墳だった。
墳丘長85mとそこそこのサイズで、那珂台地では最大のもの。5世紀後半頃のものと、関西のものよりはやや時代が新しいか。

遠く阿武隈の山地も見れた絶景というが、この向きでいいだろうか。
海の近くの小高い丘に、比観亭跡というところがある。
水戸藩六代藩主治保公が酒列磯前神社を参拝した際、この丘からの眺めに感じ入り、自分で9尺四方の土地を区画して東屋を建てさせた。
建物はもうないが、立原翠軒の手による扁額が酒列磯前神社にあるらしい。

さて、一応阿字ヶ浦での最大の目的地だった酒列磯前神社にやっと到達。

なんというセンス。
この社叢が見事で、県指定天然記念物。
水戸斉昭公の腰掛石。
拝殿。
酒列磯前神社は、少彦名命を祀る。延喜式内名神大社。
平城宮と交流が盛んだった、菅公や本居宣長など国学者にも愛された、水戸藩の崇敬厚かった、明治の頃には国幣中社で天皇からの奉幣を受けていた、と、色々誇ることがあるようだ。

大洗にある大洗磯前神社と対になった神社で、大洗で少彦名命、酒列で大己貴命を祭って互いに分祀している。
親子神だからセットで祀られることは多いけど、こんな形でふたつの神社をつないでいるのは、まあそう多くはないと思う。
よって、神社好きであれば大洗に行くならこっちにも寄っておくのが正義。

ここからは、磯崎駅のほうが近い。

この見事なローカル無人駅テイスト。
駅の待合には、地元小学生が酒列磯前神社や、ホテルニュー白亜紀を紹介する手書きの案内が掲示されていた。

しばらく待ってやってきた車両に乗り込んで、那珂湊へ。

常陸国旅行記 (2) 那珂湊、ちょっと水戸

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さて、ひたちなか海浜鉄道で磯崎駅から那珂湊駅へ来るところから。



止められている車両。これらはまだ稼働中のものらしい。
手前は三木鉄道からやってきたミキ300。
次が国鉄準急色キハ2000、奥がキハ22。
奥にラッピング車両が見える。キハ37100なる最新モデルで、塗装は2周年記念でやったアニマルトレイン。
かっぱは常設のものかと思いきや、これもMMMの展示品だった。
駅に住み着いた黒猫のおさむ。
和歌山電鐵と違って駅長ではないようだが、妹分のミニさむというのもいるらしい。
あいにくミニさむは外出中だった。
大洗は橋をわたって徒歩でもいけるくらい近い。鉄道2社とバスを使っての観光切符が売りだされているので、こういうものがおかれている。あひるさんチームなのはなんでだろう。
おやおや。

さて、昼食とっておきたい感じになった。
町中まで我慢する選択もあるのだが、どうも腹も減ったので駅前にあった昭和な定食屋に入ってみた。


クールなばあさまにチーズカツ定食を注文すると、出てきたとんかつがでかい!
店内の昭和テイスト。広くはないのに、手前にテーブルふたつで奥が畳の座敷というのもレトロ。
来訪者が置いていったサインが多数掛かった壁も味わい深い。

駅でMMMの展示場所を案内する地図入りチラシを貰ったので、それを見てみると、どうやら那珂湊駅車両基地にある引退車両を展示場にしているらしい。それはいい。
駅裏手に回りこむと、

キハ20-429。429番だと日本車輌製造で1961年生まれの53歳。
こっちに来てからはキハ203と呼ばれていたそう。
201~204の四兄弟だったけど、阿字ヶ浦で更衣室やったりした後に他は解体された。
車内には、地元の方が寄贈したHOゲージのレイアウトがある。
コントローラーの使い方がわからなくて走らせられなかったけれど。どうすんだろ。
なんとも味のある面構えにされちゃってるケハ601。
日本初のステンレス製気動車。新潟鐵工所が1960年に1台だけ作ってみて、潮風を受ける湊線で走らせようとなったとのこと。
エンジン付きなものの、他車両との統括制御ができないから運転時はキサハになっていた……という説明があったけどなんのことかわからんかったが、単行なら自分のエンジンで走るけど他の車輌を引っ張れず、エンジンがある(キ)けどエンジン・運転台なし(サ)と扱われる普通車両(ハ)になっちゃってた、という意味なんだと思う。
以前は車台も外して倉庫にしてたらしいけど、2009年からギャラリーにしている。
車内ではMMMのアート展示で、東京芸大の学生さんが撮ったアニメを流していた。
なぜか鉄道ファンのバックナンバーが山ほど積み置かれてたりもした。

さて、次は丘の上にある高校の方へと歩いて行く。
高校に侵入するわけじゃないが、裏手に反射炉跡というのがある。

水戸藩江戸小石川邸の正門右側の門を移設した、山上門。佐久間象山や西郷どんもこの門をくぐったという。
反射炉建造のための耐熱煉瓦焼成窯。1200~1600度まで耐えられる上質なものだったそう。

