Quantcast
Viewing all 157 articles
Browse latest View live

ピットロード「1/144 陸上自衛隊 10式戦車」

最近ご無沙汰だったのだけれど、一応模型を作るのも趣味のひとつ。
久しぶりにひとつ、さらっと作ってみた。

もともと、大きいと置き場所に困るので、1/144スケールの小さな戦闘機キットをやることが多いのだけど、今回は戦車。
1/144スケールはほとんど飛行機にしかないスケールなんだけれど、なぜかピットロードから唐突に10式が出た。(後になってこんな話が出たから、最初からこのために作ってたのかな)
最近は海洋堂が、ワールドタンクミュージアムとして昔出してたのを組み立てキットで出してきたりしていて、1/144陸上兵器が豊富に手に入るという珍しいタイミングが今。
(逆に飛行機のキットは、金型をあらかた持ってるマイクロエースの再販があんまり掛からなくて、店にモノがあまり無い状態。外国製があるんだけど……)








普段はジオラマ仕立てにしたりすることはあんまり無くて経験値が低くて、ジオラマとしては上手くないのだけれど……
木を置いてない側の余白が間抜けになっちゃったのは、もう慣れてないから全体像が見えないまま作っていったのがありありと。
雪積もってるだけでアクセントがなくて単調なのも、どう対処したものかわからない。南国育ちだからあまり積雪した景色を見ることがなくって。

とまあ文句はいくらでもつくのだけど、掛けた手間が少なくてすんだ。

雪は最初はどうやろうか迷ったけれど、タミヤから情景テクスチャーペイントというのが出ているのを知って、試してみたらまあ実にラクだった。
なかなか雪っぽいし、素人考えで小細工するよりよほどいいところだった。(実はフェルトとかラメ入りアクリル絵の具とか試してみて全滅した)
しかし、スケールが小さいこともあって雪粒が少々巨大。粉雪のテクスチャーペイントもあったけど、そっちにすべきだったかも。

木は鉄道模型用のもの(トミーテック情景コレクションシリーズ ザ・樹木)を使ってみたけれど、10式戦車のほうがかなり精巧なこともあって、木が大雑把に感じるかも。本来の用途じゃない使い方だから、勝手を言うてはいけないけれど。

10式戦車自体は、ソ連軍カラーのロシアングリーンに塗った上で赤い星を書いて、冬季迷彩(石灰を水で溶いて塗りたくるそう)を施して、さらにウェザリングした上で雪をちょっと散らして、と。

一部は大きめの写真をpinterestにアップロード済み。


三重県鉄道乗りつぶし行・一日目 (DiMAGE Z3)

ちょっと用事で三重に遊びにいった。
(用事で遊びに行くのも変だけど実態としてそうだから仕方がない)

カメラは、コニカミノルタDiMAGE Z3で。
ミノルタ系のデジカメは、なんか昔から購入候補には挙げるけど結局落としてしまってばかりで、結局買うことがなかった。
DiMAGE F100系もDiMAGE 7系もDiMAGE Zも気になるカメラだった。これにX系を加えたらラインナップの全部になっちゃって、今から考えればだいぶ極端な品揃えだったものだけれど。

で、今回のZ3は、12倍ズームに光学手ぶれ補正、電源は単三4本、SDカード仕様でスペックの割にコンパクトな(当時)ボディと、旅行にはちょうどいいので持ち出し。
ミノルタは発色が地味と当時よく言われていたので、今回はカラーモードをビビッドにして撮影。



別にコレに乗った訳じゃないけれど。
桑名あたりで、古い街の商店街で食事を取ったり等して、近隣を散策。



桑名別院本統寺。
教如が開創、娘の長姫が開基。1596年の創立。
北勢で浄土真宗といえばやはり長島一向一揆を思い浮かべるけれど、あれは1574年に終わらされたので、もっと後の時代。


