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環境計量士(濃度関係) 過去問チャレンジ H25-環濃

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インフルエンザも治って、また勉強しなければいけません。
「化学分析概論および濃度の計量」の過去問に当たりましょう。




問1 「JIS B 7981 排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器」に準拠した溶液導電率式の濃度計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


JISは無数にあるから、内容まで全部覚えろと言われても無理そうなので、選択肢を見ておかしそうなのを抜くしかないか。

1は、SO2の吸収に「塩酸酸性過酸化水素水」というのもなんか異様なような。
2は、タンクから吸収液を送り出すんじゃないか。
3は、これはもっともらしい。
4は、なんだろ。露点って、それより低いと結露する温度だから、結露は不味いとは思うが。
5は、まあそんな都合のいい装置もそんなになかろうと思う。

それで3かな、と思ったが、4の方だった。

3は書き方に順番とかの指定もないし、「などから」なんて他の装置があることも含んでるから、あってはいけない装置が書かれてるのか。
あれかな、フィルター通さずにそのまま吸収部に入れるものか。


問2 天秤で水の質量を測定した。空のフラスコのひょう量値が25.124 gであり、20 ml 用の全量ピペットで水を入れたフラスコのひょう量値が45.116 gのとき、浮力補正後の質量として次の中から、最も近いものを一つ選べ。ただし、水の密度は1.0 g/cm^3、分銅の密度は8.4 g/cm^3、空気の密度は0.0012 g/cm^3とする。


とりあえず空の時点で釣り合っているので、そこをゼロとすれば、フラスコの比重とか浮力は考えなくていい。
水 20 cm^3が、45.116 - 25.124 = 19.992 g の分銅と釣り合っているとかんがえる。

水の密度 1.0 g/cm^3から、空気の密度 0.0012 g/cm^3を浮力として差っ引くと、0.9988 g/cm^3。
分銅の密度 8.4 g/cm^3から同じく浮力を差っ引くと、8.3988 g/cm^3。

分銅の表示値は19.992 gだけど、浮力が働いて密度が下がっているので、8.3988/8.4 倍する。19.9891 g。

水の質量は、空気の浮力を受けて19.9891 gとなるので、浮力を加味しない値に戻すため、1.0/0.9988 倍する。
そうすると、20.01316という値が得られる。

すると選択肢4に近い値になる。


天秤の分銅の表示値というのは、もしかして元々浮力を加味した値じゃないか、という気もする。

そうすると、水は浮力を受けてる状態で19.992 gで、1.0/0.9988倍すると、20.01602、と出た。
どっちつかずな数字で、選択肢4とも5とも選べない。
やっぱり分銅側にも浮力の計算は必要だ。


問3 以下の表はイオン電極の種類の一例を示している。表中のア~ウに入る内容の組合せとして、正しいものを一つ選べ。

電極の形式 / 電極の種類 / 応答勾配 / 測定pH範囲 /妨害を与える主なイオン
ガラス膜電極 / (ア) / 50~60 / 6~11 / Ag(+),H(+)
固体膜電極 / S(2-) / (イ) / 13~14 / -
固体膜電極 / CN(-) / -50~-60 / (ウ) / S(2-),I(-)
*応答勾配は、(mV/10倍濃度変化)で表した値である。


とりあえず(ウ)について。
シアン化水素は弱酸だから、アルカリ性側でないとCN(-)がイオン化せずにHCNになっちゃいそうな感じ。
よって、CN(-)の測定pH範囲は、強アルカリ性側の11~13と想像した。
これで選択肢1か4に絞れる。

(ア)については、1か4ならNa(+)かNH4(-)。
同じ理屈で行くと、Na(+)なんて簡単にイオン化するだろうから、それほど測定範囲にこだわらなくて良さそう。
……と思いきや、測定pH範囲が6~11とあるけれど、妨害イオンに水素イオンがあるせいだろうから、イオン化とは別件と思われる。
陽イオンなのにpH=11なんてアルカリ性側でも測れる、というのはやはりナトリウムの強いイオン化傾向あってこそではないか。少なくともアンモニアがpH=11で電離できるか?

ということで、(ア)にナトリウムイオン、(ウ)に11~13が入る選択肢1が正解と観た。
答えを見ても1となってるので、よしとしよう。


問4 「JIS Z 8401 数値の丸め方」にしたがって、15.305 及び7.475 の2 つの数値をそれぞれ有効数字4 桁及び3 桁に丸めよ。その上で、両者の積を計算して、適切な桁数に丸めた答えとして次の中から、正しいものを一つ選べ。


15.305を4桁に丸めれば、15.31。
7.474を3桁に丸めれば、7.47
掛けると114.3657になるけど、適切な桁数ってなんだろ。まあ桁数の小さい方に合わせりゃいいのかな。3桁に丸めると114。

なので選択肢は1になるけど、答えもそうなってる。


……と、特に考えなしに計算したけど、これは途中経過が間違いになる。
JISを確認すると、丸めの幅の中間点の値が与えられた時は、丸めた結果を偶数にする、という規則があった。(この方が複数の値を丸めていく時に誤差が小さくなるらしい)
すると、15.305は、15.31ではなく15.30と丸められるべき。

15.30 * 7.47 = 114.291。
3桁に丸めると、やっぱり114。


問5 ガスクロマトグラフ法に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。スプリット注入法って確か、試料の一部分しか導入されないので、全部入れるスプリット注入法よりはピーク小さくなるだろう。正しい。
選択肢2。カラムの全長が全然違うし、同じにはならんような……。自信ない。
選択肢3。別に保持時間が変わったりとかしないだろうから、量と分離度は関係なしか。
選択肢4。わからん。
選択肢5。わからん。

で、正答は3とのこと。

加熱脱着装置は、固体とか液体の試料を加熱して、ガス成分を揮発させるものだそう。それを導入して分析する。なんでそういうもんを「脱着」というのかわからんけれど。

4が何のことかさっぱりわからんけれど、検索するとそれらしい話があった
2は、保持比なら同じでいいのか。


問6 (90)Sr は放射性物質であり、その半減期は29 年である。現在の(90)Sr の放射線量が1/10 量になるまでの期間を年で表したとき、次の中から、最も近いものを選べ。ただし、log 2=0.30 とする。


半減すなわち1/2倍なので、n回繰り返せば1/10になる。
試験会場にはルート付きの四則電卓しか持ち込めないので、関数電卓でピっとはいかない。

要は2^n = 10を解けばいいのよね。
n = log2(10)
n = log(10) / log(2) *底の変換公式 
n = 1 / 0.30 = 3.33...

半減期の3.33...倍で1/10になるので、半減期29年を掛けると、96.666年。
答えは選択肢3の97年。正解ともあってた。


問7 ICP発光分光分析における物理干渉に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


ICPって、プラズマ炎で対象元素を励起させて、それが基底状態に戻るときに起こす発光を計る装置ね。
分析装置はまとめて何がどういうものか覚えておかないと……

選択肢1。これが正しくないわけがないので正しい。
選択肢2。検量線に干渉の状態ごと再現してしまえ、ということになるから正しそう。
選択肢3。試料そのものに標準物質を加えて検量線も作ってしまえ、ということなので、正しそう。
選択肢4。わからん。蠕動ポンプというものらしいんだけど。
選択肢5。分解能高かったら紛らわしい波長でもちゃんと分けられるので、これは正しい。

答え見たら5だという。わけがわからない。

ペリスタルティックポンプで物理干渉を軽減できる、というのも何のことかわからんので、検索してると、堀場製作所のサイトでICPの干渉についての文書があった
これによると、私は物理干渉というのを、物理現象として起こる干渉全般を指すものと思っていて、「目的元素と似たような波長で発光する共存元素が妨害する」というのも、物理干渉だと思っていたのだけど、これは分光干渉というらしい。

物理干渉は、試料導入時に起こる。
例えば試料の粘度が高くなると、ネブライザーでの霧化がうまくいかなくなって試料がうまく導入できなくなる。
そこでネブライザーで圧送してやれば、多少粘度があっても霧化不良を抑えることができる。
そういう場合が選択肢4のようになるそうだ。

選択肢5は、物理干渉なのに分光干渉の話をしているから、間違い。


問8 「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」で規定されていない器具、又は装置はどれか、次の中から一つ選べ。


この手の記憶問題はどうしようかな。
正解は2というけれど。

選択肢1~3が捕集器具。
1が吸収瓶、3が採取用カートリッジと、どちらも捕集液に吸収させて集めるもの。
2の捕集バッグはそのまま集める。
ここに違う点があるか。


問9 原子吸光分析における原子化の方式と調節すべき装置操作条件の例との組合せとして、次の中から正しいものを一つ選べ。


1は、アセチレンガスとかで炎を上げてるものだから、発熱体は関係ない。
2は、電気加熱方式にバーナーはない。
3は、あんまり冷蒸気方式よくしらないのだけど、冷蒸気といって助燃ガスも変なような。化学的にイオン化させるやつよね。
4は、イオン化はフレーム中で一瞬にして行われるだろうから、その時間気にしなくてもいいような。
5は、別にシースガス流したりしないと思うんだけど……

あれ?と思うと、5が正しいそう。
ものによっては、試料の酸化防止とかでアルゴンなどのシースガスを流すものがある、とJIS K0121に書いてあった。


問10 排ガスの分析法に関する日本工業規格(JIS)において、吸光光度法が適用されていないものを以下の中から一つ選べ。


吸光しなさそうなもんに吸光光度法もないだろー、と思っても、発色剤と反応させて吸光光度法、なんての死ぬほどあるしなあ。
どうにか見抜く方法があるのかな。リストアップして眺めてりゃ見えるだろうか。

まあ、答えは3とのこと。


問11 「JIS K 0151 赤外線ガス分析計」について、次の構成要素と部材の例との組合せの中から、正しいものを一つ選べ。


赤外線ガス分析計って、一酸化炭素とか二酸化炭素が測定対象のはずだけど、水質の公害防止管理者じゃ聞かれるようなもんじゃないからなあ。
仕組みまで聞いたことないし、ちょっと想像もつかない。

途方に暮れて答えを見ると、1が正しいそう。


JIS K0151を確認した。

まず光源がある。
光源は、ニクロム線や炭化ケイ素など、抵抗体に電流を流して加熱したものとする、と明記されていた。

次に回転セクタというのを通る。プロペラみたいなもんが光を一定間隔で遮断して、変調させるものらしい。

それが光学フィルタを通る。いらない波長の赤外線をカットする。
これは特に何を使えという指示はなかった。ベリリウム板、なんて書いてない。

そして光束が試料セルに入る。
セルの両端にはもちろん、「両端の窓から試料光束が通過する構造のものとする」と記載はあるが、窓を何にしろとは書いていない
プラモデルの成分ってポリスチレンだけど、あれで窓作っても、透明度も耐久性も全然ダメな気がする。赤外線ならガラスでいいと思うけどな。

試料セルとは別に光束を作って、比較セルを通すものもある。
これにはアルゴンまたは窒素を封入するとのこと。
純水だと大気中からどんどん二酸化炭素を吸収するから、具合悪そうね。

通り抜けた光束が検出器に入る。
検出器の信号が増幅器で増幅され、指示針なりに出力される。
検出器については、選択的なものとして、特定成分(または代用の)ガスを封入したコンデンサマイクロホンまたは熱式流量計。あるいは光学フィルタで波長を選択した上で、非選択的な検出器、サーミスタボロメータ、焦電系などの熱検出素子、硫化鉛・セレン化鉛などの半導体検出器を使う。
チャンネルトロンは、電子やイオンや中性子なんかを検出するものだそうで、全然関係ない。


問12 「JIS K 0103 排ガス中の硫黄酸化物分析方法」に関する以下の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。別にそんなややこしいことせんでも良さそうな気がするけれど……
選択肢2。これはまあ影響しそう。
選択肢3。還元性だといけないなら、酸化性の雰囲気におかんといけないわけかな。
選択肢4。まあ硫酸バリウムの沈殿はできそう。
選択肢5。知らんけど現代の科学力をもってすればSO2以外も測れないか。

正解は1とのこと。
やっぱりイオンクロでそんな余計なことしなくてよかった。


JIS K0103を確認。
分析方法は、イオンクロか沈殿滴定が主。
附属書には、沈殿滴定法(トリン法)、比濁法、中和滴定法、またイオンクロによるSOxと塩化水素同時、SOx・塩化水素・NOx同時滴定法も規定されている。

採取時は過酸化水素水に吸収させることで、酸化して硫酸になった状態にしておくよう。
採ったものは水でメスアップして試料とする。固形物が入っていれば濾過。

イオンクロは、還元性ガスが高濃度に共存しているときは使えない、とは選択肢の通り。
硫酸イオンが酸化性があるからかな。

沈殿滴定法では、アルセナゾIIIを指示薬として酢酸バリウムで滴定。選択肢通り。

自動計測法については、「JIS B 7981に規定する方法による」と丸投げになってるけど、「自動計測法(対象成分: SO2)」とか、二酸化硫黄のみが対象だと明記してあった。


問13 「JIS K 0095 排ガス試料採取方法」に規定されている、排ガス試料の連続分析のための前処理部の除湿に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


選択肢1。変なことは書いてなさそう。
選択肢2。あるでしょう。
選択肢3。ちょっとわからない。
選択肢4。露点を保って冷却する、ってそんなことできるのだろうか。
選択肢5。これはまあ正しいんじゃないか。

3が正解とのこと。
アタリマエのことだけど、JISに除湿機の理屈まで書いてるわけじゃないからなあ。

半透膜気相除湿方式、となると、試料ガスと乾燥ガスを、水は通過する半透膜を隔ててる状態にして、乾燥ガスは当然水分が少ないから、試料ガス側から浸透圧みたいなもんが働いて水が移動する、といったもんか。
そうすると、乾燥ガス側が冷却されてると、含むことができる水蒸気の量が減ってしまうから、浸透圧が小さくなってしまう。むしろ加温するほうがいいのか。

電子冷却式って、ペルチェクーラーで冷却除湿をするものっぽい。
露点を一定に保つって、「露点を変えずに冷却する」なんてウルトラかつ除湿ができなくなるようなことじゃなくて、温度をコントロールして露点をふらふらさせないってことか。


問14 「JIS K 0085 排ガス中の臭素分析方法」のうち、滴定を用いる定量法に関する次の記述について、(ア)~(ウ)に入る語の組合せの中から、正しいものを一つ選べ。

排ガス中の臭素化合物を(ア)溶液に吸収し、(イ)溶液で(ウ)として滴定する。

さっぱりわからん。
3が正解か。

臭素化合物は、「臭素・臭化水素などのガス状無機臭素化合物中の全臭素を分析する」そう。JIS K0085がそのための規格。

方法は、「チオ硫酸滴定法」と、「チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法」がある。
この問題は、チオ硫酸滴定法の話のよう。

臭素化合物を水酸化ナトリウム吸収液に吸収して採取。
次亜塩素酸ナトリウム溶液で酸化し、臭素酸イオンBrO3(-)にする。
余剰の次亜塩素酸ナトリウムをギ酸ナトリウムで還元する。
そして臭素酸イオンをチオ硫酸塩で滴定する。

チオシアン酸水銀(Ⅱ)吸光光度法は以下。
臭素化合物を水酸化ナトリウム吸収液に吸収して採取。
これを酸性にし、過マンガン酸カリウムで酸化し、四塩化炭素で抽出する。
四塩化炭素層に水と硫酸鉄(Ⅲ)アンモニウム溶液・チオシアン酸水銀(Ⅱ)溶液を加える。
臭素が含まれれば水層が発色するので、吸光を計る。


問15 「JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則」に規定されている装置校正用ガスに関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


さっぱり。
選択肢1はまあ正しそうとして。
選択肢2は、真空捕集瓶に試料入れて希釈ガス入れて、みたいな作業かな。
選択肢3。まあ調整弁つきのY字管みたいなんで混合して調製、みたいなことか。
選択肢4。ちょっとぐぐった
パーミエーションチューブって、恒温で保持するとチューブ内の液化ガスが一定のペースで浸透拡散するので、そこに希釈ガスを一定流量で送ってやると、一定濃度のガスを含んだ試料が取れる、というものだそう。まさに校正用のガス調整装置みたい。
ディフュージョンチューブ、というのも、ガスが揮発拡散することで同じことを実現するものだそう。

じゃあこの選択肢が正しいのかというと、ステンレス管じゃなくてフッ素樹脂管。
まあ、確かにステンレスだと微妙に影響与えたりしそうな気はする。

選択肢5。よくわからんけど正しいのね。


問16 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている、よう素滴定法による溶存酸素の分析において、必要のない試薬を以下の中から一つ選べ。


ヨウ素滴定はやったことがあるのだけど、ヨウ素滴定を含む複数の実験で亜硫酸ナトリウムを使った記憶がないような……
というズルはさておき。

よう素滴定法、ウィンクラー法とかウィンクラー・アジ化ナトリウム変法とかの別名もある。

ウィンクラー瓶という独特の瓶を使う。
そこに試料水をいっぱいに入れ、硫酸マンガン(Ⅱ)とアルカリ性ヨウ化カリウム-アジ化ナトリウム溶液を加えると沈殿ができる。
よく振ってから静置して沈殿を底に沈め、硫酸を加えて振ってやると沈殿が溶ける。
これに指示薬としてデンプンを入れてやると青くなる。
チオ硫酸ナトリウムで滴定していって、青が消えたら終点。

しかし、このへんもちゃんと思い出さないと答えられないな。うーん。一度は覚えたはずなのだが……


問17 「JIS R 3505 ガラス製体積計」に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


1。時間なんか決まってなかったと思うんだけど、単に私がその水準で操作したことないだけかしら。
2。ピペットならわかるけど、ビュレットは都度乾かして使うもんじゃない。
3。温度意味あるのかな。
4。±0.05 mLとか、数字で示してある。
5。そんなことないと思うけれど。

正解見たら1だって。
私の取り扱い能力云々じゃなくて、ピペットを排水したらこれくらいの時間をかけて出るように、というのが規格で決まってるという話だった。あんまり豪快にじゃーっと出たり、ぽたぽたとしか出ないようなのはNGになる。
ホールピペット・メスピペットには決められてるけど、ビュレットには決められてなかった。ちょっと意外。

目盛りは、20℃の水を測定した時の体積で打ってあるそう。
水の体積に拠るんだねえ。

材質は、ほうけい酸ガラスでなければならない。線膨張係数が55×10^7/℃以下であること。


問18 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されているイオンクロマトグラフ法による工場排水中の硫酸イオンの分析において、以下の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


1は標準添加法のこといってるんだろうから、誤ってはいないだろう。
2は、サプレッサーについて、島津製作所が情報を出してくれていた
溶離液を電気伝導度の低い組成に変換して、ベースラインを下げてピークを高める仕掛け。
そうするとより微量でも検出できるようになって、定量範囲が広がる。
3は、特に変なことなし。
4はちょっとよくわからんけれど、イオン交換体を使う以上、高濃度の陰イオンなんか入ってたら不味い感じはする。
5もわからんかった。

JISを確認すると。
5については、硫化物イオンをろ別するためには酢酸鉛じゃなくて酢酸亜鉛溶液を使って沈殿させるとのこと。
4についても、特によう素がというより、何かの陰イオン濃度だけが飛び抜けて高いような場合は、不完全分離による交差感度妨害というのを起こすそう。


問19 「JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


1は正しい。
2はちょっと知らない。
3は、むしろ燃焼するようなものが混在したまま高熱のジルコニア素子に触れると、酸素が消費されてしまって測定値が代わる。炭化水素入りなんてNGのはず。
4は、酸素計は素子が物理的に動くのを検出したりするので、振動があると使えないはず。
5も正しい。

3が明らかに間違ってるので。


問20 「JIS K 0102 工場排水試験方法」に規定されている工場排水中のほう素の分析法について、次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


ホウ素は公害防止管理者の水質四種でも出る範囲なのだけど……

1は、ホウ珪酸ガラスのものを使うなって話だろうから正しい。
2と5、吸光光度法なんか物質ごとに違う発色剤使って規定されてて、どうやって覚えりゃいいもんかなあ。
3はわからん。
4はそんな話は聞いたことある気がするけど、なぜそうなのかわからない。


ホウ素は、メチレンブルー吸光光度法、アゾメチンH吸光光度法、ICP発光分析法とICP-質量分析法でやる、とのこと。

メチレンブルー吸光光度法は、ホウ素化合物入り試料に硫酸とフッ化水素酸を加え、テトラフルオロホウ酸イオンにする。それにメチレンブルーを加えるとイオン会合体ができるので、1,2-ジクロロエタンに抽出して吸光を計る。
多量の硝酸イオンが妨害する。クロム酸イオンも妨害するが、過酸化水素で酸化処理する。フッ化物イオンや多量の有機物も、事前処理で除去する。

アゾメチンH吸光光度法は、ホウ酸がpH6で、アゾメチンHと反応してできる黄色の錯体を吸光光度法で計る。
汚濁の少ない試料に適用する、と条件がついている。
鉄、マンガン、アルミニウム、銅、クロム、ベリリウム、チタン、バナジウム、ジルコニウムが正の誤差を与えるとのこと。アルカリ金属やアルカリ土類金属、亜鉛、りん酸・硝酸・硫酸イオンは妨害しない。

ICP発光分析は装置に突っ込んで249.773nmで発光を計る。
イットリウムで内標準法を使ってよい。
ホウ素のメモリー効果が大きいことも記載あり。

ICP-MSでも、イットリウムかインジウムで内標準法を使える。

そういうことで、内標準法にビスマスを用いる、という選択肢3が間違い。


問21 液体クロマトグラフィーで使う略号と対応する用語の次の組合せの中から、誤っているものを一つ選べ。


全部はわからんけど、RPLCだとReverse Phase Liquid-Chromatographyだろうから、逆相液体クロマトグラフィー。選択肢2が違う。

LC/MSはそのまま。
ODSはカラムの固定相につかうやつ。
RIDが示唆屈折率計なのはいいとして、Refractive Index Detectorだそう。
Height Equivalent to one Theoretical Plateの頭文字で理論段相当高さだとのこと。


問22 試料中における多成分の農薬類を同時に測定する方法として、「JIS K 0128用水・排水中の農薬試験方法」に規定されていないものを、次の中から一つ選べ。


公害防止管理者のレベルだったら、そもそも多成分同時測定ができないようなものがいくつも混じってたりしてくれそうなんだけどな。

農薬なら大体有機物が多かろうから、FID(水素炎イオン化検出器)でも行ける気はするけど、ちょっと用途が違う気もする。炭化水素類の検出用か。
熱イオン化検出器は、NPDともいわれて窒素・りんを検出するやつだから、使えるはず。
炎光光度検出器(FPD)も、りんに有効だそう。
GC-MSなんか大体なんでもできそう。
確かHPLCは農薬には使うんだったはず。

なので、2のGC-FIDがダメ。


問23 質量分析計に関する次の記述の中から、正しいものを一つ選べ。


質量分析計の装置の大まかな理屈だけは知ってるつもりだけど、しかしソレを実現するための装置の仕組みがもうひとつよくわかってなくて。

磁場偏向式分析器はわりと理屈がわかりやすいと思う。飛ばしたフラグメントイオンを磁場に通したら、イオンの価数と質量数によって軌道の変わり方が違うから区別ができる、みたいな。

しかし四重極型はポピュラーらしいんだけど、理屈聞いてももひとつわからない。
なんか長い棒の電極を4つ、◇に置いてその中央にイオンを飛ばして通す。電極の電圧やらによって、特定の電荷の質量数のイオンだけを選択的に通過させて、他のものを外に弾き出すようなことができる、と。電磁気学とか知ってたら意味わかるんだろうか。

他に飛行時間式というのもあって、イオンを同じエネルギーを与えて飛ばしてやると、やはりイオンの価数と質量数によって飛行速度が代わって、発射してから検出器に当たるまでの飛行時間を元に分析する。これもわかりやすいな。
で、そういう飛行時間式のやつで、何もなくまっすぐ飛ばすのがリニア型。電場をかけて飛んだイオンがUターンして戻ってくるようにするのがリフレクトロンというものだそう。

1はそういうわけで、四重極型じゃなくて飛行時間式にリニア型とリフレクトロン型がある。
2は、質量数とイオンの価数で分離するので、質量数だけではない。
3は、三次元四重極型、よく知らんけど、四重極を環状にしたものらしい。環状だからサイクルかもしれんけれども、サイクロトロンって加速器だし、別に四重極で加速するわけじゃないような。
4は、四重極型はそうするんじゃないか。
5は、普通ガスクロの後に質量分析計を繋ぐだろうし、その順番なら質量分析計の方式がなんだろうと繋ぐことはできると思うけれど。