どうも水戸のあたりにはペリーより前からちらほら異国船がきていたようで、徳川斉昭が海岸防衛のために大砲を作るべく、製鋼用の反射炉を建造した。
どうも稼働して程なく天狗党にぶっ壊されたらしく、昭和12年に復元されたのがいまのもの。

対艦砲にしちゃ小さいような、と思ったら、児童館が竣工した記念に昭和45年に寄贈されたもの。

高校のある丘を回るように歩いていると、天満宮が見つかる。

このあたりでは大きな祭りを行っているようだ。
関西では、菅公が大宰府に流される折に立ち寄った伝承のある天満宮が多いのだが、ここでは鎌倉時代に海に奇瑞が現れ、神託を乞うと菅公の霊が降りたのだとことで、時の領主が泉蔵院という寺を創建したのが始まり。
黄門様が寺社改革を行って天満宮を置いて、それから祭礼などが今でも続くという。


天満宮の脇に丘に続く道があり、しかしこの看板はどっちにいけと言いたいのだろうか。
とりあえず丘に登らず左手方向に向かったが、あいにくハズレで丘に登るのが正しい。

そのまま行くと海にぶつかるのだが、そこは那珂湊おさかな市場。
なんか広めの道が路上駐車でいっぱい(標識によれば土日祝は駐車禁止指定が解除)、駐車場もほぼいっぱい。
寿司、刺し身、干物などなど数多くの店が軒を並べ、そして人がぎっしり。
水戸から車で30分くらいで、来やすい立地とか好条件なのかもしれない。

食事には遅めの時間だったはずだけど、とても待たずに食べられるとは……
ちなみに、この市場から大洗方面に渡る橋が見えている。
橋をわたってすぐのところに、アクアワールド茨城県大洗水族館がある。水族館だけなら大洗駅からくるよりこっちのほうが近そう。
ただまあ、水族館から大洗の街が結構遠いので、徒歩だと結構大変。


ちょっと駅の方に戻り始める。

四郎介稲荷神社。文禄三年、つまり1594年創建。

さっき看板に惑わされて上がらなかった丘にあがると、そこは湊公園と整備されていた。


樹齢300年以上のクロマツが12株も並ぶ。黄門様が須磨から取り寄せて植えたもの。
松の銘木は多くが松食虫にやられて失われてしまっているけれど、ここはまだ残っている。


小高いところに上がってみると、昭和58年に当時の那珂湊市が制定した港八景のひとつ、日和山秋月の碑が立っていた。夜になればいい月がでるわけかな。


湊公園は、かつて夤賓閣という黄門様の別荘があった。
歴代藩主が宴会に使っていたり、また近くに異国船番所が置かれたりしていたのだけど、天狗党に焼かれてしまった。明治30年からここは公園になっている。


おさかな市場を眺める程度でスルーしちゃったけれど、市場で買い物して食事して、それに加えて那珂湊駅の旧車を観て湊公園で松を眺め、とすれば、まあ半日足らずでなかなか楽しめる街だ。
私はこれくらいの、歩いて回ってちょっとした史跡や神社があり、というスケールの街が好きだな。


夕方というほど遅くもない午後4時前だけど、もう水戸の方へ移動。宿は偕楽園近くにとってある。

黄門様ご一行像。このへんはひたすら黄門様押しだ。
とりあえず宿にチェックインすると時間は5時前。
一休みして、まあ目の前に偕楽園があるし、季節も違えば時間も微妙だけどちょっと観てみる。


梅林……っつって夏に来てもこれだな。


偕楽園隣に神社があり、入っていってみると東湖神社なんてのがあり、え、と思ったら祭神が藤田東湖命と。
昭和18年創建。


こちらが本社の常磐神社。黄門様が主祭神だが、高譲味道根命(たかゆずるうましみちねのみこと)という名になっていた。もしかしてグルメ人の側面を強調……?
それから、偕楽園を開いた徳川斉昭公も、押健男國御楯命(おしたけおくにのみたてのみこと)として祀られている。

隣に義烈館という、水戸学関係の資料を多数納めた収蔵館があり、公開されているのだがあいにくすでに時間外。


やはりもう時間が遅いな、ということで、バスで水戸駅に戻って飯でも食おうということに。
しかし、関西人は納豆食えないので、納豆料理はちょっとつらい。つらいし別に納豆料理を前面に打ち出してるような店はほとんど見かけず。
まあ普通のもんでいいかと、商店街のほうじゃなくて駅ビルを回ってみたが、そうするとますますどこでも食べられそうなものしかなくてコレというものが思いつかず、うろうろうろうろ。

そこで、「離島キッチン」という店があり、日本各地の離島の郷土料理を出しているという。
水戸関係ない店ではあるが、期間限定の水戸店と、あとは浅草にしかないらしいので、ちょっとおもしろそうなので入ってみた。