芭蕉が「野ざらし紀行」の時に無事を祈りにきたそうで、その句碑が残っている。

もともと私は、水平外しすぎるから一眼レフをやめてミラーレスに換えたような下手くそであるが、それにしても外れ方が酷い。
ファインダーが小さいせいか、迂闊に撮るとかなり外れてしまうようだ。
ただ、注意すると傾いていることはすぐ知覚できるような感じもある。最初の数カットで水平をひどく外していることが認識できて、以後気をつけるようになった。
気をつけてもまだ外してるのは、まあ、腕のせいだけれど。


東海道沿いに歩くと、桑名市役所の跡地があった。
堀川らしい川と、「京橋」という橋がかかっているすぐそばにあったから、かつての桑名城の入り口すぐか出てすぐの場所になるんだろうと思う。
1987年に埋められたタイムカプセルが、2037年のオープンを待っていた。

近くに「どら焼き」とのれんをかけた、枯れた風情の菓子屋があった。
同道の友人がそういう店が好きで、迷わず突入して「どら焼きくれ」というたのだが、持って出てきたものが明らかに回転焼きだった。
桑名では回転焼きをどら焼きと呼ぶのかと問うたが、今川焼きをどら焼きとは呼ばんとの答えだった。


友人いわく、東海道沿いに目的地があるそう。


あれ、こんなとこに模型屋の跡地が、と、この看板を指差してみると、何をか言わんや目的地はそこだという。


えええ。
看板に気づいた時点では、左半分しか見えていなかったのだが、全部見えても。


コスモスだー。

桑名近辺の人間にとっては一種の聖地だったそう。
友人いわく、昔は怖い感じの店主だったらしく、ちょっとぐぐってみても昔怖かった的な話が多数。
しかし今となっては、外でたじろいでいたらどうぞ入って、と声がかかって、世間話しながらの買い物になった。
(今から思えば、世間話の内容が昨今の模型屋経営事情など、ちょっと「買わずに帰るなよ」と牽制していた気もするけれど)

店に入ってすぐには、子供向けのスチロールのグライダーやら鼻眼鏡やら、雑多なおもちゃが積み重なって山になっている。
奥は、棚にめいっぱいプラモデルの箱箱箱。
痛車やらガンプラもタミヤの1/48ミリタリーミニチュアもあるけれど、かなり古いキットも混在している。
しかも国産の古いもののみならず、ロシアとか東欧の輸入キットまで。
鉄道模型やガレージキットなども一部に。客層がわからない……

エリア88と長谷川がタイアップして出してた「サキ・ヴァシュタール & クフィル」(サキのレジンキャストキットに1/144クフィルのプラモデルがセットになったもの。90年代半ばの品)と、ウクライナのLF MODELSというメーカーの、1/35ソ連軍T-37A軽戦車。
一応値札があったけれど、値札より少し安くしてくれていた。


店を出て、ふと前の木の下を見れば、なぜかみかん半切りの皮が落ちている。
メジロが来るからと店主が投げているそうだ。

子供の頃の馴染みの模型屋というのは私にもあったけれど、こんな強烈じゃなかったな。
強烈になっていきながら生き残ったのか、最初から強烈だったのかはちょっと余所者にはわからないけれども。


いもや本店の前の道はまだまだ東海道なので、ぶらぶら歩いて行く。
鍛冶屋がまだ残っていて、例えばこのあたりの山でタケノコ掘りをやるなら山ごとの土質まで考慮して道具を誂えてくれるとか、そういう感じでやってるそう。
あと多いのが仏具屋。寺が多いせいでもあろうけれど、それにしても多かった。


泡洲崎八幡宮。
もともと近隣の鎮守だったけれど、明治の合祀令で桑名宗社にまとめられ、1950年にまた分祀された。
今は埋め立てられているけれど、かつては町屋川によって桑名の町は3つに割れており、そのうちのひとつが泡洲崎。


すぐ横が、光徳寺。
もとは泡洲崎念仏道場と言われていた。境内に萬古焼創始者の沼波弄山の墓がある。


桑名七福神こと十念寺。
森陳明という人の墓所がある。
戊辰戦争に函館まで付き合った人で、戦後には桑名藩の戦争責任者として藩の責任を被って切腹した。
桑名藩は一旦取り潰されたものの再興を許されたのだけれど、再興の一助にもなったのかもしれない。