そういうことで、選択肢4が正しい。

問24 用水・排水中のテトラクロロメタンの試験方法として、次の試料濃縮法と検出器の組合せの中から「JIS K 0125 用水・排水中の揮発性有機化合物試験方法」に規定されていないものを一つ選べ。


ヘッドスペースかつFIDだと、CCl4にはあんまり感度上がらないかなー、と思ったので5を選んだけど、それでいいみたい。

ヘッドスペース法は、液体試料を入れた容器の上部空間に揮発してきた成分をガスクロに入れる方法。
パージアンドトラップ法は、液体試料にパージガスを流して強制的に成分を揮発させ、一旦吸着剤にトラップしてから、それを加熱脱離してガスクロに入れる。
もちろん、感度が高いのはパージアンドトラップ法の方だろう。

水には溶けにくいCCl4だから、溶媒抽出はできそう。

電子捕獲検出器(ECD)はハロゲン化物に有効なものだから、CCl4には使いやすそう。
溶媒抽出はもちろん(選択肢4)、ECDでCCl4ならかなり高精度に測れそうなので、ヘッドスペースでもなんとかなるんじゃないか。(選択肢2)

質量分析計はまあ大体なんでもできそうなので(実に雑な考え)、パージアンドトラップ法でGC-MSならいけるでしょう。(選択肢1)

水素炎イオン化検出器(FID)は、炭化水素の検出、特にC-Hの結合に対して感度があると調べたことがある。一度パラベンとか酢酸エチルとかの有機溶剤を計ったことがあって。
なので、CCl4だと水素も含まないし、あまり高感度に計ることはできないように思った。
多少悪くても検量線引ければいいだろうけど、残ってる選択肢がFIDにヘッドスペースかパージアンドトラップかといわれれば、より感度が悪かろうヘッドスペースの方がNGと思う。


問25 「JIS B 7954 大気中の浮遊粒子状物質自動計測器」に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。


いくつも誤ってるように見える。どうしよう。

β線吸収方式は、ろ紙に捕集してβ線を当てて、どれくらい透過するかをもって浮遊粒子状物質の質量を計る。
水質の公害防止管理者で勉強した液体の自動計測器なら、どれも連続処理になるようにしてるものばっかりだけど、浮遊粒子状物質の場合はろ紙使うってことはバッチ処理っぽいな。
選択肢1は正しいみたい。

光散乱方式って、光が粒子に当たって遮られるのを検出器で拾うようなやつで、ごく細い光ビームを使えば遮られた回数をもって粒子数を数えられそうだなー、とは思ったのだけど。
でも、なんかもっと高精度なものらしくて、粒子系も測れるものみたい。浮遊粒子状物質は10μm以下の粒子だけが対象だけど、計ってしまってから10μmより大きいものをカウントから除外する、という形でいけるみたい。
よって選択肢2は正しかった。間違ってるかと思ったんだけど。

圧電天秤方式は、確か水晶発振子みたいな電流流したら振動する素子を使って、粒子状物質が吸着されて重くなると振動数が減るのを検出する、といった話だったはず。
あんまり山盛りに振動板に積もってたら、いわばベースラインが高い状態になるだろうから、パージする必要はあるだろう。選択肢5もよし。

粒子状物質は負電荷帯びてるだろうから、そのままじゃ素子につかないと思うので、選択肢4は正しそう……と思いきや、答えを見るとこれが間違いらしい。
そうじゃなくて、コロナ放電で荷電させることで、水晶発振子にくっつける、とのこと。

フィルタ振動方式も、ろ過フィルタを振動させておいて、そこに試料ガスを通過させて浮遊粒子状物質をフィルタに捕集し、それによって質量が増えて振動数が減るのを検知するというものだそう。
選択肢3も書いてるまま。



公害防止管理者を取った時にある程度の勉強はしたから、計量法なら多少の知識はあるつもりだったんだけど、うーむ。知識不足でずばり答えを見つけられないことがほとんど。特に大気関係のは圧倒的に足りない。
何で何をどう計る、計る方法の原理はどうだ、どういう装置だ、というのは整理しておかなきゃいけないな。


摩耶山 (DiMAGE Z3)

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最近資格試験とかで運動不足だし、しっかり歩く日に決定。
近いけど行ってなかった摩耶山へ。


阪神電車で岩屋駅へ。
前に兵庫県立美術館で大河原邦男展を見た時に使った駅。他県で快速止まらない駅を何度も使うのは割と珍しいな。
しかしあの時とは逆方向、山手へと歩いていく。



とりあえず王子公園前の王子神社にお参り。
都市部のちょっとした神社、って感じで、境内もかなり駐車場に転用されてる状態。由緒書きなんかも発見できず、うーん?


その近くに横尾忠則現代美術館があるのだけど、まあ、私にはよくわからないのでパス。


横尾忠則の道を挟んだ向かい側、王子公園の南西隅に神戸文学館というのがある。

元々王子公園のところは関西学院だったそうで、そのチャペルとして建てられたレンガ造り。
関学が移転してもそのまま、戦争を超えて万博の展示施設になったり、文化センターになったり図書館になったりギャラリーになったり転用に転用を重ね、今は文学館。
2008年に登録有形文化財になった。

中は、神戸ゆかりの文学者について紹介する展示がある。
小規模なものだけど、イベントとして講演会やらをやってるような感じで、そういう設備があった。


何か食べてから王子動物園を一回りかな、カメラもズームが利くやつだし……と思ってたけど、たまたま駅から飲食店がほとんどないところを通ってしまったよう。喫茶店くらいしかない。
仕方なくそのまま、山手の方へ上がっていく。

しかし王子公園北側に学校がいくつかあって、女学生が降りてくるのとすれ違う形になったのだけど、歩道いっぱいに3人広がって明らかにこっち見てるのに避けようともせずカメラの入ったこっちのカバンを跳ね飛ばすとか、ふたり並んできてこっちが避けて植木の枝に突っ込んでもお構いなしとか、神戸の山手のお嬢さんというのは下々の労働者階級の者など石ころくらいに見えんのかしら。
私はちょっと、石ころというには大きすぎる岩石だと思うのだが……


王子公園北側の通りを東へ、摩耶ケーブルの駅へと歩いていく途中、こぢんまりした、ちょっと80年代のままっぽい感じの喫茶店が、洋食もやっててランチも出すというので入ってみた。
古いは古いけど、悪趣味なところもお高く止まったところもない感じのいいところで、おすすめらしいステーキ丼を頂いてきた。結構家庭料理っぽかったのも好し。



で、摩耶ケーブルの駅。

さすがに駅に辿り着くまでかなりの上り坂で、例によって過剰に体格がでかい私が体が重くて辛いこと。
10月というのにまだ真夏日が続いているこの日には苦しかった。



少し待つと、ケーブルカーが降りてきた。


ケーブル駅は、住宅地の中に突然現れるような感じ。
鉄道駅からバスが出ているから、普通はそれ使ってくるのがいいと思う。徒歩で来ると、住宅に紛れて場所がわかりにくいかも。

ケーブルカー自体はまあ、割と普通のもん。
ただ、山上の虹の駅に近づくにつれ、妙に傾斜がキツいような感じが。
調べてみると547パーミルのようで、キツイ方ではあるけど際立ってキツいってほどでもなかった。近畿だと高野山ケーブルのほうがキツい563パーミル。


ケーブル虹の駅からは展望なかなか。(しかしさらにロープウェイを上がった先が著名な展望台なので、ここからの写真は略)


東側に廃屋があるのはなんだろう。レストランかホテルでもやってたんかな。
そちらへの道は塞いでいたけど、「この登山道は使えません」と表示してあった。廃れた登山道でもあるのかな。


ここからさらにロープウェー。
この写真が入り口のように見せかけて、こっちは閉鎖中。なんかちょっと不思議な構造の駅舎で、地図で見ても上から見た形状が奇妙。


ロープウェーで空中散歩。
紅葉が進めばなかなかの景色になりそう。
今は神戸の町を遠望する。やっぱり細長い街よね。


上がり切るとそこは、掬星台という有名展望台。
夜景が売りだそうで、星を手で救えるほど見えるから掬星台なんて名づけたとか。



神戸空港方面。
天気はよかったんだけど、ちょっとモヤってるなあ。
空気の状態まで良いと、左手に和歌山まで見えるそうで。


山上にはサンテレビの電波塔らしいのが。
アナログ放送時代には、大阪湾を渡って南大阪までサンテレビ受像圏だったもんだ。

掬星台は展望がいいゆえに、他に余計なもの建てたりしていないので、一周りして山の方へ。
ここからバスに乗って六甲山方面へ移動することもできる。



10分ばかり山の方へ道を行くと、忉利天上寺というお寺がある。



入ってすぐ、軍艦摩耶の碑がある。
摩耶は川崎造船所で建造されたから、生誕の地は摩耶山から見えている。

大洗の那珂記念碑は知れ渡ってるけれど、他にも色々あるんだろね。
京都の乃木神社に、日露戦争時代の巡洋艦吾妻の記念碑、というか主錨を祀ってあるのを覚えてる。


さらに階段をあがるとこんな本堂。
日本では唯一、お釈迦様の母親たる摩耶夫人を本尊とする。
646年に、法道仙人という天竺の高僧が開いたという伝説がある。

お堂の中には、現代的な極彩色の摩耶夫人尊像がある。もうひとつ黄金の小さな秘仏があって、それも本尊。
このお寺は1976年に、賽銭泥棒の放火でほとんど全焼して、本尊も失われてしまった。
神社でもたまに賽銭泥棒の放火とかがあるけど、泥棒に入るにしても火をつけていく意味がよくわからんなあ。

堂内の回廊に、四国八十八ヶ所の各寺(だと思う)の和讃を呼んだ掛け軸が並べられていて、順に回れば巡礼できるようにしてあった。
和讃は各寺のご住職が詠まれたものなんだろうか、字も違うし、センスもかなり異なる。


えてして新しく堂宇が建てなおされてるお寺は、なんというかあまり味がない感じになってるとこが多いように思うけれど、ここはなんとなく品が良い。
カネがあるから建て替えたとかって話と、火災から再建中の天上寺ではそりゃ違うところもあるだろうけれども。


下りはケーブルカーを使わず徒歩で。

掬星台西側から案内に従って山道を降りていく。ちゃんと石段で整備されている。


といってもまあ、こんな感じではある。森林浴だねえ。
まだ昼の二時過ぎ、登ってくるハイカーも多い。



ほんの10分ほどで、放火される前にあった天上寺の跡地にたどり着く。
これは裏手にあった権現社あと。
火災で失われたものだから、石組みとか地面の舗装なんかは残ってる。


本堂跡。
このあたりは史跡公園として整備されるようになり、案内板やベンチなどが置かれている。

ケーブルカーの次のロープウェーは、当然かつてはこちらの方へと伸びていた。
遊園地なんかもあったそうで、天上寺が失われるとともにそのあたりの商売もやられてしまった。放火犯罪深いな。


少し下の山門は焼け残り、今もある。
火事から40年近く経ってるから、未整備じゃ朽ち果てると思うんだけど、しかし屋根から植物が茂りつつもあり、お寺が健在な頃ほどしっかり整備されてもいなさそう。


ここから、もう少し降りると道が分岐する。
左に行けば、ケーブルカー駅方面に。そっちがかつての表参道。
右に行けば、青谷道という兵庫方面からの参道。
せっかくだから、青谷道のほうへ。

こっちの道も整備はされていたが、多少は荒れたようなところもあり。
青谷川という川沿いの道なので、地下水が道を洗っているようなところがあって見るからに滑りそう。
距離も結構あって、登山道が終わるまで2400mの標識があった。(起点がはっきりわからんかったけど、多分天上寺山門かと思う)



半分くらいまできたところで、多少人間の気配がしてきた滝行場。
しかし、周囲に少し開墾された形跡があったり、滝行の施設かと思ったら表札かかった民家があったりして、どうも人が住んでるようだ。



青谷川は、見た目にも綺麗だし滝行がやれるくらい。
サワガニがいるから取るな、と看板があったが、サワガニは水質が良くないと生息しないはず。
水底が赤っぽいのは鉄分かな。


微妙にホスピタリティの痕跡があるが、通る人多かった時代もあるのかな。


神社があった……と思ったら、大龍院岩屋滝講とある。
神仏習合時代からそのままの格好でやってんのかしら。

ここに近接して、登山会の施設が並んでいた。
卓球場まで備えている豪華さだったんだけど、有名なんだろうか。


麓に辿り着いた頃には3時半になっていたので、だいたい1時間半くらいの路程。
久しぶりに歩いて、しかも山下りだから、何時ぶりかの筋肉痛。


姫路 (EXILIM EX-S3)

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最近徘徊できてなかったのだけど、大河にかこつけて関西私鉄各社が姫路までのワンデーパスを売りだしているので乗っかってみることに。
場所によって少し変わるけど実際安くて、うちからだと姫路までの片道運転+500円くらいだった。

もっとも、うちは1dayパス発行エリアの限りなく東端に近い上、山陽姫路がエリアの、つまり私鉄で行けるほぼ西端なので、往復に5時間以上。
急ぐんだったら新幹線使っちゃうとか、まだしもJRの方が早いとかあるんだけど、この切符だと私鉄縛り。

ともかく、早起きめに家を出て一路姫路へ。
梅田から直通特急があるから、まだしも乗り換えは少なくていいんだけど。





あっセンサーにゴミが……

で、姫路ではなく途中の支線に乗り換え、網干に来た。
網干に来ると海の方に行った方が何かありそうなのだけど、一応今回の主目的は姫路であるからして、山手に歩いて行く。


山手に1キロ位歩くと、津の宮とも呼ばれる、魚吹八幡神社がある。
なかなかこれは読みがわからない。

関西ではよくある神功皇后の三韓征伐がらみの神社で、帰りにここ宇須伎津の港に泊まり、信託を頂いて玉依姫命を祭ったのが始まり。西暦で202年のこと。
さらに仁徳天皇が霊夢を見て、319年ごろには神功皇后・応神天皇も祀られるようになった。
武烈天皇の時代、505年に「魚の砂吹き寄せ」の故事によって魚吹大神宮と名付けられた。
かつてはこの辺りは海沿いの砂浜だったんだけど、その砂の出処が、魚が砂を吹いて溜まらせたという伝説がある。


えらい立派な楼門がある。
戦国時代に一度戦火で焼かれて(官兵衛のしわざだったりして)、その後1645年に地元の力で再建されたらしいのだけど、由緒書きによるとそれは本殿の話のようだ。
楼門は建築年代不明だけど、1686年(貞享三年)の銘がある瓦が使われている。
ちなみに楼門は兵庫県指定重文、本殿は姫路市指定重文で、どうも楼門のほうが偉そうな認定がついている。


なんかものすごい腹筋の割れ方した像。
スモトリではなくて、文政・天保時代の三ノ宮卯之助という力持ちの男の像だそう。
三ノ宮といっても神戸のじゃなくて、武蔵国岩槻藩の三宮の人。
彼が取り回したという力石が方々の神社にあって、この神社にもある。関東の人だから関西にはあまり来なくて、ここにあるのが最西端とのこと。


拝殿。
なかなかの立派さ。


別のところでちらっとみた網干の観光案内マップでは、魚吹八幡神社は明るい、と書かれていた。
なんとなくわかる感じで、けっこう境内、拝殿前が開けている。明るい。
岸和田のだんじり祭がらみの神社なんかは、だんじりを入れるためにやたらとスペースが開いてたりするんだけど、ここはあの楼門があるから、大きな山車や神輿は入れないと思う。
といって鎮守の森がないわけでもなく、ちょっと裏手(下写真左奥のほう)にいくと茂っている。


放生池が鎮守の森の中にあって、鯉が大小放たれていた。
池に中の島が設けられていて、そこには征露記念碑が立っていた。


神社を抜けて北へ。
食事をしたかったけど住宅地なのでなかなか見つからず、やっと見つかった喫茶店。名前はマドリードというたか、私も昭和生まれだからちょっと記憶力が怪しい。
昭和チックな雰囲気で、「悲しみ本線日本海」とか「年下の男の子」とか昭和な雰囲気のBGMの中、ミンチカツとオムレツのランチ。家庭料理みたいで美味かった。

さらに歩いて、JRの網干駅。
目の前で新快速が出て行って、あー、と思ったらすぐ各停がきた。姫路へ。


姫路から、降りてすぐに広々と大手前通り。まっすぐ行けば姫路城。北へ1キロくらい。地味にちょっと遠い。
途中でレンタサイクルの貸出場所があったのに、申し込みはJR駅の観光案内所で、と、500メートルくらい戻れという意味の案内が。これは商売下手だなあ。


駅に近いところで、大河ドラマ館が。
平清盛の時は歴史館とドラマ館に分けてたんだけど、今回はひとつだけ。

客の入りはまあまあ。あんまり大きな建物でもなく、多分清盛の時の歴史館ひとつよりも小さいから、窮屈な感じがあったけど。
平清盛の時が広々としすぎてたかもだけどなあ。あっちは私が夏に行ったこともあり、かなりがらんとしてたから。

今年の大河、黒田官兵衛がテーマとなると、秀吉の麾下に入るまではかなり地味な話にならざるを得なくて、その辺どうかなあと心配してたけど、私はまあ、現時点ではまあまあ気に入っている。
ただまあ、小寺政職なんて聞いたこともない、という、特に歴史ファンでない人からすると、なかなか人物もわからんでのりにくいという声も聞いた。
それを言った人、というかまあ私の父親なのだが、あれは多分備中高松城の水攻めとか有岡城への幽閉とか、そのへんの話すら知らんであろうから、そもそも大河ドラマに期待してるものが私と相当ズレてそうな。



撮影可能エリアから一枚。劇中で使ったアイテムらしい。
六韜だよ。ちゃんと中書いてるんかしら。

最後に出演者のサイン色紙が並んでいたけど、どれも来館者へのメッセージを添えているのに、江口洋介だけがカッコよくキメたサインだけをドンと大きく。かっこいい。
しかし物販もなかったのは寂しいな。あったらあったで人が詰まって鬱陶しいけど。


おっとISO640のままで撮っちゃったからざらざら。

姫路城は、改築に入る前に一度ツーリングで来たことがある。
あのときは免許取りたてで、車齢20年以上のFZ250 PHAZERを走らせてはるばるやってきて、帰りに播磨の山手の酷道のワインディングですっ転びそうになり(耐えた)、まだ10月頃だったはずなのに山の中が寒くて寒くてえらいことになり、大阪に帰り着いたらクラッチの重さにやられて左手の握力がなくなっていたっていう。


菱の門。ここをくぐれば二の丸。
英語でいうとダイヤモンドゲート?


工事なう。


ここをくぐれば本丸だが、現在のところ天守閣は公開していないし立入禁止状態。
少し前は、工事の様子を間近で見られる櫓が立っていたらしいんだけど、それももうなくなっている。
その分入場料は400円、大河ドラマ館を出ると貰える割引券で200円に。


天守の向かい側の建物で、官兵衛の歴史についての展示が行われていた。
黒田24騎の話とか、中国大返しの実態についてとか、なかなか面白い話がいくつか。甲冑の展示も充実していた。


これが最寄りの撮影位置か。


西側から、キリシタンの官兵衛によるといわれる十字紋の鬼瓦が見える。


西の丸にくると、ぐるっと半周囲む化粧櫓。
ここは中に入って長い廊下を通り抜けられる。


まあ、ほとんど廊下と部屋だけで、何があるってものでもないのだけど。


武者落とし、ここから石とか熱湯とかを落として、壁を登ってくる敵兵を撃退する。
しかし使用歴があるかのような傷……

ところで、熱湯だとすぐ流れるし冷めるから、もっと粘性の高いものを使ったほうがいいということは当時の人達も気付いていた。
今ならまあ、片栗粉でも使ってとろみつけてやるか、ってところだけど、当時そんな贅沢なことはしなかっただろう。
当時、安くて大量に入手できる粘性の物質というと、糞尿だった、というのは想像できることで、ぐらぐらに煮立たせた糞尿をぶっかけて攻撃していた、という話がある。

合戦のときは色々えらいことになってたんだろう。


なんかすぐ向こうに旗が立ってるのが見える。敵兵か?
多分男山八幡宮のある山だと思うんだけど、あっちでもなんかやってんのかな。

ここに暮らしていた千姫が、男山八幡宮をいつもここから拝んでいたそうで。


化粧櫓でカルタに興じる千姫の像。喫煙者だったらしいから煙草盆もある。


城を出て、北東側に回る。


姫路神社。
明治初期の創建で歴史は短いけれど、廃藩置県で東京に行くことになった酒井家の殿様を慕った領民が、酒井家代々の祖神を祀る神社として開いたそう。愛されてますな。


さらに城の堀を越えて外へ。


この赤レンガの建物は姫路市立美術館。
なかなか興味深いが、すでに時間は4時前。ちょっと寄る時間は足りない。


さらに裏には、兵庫県立歴史博物館

特別展は「旅に出よう 絵地図からはじまる物語」と、歴史博物館にしてはちょっと変化球。
しかしこれが実に楽しい展示。

街道を描く地図にしても、街道が折れているところは巻物自体を折りたたむと地図も折れるように仕掛けて描いてあるようなアイディア地図があったり。
街や宿場を線でつないで、ちょうど鉄道路線図みたいに全国津々浦々の行き方を示した大マップがあったり。

そして大正あたりの鉄道の広まりとともに、吉田初三郎を始めとした鳥瞰地図がどんどん出てくる。
私も吉田初三郎は大好きなんだけど、なかなかこれだけたくさん見れた機会はなかった。交通関係の博物館とか、鉄道会社の展示館なんかにぱらぱらと見る機会はあるんだけど。


出たら5時前。
もう、このあたりの大抵の施設は閉まる時間。
このワンデーパスは、行ったものの現地で取れる時間がやや厳しいか。私は網干に寄り道したからあれだけど、しなくてももう2箇所回る程度の時間しかないような……


兵庫県姫路護国神社。
まあ護国神社って歴史が面白かったりはしないけれども。


近くに、播磨国総社もある。えらい派手な楼門だな。


拝殿。

もっぱら総社と呼ばれてきたそうだけど、正式には射楯大神と兵主大神を祀る射楯兵主神社という名前。射楯大神は五十猛命で、兵主大神は大国主命の別名。


境内摂社がかなりたくさんあるのが、さすがは総社というだけある。
写真は長壁神社。
他にも稲荷社も琴平社もなんでもある。

さらには西播磨・東播磨総神殿なんてものがあり、祀られている神様の数ならその総神殿で174柱もある。
神社全体ならそれこそ200近くになって、なかなか珍しいほどの神様過密地帯になっている。


山陽電鉄の駅に戻ると、ちょうど梅田行き直通特急の発車5分前。
乗り込んで、悠々と座って大阪へ。



今日のEXILIM EX-S3。
私がデジカメを触りだしたのが2003年ごろで、この初代エクシリムがリリースされた少し後くらい。
この頃にはえらく流行ったカメラで、かなりの人がこれを胸ポケットからドヤ顔で取り出していた印象が。30代以上なら一度は見たことのある品。

当時のデジカメは、今ほどコンパクトにはなっていなかった。
技術的なこともあっただろうし、フィルムカメラより小さければ十分小さい、くらいの印象を持ってもらえる時代でもあった気がする。
そこに、ポンと飛び出してきた、文字通りカード型のカメラ。厚さ11.3ミリ。

オートフォーカスをオミットしてパンフォーカス、画素数も初代モデルは130万で廉価モデル以下、当然ズームなんかなし、と、削ぎ落とせるものは削ぎ落とした結果としての小型化だった。
けれど、ボディはしっかり金属製で、薄くてもうっかりへし折るような不安は感じにくい。
小さいだけであれば、この時代はいわゆるおもちゃデジカメが幅を利かせていたから、そういうものにもっと小さいのはあったけど、「まともなデジカメとして格段に薄くて小さい」というエクシリムは強烈に存在感があった。


で、このEX-S3は三代目のモデル。
130万画素で始まったのが、200→300万画素と増えた。
オートレンズバリアが内蔵されたり、液晶がかなり大きくなったりと改良され、さらには前面にヘアライン加工が施されてさらに高級感を増したりと、さらなる完成度の向上が見られる。

しかし、同時にEXILIM ZOOM EX-Z3が発売された。
ペンタックスが開発した、沈胴するときにレンズの一部を横にずらして収納時の厚みを減らす、という仕掛けのレンズで、単焦点パンフォーカスだったEXILIMと同じ大きさ・2倍くらいの厚さ(それでも2センチ)でオートフォーカス3倍ズームレンズがついた。