大分県保戸島のひゅうが丼。すこしだけ甘味のある漬けダレで、胡麻もきいてなかなかの味。
さらに隠岐の島のはっさく酒、隠岐郡海士町の塩と石垣島のバジルを使ったフライドポテトで晩酌も追加。


水戸はあまりに見どころ多く、また見どころが広がっているエリアも広すぎるので、とても那珂湊と大洗の間の時間に一周りするのは難しい。
水戸を見て回るのはまたの機会かな。


常陸国旅行記 (3) 大洗

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朝だ夜明けだ、早起きして早速大洗方面へ向かう。

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で大洗に移動。
ローカル線ではあるが、水戸-大洗間はすこし本数が多く、朝夕は通勤ラッシュも起こるのか本数多め。まあ日曜だったけど。
7時40分発の鹿島神宮行きに乗り込んだ。




この角度だと一見、通常の車両なのだけども
お、おう。ラッピング車両や。
中も!
吊り広告が全部ガルパン!
大洗駅で降りて改めて。
大洗に到着する前から、全力でガルパン漬けだよ。
前夜、水戸の駅ビルで徳川将軍コーヒーを飲んでたら、大洗がえらいことになってると隣の席の奥様方一行が噂していたのだけど、大洗の町からのはみだしが思ったより大きいな。

大洗駅に着いてもやはり色々ある。

記念ヘッドマークがずらっと。
2周年のマークが昭和62年となっているので、大洗鹿島線開業とは昭和60年=85年。
会社自体はもっと前からあって、今とは違って北鹿島(現鹿島サッカースタジアム駅)から今は貨物だけになっている鹿島港へと旅客営業をしていたこともあったそう。

大洗女子優勝横断幕と、町の皆さんポップ。
町中にガルパンキャラの等身大ポップが無数にあるのだが、町の人のポップもたくさんある。
今日本で最も多くの等身大ポップを擁する町だろう。
アンツィオ高校のはりぼて作戦はここからアイディアを得たとか。でまかせだけど。
アクアワールド茨城県大洗水族館の広告もこう。
観光案内所脇の鉄道関係施設と、町の商店や民宿の手書き広告。
あとで知ることになるのだが、町のガルパン乗りは結構に手作り感がある。
日赤まで巻き込まれている……
駅舎は見事に直方体のレンガ造り。
さて、大洗の町はなんだかんだで、リゾートアウトレットに水族館にと大きな観光施設も擁する町なので、バスなども循環している。
地図で街の規模を見ても、那珂湊の倍以上の範囲に見どころが散らばっている。
那珂湊で歩きすぎた(万歩計が3万歩に迫っていた)ので、今日は徒歩で回るのはしんどい。

よって、レンタサイクルを借りたが、これは8時半からだったので30分ほど待機。
レンタサイクルは、昼に戻ってきた時には全車出払っていたので、早めに行かないとなくなる。数は20台くらい。

さて、借りたところで移動開始。
とりあえず、時間の都合で入る予定はないけれど、アクアワールドの方へ。那珂川を見ておきたくて。

県道二号線沿いの商店に、早くもちらほらと、ガルパンののぼりをかけて戦車のポップを建てた店舗が見える。駅近くは戦車ポップが多いようだ。
二号線を北東へ、ガソリンスタンドのある角を北に折れるとゴルフ場の西側を通る県道108号へ。これをずっと行くと、対岸の那珂湊へ渡る海門橋へいける。

茨城船甚句の碑。海門橋脇にある。
大洗あたりの漁師に歌われる「網のし唄」の元歌だそう。
海門橋。赤い橋はなかなか目立つ。
橋から大洗に入っても、やっぱりガルパンに迎えられる。

川沿いに海の方へ降りていく。

那珂川と海門橋。対岸におさかな市場も見える。
ちょっと天気が悪めでもあり、打ち付ける浪が結構なしぶきを立てる。
マリンワールドは入り口だけ。

ここから海沿いに南へ下がっていく。
海水浴のシーズンも過ぎ、ちょっと荒れた浪が打ち寄せる、意外に荒い海。
しかし私は海沿いの生まれ育ちではあるけれど、知ってる海は大阪湾、母の実家も愛媛で、見る海といえばほとんど内海。島一つ無く水平線だけが見える海は、稀にしか見ない。

大洗磯前神社の神磯の鳥居。
さて、私は本来神社好きで、わざわざこっちに来る前に酒列磯前神社にも参ってるのだ。
大洗磯前神社は早速のメインイベントのひとつ。

立派な鳥居。
階段をあがる。
軍艦那珂忠魂碑。
大正14年進水、第二艦隊第四水雷戦隊旗艦として戦い、最後は昭和19年トラック島に散る。
ちなみにうちの那珂ちゃんはレベル120です。
ちょっとかわいいタッチのイラストレーション。
境内に、大洗海洋博物館というのがあったので入ってみる。