やはり桑名別院があるくらいだから真宗が強い土地柄のようだけど、日蓮宗の寺も少しあった。
寿量寺といって、狩野光信の墓がある。写真左手の五輪の塔がそうらしい。
江戸で仕事をして帰ってくる途中、桑名で亡くなったからここに墓が立ったとか。

日進小学校のところで、旧東海道が二車線の県道に合流。
そっちに折り返す。


折り返してすぐ、顕本寺というお寺。
日蓮大聖人像が道から見えていて、ひと目で日蓮とわかってしまう顔立ちで。

こちらの道沿いには、境内に広々と墓地を持った大きなお寺が並んでいる。
顕本寺も大きめだったが、もうちょっと北には更に巨大なのが。

それにしても寺の多いエリアだった。
まあ、今思い出したところによると、食事をとりに立ち寄った商店街が寺町商店街という名前だったから、元々そういう場所なのだろう。




もうしばらく歩いて、桑名市博物館近くの石取会館というところに入った。
この辺りでは石取祭という夏祭りがある。国指定重要無形民俗文化財。

中に入ると大きく祭車が飾られている。
山車ではなく祭車と呼び方が違うが、形態もいわゆる山車や曳山とはかなり違う。
車輪の数も3輪。人力車的な二輪車体に、前に出る2本の引き手がそのまま低めに出て車輪がついてる感じ。後ろの二輪は直径も大きい。
上には、1本の縦柱に横桟を何本か通して提灯を吊るしてある。
やはり太鼓を叩くのだけど、車の上に乗って叩くのではなく、太鼓は後ろにある。他に側面にも鉦が吊るしてあって、それらを叩きながらゆっくり町を練り歩く。
なんでも、日本一やかましい祭りだとかいわれるそうで、地元の人でも耐えかねて祭り時は避難する人もあるとか。

祭車は見た感じ、なんだかものすごくスポーティーに見える。
小型軽量な感じで、車輪に泥除けがあったり、後部の太鼓を覆うように張り出した屋根に角度がついていてリアスポイラーみたいに見えたり。
これはもう前輪を持ち上げ気味に全力疾走するようなスピードで突っ走るものだろう……と思ったが、実際はゆっくり歩く程度の速さで引くものだそう。

ちなみに、建物自体も古い銀行を再利用しているそうで、国の登録有形文化財。


その祭車は、もう少し北の桑名宗社に入って、鉦鼓の演奏を奉納する。
何か曰くがあるのだろうか、拝殿がこの通りの二軒繋がり。
調べてみると、天津彦根命(多度大社でも祀られている)と天久々斯比乃命(天津彦根命の子)を祀る桑名神社と、天日別命(伊勢国造の祖先)を祀る中臣神社のふたつを併せて桑名宗社と呼ぶ。
春日神社と呼ばれることも多いようだが、これは奈良の春日大社から春日四神を分祀してもらってからのことだそう。

それから、頼まれた用事をしつつ食事したり、温泉に行ったり。


揖斐川の河口右岸の、桑名天然温泉 元気村。
ネーミングといいネオンサインといい、80年代か90年代前半の雰囲気。

もともと単なる温泉だったのが、バブルの頃に化けて、温泉+レストランの現在の形になった。
入浴料も600円と普通の銭湯と大差なく、レストランもそんな高くもない。
徒歩では駅から遠すぎる、このためだけに来るようなところでもなさそう、ということで、地元の人の知る穴場という感じだろうか。
私は泉質の目利きがないけれど、いい湯であるそうだ。

とりあえず初日はここまで。



DiMAGE Z3は、触ってみると使い心地にソツがなくて、実に気持ちよく撮影できる。

一般に高倍率ズーム機はレンズ群が大きいこともあり、AFが遅くなる傾向がある。
しかしZシリーズは「ジェットAF」といって、最初は外光パッシブAFとコントラストAFを併用して高速なAFを実現していたのがウリだった。
Z3ではコントラストAFのみになっているが、それでも高速。デュアルAFだった先代より速いらしい。
実際、ほんとに速い。望遠端だから遅いとかそんなこともなく、太陽が出てる時間であれば、シャッター半押しから半拍以内に合焦音がする。