これの影に隠れて、EX-S3はどうにも地味な存在になってしまった。
ジャンクワゴンなんか見てても、EX-S1/S2やMP3再生機能つきのM1/M2はけっこうゴロゴロ見かけるのに、S3はなかなか見なかった。

ちなみに4代目のEX-S20/M20もあって、これはなぜか200万画素に戻った。
レンズバリアはついていて、そしてマクロモードがついて近くが撮影できるようになった。過去のモデルはどれも、1メートルくらい離れないとピンぼけした。


さてこのカメラはというと、こんな「超小型化」がコンセプトの製品なのに、意外にもCCDセンサーが1/1.8型300万画素。
S2も1/1.8型200万画素だけど、S1、S20は1/2.7型。

センサーが変わるとレンズ仕様も変わってくるが、

  • S1 - 5.6mm (37mm) F2.5
  • S2 - 7.5mm (36mm) F3.2
  • S3 - 7.1mm (35mm) F4.2
  • S20 - 5.6mm (37mm) F3.5

と、いちいち異なる。
S1とS20は同じスペックに見えるが、開放F値が違う。おそらく、画素数が増えるとレンズの解像度も上げる必要があるから、絞り込んでるんだと思う。
それにくわえて、センサーサイズを大きくすると、より絞り込まないと被写界深度が浅くなる。パンフォーカスレンズの場合は、最短撮影距離が伸びる。
S3は一番条件が厳しい機種になるので、一番広角で一番暗いレンズになってしまった。

単焦点レンズは一般に写りが良いけれど、それは同じようなサイズのズームレンズと比べての話。
S3だとかなりの湾曲収差が見られるし、周辺光量も落ちている。おそらくピントがよく合ってるであろう2~3メートルくらいの距離でも、それほどシャープでもない。

とはいえ、おもちゃデジカメなんかとは次元が違うまともな写りだし、このサイズなんだからあまりうるさいこと言うのは野暮ってものだ。


カシオだけあって、動作は実にキビキビしている。
さっと出してぱっと撮ってすぐしまう、その用途に合わせて作りこまれてある。
電源ボタンもすぐ指がかかる場所だし、本体右半分はしっかり指がかりがある。オートフォーカスがない分、シャッターを押したらすぐ撮影される。動作はキビキビしている。

また、レンズがF4.2とかなり暗いこともあって暗所には弱い、はず。
だけど、ISOオートでもかなり遠慮なく増感するようで、ベースのISO80からすぐ160や320に上がる。
手元で見ると、ISO160で1/50秒というカットがあった。1/30秒を割るなら増感、くらいになってるのかな。
片手で撮影されやすいカメラだから、たとえざらざらした画質になっても積極的に増感するのは正しい考えに思う。


もっともカシオだけあって、どうにも頼りないオートホワイトバランスだし、そうでなくても鮮やかな赤い車がオレンジになったりすることはある。
このトミーカイラはオレンジじゃないはずなんだよな……。AWBであんまりにもあんまりだったから電球に替えて撮ってこれ。対象によってはもう赤が出ない。

全般的にも、かなり地味な発色の絵作りに見える。
嫌いじゃないけれどね。

絞りはいかなる時にもF4.2なので、変更できる形では入ってないっぽい。
また、太陽を入れてシャッターを切ったら見事に縦線のスミアが入った。
撮影時にカメラの中で「カチ」と動作音がするからメカシャッター入りかと思ってたけど、このスミアから見ると電子シャッターだけに見える。ちょっとわからない。


どうもこれを使い始めるにあたって、中古の純正電池は弱り切って使えず、他の機種と使い回しがきく電池でもなく、ROWAの互換バッテリーを買ってみたら15分で充電終了・10枚で撮影終了と外れを引くし、と、電池でずいぶん困った。
つぶしの利かない電池はちょっと困るとこがあるな。

(関係ないんだけど、IXY Digital L2なんてのも手に入れて同じように電池に困って、FitsのNB-3L互換電池を頼んだらなぜかNB-2L(PowerShot S40とかのでかい電池)が届いていて、しかも箱を開けるときにミスって破損したから返品言いづらくなって、という状態に。今年は電池運が悪いな)

結局JTTの互換電池を入れてみた。
うっかりフル充電してから一週間ぐらい入れっぱなしで放置したのを持ちだしちゃって、網干で取り出したら電池ゲージが3本中2本。
姫路に着いたらバッテリーゲージが1本になっていて、しかしそこから粘りを見せて最後まで耐えた。
メカ部が少ないから、それなりに電池持ちは良さそうではあるんだけど……

どうしても電池に困ったら、光学ファインダーがあるから液晶オフでも撮影はできる。
ただ、液晶オフでスイッチを入れると、5秒くらい液晶が点いている。多分撮影設定確認のためとかだろうけど、EXILIMのテンポだと5秒以内に撮影が終わっちゃったりするので、ちょっと戸惑う。
光学ファインダーもかなり視野率が低いし、また眼鏡越しだとアイポイントも低すぎる感じがあった。ちょっとこれは使いづらそう。


スペックからわかることだけど、撮像装置としては別に優れたものでもない。
しかし、さっと出してぱっと撮ってすぐ仕舞う、という流れの快適さは非常に高くて、やっぱりカシオのデジカメはデジタルガジェットとしてよくできてるな、と感心するばかり。

映画「僕は友達が少ない」

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表題の映画を観てきた。


私は、アニメやマンガの実写化映画・ドラマが大好き。
今年は新年早々から「黒執事」に続いて連射されたので、私は大喜びだ。

実写化となると、発表された瞬間からバッシングが起こり、キャストが出たり「オリジナルストーリーだ」と発表されたりするたびにバッシングが盛り上がり、予告編やテレビCMが出るといよいよ爆発し、そしていざ公開されるとあまり観に行く人がいない、そういうお決まりの流れも含めて大好き。

私は人が悪いので、バッシング自体には加担せず、むしろその様子を「おやおや公開される前からそんないきりたって」とニヤニヤ上から目線で観察する。
安易にできるバッシングはこの時にスクリーニングできるので、自分がつまらないケチ付けに終わらないための予防線にもなる。

そして、事前に注目したからには、公開されたら観に行かずにいられない。
「デトロイト・メタル・シティ」みたいに秀逸な作品だったりしたら、それはもちろん儲けもの。
そうでないB級映画だったとしても、初めから失敗するのを期待して観に行ってるわけだから、それはそれで楽しめる。





さて、そんな私が観た「僕は友達が少ない」。
私の感想はといえば、これはこれで一種の傑作ではないか。


客入りは悪かった。
公開二週目最初の土曜日だというのに、なんばパークスシネマでは初週は一日5回上映のところ、早くも一日3回に減らされていた。
シアターも100席ちょっとの小さいところ。なのに空席率が8割くらい。
「黒執事」も同じなんばパークスシネマで二週目土曜に観たけれど、200席シアターでもう少し空席率は低かったと思う。

なんでこんなことになったんだろう……と思ったが。
数ある実写化映画の中でも、よりによって萌えラノベの極北のひとつたる「僕は友達が少ない」をやろうというのが、そもそも苦しいというのはわかる。
そしてまた、広告ポスターやテレビCMなどを見ると、どうにもこうにも、おそらく大抵の人には地雷っぽく見えたと思う。
公式サイトからも、それは伝わるだろう。
私は人が悪いから、これはかなり大物の地雷だと決めつけた上で、だからこそ観に行ったような節はある。普通、そんなたちの悪いことはせず、地雷なら観に行かない。


で、実際に見てみると、事前に予想した通りの地雷だというのは、その通りではあった。
あったのだけど、ここまで予想を違わない形で完全に地雷なのは、どう考えても意図的だ。
そしてこれが、平坂読の作品たる「僕は友達が少ない」の実写映画化だと考えれば、その意図がまったく正しい。
これでは、地雷であるがゆえに一種の傑作である、ということになる。



そもそもこの映画が、なぜポスターやTVCMだけで、こうも地雷に見えてしまっていたか。

それというのは、原作やアニメそのままの外観設定が、何のアレンジもすりあわせもなく、あまりにもダイレクトに俳優に被せられているせいではないだろうか。
確かに小鷹は、ハーフで金髪という設定ではある。
でもそれを、本当にダイレクトに、瀬戸康史を真っ白なペールブロンドにして再現してしまう。
夜空は腰まである黒髪ロングなんて、見事な漫画髪で出てくる。設定通りに。
星奈はペールブロンドではなくもっと濃い色ではあるけれど、あのおなじみの青い蝶の大きな髪飾りをつけてくる。

ここまでそのまんま、というのは、見れば実際かなり異様な印象を受けてしまう。
特に原作が萌え系のものなら、長年の蓄積と独自進化の上で、現実離れした設定が当たり前になっている。こんなのをそのまま人間にかぶせたら、めちゃくちゃになる。
この異様さが、地雷っぽく見せた原因ではないだろうか。


そしてそのまんまぶりは、本編においてもそのまんまだ。

小鳩も原作そのままに邪気眼ガールをやっている。
見た目こそ黒髪でオッドアイでもないものの、例のゴスロリファッションで、たまに地金の方言が出るところもそのまま。
まったく痛々しい。

夜空も、エア友達のトモちゃんと会話するところを目撃される、という例のシーンをもって物語にエントリーする。
もちろん原作で字で読んでも酷いシーンだが、リアルにやられると実にひどい。
なにしろ北乃きいのような美形だから、原作そのままの可愛げなくナイフを振り回すような物言いも、ちょっと小気味いいものはある。
北乃きいだからアリなだけ、というのは間違いない。

星奈もまた、隣人部の部室に窓から突入しようとする、というマンガをやらかし、そしてその時に、無理な運動をしたからブラウスの胸元がはだけて谷間丸出し。
二次元では非常によくあるシーンだけど、もちろん、そんな珍妙なことは現実にない。

理科なんかまったく酷いもので、あの人間凶器ならぬ人間性器をどうするのか、と思ったらこれもそのまんまやった。
この映画では、聖クロニカ学園には「けいおん!」の舞台としても有名な豊郷小学校旧校舎を使っている。
そのヴォーリズ建築の文化財に、股間擦りつけてユニバァァァァァァァァスをやってしまった。
ちらほら笑いが出ていた客席も、さすがに理科ばかりはみんな引いていた。

地味にこの映画はPG-12なのだが、二次元ではよくあるはだけた胸元とか、二次元ではよくあるパンチラとか、二次元ではよくある年中露出しっぱなしのキャラとか、そのままやっているせいだろう。
また、二次元ではよくある、特に物語の進行と関係ない女子のプールシーン、しかも腰のアップとか尻のアップとか、まるで無意味に複数回差し込まれる現象もあった。
そして女子の制服は、スカートが異常に短い。どのキャラも等しく見える寸前まで短く、そして時々見える。そんなことまで、二次元そのもの。

他のキャラに比べれば、幸村はまだまともに見えてしまった。
このキャラは、原作でのギミックが込み入っているから、映画では単に「女子にしか見えない男子」を女優が演じているだけになった。
原作通りにメイド服を着せられるものの、これはもともと、いくら二次元でも学校でメイド服で過ごすのはおかしい。実写でもちゃんとおかしいから、一周回って当たり前、という感じがある。

マリア役の子にうんこうんこ言わせなかったのが最後の良心に思える。あれを再現し過ぎると児童虐待にあたるかもしれない。


これまで観てきた二次元の実写化映画・ドラマでも、実写にするためのすり合わせはいつも行われていた。
「黒執事」だって、セバスチャンそのままをコピーするのではなく、水嶋ヒロに演じさせるための形に調整されている。
そうしないと、人物が珍妙になって、立っているだけでギャグみたいになってしまう。

ここまであからさまに、何の工夫もなく二次元そのままを役者にかぶせるという行為、意図的にやったとしか考えられない。


ストーリーは、原作で使われたバーチャルゲーム「ロマンシング佐賀」の世界に飛び込んで、そこで色々な経験をして、小鷹が精神的脱皮を果たしていく、というような話だ。
素晴らしいとまではいわなくても、2時間で小鷹や夜空を描くための物語としては、まあ十分と思う。

でもやっぱり、あまりにもキャラが異様で、ストーリーそのものを素直に見られる状態には思えなかった。
そして正直、ストーリーだけ見てしまうと、問題と解決法の明確化と関連が甘いように思え、いまひとつな感じ。

この映画の肝は、ストーリーより何より、「二次元そのまま」ということと私は見た。



果たして、何のためにそんな「二次元そのまま」の実写映画なんて珍妙なことをしたのか?

まず、単純にその絵面が笑えるからじゃないか、とは考えられる。
実際、客席からはしばしば笑い声が起きていた。前半はコメディタッチな部分も多く、そこにアニメ丸出しの珍人物が闖入すりゃ、思わず笑ってしまおうというものだ。

安直に裏を読めば、「お前らが萌えてる二次元ってのが現実にやったらこんなにイタいぞ、北乃きいほどの美少女がやってもこの有り様だぞ」と、二次元ファンをからかってるようなものと受け止めることもできる。
まあ、これはもしかすると怒る人は怒るかもしれない。
ただ、「僕は友達が少ない」の原作者が平坂読だということを踏まえると、話が違ってくる。


平坂読という人は、昔からしばしば、萌えキャラにイタズラを仕掛ける。
いかにも萌えキャラらしい萌えキャラを出して話を進め、読者がその萌えキャラを普通に消費しようとしたところで、萌え要素をひっくり返すようなシーンを描いて、読者をからかう。
「ねくろま。」の1巻なんか読んでみるとよくわかる。
そのからかい方が、まるでイタズラを成功させた小学生が引っかかった相手を指さして笑ってるようなところがある。ケレン味というと大層だ。本当にガキのイタズラみたい。
そのノリが気に入って、私は平坂読のラノベを気に入って読んできた。「僕は友達が少ない」は1巻からリアルタイムで読んでる。

それがもっと洗練されたのが、「僕は友達が少ない」でよく言われる「残念系」というものではなかったか。


その平坂読のイタズラ精神を、この実写映画化に持ってくるとすれば。
わざわざ二次元そのままの萌えキャラを俳優に被せ、「みんな大好きな、もはや慣れ親しんでしまっているものは、本当にやったらこんなにイタいだろ」というイタズラ。
これは観客の萌えると思うところを転ばせる、すごく平坂読的なものじゃないか。

もし私のこの深読みが当たっているとすれば、及川拓郎監督は原作の大した読者だと思う。
公式サイトによれば、原作のリアルタイム読者で並々ならぬ愛情があるらしいけど、これはきっと本当だろう。

もちろん、手口が直接過ぎるとは思う。
平坂読のイタズラが残念系と進化したのは、足払いで本当に転ばせるのではなくて、うまく着地点をずらすに留めて、そっちはそっちで面白いと思わせるように洗練されたからだろう。
映画のこれは、「ねくろま。」の頃の、本当にひっくり返してしまうような段階のイタズラだ。

しかしそれでも、こんなイタズラを全国ロードショーの映画に突っ込んでしまうなんて、まったく痛快な傾奇者じゃないか。



もし、私と同じように平坂読からイタズラ心を読み取ってる人があれば、この映画はまさにそれをやってのけた映画だから、ぜひおすすめしたい。
どうも客入りから見ても、ひょっとしたら今週金曜日で打ち切りかもしれない。(だから慌てて書いたら長くなってしまった)
観に行くなら急げ。

艦これ11月イベント・E4激戦の軌跡(未完)

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まあ、戦艦レシピ200回以上回して長門を引かない程度には、あまり運に恵まれない私提督なのだけれど。



さすがにこれで9時間かかってE-4がダメというのは、愚痴のひとつくらい垂れてもよかろうと思うんだ。



イベント開始時点で、今回は夜戦が多いということで、割と有利な状況かと考えていた。
うちはLv.95の重巡洋艦が古鷹・加古・青葉、90直前の利根、75の筑摩、70の衣笠。さらにLv.99を誇る那珂ちゃんと、90の神通と川内がいる。
実際これまで、5-3で世間が阿鼻叫喚に陥っていた時にも、私はわりとしれっとクリアしていた。
まあ、勝てる編成にできるから当たり前といっていい。

イベントに用意した資源は、燃料・鉄鋼・ボーキサイトが25000、弾薬は36000ほど。
まあ、先を争って抜けるつもりではなかったので、イベント旗艦も長いし、適当に刻んで貯蓄しながらやればいいかなっと。
ダメコン9つと女神ふたつ、バケツは1000個以上。あんまり使わないからたまってた。
間宮も4艦。


E1は、もちろんあっさり抜けた。


E2は、やはりレベルがレベルなので、道中は苦労なし。
まあ、ゲージ削ってから少し粘られたが、困るほどではない。

しかしながら、この時のボス戦、夜戦フェーズでとにかくボスがターゲットにされない。
輪形陣だからそういうもんだ、と思ってはいたのだけど、突破した時にも夜戦を逃げ切られ、最後に昼フェーズ最後の雷撃戦まで粘られた。

編成は、古鷹・加古・青葉・衣笠・筑摩・利根のうち4隻と、那珂・神通・川内のうち2隻。
ほとんどボス直行ルートから逸れることもなかった。2~3回だけ。


E3は、ちょっと頼りないが、陸奥Lv.30ほど、金剛型Lv.50ほどを2隻、正規空母3隻(Lv.40~70)で行っていた。
途中で、戦艦出さなくてもうちの重巡なら十分、と気付いて変更し、重巡重巡重巡正空正空正空に。これでも特にルートがおかしくなるなんてこともなかった。
案外危なげなく突破できた。


で、燃料をちょっと回復させて25000としたところで、11月4日月曜日朝10時ごろから、E4に挑んだ。

最初は律儀にキラキラ二重掛けの上で、まあ丸一日時間もあるしゆっくりやろう、という調子でスタート。
編成は、金剛Lv.53・比叡Lv.54・古鷹Lv.96・加古Lv.95・青葉Lv.95・利根Lv.90。並びも、重巡が入れ替わることがあるだけで、だいたいこの順。
金剛・比叡は、46cm・15.5cm副砲・三式弾・33号対水上電探orダメコン。
重巡組は、20.3cm・20.3cm・三式弾・ダメコン。
うちの編成では、夜戦は明らかに重巡連撃のほうが高いから、後ろの方に高い攻撃力の艦を置く、というのもこれでいいはず。

決戦支援は、別にいらんかな-、と思いつつも、駆逐駆逐軽空母軽空母で砲撃支援を一応。


そんなこんなで、出撃してはキラキラつけなおし、というループ。

この時点では別に、トラブルというほどのこともなく。
飛行場姫撃破してS勝利、というのも時折あったので、戦力的にも問題無いだろうと。
早かったら14時くらいに終わるかなー、などと甘いことを考えていた。

また、編成のせいかどうか、私はボス前でルートを外れることがかなり少なかった。
ボス前までいってボスを外れた確率は、せいぜい2割そこらだったように思う。あまりボス前の羅針盤にやきもきしたことはなかった。
友人は10回くらい連続でボス前からハズレを引いた、と嘆いていたのだけど……。
もしかすると、大井・北上が外れやすくなるキーじゃないか……と、少ないサンプル数で妄想。私と他の人の決定的違いはハイパーズの有無だと思ったのだけど。

決戦支援が無駄かどうか。
実に2度も、決戦支援のおかげで飛行場姫を叩き切れるケースがあって、一応まだ資源にも余裕あるし入れてもいいかなと。
重巡多い編成なので、昼に移行するとあまりダメージ取れないという事情も。
結果的に、その2度のあと役立つことはなかった。

道中の陣形は複縦陣とした。
単縦陣のほうが攻撃力が高い気はしたが、どうせオーバーキル。
複縦陣のほうが、カットインで中破やかすり傷に押さえられることが多かった、気がした。
単横陣は、攻撃力下がる、被弾増える、ダメージも大きくなるという感じ。これはダメなんじゃないかなあ。
梯形陣もあんまり良いとは見えなかった。


15時頃、横鎮サーバにややエラー発生気味に。
しかしこの時は、キラキラつける作業やってる間に落ちるばかりで、出撃中に猫って引き返すことになったのは1度だけ。
こういう運はよかった。

この時点で、燃料残りは12000はあったはず。


エラーっぽい中、15時半にはあと1回ボスを叩けば終わりそうな感じに。
しっかり決めたいと考え、決戦支援の編成を、駆逐駆逐に筑摩・衣笠・榛名・霧島の留守番組をつけてみた。

しかしそれから4時半ごろまで、やたらと道中事故が連続。
キラキラつけながらやっていたので、試行回数自体は少なかったのだけど。

その後何度か失敗を繰り返し、16時50分ごろ、決戦に入った。
夜戦で2回叩けて、飛行場の耐久残り144で昼戦に。
が、ここで砲撃支援がボスにたった20しか入らず。
その後なんとか頑張ったものの、50ほど残して取り逃す。
思えば、この砲撃支援がカス当たりじゃなくて、これまでのように80くらい入っていてくれれば終了していたのに。

奇しくもこの瞬間、舞鶴の友人がE4突破。
こっちもゲージはなくなったし、もうすぐだろうと。


無駄に砲撃支援を重くしてしまったことで、燃料が9000くらいまで減少していた。
一旦、軽空母二隻の軽い編成に変更したものの、あまり役立たないと判断してようやく中止決定。

試みにキラキラ付けずに出撃したところ、やはり多少被弾は増えるものの、圧倒的に違うとまで思えなかったので、疲労回復だけさせて出撃する方針に変更。


……そこから3時間半、ひたすら、ボスと戦ってはボス以外を全滅させて終了、を繰り返した。

私の艦隊はなぜかボス前で外れることも少ないし、道中での大破撤退も、まあレベルがレベルだからかなり少ないはず。
だからボスにはちゃんと行っているのに、とにかくボスが終わらない。

6艦全員健在でボス戦に挑み、5人目まで綺麗に随伴艦を全滅させて、6人目の利根が申し訳程度にボスに撃つ、というような展開が異常なまでに多すぎる。どう見たって平たい確率ではないはずだ。
E2でもそんな感じはあったけれど、あれはまだ相手の陣形が輪形陣だからという言い訳も聞けるのだけど、E4は……。


燃料が6000くらいになり、さすがにまずい。
1-1に出撃して疲労を飛ばす、というのも控え、素直に間宮マーク消失+しばらく待機。
4個ある間宮も3個まで使った。
前に家具職人を買った時に400ptくらい使い残したので燃料に換えてみたが、たった1200と焼け石に水。

で、ずっと旗艦を金剛にしていたら、戦闘に入るたびに「コレでFinish ? そんなわけないでしょー」」と言いやがって、腹立って来たので旗艦を比叡に変更w


しかし溶ける燃料。
終わらないボス戦。
ボス3回撃ったら終わるのに、何回やっても随伴艦の大掃除ばっかり。
また、これだけボスにA・B勝利を繰り返しているのに、欲しいレアドロップはひとつもなし。衣笠が出た程度のもん。


そして、残り燃料454になった最後の出撃。


わざわざ最後がコレとは劇的なことよ。
(利根の砲撃のタイミングでスクリーンショット取れればよかった。でもまあ、重巡でしかも中破だとほぼ飛行場には通らないので、実質比叡の攻撃が戦艦に向かった時点でおわっていた)

もう少し早く無駄遣いに気付いて、決戦支援を入れる余裕が残せれば、それで終わっていた。
夜戦で飛行場を3回叩けたうち、古鷹と利根が道中で中破していなければ、それで終わっていた。



もう補給も修理もできない。
冒頭と同じ画像になるけれど、綺麗に燃料ゼロなんて着任以来初めてだ。
我ながらドヤ顔でつけた艦隊名があまりにも悲惨だw



まあ……言っても詮無いことなのだけど、今だけ言わせてほしい。
あれだけ弱い弱いと言われ続けた重巡洋艦、弱いからといってせいぜい改造できるLv.25くらいでほったらかしてた提督が、いざ重巡の見せ場たる夜戦マップが来た途端に「運ゲーだ!」と叫んでも、それは筋違いと思うのだ。
5-3やE2であれば、レベルの高い重巡用意したら、さして苦もなく抜けられた。別にLv.90でなくても、Lv.70ちょっとの筑摩や衣笠が十二分に働いていた。

しかし、このレベルの重巡並べて、これだけやって突破できなかったとあれば、あんまりな運ゲーだとくらいは言わせてほしい。
運ゲーだったら私が勝てるわけないじゃないか!
戦艦レシピ400/100/600/30を220回回しても長門出ないような提督だぞ!