昭和30年代に使われていた漁船。
海洋博物館では、海洋生物の進化をカイメンのような単純なものから順にたどっていく標本展示や、大洗の海で採取された魚介類や使われていた漁具、パネルで古い捕鯨や大洗の町の様子を展示していた。
最後の最後に大モノがあって、ひょっとするとそこが笑いどころだったのかもだが、あいにくちょっと現在見られない状態で復旧待ち。このおかげで入場料が500円から300円に値下げされていた。

まあ、必見というほど濃密な博物館ではないけれど、海の守り神たる大洗磯前神社へ奉納するつもりで入るのもよし。
建物屋上が展望台になっているけれど、これは回りの木々が邪魔で特に展望できなかった。
ここもさり気なくガルパンにひっかけて、武部沙織も聞いて育ったと称して地元の昔話を紹介する冊子(手書き)を置いてあったりも。

さて、では参拝……と思ったら。

グワーッ工事中!
屋根の張替えをやってるそうで、来年3月まで工事。惜しい。

改めて近くから神磯の鳥居。

さて神社から、次に向かうのは幕末と明治の博物館へ。

途中にあった、源烈公 子の日が原の碑。
徳川斉昭が大洗の海岸を読んだ和歌の歌碑だそう。元々海岸にあったのを丘の上に移設。
幕末と明治の博物館と田中光顕像。
幕末と明治の博物館は、昭和4年、明治天皇の等身大銅像を収める聖像殿とともにオープン。
どうしても関西人にとっては、幕末といえば京都回り、新選組や坂本龍馬が目立つのだけど、こちらは当然、黒船来航や水戸藩、天狗党に重きが置かれた感じの展示。

聖像殿に入ると、思わず脱帽する明治大帝の銅像が堂々と立っている。
その先からは、天皇家や皇族の所有していた物品の展示が多々ある豪勢なエリアになっている。

ここは大洗に来るなら寄っておきたい、充実の博物館。なかなか他所では見られない内容だ。

敷地はキャンプ場にもなっていて、その傍らに藤田東湖像がある。


さて、ここからは町中に降りていく。
8月31日、ちょうど大納涼祭が行われている。ガルパン作中であんこう踊りが披露されていた祭り。
私は現地に来るまで知らんかったが、あんこう踊りは別に実在するもんではないそうだ。代わりに和太鼓の演奏とフラダンスがあるらしい。

ガルパン聖地巡礼としては、あちこちの店を回ってお気に入りのキャラの等身大ポップを探しまわるらしいのだが、
カチューシャ&ノンナのさかげんさんはすぐに見つかってしまった。

どこにいっても大量のイラストやなんかが展示されているのだけど、これは訪問者に持ち寄られたものだそう。

買い物するとスタンプラリーの用紙がもらえた。
スタンプ12個ごとに1回……といいつつ、どこからか砲撃支援があるのか、すでに撃破されているスタンプ欄が多く、都合18個集めれば3回分貯まる。


食事をしたかったが、祭りということで飲食店が祭りモード営業に。
実はちょっと魚介類に苦手なものが多く、迷ってしまった末に、大洗磯前神社近くの旅館・魚来庵さんでしらす丼を出していたのでそれでいこうか、と思えば祭り営業で食堂開いておらず。
しかし豆腐田楽とほっき貝カレーを店先で出していたので、カレーのほうを頂いた。
茶碗一杯サイズのミニカレーで、ほんの100円。ほっき貝も十分入ってなかなか贅沢な味。安い。

さらに、お店の方とじゃんけんして、勝つとプレゼントをもらえた。
中身を見ると、讃岐うどんの乾麺、三ツ矢サイダーのワンピースペットボトルホルダー、ウィルキンソンタンサンのマフラータオルと、まあ謎の内容、多分余り物のノベルティっぽいのだけど、この地元のお祭感がなんだか嬉しい。

しかしこれは、祭りだからやってるという感じじゃなくて、ずっとこうなんだろうなあ。

さらに商店街のウスヤ肉店さんに、那珂湊焼きそばののぼりが立っていて、これも100円で出していた。太麺が特徴……って、どうだったかな。太かったかな。気にせず食べてしまった。味自体はオーソドックスなソース・豚肉・キャベツ。肉屋さんだけあって肉多し。
それから串かつが2本200円。こっちは大阪串かつ國から来た私の目にもかなり大ぶりの立派なものだった。まあ大阪のは何本も食べるの前提のサイズではあるけど。