画質は、まあ1/2.5型だと思われる400万画素CCDなりだけれど、高倍率ズームながら、望遠が甘いとか広角が曲がるといったアラも少ない。
広角端で多少歪曲が、被写体によって気になる程度には出るくらいか。
かなりきつい逆光で撮ったりもしたけれど、影響もあまり出ない。
手ぶれ補正の効きも上々で、換算420mmで1/100秒のシャッターが、特にブレ感を持たない程度に撮れていた。(もっと速いシャッターだともっとシャープに撮れてるな、とくらべて判る程度)

操作性も上等。
ちゃんと「カメラにこだわる人がどういう操作を望むか」というのをわかって作ってある。
露出補正が十字キー一発なのは当たり前。Pモードでも絞りとシャッタースピードは表示する。
起動もまずまず速い。公称1.7秒も嘘ではない。
ストロボは物理的に持ち上げなければ光らない。(ボタンで跳ね上がるんじゃなくて持ち上げ。これは珍しい気がする)
P/A/S/Mフルモード。モードダイヤルで切り替え、十字キーで操作する常識的な造り。(なぜかモードダイヤルに「P/A/S」なんて項目があって、メニューから露出モード変えなきゃならんようなのが世にはある)
EVFと背面液晶ファインダーはスイッチ切り替えだが、その切り替えスイッチに再生モードがついている。つまり、EVFに再生モードの画像を写すような間抜けなことにはならない。(なるカメラがある)

面白いのは、ストロボモードボタンに別の機能を割り当てられる。
手ぶれ補正に自信があるからストロボ使わないでいいよね、というメッセージか。物理的に上げないと使えないのもそうだし。
私はISO感度変更に設定した。便利。

ホールディングも素晴らしく、実にきっちりつかめるグリップ。
グリップからペンタ部(相当)の間にくぼみがあって、そこに親指がかかるから、右手のすべてを使ってホールドできる形。
ほとんどすべてのカメラは、親指はせいぜい背面に添えられる程度の役目しか持たないから、かなり安定性が変わってくる印象。
まあ、私のでかい手には少しだけシャッターボタンが近いが、これは手がでかいから仕方ない。

ミノルタのデジカメは、まあ、異様なデザインの、率直に言ってしまうとぶっさいくなやつが少なくなくて、ZシリーズだってZ1/Z2は不細工だった。
しかし、Z1のひたすら機能として形状を作ったような、部分は合理的かもしれないけどそれぞれまったく繋がってないチグハグな感じは、Z3になって消えて、ひとつのまとまった形になった。
別にデザインのために機能を殺したようには見えないから、センスよく仕上げたもんだと思う。黒になって引き締まって見えるのもあるかも。


悪いところを挙げるとすれば、ちょっとズーミングが早すぎるか。
電源スイッチの位置が悪い感じもある。右手だけじゃ全く操作できない。左手でやるにしても、ホールドした状態でスイッチも操作できるようにはならんと思う。
ズーミングするとピントが移動するが、AFがちょっと作動してピントを合わせるということをしない。近くを撮って、そのまま望遠にズームして遠方に向けると、ファインダー内がモヤの中になる。AFを作動させるまでそのまま。
それから、私の手の大きさのせいもあるけれど、たまにズームレバーに親指が当たる。
ISO400じゃかなり偽色も出るが、これは時代が時代だから仕方ないか。

手ぶれ補正は、常時ONと露光時のみONとが選べる。
露光時ONのほうがバッテリー持ちで有利だろうけど、望遠端での撮影時にびっくりするほどフレーミングがズレてしまう。これはまあ、短所というより仕様の類だろうけれども。

それから露出の傾向として、「空が入ってるからプラスに補正しておこう」と思ったら大オーバーになったり、「雪景色だからプラスに補正しておこう」と思ったら大オーバーになったり。
明るい部分が多い時の調整かなにかがあるのかも。
ただ、ファインダーでちゃんと露出を再現しているよう。
モニタでの露出と実際の画像の露出がまるで違うデジカメが多いから、つい信用せずに自分のカンに頼って撮影してしまった。今回はカメラの言い分が正しい。