とりあえず週中は資源回復にあてるとして、来週末やる気残ってるかな……
重巡4隻だと、昼に入ってしまうとほぼ飛行場を叩ける可能性がなくなっちゃうけど、金剛型4隻でいったりするほうがよかったのかな。うーん。

リランカ島S勝利への路

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艦これにケッコンカッコカリが実装されたということで、それこそ秋にはLv.99で待ち構えていた那珂ちゃんのレベルキャップを早速取っ払いましたが。

追加される新任務に「リランカ島(4-3)のボスにS勝利しろ」という結構な無茶ぶりが入った。
4-3は、ボスの敵艦隊編成3種のうち2種に、エリート潜水艦が入ってるので、A勝利ならともかくS勝利はけっこうめんどくさいことに。
というか私もずいぶんハマってしまってるのだけど……





まあ艦これは基本的にいついかなる時も運ゲーであるからして、望む結果を得られる可能性が高いであろうやり方を考えて、ひたすらリトライするしかないわけですよ。


まず、敵ボスの「それなりに高い砲雷撃戦力+潜水艦」をいかにするか。


殲滅が条件である以上は、行動回数を増やすために戦艦は1隻入れる。
これは、うちで一番レベルの高い金剛Lv.72をいれた。

ネックになる潜水艦を片付けられるよう、山城Lv.60 + 晴嵐1機を試してみたけど、晴嵐1機だけの対潜能力なんて誤差みたいなもんだった。砲撃しなくなるから損なだけ。


潜水艦をどの程度の戦力で片付けられるか試行錯誤していると、那珂ちゃん改二に三式ソナーを2つ積んで、輪形陣で挑めば足りる、とわかった。
ソナーひとつだと耐久1残りになったりして悔しがった。運が良ければ行けるのかもだけど。
潜水艦がいる限り、駆逐・軽巡は夜戦戦力にもならないので、対潜要員に割り切って3積みでもいいかもしれない。一応昼間の砲戦に主砲ひとつくらいはあるべきとも思うが……


重巡洋艦を入れると、スタートから南西の潜水艦マスの後が真西に固定されてロスが減る。
うちはレベル90台がうじゃうじゃいるので、Lv.97利根とLv.93筑摩を出した。Lv.98加古はやっぱり加古なのでたまに事故が。

重巡なら十分にレベルが高ければ砲撃戦でも戦えるし、夜戦で何でも狩りまくるので、うちとしては入れない理由がない感じ。
一応主目的をボスの夜戦とするので、装備は連撃で。
今回は15.5cm副砲x2・酸素魚雷・零式水上観測機or対空装備とした。


一応空母を入れたほうがルート的に良さそう。
で、Lv.81赤城を入れてみたところ、烈風積んでいてもボス前の正規空母2隻相手で制空権が互角になり、敵空母の攻撃でこっちがやられるケースが出てきた。
加賀Lv.70を追加すると、少なくとも航空優勢が取れる。
金剛・利根・筑摩に噴進砲や三式弾を配備して念押し。ただ、それによって航空優勢が制空権確保になるわけではなかった。


那珂改二Lv.100 15.2cm・三式ソナーx2
利根改Lv.97 15.5cm副砲x2・53cm艦首魚雷・零式水上観測機
筑摩改Lv.93 15.5cm副砲x2・四連装酸素魚雷・三式弾
金剛改Lv.72 46cm x2・三式弾・三式弾
赤城改Lv.81 彗星甲(20)・流星改(20)・烈風(32)・流星(20)
加賀改Lv.70 彗星甲(20)・流星改(20)・烈風(46)・流星(12)

これでボスには対応できる、はず。
ボス戦の陣形は、潜水艦対策と砲雷撃戦力を両方ふまえて輪形陣。


シビアなときのお約束として、キラ付けは行った。
やるやらないの差が体感的に大きいので。



ルートについては、最初は南西か南。西には行かない(駆逐2入れると行くらしい)。
この編成だと、最初に南に行ってもかならず次は真西に行く。南から南西の一番下回りにはならない。

次は固定で真西に行って、ボス前。
ボス前のコマからボスに行くかどうかは、ルート固定条件なしのランダムのよう。
ここは祈るしかなし。



開始すぐ南のコマではフラ重巡が嫌らしいが、この編成だと軽量艦が那珂ちゃんだけなので、さほど事故は多くなかった。利根あたりが食らっても中破で耐えた。

潜水艦コマは、単横で行けば那珂ちゃんがB勝利くらいはもってくる。

ボス前は、せめて航空優勢があれば空母に殴られて事故ることは少ない感じ。
戦艦さえしのぎ切れればOK。キラ付けしてることで事故率下がる。
潜水艦まじりがちだけど、無視して単縦にしておくほうが無難かな。ここのエリ潜水なら三式二丁の那珂ちゃんが単縦で沈めることも多々。



で、これだけあれこれ考えて、何度か試行錯誤しながら編成決めて、いざ討伐するぞと思ったら5連続で羅針盤に負けた。
6回目でやっとボスに行ったら、何の因果か潜水艦いないパターンが出た。
そして昼戦終わって、まあ夜戦で片付けて終わりにしよう、と思ったら夜戦に移行できずに猫。2月14日深夜はかなり横鎮サーバーが不安定だった。

それから更に、フィギュアスケート見ながら進めてみたものの、何度やっても羅針盤に負ける。
フィギュアが終わる午前4時までひたすら羅針盤に負け、7連敗して一旦あきらめ。
途中で大破撤退は1回だけなのに……

寝て起きて、さらに1回羅針盤に負けて、次でようやくボスに。
ボスについたが最後、まったく危なげなく全滅させてS勝利。うん。

新世界など (COOLSHOT II)

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Panasonicのデジカメといえば、100人中100人はLUMIXと思うだろうけれど、10000人中2~3人くらいならCOOLSHOTと答えるかもしれない。
もっともCOOLSHOTといえば、ニコンのレーザー距離計の名前でもあるらしいけれど。

Panasonicは、LUMIX以前からデジカメはやっている。
知る限り最初のモデルはCardShot NV-DCF1という名前で、これはコニカQ-miniやら、このblogにも以前登場したPowerShot 350と兄弟モデルだった。どこが開発したかまでは知らない。
その後、CoolShotというモデルが出た。縦型ガングリップの、SANYO Xactiみたいな形。
その次がCOOLSHOT II LK-RQ1で、これはごく普通のカメラの形。

今回のは、そのLK-RQ1のコンパクトフラッシュ対応版であるLK-RQ1Z。ペットネームはCOOLSHOT IIのままだったらしい。

その後、スーパーディスクドライブ内蔵モデルとか珍妙なことをやりながら何年か続いて、LUMIXになって急にパっとする。





見た目は、今時の低価格コンパクトデジカメくらいの小さなもの。
手元のOptio RS1000と比べても、高さがちょっと高いくらい。
当時としては驚異的に小さいな。

そして、なんと2GBのコンパクトフラッシュを認識した。
97年秋発売のモデルだというのに。その頃のCFなんて32MBで大容量とかじゃないかなあ。
多分まあ、下手なことをせずにFAT16の規格通りに素直に作ったんだと思うし、CFモデルはかなり古くても2GBいけちゃう機種が他にもいくつもあるんだけど。


PowerShot 350はかなりゴテゴテとボタンが大量についたカメラだったけど、こっちは小さいだけあってシンプル。
フラッシュも内蔵していない(オプションで外部ストロボが取り付け可能で、本体側面に端子がある)。
撮影も、概ねボタンを押すだけ。



うーん?


結構アンダーな露出(空が入ってるせいかも)のせいか、すごく陰気な写りに。


水平撮れてなかったからごまかして横倒しのままアップ。


日が出ると色味が出る。



なんか冴えない写り。


色の出方も微妙だなあ。

こうしてみると、1/4型35万画素にしてもあんまり写りよくないなー、と思えるのが正直なところ。
旧機種CardShotの兄弟機たるPowerShot 350は、もっとよく写っていた。
色みに関しては、CANONのチューニングがよかったのかな。
PowerShot 350は、ピントのあってるところはかなりシャキッとした写りだったけれど、こっちは近めでも遠目でもピントがくるところがない感じ。

単焦点・パンフォーカスのレンズは、35mm版換算55mmF2.8。結構長めのレンズ。
しかし樽型の歪曲収差が見える。
マクロモードの切り替えスイッチがあり、多少ストロークがあるので強引にMFも可能かも。

時代を思えばわりと動作はキビキビしていて、撮影後の待ち時間も10秒とかにはならない。

このサイズでも液晶を省いていないのは立派だけど、かなり見づらい。日差しがあるとほとんどアウト。



小型モデルなのはいいけど、その分同時代の他の35万画素機と比べると見劣りする。
この画質だと、看板のメモに使うのも厳しい。一枚撮影してたんだけど、どうにも字が読めない。


ステンレスの看板に明暗差がある状態はどんなカメラでもきついけど、明度を補正しても字が潰れてる。


まあ、小さくあることがすべてか。
本当に小さいもんね。

大仙公園 (Q10 + 02 STANDARD ZOOM他)

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こないだ安かったからつい買ってしまったPENTAX Q10。
レンズ交換式カメラのマウントは増やすまい、増やすなら今のKマウントは一式処分して……と思ってたんだけど、まあQは別枠っていうことで。

といいつつ、いきなりKマウントアダプターやらCマウント(シネレンズ)アダプターやら調達して、早くも変なことする気まんまんなのだけれど。


桜の季節なので、02 STANDARD ZOOMと、KIWIFOTOS製 Kマウントアダプター + 純正マウントアダプターK + スーパータクマー 55mm F1.8を持ってお出かけ。

Q10だと5.5倍するとライカ判相当になる。55mmをつけると大体300mm。
F値は変わらずF1.8のまま。
ボケについては、発生するボケ自体は55mmF1.8の大きさで、センサーが小さいから5.5倍に拡大されることになる。これが300mmF1.8と同じなのかは私にはちょっとわからない。計算できそうだけど。
最短撮影距離も変わらず、元の撮影倍率が5.5倍になる。なんでもマクロになっちゃう。

マウントアダプターは絞りも操作できるもののはずだけど、TAKUMARを使う分にはマウントアダプターの機能に頼るまでもなく、単体でマニュアル絞りが使える。Avモードで自動露出、AEブラケットも使える。
手ぶれ補正も効くので、昼間なら手持ちで300mmも大体大丈夫だった。


55mm F1.8で撮ってこんな感じ。寄るのはまだまだ寄れる。アンダーになったけどまあ。
ただ、このレトロなレンズの開放では、ピントのピークでさえ1/2.3型1200万画素センサーに対して解像度が足りない。寄るとピントが薄くなることもあって、MFが大変。
F4とか5.6くらいに絞るとそこそこやりやすくなる。


こっちはちょっと絞った。だいぶ写りがしっかりする。


確かこれでほぼ最短だったはず。
でもカメラがちょっと前後するだけでピントがずれるし、花全体にピントをあわせることもできない。


遠景はこんなに。
ローパスフィルターもないことだし、まあまあよく写ってる。


ここから02 STANDARD ZOOMに付け替え。
テレ端で寄ってみたけれど、コンパクトデジカメみたいにレンズ前2cmまで寄れるとか、そういう造りではなさそう。



さすがにシャープさも色乗りもぜんぜん違う。
ただ、広角端開放だとかなり周辺光量が落ちる。(この画はF4.0なので光量落ちは目立たない)
歪曲収差も補正掛けないと結構出る。


テレ端。
テレ端だと補正なくても歪曲も周辺光量落ちも目立たない。
しかし15mmF4.5、換算83mm。あんまりボケは出ない。


イガのついたどんぐりが転がってたので、スーパータクマー55mmで狙ってみた。


また02 STANDARD ZOOMに戻し。
ただこれ使うとよく写るんだけど、単なるコンパクトデジカメとあんま変わらなくもなるな。センサー同じだし。
収差補正なしでも十分写る、大きさもかなりあるのにF値が明るくもない、沈胴式でさえない3倍ズームレンズだから、大抵のコンパクトより良く写るのも確かだけど。



ただ、別の時に、自分が日向にいるときに日陰に向けて、テレ寄り(12.6mm)で撮ったら、ゴーストが出てコントラストの低下があった。
多分太陽の位置は左上の方だけど、もしかするとフードでもあれば解決するとこかも。


それから別の時に、スーパータクマー45-125mmF4のテレ端で撮ってみた月。
125mmで大体上下1/6くらいの大きさに写った。
600mmくらいのレンズがあれば、大体画面いっぱいになりそう。



Q10を使っててちょっと気になったのは、あまり遅いSDカードを使うと、JPEGであってもAEブラケットの後の記録待ちが、差支えがあるレベルで遅くなる。
まあ、クラス4のMicroSDをアダプターで入れたりしたせいだけれど。
昔のデジカメだと、メモリーカードも画像処理も遅くてあたりまえだから、本体にバッファメモリを持たせるものが多かった、特に高級機なら当然だったんだけど、今は流行らないのかな。

JPEG最高画質での記録サイズは、森を写すような大きくなって当然のときに8MB近くになったが、今回は平均的には4MBくらい。
花のマクロとか比較的小さくなりそうなのが多かったから、もうちょっと大きい平均になるかも。
同じ画素数のK-01だと6MBくらいが平均値。


02 STANDARD ZOOMは、デジタル処理でごまかさなくてもいいようにちゃんと作ってるな、という感じ。これなら、並みのコンパクトデジカメよりは上のレベルと見える写りになると思う。


他のミラーレス機だと、センサーは少しだけ奥まった位置にある。フォーカルプレーンシャッターがあるせいだと思うけれど。普段はシャッターも閉じてるから触れない。
ただ、Qの場合はシャッターがないから、センサーがマウント面直後にある。

で、ちょっとした事故で触ってしまって指紋がつく。
一回やってしまって、推奨されないやり方で慌てて清掃した。
一応写りに影響ない感じにはなったけれど、傷とかつけたらアウトなので、普通はサービスに持ち込んで清掃依頼すべき。1000円くらいのもんだったはず。

これほどセンサーに事故を起こしやすそうなレンズ交換式カメラは他にないと思うので、要注意。
(厳密には、CMOSセンサー前に何か一枚入っていて、そこに触れてしまう。多分赤外線カットフィルターだと思う。下手に拭いてよいほど頑丈かどうかはわからない)



のだけど、装着するとまったくピントがこない。
レンズ側を無限遠にして、さらにマウントをゆるめてレンズを離していくとかろうじてピントが出た。オーバーインフになってるようだ。

他にシネレンズを持ってないもんで、マウントアダプターが間違ってるのか、レンズが不良なのか、ちょっと判断できない。
マクロアダプターと称するものがついているのだけど、これ使うと無限遠出なくなる。うーん?いや、なにいってんだ、マクロリングかましたら無限遠でなくて当たり前。マクロ撮影なら可能。




Panasonic DMR-BRT230のディスク強制イジェクト

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PanasonicのブルーレイDIGA DMR-BRT230を使ってるのだけど、ちょっとトラブルが起きた。

ラベルを書き忘れた記録済みらしいBD-Rディスクをドライブに入れたところ、DIGAがハングアップした。
電源ボタン長押しでシャットダウンし、もう一度起動すると、起動してそのままディスクを読みに行ってしまい、そのままハングアップ。
電源オフ状態でイジェクトボタンを押しても起動するんだけど、やはりイジェクトする前に読みに行ってハングアップ。

PC用のドライブなんかでは、ピンを突っ込んだら強制イジェクトできるホールがあるものだけど、DIGAのドライブにはそれもない。

手も足も出ないじゃないか。
と思って確認すると、マニュアルに対処法がちゃんとあった。



  • 電源オフ状態にする
  • リモコンの「決定」・「青」・「黄」を同時押しし、そのまま5秒押しっぱなし
  • 本体に 00 RET と表示される
  • 十字キー右を押し、表示を 06 FTOにする
  • 「決定」を押す


という手順で、ディスクの強制イジェクトが実行された。
(これをやらなきゃならないときは本体故障を疑え、というような記載があったけれども)



一体何を食わせてこうなったのかと思えば、PCでアナログ地上波を録画して保存したMP4ファイルを、200以上記録してあるBD-R DLディスクだった。
PCで再生はできてもDIGAではできない圧縮形式になってたとか、あるいはファイルインデックスでも作成しようとして数が多すぎてダメだったとか、何か気に入らなかったらしい。

どうもプログラムのエラートラップがまずいために起きたトラブルな気がする。
まあ、あまり誰もが持っているようなデータではないから、誰もが遭遇しうるようなことではないかもしれないけれども……

新品スマートメディアの在庫放出?

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今日、でんでんタウンのソフマップザウルス4階で、エレベーター近くのメモリーカード売り場を見てると、なぜだか今更スマートメディアの新品が売られているのを発見。
あったのは64MBと32MBで、128MBは売り切れたのか仕入れられなかったのかわからないが、見当たらず。


昨年あたりだと、中古の裸の64MBが3000円以上してもおかしくなかったように思うんだけど、新品が税込みで1490円だ。
一応同じものをオリンパスのオンラインショップで買えるけど、4000円以上する。

裏面に貼ってたバーコードシールに、「ソフマップ専用」という文字列が見える。
ネットで軽く検索しても、ソフマップのオンラインストアでの販売があるが、他は見当たらない。
ソフマップ向けに在庫が放出されたのかな。




古デジカメを漁る趣味には、スマートメディア一枚持ってるか否かが遊びの範囲をかなり変えてしまう。昔最大手だったフジフイルムとオリンパスがスマメだった。
ただ、スマートメディアはカメラ側の対応で使用可能容量の上限値が変わる。たまーに、128MBが使えないカメラがある。

参考まで、スマートメディアの対応容量を以下に手短にまとめた。
(出典: http://www.olympus.co.jp/jp/support/cs/media/other.html )


  • 32MBまで可
    C-1400XL
    C-900Z
    C-840L
    C-830L
  • 8MBまで可
    C-1400L
    C-1000L
    C-820L
    C-420L


書いてない機種は128MBまで可。(128MBより大きいスマートメディアは存在しない)
まあ、ほとんどの機種で64MB以上が使えるのだけど、C-1400XLが20世紀最強といっていいデジカメのひとつなので、その意味で32MBを持っているとよい。

(出典: http://fujifilm.jp/support/datamedia/compatibility/smartmedia.html 他各機種対応情報)


  • 5Vのみ
    CLIP-IT DS-7/8
  • 8MBまで可
    CLIT-IT DS-10/20/30
  • 32MBまで可
    CLIP-IT 50/80
    FinePix 500/700
  • 64MBまで可
    FinePix 600Z

FinePixであれば、ほとんどの機種で128MBが使える。
古い機種は再生が1000コマまでしかできないらしいが、最低画質で山ほど撮ってやっと引っかかるだけと思うし、撮影やPC転送には問題ないそう。

なお、すごく古い機種にあって、5Vスマートメディアというのを使っていた時期がある。
その後のスマートメディアは3.3V。
5Vは4MB以下、3.3Vは4MB以上だからほぼ間違えようがないが、4MBには両方がある。
そうかと思えば、古い機種には5V/3.3V両対応のカメラもあったりもする。
今時ここで困る機会はなかなかないと思うけれども……


ふじと台・和歌山 (PowerShot S50)

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先日南海本線に新しくできた和歌山大学前駅に接続する形で、新たにイオンモールができた。

和歌山大学前駅開業と同時に駅の見物には行ったけれど、駅前は丘を削って工事中で、特に何もなかった。
あれがどうなったものか。



なんじゃこれは。リゾート地か。

中に入ってみれば、まあ新しいこともあるけれど、他のイオンモールよりももう少し小洒落たような造りになっていた。
他のイオンモールで見たことのない……といっても別にそこらじゅうのイオンモールを見てるわけでもないけど、近くの他の店舗にはないテナントが入っている。それもなんやらオシャレな。
私はオシャレな店など個別の名前は知らないけれど、なんか陳列の雰囲気が違う。
それでいてヴィレッジヴァンガードがあったり、歩いてたら鉄道模型のレイアウトが現れ、何かと思えばポポンデッタが出店していたり、そういうところも拾っている。

しかし、最近の大型ショッピングモールって、家電量販店を入れないことが増えたなあ。少し前に堺にできたアリオ鳳にもなかったし。
まあ、この雰囲気のところにジョーシンやコジマが入るとちょっと浮く気はしなくもないが……。
奥さんが服見てる間にやることない旦那さんの行き場など不要ということか。何たる差別か。
(というか電器店の方が、駐車場付きの大型独立店舗を出すから、モールに入りたがらないだけだと思うけれど)


なんかピザ食べたくなったのでフードコートのピザ店で、アメリカーノなるものを頼んでみるとこんなの。
なんだかずいぶんチーズの少ないピザで、見えない程度に入っているソーセージと、このポテトのバランスを考えると、なんか素うどんをおかずに白飯食ってるみたいな。アメリカ人は関西人と通底するものがあるのか。


外に出てみると、450kWのソーラー発電所を設けてあった。パネルは京セラ製のようだ。



和大前駅に戻って、せっかくなので和歌山市駅まで。

入っている高島屋も、今年8月で閉店になる。さっきのイオンモールがとどめになったそう。
だんだんと、南海和歌山市駅からJR和歌山駅近くの方に賑やかさが移っていってしまったようで、和歌山市駅前はもうかなり寂しい。
南海本線・JR阪和線とも、関空ができて以来、大阪-和歌山間の直通列車の本数が減り、また所要時間も延びて、と、どうにも駅の力が弱まってしまったよう。


駅前に旧跡案内の地図があったので、見てその方向に歩いて行ってみる。

和歌山の海側、加太からちょっと北あたりに、紀伊水道を護る砲台陣地が昔からある。
そこのチェックのために軍艦奉行の勝海舟が来て、ここに滞在していた。坂本龍馬も来てたとのこと。


さらに近くに、南方熊楠の生誕地がある。
南方熊楠について検索してみると、まんがキャプチャーというサイトで、南方熊楠を紹介するマンガ
があった。
昔「てんぎゃん 南方熊楠伝」というマンガがあったそうで、面白いと聞くんだけど、連載打ち切られて20年以上放ったらかしにされてるとかで。



もう少し行くと、和歌山こども科学館。
プラネタリウムが売りのようだけど、私はさすがにこどもという歳ではないのでパス。

この写真で向かって左側に、和歌山市発明館という施設の跡地があったけれど、閉館していた。
ぐぐると、なんとも味わい深い施設だったみたい。


ここまで来たから和歌山城にも行こう、ということで歩いて行く。
まあ何度も来てるからざっくりと。



北西の吹上口から入る。


吹上口入ってすぐの石垣。
小さい石を隙間に打ち込むような工法なんだろうか。


西の丸の紅葉渓庭園。今はもちろん新緑。


向こうに見える御橋廊下。


せっかくなので御橋廊下をわたってみる。

床板がちょっと変わった張り方をしてある。
床板一枚一枚が、上り坂の上端側が、隣の板の下端にかぶさるように張ってある。すべり止めだろうと思うけれど、油断すると角を踏んで痛い。


御橋廊下上から。

上がったところの石垣には多聞櫓が建っていたようで、その礎石が見つかっている。


石垣に使われている砂岩に、化石が入っている。
コダイアマモという植物の化石で、これが友ヶ島の砂岩からも見つかっていることや採石場の跡地があることなどから、和歌山城の石垣は友ヶ島の岩を持ってきたんだろうと見られている。


本丸の北側から、わりと急な道を登っていく。


本丸御殿跡は、今は給水場にされている。

微妙に意味の伝わりにくい案内板によると、和歌山城の建っている丘は双丘になっている。
羽柴秀長が和歌山城を築城した時は、現在の本丸がある西側に本丸を築いて、こっちの東側は特になにもしなかったよう。(このへんが案内板が曖昧)
関ヶ原合戦の後にここに来た浅野幸長が、こちら側を二の丸にして御殿を建てた。
その後に徳川頼宣が入って、二の丸だったこちら側を本丸に変更した。なので本丸御殿と呼んでいる。
しかし狭くて地形も悪いから不便で、ほとんど使ってなかったそう。そのまま廃藩置県の時に解体しちゃって、その後給水場に。