さすがに操縦できる戦車などはなかったが、こんな軽四テクニカルがあった。
レンタサイクルは、事前に予約するとこういうタイプもある。
生徒会長は丸五水産さんに居た。
干し芋とせんべいを売ってたので土産に購入。
せんべいは、塩味にもすこし甘みを加えてるような、関西とはちと違う味わいだった。
民宿たくみさん前の四号戦車。よく見ると木造。頑張るなあ。
西住殿は民宿たくみさんの向かいの駐車場らしいところに。
自販機までも。
他に、釣りファンの友人の土産にと、金丸釣具店さんで砲弾ウキを購入。
ひとつひとつ手作りらしく、大きさや塗りにも少し差がある。見たところストラップのような紐がついていたが、ちゃんとウキとして使えるものらしい。(私は釣りやらないから使い方わからんのだが)
なんとも愛すべき手作り感あふれる台紙が入って、ちゃんとバンダイビジュアル公認グッズ

買い物をすると額によらず、ガルパン柄または納涼祭柄の缶バッジをつけてくれるのだけど、どうも道行くガルパンファンが大量にこれをつけていたりする。
店の展示物の中にも缶バッジコレクションがあって、これまでもかなり多種の缶バッジが作られているらしかった。
これ自体は気前よくぽんぽん配ってくれてたのだけど、集めてるとなればリピーターなんだろうな。


なんだろう、ガルパングッズを全身に身につけた30代男子、なんて今時日本橋でんでんタウンでもちょっと浮いてしまうと思うのだけど、こと大洗では大勢居て、町にとっても歓迎すべきリピーター客なんだろうな、という雰囲気。そういう人ほど、店の人と親しげに話をしている。
満身アニメグッズがTPO違反にならない、解放区のようなものかもしれないな。
持ち寄られたイラストをどんどん展示してるとか、町のほうで歓迎してる姿勢がよくわかる。

それから、大洗はわりと安く楽しめる町に見えた。
私は水戸に宿を取っちゃったけど、大洗は民宿がかなりあって、一泊二食付きで1万円以下の相場。地元の美味しい海鮮料理を食べてそれならリーズナブルだろう。水戸は水戸でかなり安いビジネスホテルが多いし。
食事はちょっと今回は祭りでよくわからなかったが、祭りで出す食べ物の値段もテキ屋価格じゃなく、地元による地元のための価格で安かった。
東京から大洗までも、高速バスで2240円らしいから、交通費もなんとかなる。
ガルパングッズも、缶バッジなんて配っちゃうし、これまで地元の実用品として売られてたらしいもの、背中洗い網とか、そういうものをグッズ化して、さして値段を吊り上げるでもなく売ってたりする。グッズにありがちな割高感が見えない。
これくらいなら、高校生くらいでも来れるだろうし、成人なら繰り返し来ることもできる。

これならリピーターが増えるのもわかるし、町の方も売上増や税収増につながってるらしいので、うまく回ってるんだなと。
実際、これだけ歓迎されてればまた来たくなる。私も関東圏在住なら二度三度来ると思う。


さて、まだ12時ごろなのだが、大阪に帰らねばならん。
かねふくめんたいパークで土産のめんたいこを手配して、駅の方へ。
ここのめんたいこは、大ぶりなのに粒が細かい上等品のわりに値段はほどほどでリーズナブル。

大洗リゾートアウトレットとか見残してしまっているけれど、まあやむなし。また来る機会があれば。

そば処大進さんでソド子を目撃。
筑波銀行の支店に10式戦車。銀行まで……
駅の近くは戦車ポップを置く店が多い。

まあ、いくら大阪に帰るとはいえ、13時14分に乗るのは早いのだが、このまま鹿島臨海鉄道を乗りつぶしてしまいたかった。
駅でレンタサイクルを返し、コインロッカーから荷物を出して駅で待機。


降りた時には気付かなかったが、ホームにもそこら中にいろいろいる。
探してたら待ち時間もあっという間だった。


さてここから、鹿島臨海鉄道を南へ。
特に何があるでもないけど、のどかな田園風景。ちょうど北浦にさしかかったあたりでにわか雨で景色が烟り、いい車窓に恵まれていた。


これにて、JR鹿島線やら成田空港線やら、京成スカイアクセス線やらを乗りつぶす寄り道をしながら東京駅へ戻り、新幹線で帰阪した。

映画「NO」

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前に「革命の子供たち」を見に行った時に予告編やってて、こりゃ面白そうだとチェックしておいた「NO」を見に行ってきた。

これはまったく愉快痛快、笑えてエキサイティングな革命映画だった。おすすめ。




チリが15年に及ぶピノチェト軍事独裁政権下にあった1988年。

ピノチェトは経済成長を成し遂げて、食料にすら事欠くほどの貧しさを脱出させた。
一方で、アメリカのシカゴ学派から導入した過激すぎる新自由主義経済政策で、国内工業の衰退や貧富の格差の増大を招き、貧困率が40%を超えるくらいの状態に。
また、ソ連寄りだった政権に対し、CIAの支援を受けてクーデターを起こしたピノチェト政権だけあって、左派への弾圧も苛烈。強制収容所が作られて拷問が行われ、数千人が死亡または行方不明、人口の1割が経済・政治的理由で亡命するほどに。