売店で、竹清水 高野というのを買って休憩。
竹粉を煎じたお茶だそうで、竹の香りと味がする。いや竹食ったことないけど。


和歌山城本丸。
中島望という和歌山出身の異様に面白い作家がいたのだけど、彼が「牙の領域」で和歌山城の上で格闘戦をやるシーンを描いてたな。


和歌山城には動物園が併設されている。
入場無料の小さなところだけど、100年以上の歴史を持つ、日本で四番目にできた動物園。

このツキノワグマのベニーは、動物園にいるのに冬眠しちゃうことで知られ、1月に篭って3月末くらいに出てくるそう。



ホオジロカンムリヅルにカメラを向けてたら、ちょうどぶわさっと。


うさぎが互い違いに。


マーラといういきもの。何かに似ているようで何にも似ていないような不思議ななりをしているけれど、テンジクネズミ科だそう。


孔雀が3羽ばかり居てゴージャス。


毛を狩られる仲間を不安げに見守る羊。


柵に頭を打ち付けて何やら懊悩しているミニチュアポニー。


動物園を抜けて、岡口門から出る。



城の向かいの三年坂通りをわたってすぐのところに、かつて走っていた南海電鉄の市電に使われていた車両が展示されていた。

ここの解説看板が名文。
記名もない誰が書いたともわからないものだけれど、案内看板にこんな文章はなかなかないな。素朴に消えた市電への懐かしさがにじみ出る。

チンチン電車「三二一(さにい)号」
チンチン電車が都会の象徴でした。電車が街路の主でした。
和歌山県では和歌山市だけに明治42年1月から路面わがもの顔にゴーチンチンと電車が走っていたのです。
62年3ヶ月の間、子供にも年寄りにも親しまれてチンチンゴーと走っていたのです。
それが交通マヒのやり玉の第1番にあげられて東京や大阪やあっちこっちの都市で廃止になり和歌山市でも昭和46年3月31日の夜をなごりに惜しまれながら廃止になったのです。世の中はこうして移り変わるのです。どんどん移り変わるのです。
 和歌山市にはもう電車は走っておりません。走っていた電車はみんな魚の巣(漁礁)になって南の海の底に沈められました。そのうちの2台だけが走っていたままの姿でここと海南市とに保存されて毎日みんなの来るのを待っています。
大事にしましょうね。あたたかく見守りましょうね。
昭和48年4月
和歌山市
裏に歴史がかいています


あいにく、柵にきっちり囲まれていて、その裏の歴史はちょっと読みに行きづらい。


隣にはC57型蒸気機関車もある。
こちらにも同じく昭和48年に書かれた解説看板があり、「私は蒸気機関車 C57119です」に始まり、一人称で自分の生涯を語る文章になっている。
こっちはどこで生まれてどこに回され、生涯何キロ走ったというような、少し固いデータ的な話で、321号ほど詩的ではないけれど、生真面目に働いてきた男性の思い出話風とも見れるかもしれない。C57の愛称は貴婦人だけれど。



今回は珍しくキヤノンのカメラ。
というのも、IXY Digital L2を入手したけどバッテリーが腐っていて、互換電池屋でNB-3Lを注文したら、何を間違ったか、PowerShot GやらSに使うようなでっかいNB-2Lが届いた。
しかしクレーム入れるのも面倒だし、いっそのことNB-2Lを使うようなデジカメを調達してしまおうと気を変えた。

何が使えるかというと、PowerShot S30~80と、G7とG9、Kiss DigitalとN。
G7やG9、ましてKissは捨て値で買えるようなもんではないので除外して、PowerShotのSシリーズなら割と転がっている。
特にS30や40ならゴロゴロしているのだけど、先日ふっと見かけたS50。これは比較的少ない気がするので、確保してきた。

PowerShot Sシリーズは、S20以前はIXYみたいな形のものだった。
S40とS30が、廉価なAシリーズと、ハイエンドのGシリーズの間のモデルとして出た。
スタイル重視のIXYとは違って、Gシリーズと同等の大型センサーを載せ、フルモード露出などハイアマのサブカメラみたいな位置づけ。
更に高速化などマイナーチェンジをしたS45、それを500万画素化したS50。
レンズが28-100mmに広角化したS60(500万画素)、700万画素化したS70、800万画素のS80と続く。この頃はGシリーズが止まっていて、事実上のハイエンドだったとか。


S50は、2003年の製品。
この頃は、1/1.8型500万画素センサーを積んだ高画質かつ比較的コンパクトなモデルがしのぎを削っていて、ソニーはDSC-V1があり、ミノルタはDiMAGE F300があり、ペンタックスはOptio 550があり、コニカはKD-500Zがあり、結構花盛りだった。
1/1.8型500万画素センサーはよほどできが良かったか、どのメーカーのも画質が良かった。

S50も例に漏れず、さすがにどのカットもソツのない写りをしている。
ホワイトバランスも露出も、極端なカットでなければ大体適切。ズームレンズのどこで使っても、変な写りをするところはない。
前にPowerShot S1ISを使った時は、結構ソツのある写りに感じられたけれど、やっぱりレンズスペックを欲張り過ぎない方がいいんだなっと。
S1ISでは、日陰が妙に青く写る感じがしたけれど、S50はそういう感じもしなかった。S50の方が1年位古い製品なんだけどな……

ただ引っかかったのは、ISOオートだと1/8秒まで増感しないプログラムライン。
まあこの時代ならよくあることだったけど、手ブレ警告出すなら感度あげてくれっていう。


バッテリーライフがそれほど長くないのか、119カット撮って終わり際にはバッテリー警告表示が出ていた。
単に互換電池があんまり良くない個体だっただけかもしれない。


2003年時点ではよくあった、スライドレンズバリアがそのままスイッチになるタイプ。
私はこれが好きなんだけど、その後はあんまり流行らなくなったな。(薄型モデルの縦スライドバリアは使いやすいと思えないので別として)
まあ、レンズバリアのスライドが渋くなったりするカメラが多かったのも確かだけど、S50は10年経ってもまあまあ大丈夫そう。
ただ、遊びを作ってるのか、単に傷んでガタついてるのかわからないような動きではあった。

起動時間は遅めで4秒くらいかかる。
この頃の、しかも中級クラス以上の機種なら、「高画質機はある程度遅くて仕方ない」なんて雰囲気だったから問題にはならなかったと思うんだけど。

しかし撮影がちょっと遅目で、ちゃんと幅を指定できるオートブラケットがあるのはいいけど、1枚に1秒くらい掛かるゆっくりした連写だから、なかなか使いづらい。
単写で使う分にはそれほど遅くも感じないんだけど。



フルアルミボディで、前面のヘアライン加工など、高級感ある造り。
ただ私の好みだけど、ストラップホールのあるパーツだけ、プラメッキみたいな質感で、他はエンボスかヘアラインなのになんで、っていう感じはあるかな。


操作系は少し不思議。
十字キーが見当たらないから何かと思えば、本体後ろ側右上隅の、ズームレバーみたいな形のものが十字キーだった。
ズームレバーは、真っ直ぐなスライドスイッチ。小さいし微調整もしづらくて、あんまりよくないような……。

あとはまあ、私が使うと水平を外しやすい形みたい。
元々右上がりに、つまりカメラを右下がりにしちゃう手癖があるんだけど、S50だと傾きが大きくなってしかも撮影中に気付きにくい感じが。

今となっては大型だけど、当時としては普通のサイズ。
中に入ってるレンズとセンサーを考えれば、まあまあ小さめにまとめてるな、というくらい。


まあ、全体的に見て「良いカメラですね」と、それ以上いうことなし。
ひたすら真っ当に完成度が高い。
面白くはない……というのは単に私がキワモノ好きなだけ。

大和郡山 (CASIO EX-P600)

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近畿圏で行ったことのない街も減ってきたけれど、そう遠くないところで、大和郡山がまだだった。

カメラもちょうど、カシオExilim Proシリーズ初号機のEX-P600が手に入った。
超薄型小型モデルでヒットを飛ばしていたカシオExilimシリーズに、大型レンズを合体させた、なんとも異様な見た目の代物。
ぶっちゃけあんまり売れたとは思えず、私は新品が店頭に並んでいたのを最後に、使っている人も中古で売られているのも見たことがなかった。縁がなかっただけかもしれないけど。





JRで郡山駅へ。
近鉄のほうが街の中心に近いところにくるのだけど、そのかわり近鉄は乗り換えが多くなる。
今回は散歩目的なのでJRで。

駅で観光マップをもらって、まず駅からなんとなく北へ行っちゃおうかな。


駅前の公団住宅前に門がある。
大和郡山城の外堀を公園として改修したもので、ここが東北端。あとで南西端側にいく。


もうちょっと北で、良玄禅寺。
大和郡山藩の初代で、本多忠勝の孫にあたる本多政勝の菩提寺で、今も菩提所があるそう。


この芭蕉の「初時雨」の句碑は、1810年(文化7年)に建立されたもの。

良玄禅寺は門は開いているものの、果たしてどこが本堂でどこに手を合わせればいいかよくわからない。
この後、観光マップに載っているいくつものお寺を巡ったものの、多くのお寺が門を閉ざしたまま。(だから今回の写真はほとんど門前の写真)
開いていたところも、どういうわけかお堂の建ち方がよくわからなくてどれが何かわからず、あるいは本堂が締め切られていて浄財箱などもない、というところばかり。
まだまだ地元との結びつきが強くて(それは良いことではあろうと思う)、観光客に構うなんて余計なことをする必要はないのかもしれないな。


すぐ向かいに天満宮があった。
しかし入り口は鳥居ではなく瓦屋根のついた門で、写真の拝殿らしい建物も、およそ神社建築には見えない。なんでなんだろう。

ここから西の、古い町家が残るエリアに。
なかなか趣ある町家も多く見られたが、どうもまだ個人がお住まいのよう。


明治時代の洋風建築が、今でも小児科医をやっている。
もちろん和風の町家も多い。(今でも個人宅っぽくて写真は遠慮)


このあたりは、「内町十三町」といわれ、大和郡山城の外堀内側にあった。
それらの町が、「箱本」という制度で自治を行っていた。
治安(城門の木戸の管理)・消火(火消しや火の見櫓の管理)・伝馬(藩行事への馬の供出)を重要な任務として、それを各町が一ヶ月ごとに持ち回りで担当していたそう。
それに必要な特権が書かれた書状を朱印箱に納め、その箱を担当町が持ちまわっていたから箱本というと。
藩から権力が一部委任されるのはよくあると思うけれど、それを持ち回りにして特定の商家・農家が権力者にならないようにした仕組みか。


火の見櫓も建っていた。


ちょっと西に、春岳院というお寺。
戦国時代に豊臣秀長がここを治めていたが、その菩提寺。今でも位牌や肖像画が残る。
箱本制度は秀長が始めたそうで、その資料も残っている。


少し南東に行って、光慶寺。
天台宗寺院だったのが、平安末期の住職・光慶が親鸞上人に帰依して真宗に改まった。


ちょっと南に、紺屋川といわれる水路がある。
その脇に、かつて紺屋をやっていた町家が博物館になっている。
たまたま行った日が無料公開の日だった。

町家の展示……というのは、ちょっと旧宿場町とかに行くとよくやってるので、まあ「昭和の暮らし」あるいは「弥生時代の遺跡の発掘物」と同レベルの月並みなもの。
と思わせて、ここは特に紺屋だったことにスポットをあてて展示している。
まだ紺色の色素が残る大瓶やらがあったり、実際に紺染めを体験できる工房があったり。

また、大和郡山の名物といえば金魚。
金魚がらみの展示も、飼育法の歴史解説やら、「古い絵皿に描かれている金魚は現代とは明らかに異なるが、当時の飼育法から推察すれば本当にその姿だったかもしれない」といった面白い考察、金魚柄の器やら絵画などのコレクションと、小さいながらなかなか濃い。

今はこんな水路だけど、かつては多くの紺屋が軒を連ねて染め物をやっている場所だったそう。



地図で見ると広めの道だけど、実際は車一台通るのがやっとの細い道に戸惑いつつ、円融寺。

奈良には赤膚焼という焼き物があって、その中興の祖・奥田木白の墓所があるそう。
凝った造りのお堂らしいのだけど、この通り入れない。


そのちょっと東に、実相寺。こっちは開いてた。
のだけど、ここが本堂でよかったんかな……

知恩院の末寺で、慶長年間に建立。本尊の阿弥陀如来像は鎌倉時代初期の作。
かなりお墓が多かったから、檀家の多いお寺のようだ。門も真新しかった。


その東に、薬園八幡神社。
なかなかに年季の入った門だ。
社殿は桃山時代のものだそうだけど、門や拝殿はどうだろう。さすがにもっと新しいような。
ちなみに、なぜか拝殿の向かい合わせに社殿がある、またなんだか不思議な造り。

続日本記に、聖武天皇が奈良の大仏を建立するにあたって、豊前から宇佐八幡大神がやってきて、天平勝宝元年十二月十八日にこの地に鎮座したのが始まりとのこと。
それ以前に、このあたりが文武天皇によって薬園にされていたことから、この名前になった。



ちょうどこのへんに、外濠公園が横切っていた。
せっかくだから南西の方へ通り抜けてみた。

県道108号に出るので、ちょっと北に、県道144号(薬園八幡前の細い道)との交点に戻る。
そしてちょっと西に行って再び南下。


したれば、源九郎稲荷神社と洞泉寺の前に出る。
洞泉寺はこの通りなので源九郎稲荷神社へ。


源九郎って、源九郎義経のことね。
義経の家臣・佐藤忠信は実はこの神社の白キツネの化身だった。
義経が奥羽に逃れるにあたって、忠信=キツネに源九郎の名を与えて別れた。
秀長時代は、大和郡山城の守護神としていたそう。

日本三大稲荷のひとつ、と由緒書きにあったが、日本三大稲荷というのは自称しているところが3つではとても済まないそう。
行ったことがある中では、東大阪市の瓢箪山稲荷神社も自称していた。あそこは境内を隅々まで埋め尽くすような無数の鳥居がある異様な神社で、なんだかちょっと説得力もあった。
こちらは、ちょっと三大のひとつと言い張るのは、少なくとも「大」って感じじゃないかな。

この日に行った神社の中では、唯一、社殿の造りがオーソドックスな神社だった。


西方寺というお寺の隣に、なんだかよくわからない造りの神社。なんでこのへんの神社って変わってるのかな……。
宮内社、と額があったのだけど、なんだろう。西方寺の一部だろうか。

西方寺は例によって閉門していて、門構えも豪勢な寺ではなかった。
柳沢吉里が大和郡山城に入るとき、城の引き渡し役人が投宿していた寺だそうで、だったら昔はかなり大きかったんだろうけど。


ここまでくると、かなり近鉄駅に近い。
商店街が、意外にといったら悪いけど、活気がある。
ちょうど商店会がイベントをやってて、南都銀行の行員さんらしき人たちが、駐車場に屋台広げて五平餅などを売っていたのでひとつ頂いた。うまかった。

そろそろ食事するか、と、駅前の西友に入ってみた。
しかしこの西友がまた、「商店街から人を吸い上げる悪の巨大資本」という感じではなく、「最初はちょっとそのつもりもあったんだけど、ずるずる共存して30年過ぎちゃった」みたいな、昭和感たっぷりの佇まい。
5階がレストランフロアということで行ってみたんだけど…………なんだろう、出てくるものも80年代のままな気がする不思議なオーラに満ちていた。

オーラに負けて地下のフードコートに行ってみたら、これがまた、イオンモールの洒落たフードコートでは決してない、80年代のニチイやイズミヤのそれだった。
こういうフードコートにあるマクドナルド、ひそかに結構撤退しがち。私んとこの近所のはもう全滅した。
コカコーラ・ゼロを頼んだら置いてないといわれた。こういうところもまた。



近鉄駅前を行き過ぎ、ついに大和郡山城へ。
まずは追手門から。

奈良ってのはどうにも戦国時代には目立たない土地だけれども、兎にも角にも生き残った筒井順慶が、天正年間に縄張りを行って建てた。
その後秀長が来て拡張、その後増田長盛が来て、近くの秋篠川を付け替えて外堀として完成。
大阪の陣の後は、水野勝成、松平氏、本多氏ときて、幕末まで柳沢吉里からの柳沢氏の居城となった。
吉里は、なぜか水戸黄門では悪役にされる柳沢吉保の子。


境内の紅葉、もうちょっとか。


柳沢文庫という資料館。
普段は文庫というだけあって、文献資料が多数置かれている。
こちらも、普段は有料だけどこの日は無料。

また、今は筒井順慶の特集展示を行っていた。
文書等が中心の渋い展示だけど、彼の苦労人っぷりが伝わる内容。
ちなみに高野山では、信長公の墓のすぐとなりに順慶のがある。


そして天守の跡地の方へ登って行くと、柳沢神社。
柳沢吉保を祀る。かつての旧臣の末裔が、遺徳を偲んで開いた神社だそうで、創建は明治13年。
柳沢の殿様は、ここらでは人気があったんだろな。


実は天守閣近くは改修中で、現在は立入禁止。残念ながら今回はここまで。


城を南西に降りると、永慶寺という大きなお寺がある。
この素朴な門が、実は秀長時代の大和郡山城の南御門だったのが幕末に移築されたもの。現存する大和郡山城の唯一の遺構。


でもやっぱお堂は閉まっている……

もともと、柳沢吉保が甲府に開いた菩提寺だった。
吉里がこっちに来るとともに移ってきた。
吉保が帰依してたこともあって、黄檗宗の寺。


まっすぐ坂を降りてくると、ちょっと左手に教会がある。
そこに、こんなキリシタン配流碑がある。

見ていたら、何か催しの準備をしていたマダムが解説をしてくださった。
浦上四番崩れ、江戸時代末期に鎖国が解かれた時、長崎の隠れキリシタンがもう大丈夫だと思って大浦天主堂に礼拝に来てしまい、まだ禁教令が生きているからと政府に捕縛された。
それで全国各地に流刑にされ、特に津和野に流された人たちは酷い弾圧を受けたとかで、遠藤周作が「女の一生」という小説に書いている。
遠藤周作は私もある程度読んではいるのだけど、キリスト教小説は「海と毒薬」「悲しみの歌」はいい作品だと思うものの、「沈黙」がどうにも楽しめなかったりして、他にあんまり手がのびてなかった。今なら読めるかもしれん。いずれ読んでおこう。

そんなキリシタンの一部は、ここ大和郡山にも流されてきていたそう。
亡くなった人もあり、そして禁教中だからと寺に埋葬されていた。
禁教が解かれて教会も開かれ、寺からこちらへと墓所を移した。
碑を見ると、どうも墓石を埋め込んでいるような造りに見える(土台の前面)。墓石に洗礼名を刻むようなことは許されない時代だった気もするから、全然関係ないかもしれないけど。



で、地図によると西の方に、荒木又右衛門の屋敷跡があるという。
ま、あったことはあったのだが、小高い丘の上の民家の門前。大まかな地図だけじゃわかりにくい。辿りつけたのはまったく偶然。
何か解説を貼ってあったけど、読もうと思ったら駐車場に勝手に入らねばならず、まあ貼ってるからにはそれくらい構わないってことかもしれないが、基本的にやっぱ30代の男一人でカメラ持って住宅地徘徊してるのが怪しいので、できるだけそういうのは遠慮したい。

こないだ伊賀上野にいったときに、荒木又右衛門と渡辺数馬の仇討ち現場を見てきたもんで、彼の人はここに住んでいた。



そのちょっと東に、大納言塚。
秀長の墓所になる。大阪の陣のあとのあれこれで荒廃していたが、春岳院の住職が再興させた。
中には五輪の塔が立っている。


ここから駅へリターン。

さらに南の方へいけば、金魚関係の博物館なんかもあるんだけど、徒歩だとちょっと遠すぎる。
郡山駅前などにレンタサイクルがあって、それを利用するとそっちまで行ける。

徒歩で行けば、観光マップに載ってる寺社仏閣と郡山城をひと通り見ても、まあ近畿からなら日帰りできるくらいのコンパクトな町。
もうちょっとお寺が観光客歓迎な体勢になってれば、濃密に楽しめる町になりそうなところ。




今日のExilim Pro EX-P600は。

まあ、私は500万画素がハイエンドだった2003年ごろ、コニカKD-400Zを買い込んで(5万円くらいした)、その後ずっと愛用していたから、600~700万画素世代はあまり印象がない。
その後、新品のデジカメを買うのは、1000万画素のPENTAX Optio A20に飛ぶ。2006年モデルを2007年頃買った。
その間は、あまりデジカメに関心が向いていなかった時期になる。KD-400Zと、*istDS2があったから、コンデジ買おうって思わなかった。

で、1/1.8型600万画素CCD、というのが、どーもこう、あんまりパッとしない。(フジのスーパーCCDハニカムHRは別として)
1/1.8型300~500万画素CCDを使ったカメラには、傑作から隠れた名機まで色々な良いカメラがあった。
それが、1/1.8型600万画素になると、コニカミノルタのDiMAGE G600とか、オリンパスのX-3とか、このEX-P600とか、そもそもあんまり数がない。ニコンもソニーも出していない。
ソニーは600万画素を作らず700万画素に飛んだから、600万画素センサーを出していたのはシャープらしい。

でまあ、この1/1.8型600万画素CCDが、あんまり良いようには言われていない。あんまり画質がよくない、と言われる。
私も、DiMAGE G600を使った時、少々がっかりした。
これはコニカKD-510Zと同じレンズのはずなのに、「あれ、この程度の写りか?」って。



じゃあEX-P600はどうなんや、と思ったら、これが思ったよりよく写っている。
まあ、正直ちょっと、ダイナミックレンジ狭い感じで白飛び出やすいとか、シャドー部はだいぶノイズっぽいとか、センサー自体の頼りなさは感じるっちゃ感じる。

しかし全体的に見れば、かなりうまくまとめていると思う。
正直いえば、あまりカシオのデジカメに画質がいいイメージはない、というかかなり頼りないイメージがあるのだけど、これが意外にといったら悪いけど、上質な写り。
すっきりした色に写って、ソフト的なノイズリダクションも実に適切な感じ。


ただ、Exilimといえば当時も今も、動作が俊敏なイメージがある。
それが、EX-P600では、どうも鈍い。
別に、キー入力への反応が遅いとか、レリーズタイムラグがすごいとか、そんなことはない。
走る電車を撮影した感じでも、レリーズタイムラグはむしろ非常に小さい。

しかし、撮影してすぐ電源を落とそうとすると「処理中です。しばらくお待ちください」という表示が出る。
1秒にも満たない時間ではあるけど、まさかそんな表示を見るとは思わなかった。
多分、撮影画像に加えてる現像処理の量が多い。


強力かつ使いやすいブラケット機能が自慢のひとつ。
ブラケット段数は5段・3段切り替え可能、露出は間隔も選べる。
ボタンひとつでブラケット選択に入れて、AEブラケットの他に、AFやらホワイトバランスやら様々なブラケットができる。
その操作性も優秀で、さすが自慢するだけはある強力さ。

……なのだが、撮影後の現像処理の重さがある。
5段AEブラケットなんてやったら、撮影後の待ちがどうにも気になる。


また、レンズの出入りで少々起動が遅いが、まあこれは3秒そこらだから文句はない。
問題はレンズの戻りで、起動よりかなり遅い。先の処理待ちも合わせて、素早く引っ込められないカメラでもある。

センサーのノイズの多さと戦ってるがゆえの遅さっぽいな。
500万画素以前のデジカメって、ノイズリダクションは常時かけるもんじゃなくて、暗所高感度の時だけ特にかけるようなもんだった。
この600万画素センサーでは、常時かける必要が出てきてるんだろう。
基礎感度もISO50まで下がっていて、やっぱりノイジーなセンサーっぽい。

遅さといえば、ズーミングがいやに遅いのも気になる。
遅いくせに、ズーミングのステップはあまり細かくないみたいで、一瞬入力しただけなのに、にゅるっとゆっくり大きめに動く。微調整できない。



操作性は、さすがのカシオで良好。
ただ、本体後面右端にあるセルフタイマーボタンが、うっかり手に触れていることがあり、戸惑うことがあった。
逆に、ブラケットボタンや、ISO感度やホワイトバランスなどを素早く変更できるEXボタンが、後面左端にある。私はあんまり左手で押すボタンは好きじゃない。
右と左が入れ替わってれば私好み。
まあ、ボタンの数に比してボディが小さいことを考えれば、かなり頑張ってる配置ではある。

シンクロターミナルがあるのが贅沢。このへんは高級機の意地か。

P/A/S/Mフルモードでベストショットセレクターもあるいつものカシオで、モードダイヤルでの切り替え。
もちろんかっちりして、勝手に回ったりはほとんどしない。
ボタン類もしっかりした造り。高級機。
ここまでくると、ストラップが両釣りではないことだけが意外か。

液晶ファインダーに「Ex Finder」なるモードがあって、撮影情報がサイバーにかっちょよく表示される。
まあ……私には見づらい、フレーミングに邪魔とおもったのだが、慣れたらいいのかもしれん。
AFが合焦してる距離とかも表示されて、ピントミスに気付くこともできるかも。



レンズは33-132mm相当・F2.8-4.0。
微妙に広め(私がよく使うPENTAX DA21mmF3.2 Limitedの画角に近い)で、望遠端が明るいのも良い。
歪曲収差なんかもかなり押さえられてるし、画面端が甘かったりもしない。
柄の大きさの割には抑え目のスペックのレンズではあるけど、その分さすがによく写る。

絞り羽根もちゃんと入っているから、絞り優先オートでも細かく絞りを選べる。

光学ファインダーもなかなかいいものを奢っていて、大きめで収差が少なく見やすい。

ただ、最短撮影距離が弱点か。
マクロモードでも10cm、通常モードで40cm。
ボタンで切り替えねばならんけど、またそのボタンが、左手で行くと光学ファインダーが壁になり、右から行くと非常に遠い。
マクロモードだとマクロの範囲しか合焦しないので、マクロのままで遠景は撮れない。


バッテリー持ちは非常に良くて、フル充電してからカメラに一週間入れっぱなし、持ちだして116枚・5時間撮影してもゲージがフルのまま。
これだけもつとなれば、2GBのSDカードでの撮影枚数が300枚と出るのが頼りなく見える。
まあ、撮影結果は1枚3MB前後だったから、2GBあれば600枚はいけるはずだけど。あれ、もしかして1GBしか見えてない……?



カシオのデジカメは、売れるのは薄型小型モデルだろうと思うけれど、昔からずっと、大型ボディに高級レンズというモデルを出してはいる。
で、だいたい売れない。
QV-3000EXなんて、PowerShot G1と同等レベルのレンズとCCDを搭載したハイエンド高画質モデルなのに、2万円くらいで買えたとか。
しかし、QV-3000EXは、まだしも投げ売りになってから数が出て、中古やジャンクもよく見かける。
その後の、QV-5700なんて、私は未だに見たことがない。

で、EX-P600もそういうカメラのひとつだったわけだけど、使ってみると非常によくできたカメラだった。

売れなかった理由があるとすれば、廉価なデジタル一眼レフが出始めて(EX-P600が2004年春、EOS Kiss Digitalが2003年秋)ハイエンドコンパクトの市場が急速に食われたこと、ハイエンドコンパクトを買うような人はニコンやキヤノンのようなカメラ大手に流れやすいこと。
……と、デザインだろうなあ。

いや、男らしくてカッコイイと思うけども。EX-P600は。
QV-3000EXは言い訳のしようもないブサイクカメラだったけどな。

ジャンクデジカメのつまみかた (1) はじめに

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この回の要約

  • 昔欲しかったデジカメはありませんか? だったら小銭持ってジャンク屋へ
  • ジャンク品は動くものも多いです
  • 電池とメモリーカードの知識だけ得ればOK
  • 情報的なことは(2)からなので、すでにジャンク好きな方は飛ばしてください




 ジャンクデジカメを買ってきては週末にどこかをぶらつく、ということを始めて、もうずいぶん長くなりました。
 ケチな遊びではありますが、ずいぶん長く続いてるものです。

 そして長いことやっていると、ジャンクワゴンから動きそうなカメラをつまみ取るノウハウも、ずいぶん蓄積されてしまいました。
 そのノウハウを、まとめてひとつの読み物にしてみます。

 古いデジカメというのも、興味を持てる人は意外に多いんじゃないかと思います。
 デジカメという商品は、最近はもうコモディティ化とスマホに押されて、元々写真好きな人以外にはそれほど華やかなものではなくなりました。
 しかし00年代前半くらいは、電器店の花形でした。いくつものメーカーが様々な商品を競い合って並べていました。
 あの頃に買って使っていたものだったり、あるいは憧れたけど買えなかったものだったり、そういうものが、今では数百円の捨て値で売られている。
 あの時代を知る人なら……というほど古い話でもないですが、興味を持てる人は多いのでは。
 電気街のジャンクワゴンに、特にそういうマニアでもなさそうなおじさんが足を止めて、興味深げに手にとっていたり、「これって使えるの?」と周りの人に聞いていたりする様子は何度か見かけています。

 また、デジカメという商品自体、最近はもう完成度が煮詰まってしまって、特に高級なマニア向けモデルを除けば、どれもほとんど同じようなものになってしまいました。
 しかし、ジャンクワゴンにあるような古いカメラは違います。
 過去のフィルムカメラとは違うものをと斬新なコンセプトに挑んだり、限られた技術力でなんとか良い物をと様々な工夫を盛り込んだり、なんとも面白い製品が多い。
 頑張りすぎた失敗作もあれば、いい具合に力が抜けた良い製品もあります。
 そういうのが見つかるのもまた楽しい。

 あとはまあ、買ってみて動いたら、人にあげると結構喜ばれたり……というか、一時の笑いが取れたりします。
 別にそれを愛用して何年も使い続けよう、とまで思わなくても、「懐かしいなあ」とか「なにこの変なカメラ」とかいって、しばらく触って写真撮って、ああ面白かった。どうせ数百円のもんだし、別にそれで十分。



 じゃあ、ジャンクデジカメを買ってみればいいんだけど、なかなか自分で買うところまでは行きにくいようです。
 その関門になってるのはなんだろう。


 動くかどうかもわからないものを買う、というジャンク品独特の風習は、慣れていないとなかなか異様かもしれません。
 電気街などのマニアが集まるところで、故障品とわかっているものを自分で直して使う人向けに売るような、そういう特殊な売り方ですから。

 ただ、デジカメのジャンク品は、割と簡単です。
 保証なしといっても、買ってみれば案外そのまま動くようなものが多々ある。
 デジカメは進歩が早かったので、もう7~8年以上前のものなら商品価値がなくなっています。
 なので、今更動作確認をして保証をつけても1000円そこらの値しかつけられない。
 なら、動作確認も何もせず無保証で300円で売る方が、売る方も楽です。そういう商品がジャンク品になりがちです。

 液晶が割れてるとか、レンズが出たまま曲がってるとか、見た目でわかるようなものさえ避ければ、そんなにダメなものばかりではありません。
 見た目でわからない故障品もあるし、特に壊れやすい機種や時期もあったりはしますが、ま、ダメでも数百円。ダメなら諦めるか、なんとかして修理するのがルールです。


 あるいは、電池やメモリーカードをどうすればいいかわからないか。
 確かに、ああいうジャンク品は、電池やメモリーカードが入っていない状態で売られていることが大抵です。
 そこは、心配するポイントとしては正しい。

 しかし、電池だったら単三電池で済むモデルも多々ありますから、そういうものを選べばよい。
 専用のバッテリーを使うものであっても、安く調達する手段はあります。
 メモリーカードの方も、規格があるものなので、どれに何が使えるかは知識があればわかることです。

 電池と充電器、メモリーカードさえ合うものを入手できれば、他に必要な物は特にありません。
 たった2点の知識です。
 それから、ハズレを引いて少しばかり損をしても、文句を言わない広い心。
 それさえあれば、最初は2000円ほどあれば、ずいぶん楽しめる遊びができます。

ジャンクデジカメのつまみかた (2) どこで買える?

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この回の要約

  • 電気街の中古PC店、特にジャンク屋っぽいところによくあります
  • 大手カメラ店チェーンもやってる店があります
  • かつての中古カメラ屋街もチェック
  • 適正価格は1000円まで




 そもそも、ジャンクカメラなんて変なものを売ってるところがないと買えません。
 なにしろ、ジャンク品というのが特殊な売り方なので、それなりに「わかってる」客が多いところでないと難しい。
 それなりのところに行かないと、そういう店が見つからないかもしれません。
 関西なら梅田か難波。神戸の元町高架下なんて良さそうですが、カメラに関してはあんまり。
 このあたりに行けない場合は、ヤフーオークションしかないかもしれません。



 経験的には、まずは電気街の中古PC店が一番買いやすいように思います。
 それも小綺麗なものを売るところじゃなくて、かなりマニア向けの商材を扱うジャンク屋に近いところ。はっきり「ジャンク屋やってます」と書いてるようなところ。

 まさに「わかってる」客の来る店ですから、ジャンクカメラの来るべきところです。
 大体こういうところのジャンクカメラが、数もワゴンに山盛りあって、単価控えめ。


 また、電気街の店舗なら、家電量販店でもたまにジャンクワゴンを出していることがあります。

 家電量販店は中古買取や買い替え時の下取りもやっているので、多量のデジカメが集まってしまうと想像されます。
 そういうものは、電気街の中古PC店に流れていってるらしい。(なぜか中古PC屋で買ったデジカメのメモリーに、某量販店のバックヤードらしい写真が残っていたことがあって……)

 しかし必ずしも他所に卸してしまうのではなくて、自ら販売してしまうこともあるようです。
 さすがに客層が一般の人ばかりの店舗でそんな無茶はやらないでしょうが、電気街のようなところなら「わかってる」客層の店舗ができていることがあって、そういう店舗でやっています。



 電気街以外では、カメラ店チェーンにジャンクコーナーを設けている店があります。
 店舗によってバラバラで、まったく扱わないところもあれば、無造作にジャンク積んだ棚がある店も。
 これは郊外店でも都心でも、どちらでも見かけます。

 ジャンク品の内容もまちまちで、本当にどうにもならないガラクタしかない店もあれば、「付属品付きの完動品だけど、液晶に目立つ傷があるから中古品としては売れない」みたいな高品質ジャンク品を出しちゃう店も、本当にまちまち。
 案外、近所にあるカメラのキタムラがそういう店だったりするかも。


 他に、カメラ屋街が形成されているところ、あるいはかつて形成されていたところも、面白い店がある、または生き残っていることも。
 大阪でいえば、日本橋一丁目や大阪駅前ビルなど。

 電気街ほど大量に出たりはしませんが、本当にマニアックな品があったりします。
 単価は少し上がりますが、慣れてきて何がレア物かわかってくれば面白くなります。
 例えば一眼レフの交換レンズとか、いっそフィルムカメラとかにまで手を伸ばしていると、一層面白いものがあります。



 特にそういう場所にいけない場合は、リサイクルショップなんかにあります。
 良いものがあるかどうかは、店の方針と入荷タイミングによるのでなんとも。
 地元の個人でやってるカメラ店なんかも、中古やジャンクまでやる店があります。


 そうでなければ、ヤフオクという手はあります。
 送料が掛かっちゃうので私は使わないんですが、他のジャンク趣味な方を見ると、ヤフオク派の方もいらっしゃるようです。
 超マイナー機の狙い撃ちとかならいいと思います。



適正価格はどれくらいか?


 ジャンク品はまちまちなので、定まった値段の相場はありません。
 しかしまあ、これは高すぎる、これは安い、ある程度の感覚はあります。


 まあ、外観に大きな問題がない、付属品なしのカメラ本体のみ、700万画素くらいまでの一般的な機種なら、1個1000円が上限かな。
 私は大体300~500円くらいで買うことが多いです。50円が一番安かったかな。
 別に値段が高いからって、動作する確率が高いわけでもありません。


 付属品つきの場合でも、正直それほど値打ちのあるものではありません。
 バッテリーは死んでいることが多いし、充電器も必ずしも必要ありません。
 付属品に価値があるのは、メモリーカードくらいかな。128MB以下のメモリースティックやスマートメディア、512MB以下のxDピクチャーカードなら値打ちがあります。


 特にレアな機種とか、特徴的な機種ならもう少し出すこともあります。
 きれいなCONTAX i4Rなんかがあったら、状態次第で結構高額でも出しちゃうかも。


 参考まで、私が買った一番高いジャンク品は、ソニー・サイバーショットU20の箱説・ネックストラップ・別売りケースつき、起動・撮影確認済みの2000円です。
 まあ、かなり珍しい機種ということもあり、故障が多い機種だけど一応動作はするのを確認されてるなら……と買ってみたんですが、これがハズレ。
 撮影は一応できたものの、シャッターに異常があって画像が一部欠ける、しかもCCD不良でしばしば画像が乱れる。

 でも、ジャンク品の「動作確認」なんてこんなもんです。一応写ってはいましたから、嘘をいわれたわけでもないです。嘘をいわれていたとしても、ジャンク品なんだから仕方ない。
 100円で買ったカメラが完動品のこともしょっちゅうあるので、本当に値段と状態は関係ないです。



手出ししないほうがいいもの


 先に「外観に大きな問題がない」と書きましたけれど、逆に大きな問題があるのはどういうものか。


 まず、レンズが出てしまっている状態のものは避けます。
 レンズが出た状態で外から力がかかると、カメラはかなり容易に壊れます。
 ジャンク品はワゴンの中でがしゃがしゃ引っ掻き回されがちですから、最初は壊れていなくたって結局ダメになっている可能性が高い。


 次に壊れがちなのは、バッテリーが入る部分の蓋。
 これは、開けられる場合は開けて確認したいところ。
 単三電池モデルの場合、アルカリ電池を液漏れさせてしまっていることがあります。少しなら大丈夫なこともありますが、中までやられている場合も多々。
 このアルカリ性の液や結晶に触れてしまうと怪我をするので、注意してください。

 また、フチが掛けてしまっているようなものは、ちゃんと閉まらない可能性があります。これはありがちなトラブル。


 他には液晶割れ。
 電源が切れているとわかりにくいこともありますが、まあ注意して見ればわかります。
 そもそも液晶が割れるような強い外力が加わっている個体は、他の部分も不安です。

 外装にあまりにも酷い傷がついているものも、同じく避けたい。
 派手に落としたりした可能性が高いです。


ジャンクデジカメのつまみかた (3) 電池について

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この回の要約

  • 最初は単三電池モデルを狙おう
  • 手元のカメラのバッテリーを流用できるかも
  • 互換バッテリーと汎用充電器を利用


 デジタルカメラはもちろん、電源がないと動きません。
 付属品付きのジャンク品もありますが、裸の本体だけで売られているもののほうが多いでしょう。

 そのため、対応したバッテリーを自分で判断して、調達することになります。


単三電池モデル

「Ni-MH」がニッケル水素充電池を意味します

 簡単なのは、単三電池で動作するモデルです。
 最近はかなり少なくなりましたが、かつては多数ありました。


 電池は、アルカリ乾電池ではなく、充電式のニッケル水素充電池を使います。
 すでに持っている人も多いでしょう。

 コストやエコの話ではなく、古い機種にはアルカリ乾電池ではすぐに電池切れになるものが多数あるためです。
 アルカリ電池は使用するにつれて電圧が下がっていくので、デジカメの動作に耐えられない電圧まで下がると、まだ電力が残っていても早々に電池切れと判断されます。
 ニッケル水素充電池は、電池切れ近くまで一定の電圧が供給され続けます。よって、容量をきっちり使い切ることができます。

 単三充電池と充電器を新たに買わなければならないなら、充電器は4本同時に充電できるタイプが好ましい。
 デジカメの方には、2本使用のものも4本使用のものもあります。
 また、かなり希ですが、単四電池で動くデジカメ(サイバーショットUやFinePix F420など)もあるので、単四の充電もできる充電器だとより良い。

穴の形は必ずしもマルふたつではありませんが、
+/-の方向指示がある、フタ側にも電極がある、
というような特徴があります

 単三電池モデルの見分け方は、慣れが必要ですが、まずは見た目で。

 カメラが個包装されていなくて、バッテリーホルダーを開けられる場合は、開けてみるのが手っ取り早い。
 ただしこの時、アルカリ電池から液漏れした電解液がついている場合があります。これはアルカリ性なので、液や結晶に触れると怪我をします。くれぐれも注意を。
(二度目ですが、目に入ったりすると本当に危ないので、これにはよく注意してください)

このExilimに単三電池が入りますか?
おかしいと思いませんか? あなた
ニコンCOOLPIX 950は単三電池が入りそうですが、
これは専用電池モデルです
 開けられない場合は、外観からあたりをつけます。
 比較的新しい小型・薄型のカメラには、そもそも単三電池が入りそうなスペースがないのですぐわかります。
 大きめのカメラであっても、バッテリーが入る部分の蓋に注目すると、細長かったりと明らかに単三電池が入らない形のものがわかります。
 とはいえ、単三電池に少し似た形の専用バッテリーを使うものもあるので、間違えるときは間違えますが。それは仕方ないです。

オリンパスX-250。オリンパスは書いてることが多い
 あまり多くはないですが、外にちゃんと単三電池だと書いている場合もあります。
 蓋かその近くに「LR6」とか「AA」といった記載があれば、それは単三電池使用を示します。
 また、「CR-V3」というのは、単三電池2本を束ねた大きさのリチウム電池パックで、これが使えるものは単三電池も使えます。

DSC-F88のInfoLITHIUM表記

 知識があれば、品番から判断することもできます。

 カシオの場合、Exilimと銘打たれた製品に単三電池モデルはほとんどありません。しかしQVシリーズはほとんど単三電池です。
 ニコンのCOOLPIX Lシリーズ、キヤノンのPowershot Aシリーズ、フジフイルムのFinePix Aシリーズ、京セラのFinecam Lシリーズなど、単三電池モデルがシリーズ化されているものもあります。

 またソニーの場合は、専用電池を使うモデルには「InfoLITHIUM」と明記してあります。
 単三電池モデルなら、その表示がありません。
 新しい機種はその限りでもないですが、古い機種の判断には便利です。

リチウムイオン電池の場合


 専用のリチウムイオン電池を使用するカメラは、専用の電池と充電器を調達しなければなりません。
 純正品をまともに買うと、かなりいい値段になります。
 新品で買ったカメラを大切に使うなら妥当な値段ですが、数百円のジャンクカメラには高すぎます。

 よって、専用電池のジャンクカメラは、買ったものの持て余すことになりがち。
 しかし、単三電池モデルだけに絞ってしまうと、半分以上のカメラが対象外となってしまって少しさびしい。
 慣れてきたら、リチウムイオン電池と充電器をうまく安く調達するやり方を身につけると、選択肢が広がります。


持っているものを流用する


 手元に、普通に購入したデジタルカメラの一台くらいはあるかもしれません。
 それが単三電池モデルでなければ、リチウムイオン電池が入っていて、充電器もあるでしょう。

カシオのロングセラーNP-40(左)
右はNP-20の互換品。
 リチウムイオン電池は、同じ電池が複数の機種で使われるのが普通です。
 だから、手元にある電池を使いまわして動作させられる機種があります。

 特にカシオが、あまり頻繁にバッテリーを変更しません。
 例えばNP-40というバッテリーは、1000万画素のハイスピードExilim FC-150Sから、10年前の300万画素ExilimのEX-Z30まで、非常に多くの機種に使われています。
 NP-20, 40, 60, 80あたりは、かなり幅広く対応機種があります。

 とりあえず、手元のバッテリーを確認して、同じメーカーの製品に同じバッテリーを使うものがないか探してみるのが第一歩。
 同じバッテリーを使う機種なら、ジャンクワゴンで見かけてもすぐ使えます。


 なお、当然ですが、カメラ側には正常品である保証は全くないので、やってみたら電池が壊れたりしても、文句はいえません。
 カメラが故障して内部が短絡していたりすれば、入れただけで発火したとか、そういうこともありえます。
 まあ私はそんな目に遭ったことないですが、絶対に有り得ないことではありません。多少なりとも危険性のある遊びだということは踏まえてください。



他社製品に流用する


 リチウムイオン電池というのは、どのメーカーでも自社製造できるものではありません。
 国内デジカメメーカーでは、旧三洋電機、ソニー、パナソニックくらい。
 よって他のメーカーは、どこか電池メーカーに製造を依頼していることになります。

 当然、いちいち形状から仕様から新規に設計するとコストが高い。
 おそらく、電池メーカーの方で吊るしの仕様があるんじゃないかな。
 よく見ると、全く同じ電池が品番とラベルだけ変えて、複数のメーカーに供給されているケースが多々あります。


 残念ながら、他社と共通の電池をほとんど使わないメーカーもあります。
 ソニー・キヤノンが自社のみにしています。ニコン・パナソニックも他社との共通品はほとんどありません。
 これら以外のメーカーのデジカメを持っていれば、もしかしたら他社メーカーにも使いまわせる電池が手元にあるかもしれません。

 調べてみると、ほとんど汎用品と言っていいほど、幅広く各社に使いまわされている電池があったりします。
どう見たって同じ形のバッテリーで、実際互換品
 私の心当たりで特に広く使えるものとしては、フジフイルムNP-45・日立HLB-2・ニコンEN-EL10・オリンパスLI-40B / LI-42B、ペンタックスD-LI63 / D-LI108、カシオNP-80、コダックKLIC-7006がそれぞれ使いまわせるようです。
 これは私の手元にもあるので、しばしば使いまわしてます。

 こういうのをどこで調べるかというと、互換バッテリーを売っている会社のサイトを利用します。
 手元の電池の品番で検索してみると、「この電池はどれに対して使える」という情報がずらっと書いてあります。
 フジフイルムとカシオが、どちらもNP-xxという品番でバッテリーを出していて、検索するときに紛らわしいので注意してください。



互換バッテリーと汎用チャージャー


 さて、「どのカメラにはどの電池が使える」という情報があるのなら、「持ってる電池が使えるカメラを探す」というアプローチに限らず、「カメラを買ってしまってから電池を調達する」という順番でも構わないわけです。
 バッテリーを安く調達できれば、専用バッテリーを使うカメラでも困らなくなります。

 そこで互換バッテリー。
 純正品なら高くついても、互換バッテリーなら、モノによりますが数百円からの値段です。
 ROWAJTTが、古くから手がけているいわば老舗です。


 では充電器はというと、いろいろな形状のリチウムイオン充電池に対応する汎用充電器があったりします。
 私が使っているのは、JTTのMyCharger Multi Liteです。
 別に電池が破裂したとか過熱したとか、そういうトラブルはうちでは起こっていません。


 ただし、リチウムイオン充電池というのは、かなり大きなエネルギーを小さな中に貯めこんでいるものです。
 充電も非常にシビアなもので、うっかり充電しすぎるような事態になれば、すぐ発熱・発火・破裂までありえるような代物です。
 強い衝撃を与えたら、内部で金属部材がショートして発火するような事態もありえるそうです。
 だから、これまで携帯電話からノートPC、旅客機まで、かなり品質管理が厳しいはずの日本製であっても、事故が起こるときは起こってきました。

 売ってる方には申し訳ないけれど、中国製の電池なんか怖いというのも、あながち間違った考えではないように思います。
 こんな汎用充電器なんか恐ろしいというのも、絶対に的外れだとまでは言いにくい。
 怖いというなら、それは仕方ないでしょう。ちゃんと純正品を買うしかありません。

 ただまあ、それを言うなら、最近そこらじゅうで様々なものが売られている、安価なUSBモバイルバッテリーの類だって同じようなものです。むしろ大容量のバッテリーだからより怖いくらい。
 あれが平気だったら、こっちもそんなに危険性は変わらないように思います。



 私が互換電池で経験するトラブルのほとんどは、すぐダメになっちゃうことです。

 リチウムイオン充電池は、保管するなら半分くらい充電された状態にしておくのがベターといわれています。
 なので、一回りデジカメを使ってきて、まだバッテリー減少の表示も出ていないなら、そのまま外して保管する、という調子でやってました。
 しかし、純正ならこれで大丈夫なことが多いですが、互換電池はかなり死んじゃうようです。数ヶ月でもアウトな個体もありました。

 また、買った時点で劣化が進んでいて、充電しても2~3枚撮影できる程度の容量しかないものが届いたことが2回。
 そもそも違うものが届いたことが1回。
 こういう雑さは、どうしてもつきまといます。
 さすがに最初からダメなのは保証交換くらいしてくれますが、私は数百円のために手間が惜しいので泣いてます。


 ダメになっちゃった電池は端子をテープで塞いで、電器店などにたまにあるJBRCのリサイクルボックスへ。
 どうしてもゴミ入れたりアルカリ乾電池入れたりと間違う人が多いので、最近設置店が減ってる気がしますが。



ジャンクデジカメのつまみかた (4) メモリーカードについて

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この回の要約

  • いろいろ種類があります
  • 同じ形でも容量によって違う場合があります
  • カードリーダーも忘れずに




 今どきのデジカメはすべてSDカードが使えますが、古いデジカメは多種多様なメモリーカードが使われています。
 メモリーカードが確保できないと、撮影できません。

 SDカード対応のカメラであっても、古いものは8GBとか16GBとか、そんな大容量のものは使用できないことが多い。
 ジャンクデジカメを漁るなら、メモリーカードを買い足していく必要に迫られます。