そんな状況の中、89年に任期が切れるピノチェト大統領を、引き続き大統領にいただくかの信任投票を行うことになった。

当然こういうのは、ピノチェトが対外的に「私はちゃんと民主的に選ばれた指導者なのだ」とアピールするためのもんで、まあ出来レースみたいなもん。北朝鮮でも選挙はやる。
投票は、ピノチェトにSi (Yes)かNoかのシンプルな無記名投票。
公平な選挙運動も認められ、国営テレビでSi派・No派それぞれに一日15分の枠をもって自由にアピールすることができる。

しかしもちろん、ピノチェトは反対派に共産主義者のレッテルを貼り、警察や軍を使って弾圧するくらいは平気。
まあ、No派が勝つなんて誰も思っていないし、No派に加担したら共産主義者だといわれて何をされるかわからない。

そこに、No派のテレビCMを作れと起用された若手広告マンが、主人公のレネ・サアベドラ。
家族ぐるみの付き合いがある友人だった左派政治家に頼まれて。
演じるのは、あの『モーターサイクル・ダイアリーズ』でチェ・ゲバラを演じたガエル・ガルシア・ベルナル。

No派は、実に17もの党派が反ピノチェトだけで野合した集団で、それぞれ主義主張も違う。
そこに、レネはまるでコーラのCMのようなアメリカ消費文化ノリの映像をぶつける。
当然、ピノチェトの悪行と、それによって生み出された悲劇を生真面目に訴えようとしていたNo派陣営からは、ふざけてると思われて、モメにモメる。

しかし、レネの「Noと投票することで得られる、明るい未来の喜びを謳いあげる」というポリシーでの映像作りが、チリの人々を動かしていく。

まあ、この信任投票でピノチェトが負けることは、もう史実がそうだから25年前にわかっている。というか「NO」というタイトルもネタバレみたいなものだ。
しかしわかってはいても、放送を重ねるに連れて勢いづいて、内容もどんどんおもしろくなるNo派の放送。
映画終盤には、映画館の客席まで沸かせるセンス抜群のおもしろ映像になっていく。支持が広がり、国中も客席も盛り上がっていく。
逆にSi派は、挽回しようにも映像を作れるアーティストや俳優がみなNo派に流れ、どんどん陳腐なものになっていく。そして、不当な検閲や製作陣への嫌がらせなど、悪質な手口に流れる。

月並みな言い方ではあるけど、No派の勢いが映画館の客席まで巻き込みながら勝利まで突き抜け、戦って勝つことを一緒に体験させてもらえるような気になれる。
ひとりか数名のヒーローが悪を倒すような映画とは違って、ムーブメントの一員として勝利に参加できる感覚は、ひどく気持ちがいい。
エンターテイメントとしても楽しめる、秀逸な社会派映画だ。社会派とかどうでもいい人でも楽しめると思う。



しかしまあ、私はめんどくさいやつなので、すげえ面白かったなあ、と思いつつも、また立ち止まって余計なことを思ってしまう。
映画としては、面白かった、で終わるほうが幸せなのだけど。

まあその、選挙というのは本来、ひとりひとりがよく考えたその結果を反映させるべきものであって、愉快なCMに煽られたムーブメントによる結果は正しくないんじゃないか、と、私の頭の中で声はする。
私は民主主義なんてまったく信用できなくて、人はひとりひとりなら優れていたり面白かったりするけど、選挙とかで平均化してしまうと圧倒的につまらなくて低レベルで誤ちを犯すものに成り下がる、と信じている。まして、その場の勢いで流れている人の集団なんて、巨大な危険物くらいに思える。
だから、日頃の私の信念からいって、映画のムーブメントに巻き込まれた気分になってちゃいかんのだ。


一方で、何らかの運動をやるにあたって、クソ真面目に堅い話していても誰もついてきてくれなくて、面白くしなくちゃ話にならない、というのは、どうしようもなく現実にあると思う。
まともで真面目で重要なことを訴えようとするほど、どうしてもクソ真面目で面白くない方向に向かってしまう。そして誰もついてこない。映画でもそれは語られた。
真面目な話を面白く、をやれるセンスの持ち主なんて、忌野清志郎くらいじゃなかろうか。