 できるだけ簡潔にまとめると、ジャンクデジカメに必要になりやすいものは以下のとおりです。

  • SDカードとコンパクトフラッシュの2GB以下のもの
  • xDピクチャーカードの512MB以下のもの、無理ならM+ 2GBのもの
  • メモリースティックPro Duoの2GB以下のものとサイズ変換アダプター
  • メモリースティックの128MB以下のもの
  • スマートメディア


 以下、対応するメモリーカードを判断する大まかな目安と、古いデジカメに使用するにあたっての注意点をまとめています。



SDカード

SDカードとサイズ違いのもの
比較的新しい機種で使われますが、かなり古くから対応機種は多くあります。
 ただし、できたのが2000年なので、それ以前には対応機種はありません。
 ソニー・オリンパス・フジフイルムは別のメモリーカードを使っていたので、ジャンク品になるような古い機種には、SDカードはありません。

 SDカードのバリエーションとして、御存知の通り、miniSDやmicroSDなどサイズ違いがあります。
 デジカメについては、mini専用はおそらく存在せず、micro専用もかなり最近までありません。
 ジャンクカメラであれば、ほぼ標準サイズのSDカードだけ考慮すれば大丈夫です。

 小さいものを変換アダプターで標準サイズとして使うことももちろん可能です。
 ただ経験的には、認識しないとかのトラブル源になりやすいようです。特にmicroを標準SDとして使うアダプターの相性の酷さといったら……


 また、2GBまでのSDカード、4GB~32GBのSDHCカード、64GB以上のSDXCカードの容量による区分があります。
 2006年ごろからSDHC対応機種が出てきますが、それ以前のカメラは初代のSDカード、つまり2GBまでしか対応しません。
 ジャンク遊びには、2GBのものを1枚持っておくとベターです。
 この互換性の都合もあるので、まだ2GBは売られています。そろそろ一般の電気屋では難しそうですが、電気街や通販なら大丈夫です。

 古い機種には、2GBでは大きすぎて問題が出るものもあります。
 例えば、 ニコンCOOLPIX 3700やコニカKD-200Zは動作が遅くなり、コニカミノルタDiMAGE Z3はファームウェアアップデートが必要でした。
 そういう場合は仕方ないので、難しいですが少容量のものを探しましょう。256MBくらいのものが手に入れば便利です。
 買うのはかなり困難なので、友人知人をあたったほうがベターと思います。古い携帯電話に使ってたのとかが残ってるかも。

京セラFinecam SL300R背面のSDロゴ

 対応機種の見分け方として、早い時期のSDカード対応機は、本体のどこかに「SD」のロゴマークが入っていることが多いようです。ないカメラもありますが。

 また、メーカーとブランドネームだけでSDカード対応だと判断できる例が多々あります。
 パナソニックLUMIX、カシオExilim、リコーCaplio、京セラFinecam、三洋Xacti、東芝Sora、コニカDigital Revioは、僅かな例外を除いてSDカードです。
 ペンタックスOptioの、Optioの後にアルファベットが来るものはSDカード。
 ミノルタ(コニカミノルタ)DiMAGEは、F・X・G・ZはSDカード。
 ニコンは、COOLPIXの後にアルファベットがくるものはSDカード。数字3桁は確実にSDカードではありませんが、4桁はものによります。
 日立のHDC-で始まる型番、エプソンのL-で始まる型番のものはSDカード。

 キヤノンは、品番だけからは判断困難です。

マルチメディアカード(MMC)


 SDカードとほぼ同じ形のメディアで、海外の携帯電話などで使われていました。
 少なくとも日本のデジカメで、MMCを指定している製品はないはずです。
 互換性があるので、SDカードを使うデジカメにMMCを差し込んで使うことはできるそうです。京セラのFineCam S3に、16MBのMMCが標準添付されていたようです。


メモリースティック

右上がDuo → 標準変換アダプター
右下がDuo、下中央がM2
左がM2 → Duo変換アダプター
ソニーが採用していたメモリーカードです。
 ほぼソニー独自ですが、コニカがSDカードとのデュアルスロット機を出していたことがあります。

 メモリースティックも、SDカードのように大きい方から標準・Duo・M2のサイズ区分があります。
 標準サイズは古めの機種が中心で、主流はDuoになっていきます。M2はデジカメでは特に扱う必要はないでしょう。
 サイズ変換アダプターが使えるのもSDカード同様です。経験論ですが、こちらはあまり変換でトラブルが出たことはありません。

 またSDカードと同じく、容量の区分もあります。
 ただしこちらは、初期のものが128MBまで。256MBからはメモリースティックProとなっています。
 メモリースティックProは、初期メモリースティックのみ対応のカメラには使えません。
 よって、そういう機種のためには128MB以下の初期メモリースティックを使わなければいけませんが、例によって入手難です。
 このせいで、サイバーショットの2003年以前の機種は、なかなか扱いが難しくなります。

microSD→メモリースティックDuo変換アダプター
microSDをメモリースティックPro Duoに変換するアダプターが電気街などで売られていて、これはなかなか便利。



 最近は、メモリースティックPro-HGとかMark-2とかいろいろ出ています。
 Pro-HGは古い機種だとダメな場合があるように見えるので、ジャンクで遊ぶなら避けたほうがいいかと思います。
 今買うとMark-2が出てくるようですが、これはさほど問題なさそうです。
 メーカー公式の対応表はこちら

容量については、メモリースティックProは規格上は256MB~32GBまで一貫していますが、古い機種に2GBや4GBが上限のものがあります。
 ジャンク遊びに使うなら、Pro Duoは2GB以下にしておきましょう。
 古いカメラにはDuoではないPro使用モデルもあるので、変換アダプターもあるといいでしょう。

 また、2003年より古いサイバーショットに手を出すなら、標準サイズの128MB以下が必要です。
 手に入りにくいのが難ですが、Duoの128MB + 変換アダプターでも問題ありません。


DSC-S40のメモリースティックスロット
ロゴマークと、PRO対応表記がある

 対応機種の見分け方……も何も、そもそもソニー・サイバーショットくらいしかないんですが、一応、メモリースティック対応機は外装にロゴが入ってるようです。
 また、メモリースティックProやDuoなどに対応するものは、その旨の記載があるようです。時代が進むとPro Duoだけになるので記載も略されますが、古いものには明記されているようです。




コンパクトフラッシュ

コンパクトフラッシュ

 1994年からある古いメモリーカードの規格で、90年代のデジカメ黎明期から使われています。
 現在でも一眼レフなどの大型機に使われていますが、かつてはかなりコンパクトな機種にも使われていました。
 特にニコンやペンタックスが2003年ごろ、キヤノンが2004年ごろまでと、比較的長く使っていました。


 サイズ区分は、一応タイプI/IIという厚さ違いがありますが、まあメモリーカードを買って分厚い方のタイプIIが出てくる心配はないと思うので、気にしなくて大丈夫。
 薄いタイプIのカードなら、どちらのスロットにも入ります。

 容量によって規格が変わったりもしていません。(内部的には世代があるんですが、製品として別になってしまうような差異にはなっていません)
 ただし、ソフトウェア的な取り扱いの都合で、古い機種では2GBに壁があります。これはどんなメモリーカードにもあります。

 規格自体は互換性が高く、90年代の30万画素デジカメに2GBのコンパクトフラッシュが使えちゃったりすることも。
 また、業務用の組み込み機器に多く使われていたりもして、通販を利用すれば未だにメガバイト単位の容量のものでも、さほど法外でもない値段で買えたりします。
 ジャンク遊びには、2GBを1枚買っておけば大体OK。必要になったら小さいのを買い足せばいいのでは。


 対応機種に特にロゴマークなどはないので、外見だけでは見分けにくいかもしれません。
 強いて言えば、カードスロットが大型ですが、これも電池ボックスと一体化していると判断材料にならないし……。

 キヤノンについては、コンパクトフラッシュ機とSDカード機が混在する世代には、カードスロットのカバーに「CF」と明記している場合もあるようです。
 ただし、キヤノンは品番からの判断は困難です。

 三洋は、品番がDSC-の後にMZ・AZ・SXのものはほとんどコンパクトフラッシュです。XactiとペットネームがついてからはSDカード。
 エプソンのCP-で始まる品番、コダックのDCで始まる品番、コニカのKD-で始まらない品番のものは多くがコンパクトフラッシュです。
 ニコンは、COOLPIXの後に数字3桁のものはほとんどコンパクトフラッシュ。4桁はSDカードと混在しています。アルファベットのものはSDカードです。
 ペンタックスは、Optioの後に数字が来るものの一部がSDカード。アルファベットだとSDカードです。
 ミノルタDiMAGEにも、古いものや大型機Aシリーズ・7シリーズにコンパクトフラッシュがあります。
 カシオは、Exilimではない機種(QVシリーズなど)にはコンパクトフラッシュが多いです。


フラッシュATAカード

コンパクトフラッシュ→フラッシュATA変換アタプター

 コンパクトフラッシュ以前に、ノートパソコンのPCMCIAカードサイズ(といっても最近のノートPCはPCMCIAカードスロットがないから通じないかもしれませんが)のメモリーカードがありました。
 これは、コンパクトフラッシュにアダプターを噛ませることで変換できます。
 こんなの使うのって1996年ごろの製品くらいで、なかなか必要にはならないと思いますが。




マイクロドライブ


 コンパクトフラッシュサイズのハードディスクで、コンパクトフラッシュ同様に取り扱えるというものもありました。
 今となっては、コンパクトフラッシュでも容量・速度とも不足しにくいので、ことさら手に入れる必要はないと思います。
 一時期の三洋電機のデジカメで、マイクロドライブを使用している時のみ時間無制限で動画が撮影できる、という機種がありました。



xDピクチャーカード

xDピクチャーカード(初代)

 オリンパスとフジフイルムが、2002年から採用していたメモリーカードです。
 他に採用メーカーがなかったせいで、どんどんSDカードより割高になっていき、2009年ごろに両社とも諦めてSDカードに移行しました。

 サイズのバリエーションはありません。

 容量は、初代のものが512MBまで。
 Type Mという大容量モデルが2GBまで出ましたが、Type Mの256MBと512MBもあります。
 Type HおよびType M+という大容量かつ高速タイプもありますが、オリンパスの対応機種で使った時のみ高速とのこと。
 そして例によってType M・Hが使えない機種が一部あり、また、Type Mが使えるけど512MBが上限という機種もあります。

 つぶしが利くという意味では、初代の512MBを一枚持っておくのがベスト……だけど、オリンパスの直販サイトで3000円も出すくらいしか入手方法の心当たりがありません。
 次善の策としては、Type M+の2GBがamazonなどでもう少し割安に買えます。


FinePix A202のメモリーカードスロット
外観からの見分け方は、フジフイルムはロゴマークを入れてくれることが多いようです。オリンパスはないことが多い。
 まあ、新し目のオリンパス・フジフイルムはxDカードだと決めつけて大丈夫です。

 品番からは、フジフイルムの場合、FinePixの後にアルファベットの来るものはxDカードです(A201・F401・F601が例外)。
 オリンパスは、μ・X・FE・SPシリーズはごく新しいものを除けばxDカードです。Cシリーズは、末期のモデルのみxDカードです。



スマートメディア


3.3Vスマートメディア
2002年より前のオリンパス・フジフイルムを中心に、広く利用されていたメモリーカードです。東芝・三洋電機・リコーなどでも採用されました。
 2000年以前は、ソニー以外はスマートメディアかコンパクトフラッシュのどっちかという感じでした。

 サイズのバリエーションはありません。
 著作権管理用のID機能つきのものがありますが、デジカメでは関係ありません。

 容量は、4MBから128MBまでが存在します。
 容量によって規格が異なるわけではないんですが、カメラによって、32MBまでとか64MBまでとか、上限のある場合があります。これは個別に調べるしかありません。

 また、一般的には動作電圧3.3Vですが、古い2MB・4MBのものに5V動作のものがありました。
 ごく古いもので、5V専用のカメラがあります。両対応のカメラもあります。
 カードの形が違う(角の切り欠きが左右逆)ので、非対応ならささらないことになっていると思います。


東芝PDR-M4のスマートメディアスロット
外観からの判断では、対応機種にはロゴマークが入っていることがあります。

 オリンパス・フジフイルムは、xDカードでなければスマートメディアです。
 オリンパスCシリーズの、4桁モデルで1000~4000番台、3桁モデルで700番台の740以上を除くすべて、2桁・1桁モデルはスマートメディア。
 フジフイルムは、FinePixの後に数字がくる品番のものはスマートメディア。

 他に、三洋電機のDSC-X100 / X110 / X200 / SX1Z、東芝Allegrettoシリーズの古い機種(品番がPDR-Mなんとか)、リコーのCaplio以前の機種などがスマートメディアでした。


 終焉してから10年以上経っているので、入手が難しいメディアとして有名になっています。
 まあ買うだけならオリンパスやフジフイルムの直販サイトで買えますが、高いです。

 しかしながら、ジャンクデジカメの楽しみの大きなひとつが、スマートメディアなどを使っていたような時代の、「現状の技術力に制限を受けながら、なんとか魅力的な製品になるように試行錯誤し、機能や特徴を盛り込んだ」というような、時代の雰囲気を味わうところです。
 なんとか1枚調達したいところですね。


 また、見ての通り、端子が思いっきりむき出しになっています。
 うっかり触ったら静電気でデータが壊れたとか、触ってないけどデータが壊れたとか、ちょくちょくトラブルを起こすメディアです。
 仕方ないんですが、端子に触らないように気をつけてください。


内蔵メモリー


 これはメモリーカードではないんですが、一応追記しておきます。
, 最近の「メモリーカードを入れ忘れても撮影できる」という意味合いの内蔵メモリーではなく、90年代のデジカメ黎明期には内蔵メモリーしか記録先がないカメラが多々ありました。
 どう見てもメモリーカードスロットが見当たらないものがそれです。

 メモリーカード買わなくてもよいんですが、カメラからPCに転送するのに困難が伴います。
 当時なのでUSBにはほとんど対応しておらず、RS-232Cシリアルポートからの転送になります。今どきのPCにはついてません。
 仮にポートを用意したところで、通信ソフトがWindows 95専用でどうにもこうにも、ということも。

 また、2000年ごろに流行った「おもちゃデジカメ」といわれるようなものが、しばしば内蔵メモリーのみです。
 これらはUSBくらいには対応していることもありますが、やっぱりドライバーがないとか転送ソフトがないとかでハマります。

 メモリーカードを挿せないカメラは、今使うのは茨の道になりがちです。
 それを楽しむのが目的でなければ、あまり手出ししないほうがいいと思います。



カードリーダーについて


 大抵のデジカメは、USBでPCに直結してデータを転送できます。
 が、USBケーブルのカメラ側コネクタが独自形状のものが多々あります。付属品がなければ困りがちです。

 なので、カードリーダーを用意するのがベターです。
 コンパクトフラッシュやxDピクチャーカード、スマートメディアにも対応したマルチカードリーダーが便利。わりとどこでも買えます。

ジャンクデジカメのつまみかた (5) この機種に注意

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この回の要約

  • リコール対象機種は、修理されてないことが多いので要注意
  • バッテリーが本当に専用になっちゃってるカメラがあります



リコール対象機種について


 もう10年も前の話になっちゃいましたが、ソニーCCDセンサーが不具合を起こし、大規模なリコール騒ぎになったことがあります。
 当時使われていた接着剤に問題があったので、実はソニー以外のメーカーのCCDセンサーも同様に壊れるものがありました。

 ちょうど500万画素くらいの時期で、今ジャンク品になっていやすい世代のものなので、注意しておくといいでしょう。
 これらの機種は、壊れていることが多いです。
 運が良ければ、前の持ち主がリコール修理を受けているかもしれませんが……


 また、そのような大規模リコール以外にも、各社とも特定の機種についてリコールを掛けている場合もあります。
 ソニーのCCDリコールは話題になったので、ある程度修理されている場合もあると思いますが、それ以外のリコールはなかなか気付きにくい。
 保証期間が切れてから発症しても、そのまま捨てられていることが多そうです。


 各社の案内ページを参照して、リコール対象機種をまとめてみました。
 外装関係とか、撮影や動作に影響のないものは端折ります。


キヤノン

PowerShot A40, A60, A70, A75, A80, A85, A95, A300, A310
PowerShot S1 IS, PowerShot S60
IXY DIGITAL 200a, 300a, 320, 400, 450, 500, 30, 30a (以上CCD故障)
IXY DIGITAL 400 (コンパクトフラッシュ相性問題)
IXY DIGITAL 2000 IS (ビス脱落)
PowerShot A650 IS (画像不具合)
PowerShot A530, A540 (バッテリーカバー組付けミス)
IXY 610F/620F (バッテリー接点不良)

ニコン 

COOLPIX SQ, 5700, 5400, 5000, 4500, 3500, 3100 (CCD不良)
COOLPIX 2000 (過熱)

ソニー

DSC-F717, F88
DSC-M1, V1
DSC-T1, T11, T3, T33
DSC-U10, U20, U30, U40, U50, U60
DSC-P2, P31, P32, P7, P71, P72, P8, P92, P10 (以上CCD不良)
DSC-P1 (電源不良)

ペンタックス 

Optio 330RS, 330GS, 33L, 43WR, 550, 555 (すべてCCD不良)

リコー (デジカメWatchの記事)

Caplio RR30, 300G, 400Gwide, G3, G4, G4wide, RX (すべてCCD不良)

フジフイルム 

FinePix A303
FinePix F401, F410, F700
FinePix S2Pro (以上CCD不良)
FinePix F710 (シャッター不良)

オリンパス 

C-5050Z, C-730UZ (CCD不良)
C-40Z (電源不良)
C-920Z (スマートメディア相性問題)
C-8080Wide Zoom (動作不良)
X-450, C-770UZ (xDカード相性問題)
μTOUGH-6010 (ウィルス混入)
E-100RS (ファームウェア間違い)

コニカミノルタ(旧ミノルタを含む) 

DiMAGE 7i, 7Hi
DiMAGE A1
DiMAGE F300
DiMAGE Xi, Xt, X20
DG-2, DG-3Z, DG-4W (すべてCCD不良)

京セラ 

Finecam S5, S5R, S3L, M400R, M410R, SL400R (すべてCCD不良)

カシオ 

EX-Z330 (日付保持キャパシタ不良)

パナソニック

特にリコールの情報はありませんでした。



つぶしが効かないバッテリー


 専用バッテリーを使用するのに、同じバッテリーを使う機種が他に全く存在しないモデルがあります。
 長期間そのメーカーで使い続けられたバッテリーは、使用するカメラも多くなるし、供給されていた期間も長く、入手しやすい。
 しかし、その1機種だけでしか使われなかったバッテリーは、互換品すら入手困難になったりします。


 カシオにXV-3という機種があって、このバッテリーNP-L7は、他に採用モデルが一切ありません。
 私はこれが初めて手に入れたカメラで、思い出深い機種ではあるんですが、バッテリー難はどうにもしづらい。
 CR-V6という使い切りのリチウム電池でも使えるんですが、これもまたマイナーな電池でなかなか売っていません。

 またパナソニック LUMIX DMC-F7も、バッテリーのDMW-BC7が使い回しが効きません。
 これはパナソニックがLUMIXと銘打ってデジカメに本腰を入れはじめた最初のモデルなんですが、バッテリー難。
 パナソニックは他のものでも、わりとバッテリーの使い回しが難しい傾向があります。
 特にパナは互換電池を嫌がっていて(メーカーとして製造責任を全うするためにはまったく正しい)、ファームウェアをアップデートすると互換電池が使えなくなったりもします。


 メーカーが撤退してしまった場合も、時間が経つに連れて厳しくなります。

 京セラやコニカも撤退して時間が経っているので、やはりバッテリーの在庫が払底しつつあります。
 京セラのFinecam SL300R/400Rなんて名機なんですが、バッテリーが他社と共通していなくて厳しい。
 コニカのKD-310/400/410/500/510Zも当時名機と言われたものですが、やはり他社とは共通しないバッテリー。これはコニカミノルタ時代になってもしばらくシリーズが続いたので、まだ入手はできそうですが、時間の問題かな。

 単純に古く、90年代まで遡ってしまうものもやはり辛い。
 キヤノン PowerShot 600Nとか、ソニーのDSC-F1とか。


昭和町 (IXY DIGITAL L2)

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大阪阿倍野区に昭和町というところがあって、昭和の日にイベントをやると聞いて、ちょっとその辺りを散策に。
まあ行ったものの結構な雨降りで、しかも地図をちゃんと控えたりしなかったもんで道を間違え、ほとんど祭りの会場には到達できなかったんだけれど。もうちょっと現地に案内あると思ってた。

今日のカメラは、このblog始まって以来初の、IXY DIGITAL。
一番売れてるメーカーの一番売れてるシリーズなんて触る気はないんだけど、ちょっと傍流のLシリーズなのはせめてもの意地といいますか。


とりあえず、JR阪和線の南田辺駅が最寄り駅のひとつということで、そこまで。
私が高校の通学に使っていた頃はまだ地上駅で、その頃は東住吉区に駅があったそう。高架工事をやったら線路が区境をまたいでしまい、今は阿倍野区にある。

ここから線路沿いに北に行って、桃ヶ池公園というところに行けば何かあったらしい(けどあとで確認すると雨で中止になっていた)のだけど、ここで私が勘違い。
確かシャープ本社と隣接した池のある公園じゃないか、前に行ったことがあるぞ、と思い込んでいたけれど、それは駅から南側の長池公園だった。

北に歩きつつ、同じところ2回行かなくてもいいか、と勘違いしたまま。
ふと左手を見れば、なんとなく商店街らしい通りが見えた。
昭和の日のイベントに参加しているらしい、小洒落たカフェや店も散見され、それらしい人通りもある。

ただこの通り、なぜかディープな雰囲気の店もちらほら見える。



アベノスタンプコイン社、なる店。
看板に書いてる通りの商売の店だけど、ショーウィンドウに飾ってあるブツのただならなさ。向かって左手側にも別のショーウィンドウがあるんだけれど、がらくたと骨董と美術品の三重点にあるような濃い口の展示。
ちょっと冷やかしで入るのは躊躇われたものの、古銭とかに興味を持つようになったら来てみよう。


喫茶店なんかに飾ってるコーヒーミルの置物。
ただ、別に喫茶店ではないところに置いてあったような。私の勘違いだろうか……


飛行機野郎。なんかカッコいい佇まい。


このへんで、もうあびこ筋を西に横断してしまっていて、さすがに昭和町からは外れてしまっているらしいことに気づく。
でも、まあいいか、雨の中で人の多いとこ行きたくないや、と、そのまま歩くと、


あべの王子商店街というアーケードに交差したので、そっちに入ることに。
おもいっきりシャッター街だったけど、この商店街全体が火曜日定休だった。普段はもっと開けているはず。


せっかくなのでシャッターアートをチェック。モダン!