面白い活動、というのに成功してるのは、一方的な正義を振りかざして人を袋叩きにする、というまったく楽しいことをやってる連中くらい。嫌なもんだ。



今回の予告編にも面白そうなのがいくつか。
韓国映画「レッド・ファミリー」なんて愉快痛快そうだし、固いところでは「シャトーブリアンからの手紙」もいってみたい。

エコ関係

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どうもモノがたまって果てしがないので、これまでこのblogに掲載された古デジカメとか、その他PC周辺機器など、あまりいないと思うけど、もし欲しいという人があれば放出します。
条件は以下。期限は私が廃棄しちゃうまで。
  • ほんとに値打ちはほぼゼロなものばかりなので、送料だけ持ってください。着払いで送ります。
  • 素早い発送も期待しないでください。着日指定も勘弁して下さい。時間は大丈夫と思います。
  • 身元のわかる友人にほしいといわれれば優先するので、先約ありとなったら諦めて。
  • ある程度数をまとめて引き取ってくれると、こっちが楽なので嬉しい。
  • 一応手元で一度は使用できたものですが、結構前だったりもするので保証はしません。
  • ここに書いてる以上の質問されても答えるの面倒なので、適当にネットで調べてください。
  • カメラのメモリーカードと電池・充電器は、基本的にありません。モノによっては、電池または充電器がつく場合がありますが期待せずに。
ご希望の方は、メールなら mubou-an [アットマーク] sfrenatezze.com まで。返信は別のアドレスから来ます。
mixiのメッセージとかtwitterのDMでも構いません。

物品リストは続きで。

PC関係

  • USBディスプレイアダプター BUFFALO GX-DVI/U2
    動作は確認済み。Windows 8には非対応っぽいのと、解像度上限が1680x1050でフルHDには不足。DVI出力で、使えるかわからないけどD-Sub15ピン変換つけます。
  • iOS向けbluetoothキーボード
    Macっぽいキー配置で、AndroidやWindowsじゃ使いづらくて死蔵中。1500円くらいの激安品。
  • Netbook用のUSB増設ステーション STSPD-02
    2.5インチのSATA HDD、IDEの薄型CDドライブ、USBを2ポート増設する台。小さいのでネットブックくらいしか乗らないし、ゴム足ひとつ取れてます。DVD-Rドライブつき。
  • メモリースティックリーダー Logitec LMC-CA10MSU
    無印MS専用なので128MBまで。本当にどうしようこれ。
  • 外付けPD/CD-ROMドライブ Panasonic LF-1700
    SCSI外付け。ACアダプターあり。単体でヘッドホン用CDプレイヤーになります。嬉しくないけど。
  • PCMCIA SCSIカード I/O DATA PCSC-F
    PCカードのSCSIカード。ケーブルあり。動作確認なし。ドライバーがあればPC-98でもいけるはず。
  • PCI SCSIカード I/O DATA SC-UPN
    ロープロファイルブラケットのみ。Windows XP以降でドライバー有無不明。PC-9821対応。
  • サウンドカード PHILIPS Acoustic Edge
    往年の名サウンドカード。確かWindows 7じゃドライバーがなかったはず。
  • ベアボーンキット AOpen H300A
    MicroATXの横置きベアボーン。確かTUSI-MとCPU・メモリが何か入ってます。電源が古くて12Vコネクターがないので、まっとうに使えるマザーはPentium 3世代。何が動くかはよく考慮のこと。

スマホなど

  • スマートフォン Docomo T-01A
    Windows Mobileのスマートフォン。ボロ。ネタで2000円くらいで買ったものの、今となってはブラウザ閲覧すら苦しい状態。WiFi利用可、電池はある程度寿命残ってます。
  • タブレット NEC Lifetouch
    初代モデルでAndroid 2.2。アップデートなどでもバージョン上がりません。WiFiのみ。感圧式タッチパネルでマルチタッチ不可。そろそろブラウザすら重いレベル。動作はします。ACアダプターはないので、PSP用USBケーブルでUSB充電するなどして代用してください。
  • AC-USBアダプター iBUFFALO BSIPA09BK
    4ポート・合計2A・1ポート2A。形悪くて使いづらいので死蔵中。一応動作確認済み。
  • エネループモバイルブースター 三洋KBC-L3A
    500mAh出力のモバイルバッテリー。スマホとか出力足りないのでガラケーなどに。充放電確認済み。
  • USB2.0パワードハブ ELECOM U2H-EG4SBK
    4ポート。ACアダプターあり。使ってたものなので多分大丈夫。

デジタルカメラ

  • ニコン COOLPIX 7900 (ぼろい、7M, SD, EN-EL5)
  • ニコン COOLPIX P2 (5M, SD, EN-EL8)
  • ニコン COOLPIX F3500 (3M, CF, EN-EL2)
  • ニコン COOLPIX 3700 (3M, SD, EN-EL5)
  • ニコン COOLPIX S8 (7M, SD, EN-EL8)
  • コニカミノルタ DiMAGE Z3 (4M, SD, 単三)
  • コニカミノルタ DiMAGE G600 (6M, SD/MS, NP-600)
  • コニカミノルタ DiMAGE F100 (4M, SD, 単三)
  • コニカミノルタ DiMAGE G400 (シャッター不調, 4M, SD/MS, NP-600)
  • 三洋 DSC-SX1Z (1.3M, SM, 単三)
  • 三洋 DSC-MZ1 (2M, CF, 単三)
  • 三洋 DSC-R1 (1.3M, CF, 単三)
  • 三洋 DSC-SX150 (1.3M, CF, 単三)
  • 三洋 DSC-J2 (4M, SD, DB-L10)
  • Kodak DC215ZOOM (1M, CF, 単三)
  • Kodak DC80 (80K, CF, 単三)
  • Kodak DC25 (0.18M, CF, CR-123A)
  • Kodak DC240i (スケルトンモデル, 1.3M, CF, 単三)
  • Kodak Easyshare CX7300 (3M, SD, 単三)
  • オリンパス C-740UZ (4M, xD, 単三)
  • オリンパス X-450 (3M, xD, 単三)
  • オリンパス iR-300 (5M, xD, LI-40B)
  • オリンパス C-2100UZ (2M, SM, 単三)
  • オリンパス X-2 (5M, xD, LI-20B)
  • オリンパス X-1 (4M, xD, LI-20B)
  • オリンパス C-40Z (4M, SM, 単三)
  • オリンパス X-200 (3M, xD, 単三)
  • オリンパス C-2000Z (2M, SM, 単三)
  • オリンパス μ760 (7M, xD, LI-40B)
  • オリンパス C-3040Z (レンズ不調, 3M, SM, 単三)
  • オリンパス C-21 (2M, SM, 単三)
  • オリンパス C-2 (2M, SM, 単三)
  • オリンパス μ40 Digital (5M, xD, LI-10B)
  • 東芝 PDR-M60 (2M, SM, 単三)
  • 東芝 PDR-M4 (2M, SM, フジNP-80と同じ)
  • 東芝 Sora T10 (2M, SD, 単三)
  • リコー RDC-5000 (2M, SM, 単三)
  • リコー DC-4U (1.3M, SM, 単三)
  • リコー Caplio RX (3M, SD, 単三)
  • リコー Caplio RZ1 (4M, SD, 単三)
  • リコー Caplio RR10 (2M, SD, DB-40)
  • フジフイルム Nexia Q1 Digital (ハローキティモデル, 4M, xD, 単三)
  • フジフイルム FinePix F610 (6M, xD, NP-40)
  • フジフイルム FinePix 6800Z (3M, SM, NP-80)
  • フジフイルム FinePix F11 (6M, xD, NP-120)
  • フジフイルム FinePix 2300 (2M, SM, 単三)
  • フジフイルム FinePix 1300 (2M, SM, 単三)
  • フジフイルム FinePix 2600Z (2M, SM, 単三)
  • フジフイルム FinePix A303 (3M, xD, 単三)
  • フジフイルム FinePix 4700Z (2M, SM, 単三)
  • フジフイルム FinePix F401 (2M, SM, NP-60)
  • カシオ QV-3000EX (3M, CF, 単三)
  • カシオ EXILIM EX-P600 (6M, SD, NP-40)
  • カシオ EXILIM EX-S3 (3M, SD, NP-20)
  • ソニー DSC-F55K (2M, MS, Infolithium S)
  • ソニー DSC-F88 (レンズ不調, 5M, MSPro, Infolithium R)
  • ソニー DSC-F77 (レンズ不調, 4M, MSPro, Infolithium C)
  • ソニー DSC-F505V (2M, MS, Infolithium S)
  • ソニー DSC-P32 (3M, MSPro, 単三)
  • ソニー DSC-S40 (4M, MSPro, 単三)
  • ソニー DSC-P92 (5M, MSPro, 単三)
  • 京セラ Finecam SL300R (3M, SD, BP-780S)
  • 京セラ Finecam L3v (3M, SD, 単三)
  • キヤノン IXY Digital L2 (5M, SD, NB-3L)
  • キヤノン PowerShot A10 (1.3M, CF, 単三)
  • キヤノン PowerShot S50 (5M, CF, NB-2L)
  • キヤノン PowerShot S1IS (3M, CF, 単三)
  • キヤノン PowerShot 350 (0.3M, CF, 単三)
  • キヤノン PowerShot A400 (3M, CF, 単三)
  • ペンタックス Optio 230 (2M, CF, 単三)
  • パナソニック LK-RQ1 (0.3M, CF, 単三)
  • パナソニック LUMIX TZ1 (5M, SD, DMW-BCD10)
  • 日立 HDC-331 (3M, SD, 単三)
  • EXEMODE DC132 (1.3M, SD, 単四)
  • エプソン L-410 (4M, SD, 単三)


それと、Xbox360を処分しようか迷ってるので、欲しければ交渉してください。
初代のHDMIなしモデルで修理歴2回、古いせいかForza Horizonが正常動作しません。
HDDは120GB増設済み、20GBもあり。接続ケーブルはD-Sub15ピンケーブルと、もしかするとS端子ケーブルも出てくるかも。


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