タイ国を描くジャンボ看板。
大阪オリンピック誘致のため、2000年あたりから「一商店街一国運動」といって、商店街がどこかの国にちなんでイベントをやる行事があった。
このあべの王子商店街ではタイとやったそうで、そのシンボルとして作成された。
どれほど効果あったのかなあ……



なぜか万歩計の空き箱をたくさん吊るした店。幕を見ると時計屋なのかな……


食品スーパーの2階を封鎖するガチャガチャ壁。
突破するには中身を買い占めて、壁を軽くしなければ。


格言。開いてるところを見たいな。


アーケードを抜けるとそこは、あべの王子商店街だと思ってたら王子本通り商店街だった。
一度90度折れたところで違う商店街になってたのかな。



商店街出口のすぐ前方が阿倍王子神社。
前に来た時はたしか、阪堺線に沿って歩いてきたんだったかな。
熊野街道の九十九王子のうち、そのままの場所に残っている唯一の王子跡でもある。


ここから北に五十メートル行くと、安倍晴明神社がある。安倍晴明の生まれたところ。
なんとか陰陽師ブームに当て込もうとしているようで、手作り感があるところが俗っぽくならない趣。京都の晴明神社とは大違いで……


このままあべのベルタまで徒歩。
以前、あべのキューズモールができる前後くらいに行ったら、酷いシャッタービルだった。
しかし、キューズモールやハルカス効果で天王寺・阿倍野が大賑わいなおかげか、今は多少の活気が戻っていた。ちゃんと開いてる店がある。



2002年くらいから、カシオのEXILIMとソニーのサイバーショットUを発端にして、やたらと小さいデジカメが作られ始めた。
今なら、液晶画面の大きさを犠牲にできなくて、どうしても薄く平たいモデルになるところだけど、当時は液晶すら犠牲にした、スティック形の小型モデルが結構あった。

カード形勢としてはEXILIMと共同開発だったPENTAX Optio Sシリーズ、あとは京セラのSL300Rとか、ミノルタのDiMAGE Xシリーズとか。
スティック形勢としては、サイバーショットUの他には、IXY DIGITAL Lシリーズや京セラCONTAX i4R、ちょっと微妙だけどウリ文句的にいえばパナのDMC-F7なんかも。

まあどっちが勝利したかは歴史が証明しているんだけれども、スティック形もなかなかよかった。
カード型はポケットに入れる前提だから、名刺ケースみたいな四角い金属にしたデザインが多い。
しかしスティック型は、ネックストラップでペンダントみたいに吊るすスタイルが想定されるからか、とにかく洒落たデザインを狙う。


IXY DIGITAL L2ももちろん例に漏れずに、マルーンレッドなんてなかなか他にないカラーリング。
横倒しで撮ってるけど、むしろ縦に見るのが正しいデザインなのも、首から吊るす前提なのがよくわかるところ。
写真ではわからないけれど、前面パーツにはレンズを中心にヘアライン加工が入っている。かなり凝ってる外装。


写りはどうか、というと、さすがにキヤノンだけあって、雨でも無難に写ってくれる。
小型機だけにセンサーも1/2.5型500万画素であまり余裕はないはずだけど、露出補正も何もしなくても出来る限りベターな絵をだしてくれる感じ。


神社を写すとありがちな、画面中央が暗くて周囲が大幅に明るい意地悪なカットだけど、少しオーバーとはいえ補正なしでこれなら相当優秀な部類。
この手の超小型カメラは、出して撮って戻すだけでいちいち露出補正とかしたくないので、とにかく何でもベターに写すプログラムオートは嬉しい。


レンズは換算39mmF2.8。
単焦点にしちゃ少し歪曲が残ってる感じはあるけれど、まあ下手なズームよりよほど良く写ってるように思う。
他の人の作例を見るとえらく周辺光量落ちが目立つのがあったけど、私のはそれほどのカットはなかった。条件によるのかな。

39mmは少し長めだけど、私の距離感覚だと、正対したものを自然に納められるのは35~40mmくらいなので、ここは文句なし。

単焦点だけど固定レンズではなくて、電源が入ると少しだけ繰り出す沈胴式。
起動が遅くなったと感じるようなことはなし(だけど後述の電源ボタンについてのことも参照)。

さりげなくマクロにも強いのが好感。
特に設定しなくても10cmまで寄れて、マクロモードを指定すると3cmまでいける。なぜかマクロモードがシーンモードの中にあるけれど。


ただ、電源ボタンを少し長めに押さないと起動しない仕様が残念。
取り出しながらスイッチを入れたつもりで入ってない、というのが頻発して、テンポを崩されることが多かった。
起動が遅いとは感じないっていうのは、この失敗が多いからそもそも問題視する以前、という話でもある。実際の起動時間は早いというほどではないみたい。

それから、どうも積極的に増感してくれないみたいで、雨の日の商店街の中なんて環境では気をつけないと手ブレが出る。
ベース感度が50で、オートだと1/8秒でもISO100にしかなっていない。
このカメラならいちいち感度を手動設定する使い方は似合わないと思うけど、どうしてここだけこの仕様なんだろう。


上の2点だけは不満だけど、総じて非常に出来がいいカメラだった。


後継機のL3はズームレンズ搭載になって、38-90mm F3.2-5.4。
しかしマクロモードに切り替えずに寄れる距離が10cmから30cmに伸びた。
さらにマクロモードもテレで10cmとなっちゃった。撮影倍率はL2と大差なさそうだけど、90mmF5.4の10cmマクロなんて手ブレで使えない。

まあ、スペックだけでケチつけても何だから、いずれ手に入れて試してみたいところだけど。
でもデジカメWatchでボロクソに酷評されてるように見えるぞ……

スーパーCCDハニカムの世代と採用機種一覧

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 フジフイルムのFinePixシリーズといえば、スーパーCCDハニカム。

 フジフイルムのニュースリリースなどを気をつけて見ていると、スーパーCCDハニカムには世代の表記があり、第8世代まで存在する。
 せっかくなので、どの世代のスーパーCCDハニカムがどのカメラに採用されていたのか、調べてみた。




初代


  • 2000/03 FinePix 4700Z (1/1.7型240万画素)
  • 2000/07 FinePix 40i (1/1.7型240万画素)
  • 2000/07 FinePix S1 Pro (APS-C 340万画素)
  • 2000/09 FinePix 4900Z (1/1.7型240万画素)
  • 2000/10 FinePix 4500 (1/1.7型240万画素)
  • 2001/06 FinePix 4800Z (1/1.7型240万画素)
  • 2001/06 FinePix 50i (1/1.7型240万画素)


 この頃は、240万画素センサーなのに、記録画素数が432万画素だからと品番があたかも400万画素機のようで、「水増しだ」とバッシングが多かった。
 それでいて、「画素数競争から画質へ」というような売り文句を使っていたりもして、どっちが狙いなのか……

 ハニカム補完432万画素が、後の400万画素と同等かそれ以上の解像度を持っていたかというと、やっぱり少し足りない印象はあったかな。
 200万画素を2倍に引き伸ばした、というよりはよほど良いけど、しっかりした300万・400万画素機には劣るくらいのレベル。
 なお、2000年は初めての300万画素CCD搭載機・カシオQV-3000EXが登場した年。十分高レベルとは言える。

 また、画素が斜めに並んでいる以上は、水平垂直にピクセルが並んだ画像にするには、補間処理を加えるしかない。なので、240万画素で記録したところで、「撮ったままを出す」ということにはならない。
 それにしても、なぜか選べる記録画素数が432万画素の下が130万画素で、200万画素程度として使うことはできなかった機種もあった。
 容量の小さいスマートメディアでは少々辛い。

 高感度がセールスポイントのひとつでもあったけれど、選べる機種ではISO800が使えたり、選べなくてもISO200に設定されていたりと、ここについては売り文句通り。


第2世代


  • 2001/03 FinePix 6800Z (1/1.7型330万画素)
  • 2001/06 FinePix 6900Z (1/1.7型330万画素)


 センサー画素数が330万画素に向上し、603万画素記録に。信号処理系なども進化したとのこと。
 半年で次の世代に変わったせいか、採用モデルは少なく終わってしまった。


第3世代 スーパーCCDハニカムIII


  • 2002/02 FinePix F601 (1/1.7型310万画素)
  • 2002/04 FinePix S602 (1/1.7型310万画素)
  • 2002/06 FinePix F401 (1/2.7型210万画素)
  • 2002/06 FinePix S2 Pro (APS-C 617万画素)
  • 2002/10 FinePix F402 (1/2.7型210万画素 - xD)
  • 2002/11 FinePix M603 (1/1.7型310万画素 - xD)


 センサー画素数は310万画素に下がるも、記録画素数は603万画素のまま。
 どうやら信号処理系が進化したようで、640x480 15fpsの動画撮影や、603万画素で秒間5コマの連写などスピードアップが見られ、動画モデルのM603なんてものもリリース。
 また、当時廉価モデルによく使われた1/2.7型サイズの200万画素センサー・400万画素記録のおのも用意。
 xDカードへの移行が始まった世代でもあり、後から使うなら便利に。

 F401はCCDリコール対象機種。

 おそらく同じものであろうF402は対象になっていないが、実際どうだろう。
 この時代に大規模に起きたCCD不良は、原因が接着剤だった。(→Wikipedia)
 まさかそれが悪いと思われておらず発覚も遅れ、ソニーでは2002年10月に使い始めた接着剤が、2004年ごろからCCDを破壊し始め、2005年に10月に至ってリコール実施。
 フジフイルムだけがすぐ気付いて、F402用のCCD生産で接着剤を再度変更するようなことが実際あるのかどうか……


第4世代



 第4世代から、スーパーCCDハニカムはHRとSRに分かれる。

スーパーCCDハニカムIV HR


  • 2003/03 FinePix F410 (1/2.7型310万画素)
  • 2003/08 FinePix S5000 (1/2.7型310万画素)
  • 2003/11 FinePix F420 (1/2.7型310万画素)
  • 2003/11 FinePix S7000 (1/1.7型630万画素)
  • 2004/01 FinePix F610 (1/1.7型630万画素)
  • 2004/08 FinePix F810 (1/1.7型630万画素)
  • 2004/09 FinePix E550 (1/1.7型630万画素)

 HRはこれまでの延長線上で、高解像度を目指すシリーズ。
 相変わらずセンサー画素数の2倍記録になるので、ついにセンサー630万画素・1230万画素記録というものが出現。

 F410はCCDリコール対象。
 私の手元では、F420のCCD不良個体も確認。


スーパーCCDハニカムIV SR


  • 2003/09 FinePix F700 (1/1.7型310 + 310万画素)
  • 2004/03 FinePix F710 (1/1.7型310 + 310万画素)

 SRはかなり力の入った製品。
 ダイナミックレンジが異なるS画素とR画素を300万画素ずつ配置し、それぞれを1つずつ使って1画素の仕事をさせる。
 それによって、なめらかな階調表現を目指した。

 興味深いセンサーだったものの、発表からF700のリリースまで半年ぐらいズレてしまって、商機を逃しちゃった感あり。
 しかもF700はCCDリコール対象で、個体として早逝したものが多数。

 唯一の後継機であるF710も、シャッター不良があってリコール。
 また、私の手元ではF710でもCCD不良が出た個体があり。

 使ってみたければ、大丈夫な個体であることを祈りながら買ってみるしかない。



第5世代

スーパーCCDハニカムV HR


  • 2005/03 FinePix F10 (1/1.7型630万画素)
  • 2005/05 FinePix Z1 (1/2.5型512万画素)
  • 2005/08 FinePix S9000 (1/1.6型903万画素)
  • 2005/09 FinePix S5200 (1/2.5型512万画素)
  • 2005/10 FinePix F11 (1/1.7型630万画素)
  • 2005/11 FinePix Z2 (1/2.5型512万画素)
  • 2006/03 FinePix V10 (1/2.5型512万画素)
  • 2006/06 FinePix Z3 (1/2.5型512万画素)
  • 2006/09 FinePix S9100 (1/1.6型903万画素)
  • 2006/11 FinePix A600 (1/1.7型630万画素)
  • 2007/06 FinePix A900 (1/1.6型903万画素) *世代明示なし

これまでは、ISO800や1600での最高感度撮影時は記録画素数が減らされていたところ、この世代からついにフル画素記録でも最高感度が使える。
 しかもF10がリリースされた時、それがただ撮影できるだけのレベルではなくて、ISO1600でも驚くほど高画質だと大好評。かなりのヒットとなった。

 また、この世代から2倍の画素数で記録するのをやめた。


 A900はなぜかセンサー世代の明示がなかったが、寸法と画素数から見て第5世代らしい。
 A900の半年前には、第6世代と思しきセンサーを使ったA610・A800がリリースされており、A900は後から出たのに旧世代のセンサーを使ったことになるから、それで伏せたんだろうか。
 廉価・入門モデルであるはずのAシリーズに、旧世代とはいえネオ一眼で使っていた大型・大画素数のセンサーを使っているわけで、画質的にはすごくリーズナブルな製品だったのかも。


スーパーCCDハニカムSR II


  • 2004/11 FinePix S3 Pro (APS-C 617 + 617万画素)

 やはり凝り過ぎたSRセンサーだからか、早くもコンパクトカメラへの採用はなく、デジタル一眼レフのみ採用に。コスト合わなかったのかな……


第6世代

スーパーCCDハニカムVI HR


  • 2006/05 FinePix F30 (1/1.7型630万画素)
  • 2006/09 FinePix S6000fd (1/1.7型630万画素)
  • 2006/11 FinePix F31fd (1/1.7型630万画素)
  • 2006/12 FinePix Z5fd (1/2.5型630万画素)
  • 2007/02 FinePix A610 (1/2.5型630万画素) *世代明示なし
  • 2007/02 FinePix A800 (1/1.6型830万画素) *世代明示なし
  • 2007/02 FinePix F40fd (1/1.6型830万画素)

 さらに感度の上限が上がって、1/1.7型630万画素でISO3200に対応。
 この頃には光学手ブレ補正採用モデルが他社には増えてきていたけど、FinePixはセンサーの強さを活かして高感度で戦っていた。まだスーパーCCDハニカムが強い武器だった時代。
 2005年から2007年春にかけてのFinePixは、ごく下っ端のローエンドモデル以外はほとんどスーパーCCDハニカムを採用している。

スーパーCCDハニカムSR Pro


  • 2007/01 FinePix S5 Pro (APS-C 617 + 617万画素)

 SR Proは第何世代のハニカムだという明示はないけれど、時期から見て一応第6世代ということに。
 この機種を最後に、フジフイルムのデジタル一眼レフは中断。スーパーCCDハニカムSRも中断。


第7世代 スーパーCCDハニカムVII HR


  • 2007/08 FinePix F50fd (1/1.6型1200万画素)
  • 2008/08 FinePix F60fd (1/1.6型1200万画素)
 さらに画素数が増えて感度もUP。
 しかし実のところ、前ほど高感度の目覚ましい高画質は示せなかったらしい。
 その分、まだ普通のCCDだと800万画素くらいだったところに1200万画素と、画素数では先行していた。

 しかしなぜか、第6世代まではハニカム一色という勢いだったのに、第7世代の2007年夏から、急に通常のCCDを採用したモデルばかりになる。
製造コストが合わなかったとか歩留まりが悪かったとか、何かあったのかな。


第8世代 スーパーCCDハニカムVIII HR


  • 2008/02 FinePix S100FS (2/3型1110万画素)
  • 2008/03 FinePix F100fd (1/1.6型1200万画素)

 ダイナミックレンジが過去の4倍に拡大した、というウリ文句。
 第7世代が出て早々と第8世代が現れたと思えば、これもまた採用機種は少しだけ。
 
 画素数も、通常のCCDが1000万画素に到達してリードが小さくなってしまった。


スーパーCCDハニカムEXR


  • 2009/02 FinePix F200EXR (1/2型1000万画素)
  • 2009/08 FinePix F70EXR (1/2型1000万画素)
  • 2009/09 FinePix S200EXR (1/2型1000万画素)
  • 2010/02 FinePix Z700EXR (1/2型1200万画素)
  • 2010/04 FinePix F80EXR (1/2型1000万画素)

 ここから名前が変わって、「第n世代」というナンバリングもなくなった。
 これまで、「広いダイナミックレンジ」のSRと、「高解像度」のHRに分かれていたのが、それを統合してシーンに応じて使い分けられるセンサーに。
 これはかなり力が入った自信作のようで、販売店の店頭に「薄暗いところで回転する円盤を、EXRモードでしっかり止めて撮影できる」という凝った販促アイテムを設置してあったのを思い出す。
 個人的には、発売当時ちょっと欲しかった。


位相差検出スーパーCCDハニカムEXR


  • 2010/08 FinePix Z800EXR (1/2型1200万画素)
  • 2010/09 FinePix F300EXR (1/2型1200万画素)

 一眼レフカメラのオートフォーカスには「位相差検出式」といわれる方式が用いられている。
 CCDセンサー上に位相差検出画素を含ませることで、位相差検出方式による高速なオートフォーカスを実現したという代物。

 しかしこれも採用は2機種だけで、2011年2月にはEXR CMOS採用のF550EXRに代替わり。


関西国際空港 (C-2100 UltraZoom)

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 天気も良かったし、ちょうど高倍率ズームレンズのついたカメラもあるので、関西空港に飛行機を撮りにいってみた。


 オリンパスはフィルム一眼レフ時代にオートフォーカス化に失敗し、その代わりにLシリーズという、レンズ一体型のオートフォーカス一眼レフカメラを作っていた。
 レンズが左寄りで、上から見るとL字型をしていたからLシリーズなんだろうと思われる。

 カメラ界では傍流っぽかったけれど、実用性が高くて撮りやすいちゃんとした製品。
 2003年ごろに海外に仕事で行くことになったときも、電源の不安なデジカメじゃなくて、オリンパスL-10を持っていったことがある。

 オリンパスはデジカメでもかつて、レンズ固定式一眼レフ(またはそれらしいスタイル)のものを出していた。
 C-2100Ultra Zoomはそんな中のひとつ。一眼レフではないので厳密には違うけれど、まあ形はL型なので仲間仲間。





入線してくる特急ラピート。
現在、ネオジオンカラーの赤いラピートも走っているのだけど、子供からカメラおじさんまで大勢集まっている状態。6月までやってるから、撮影はもうしばらく待ち。

乗り込んで関空へ。


関空は何度も来ているんだけど、最近あんまり。展望ホールのスカイビューにももう何年も行っていない。
飛行機を撮るならやっぱりスカイビューがいい位置なので、連絡バスに乗り込む。


スカイビューにはいくつも施設がある。
エントランスホール2階の環境センターは大したものじゃないけれど、他はなかなか楽しい。
3階はコンコルドをイメージした内装のレストラン。
4階は他所ではなかなか探しづらそうなアイテムのたくさん並んだ物販フロア。

そして最上階は展望デッキ。
風向き次第では、着陸する飛行機がデッキの真上を飛ぶこともあるという好立地になっている。

さすが380mm相当のレンズで、遠景では空気のゆらぎが写りに影響する。
あいにく離陸は向こう向き。車輪が浮くところではこの程度が精一杯。
やはり200万画素機でデジタルズームは厳しいか。
なんとなく首を曲げてこっち向いてるように見える……
対岸のゲートタワービルとスカイゲートブリッジR。

しばし飛行機を楽しんでいると、ふと離着陸が途切れた。休憩時間か何かあるのかな。


スカイビューは二棟でできていて、4階の渡り廊下からエントランスホールとメインホールを行き来できる。
メインホール側に渡って3階に降りると、スカイミュージアムという博物館がある。


空港島造成の技術的な展示や、飛行機そのものについての展示などがあるが、目を引くのはこの巨大な関空ジオラマ。
飛行機の台数がすごくて、これはかなり力入れてるなあ。

フライトシム。
ボーイング787(だったと思う)のタイヤ。ブリジストン製。


スカイビューを堪能して、バスでターミナルビルに戻る。
そして再びバスに乗り込んで、二期島のほうへ。

二期島へは、一度友人を迎えに来たことはあるのだけど、二期棟のターミナルビルはなんか、安普請の四角い箱に申し訳程度のテナントが入ってる程度で、別に面白くない。

なので、ターミナルビルの外にふらふら散策に出てみた。


あんまり近くでは見ない作業車両が、わりと近くに止まっていた。


二期島ターミナルビルを出て、左手にずっと歩いて行くと、島の端にちょっとした展望台がある。
その展望台からターミナルビル側を一枚。

この写真左手側には、広々と原野が広がっていた。何作るのかな。


展望台とは反対側に歩いて行くと、そらぱーくという公園緑地があった。

あまり人は来ないようで、花壇があるらしいんだけど鬱蒼としてしまっていて、また通路は芝生なんだと思うけど(雑草かもだけど)これも繁茂して花壇との境目がわからない。


植物には詳しくないけど、海外から持ち込まれたここにいてはいけない外来種とかも混じってたりして。
あいにくC-2100UZはマクロには強くない(というかテレマクロがあまり効かない)ので、植物への肉薄は省略。何撮ったらいいかもよくわからんし。



そらぱーくをどんどんターミナルビルから遠ざかる方へ歩いて行くと、一期島の方へと続いているらしい歩道を発見。歩いて戻れるんだ。


ピーチの篠田麻里子ジェットを発見。

歩道はあるものの、道沿いにあるのは警察やらエネルギー関係の施設やらで、特に観光するようなものはなし。本当に暇人の散歩向け。珍しいところは歩けるが、結構回り道で距離は長い。

ようやくターミナルビルに戻って、本土へ帰還。



今日のC-2100Ultra Zoomは、38-380mm F2.8-3.5という明るい十倍ズーム、しかも手ブレ補正付きのレンズを奢った品。
当時の傑作と名高かったC-2020Zのボディに、この十倍ズームレンズを合わせたような感じのもの。
このスペックをフィルムでやると、もっと巨大なものすごい代物になってただろうから、当時は飛行機とか鳥とか狙うならずいぶん楽なチョイスだったと思う。

オリンパスは後に、もう少し小型で、もっと廉価な高倍率ズーム機・C-700Ultra Zoomシリーズで人気を得るんだけど、あのシリーズは手ぶれ補正がない。
400mm級の大望遠に手ぶれ補正は必要だろうという説と、どうせ子供の運動会とか飛行機みたいな晴れた真っ昼間に使うんだから手ぶれ補正なんていらないだろう、という説と、どっちが正しかったか。

さすがにでっかいカメラで、今のミラーレス一眼より大きいくらいだけど、まあ大望遠を使うならこれくらい大きくてしっかり握れる方がいい。
手ぶれ補正も合わせて、撮ってて安心感はすごく高かった。


最短撮影距離があまり短くないのが惜しいところかな。
ワイド端10cm、テレになるとマクロモードでもせいぜい足元に合焦できる程度。

ちゃんと絞りがあって、F8までとはいえ絞り優先オートやマニュアル、シャッター優先オートが使える。
ただ、シャッター速度は1/800秒までと、少し遅い。380mmもある長さだと、もうちょっと早く切りたい気がしなくもない。実際に問題はなかったけど。


一眼レフではないので、光学ファインダーではなくEVFがついている。
画素数は11万画素あって、同時期のフジフイルムFinePix 2800Zよりは高詳細。
しかし時代が時代だから、素晴らしいってほどではない。ピント確認とかそういうレベルでもないし、色再現がいいとかでもない。一応使えるか、っていう程度。
手ぶれ補正は常時効いているので、ファインダーにも効く。

手ぶれ補正は、常時ONか常時OFFの切り替えのみ。
撮影時のみ有効、という設定はない。電池持ちに悪影響はあるかも。
もっとも、撮影時のみ有効で大望遠を使うと、手ぶれ補正の効果でフレーミングがむちゃくちゃになったりするので、設定としては正しい気もする。


CCDは1/2型200万画素。
発売は2000年で、300万画素の出始めの時期。
また、発売当時は値段が高くて売れず、価格がこなれてきたのが2002年あたりだったそう。そうなるともう200万画素だと過去のもの。

C-2100UZの場合は、200万画素としては素晴らしい画質、というほどでもなさそう。
まあスペック大欲張りのレンズだからある程度しかたないけど、ちょっとパープルフリンジが目立ったりする。
決して悪くはないから、値落ちして4万円で買ったなら十分満足すると思うけれど、15万円だとどうかな。

今回はよく晴れた真っ昼間という好条件だけど、暗所や曇天だとあんまり良くないという話も。
スカイミュージアム内では、まあホワイトバランスがやや黄色かったくらいで、それほど酷いとは思わなかったけれど……
手ぶれ補正ありでテレ端でもF3.5、ISO400固定もでき、ストロボも高性能となると、仕様上は暗所にも(当時レベルでは)相当強い機種のはずだから、あんまりとっちらかった画質にはなってほしくないところ。


操作性は上々。この頃のオリンパスの大型機はよくできたインターフェース。ボタン類もしっかりしていて、お金かかったモデルなのがわかる。

ただひとつ納得いかないのは、メニューでの設定変更をOKで確定しないといけない仕様。
例えば、常時AFをメニュー上で有効にすると、すぐ音を立てて合焦動作をし始める。だから、もう設定は有効になっているだろうと思う。
しかしメニューボタンを押して撮影に戻ろうとすると、わざわざ設定を元の値に戻してしまう。
私が触ったことのあるほとんどのデジカメは、メニューボタンでメニューを閉じてもいちいち設定を戻したりすることはない。

また、電源スイッチをONからさらに行き過ぎるところまで動かすことで、すべての設定をクリアできる。
誤ってクリアしてしまうほど浅いストロークではないので誤作動の心配はないけれど、画質設定でも何でもかんでもクリアしちゃうのは少しやり過ぎ。露出補正とか測光モードとか、そういうのだけクリアならわかるんだけど……

電源ON時は必ずEVFが有効で、背面液晶は点かない。
自分で切り替えない限り、メニューを出してもEVFの中に出る。


おおむねすごくよく出来たカメラだけど、これでスマートメディアでさえなければなあ。
デフォルトのHQモードで、今回は一枚350~500KB。
SHQにすると1MBちょっと。
64MBや128MBでは物足りないな。

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