以上はごく細かい点で、減点にしても100点中2~3点くらいのとこだが、大きい減点というとやはりEVFと液晶モニタの質か。

EVFは11.8万画素で、やはりピントの確認までは頼りない。
背面液晶なら……と思ったら、1.5型と極小な上に画素数は7.8万。
高倍率だから仕方ないけれど、望遠するほど最短撮影距離が長くなって、テレ端で最短2メートル。マクロにしても1.2m。
で、実際の撮影では、ちょっと向こうのモノにピントが合って合焦音はしたりする。撮ると、PCで確認するとボケてる。

このモニタの弱ささえなければ、ほとんど手放しで絶賛できる出来のカメラ。
モニタが弱くてなお、「気持よく撮れる」と思いながら使っていたから相当なもの。

三重県鉄道乗りつぶし行・二日目 (DiMAGE Z3)

二日目は、朝起きて車で送ってもらって、三岐鉄道三岐線の西藤原駅へ。
初日は乗りつぶしなんてやってなかったが、二日目は乗りに乗った。




そういえば三岐線って名前なのに、北端の西藤原駅はまだ三重県だと思ったら、やはり計画としては岐阜まで行きたかったそう。
駅前すぐの公園に、ウィステリア鉄道というミニトレインが走っているそうだけどどこだろう、と思ったら、


粉雪の降り積もったこの公園がそうであった。
ミニトレインは、毎週日曜日のみ運行。今日は車庫に入っていて、空しくレールがあるだけ。


レールを掘り起こしてみると、狭い。200ミリくらいの幅だろうか。
線路はぐるっと公園を一周して、分岐して駅舎近くの車庫につながっていた。


切り替える装置も見えている。
雪ではっきり見えなかったが、車庫行きとは別に、三岐線の線路に沿って伸びているらしい線路もあったような。掘り起こしたわけじゃないから、そう見える感じに雪が盛り上がってただけかもしれないけれど、なんだったのだろう。


車庫の前には、ミニサイズの転車台も。
そういえば車庫の前にあるのって給水塔か。日曜日に走るミニSLって、蒸気機関車型の電気モーター車とかじゃなくて、本当に蒸気機関車なのか。


ミニトレインの傍らには、西藤原駅のホームを1面使って、かつて三岐線で使っていた車両の展示が行われていた。


E101型蒸気機関車 E102号機。
三岐鉄道開業時に使われていた蒸気機関車で、昭和29年に全線電化とともに退役し、大阪窯業セメント(現住友大阪セメント)に譲渡された。
その後、三岐鉄道70周年記念でこの公園が整備された時に戻ってきて、再整備と清掃の上でここに。
……という内容を、車両の一人称文体で解説する「私の歴史」という看板がいい味。白地に黒の太明朝で淡々と、擬人化キャラ絵とか入れずに書いてある。


後ろには、日立製25トン液体式ディーゼル機関車 DB25号機。
三岐通運のセメント輸送を担っていて、小野田セメント(現太平洋セメント)の名古屋SSから関西本線八田駅の間で運行していたそう。
土地勘がないので名古屋SSの場所がわからないのだけど、どこ走ってたのだろう……?

E101型蒸気機関車と同じく平成13年7月に寄贈されたそうだけど、E101が鉄道開業70周年記念、こちらは三岐通運社設立50周年記念の名目になっている。



これは旅客車両なのかな……と思ったら、これも機関車。乗降ドアが見当たらないね。
いぶき502号機という、大阪窯業セメント伊吹工場(滋賀県)の専用線で働いていた車両。
平成12年に大井川鐡道に譲渡されてそっちで働くのかと思いきや、すぐにセントレア空港の工事のために三岐線のセメント輸送が忙しくなったからと移籍。
もともと501号機と2台あったけれど、501はレンタルだったので、三岐線の仕事を終えて大井川鐵道に帰った。
502は、そのままここで展示に。


その後ろに、C11型駅舎。客車もつながってるよ。
ちょうど電車もやってきたので、きっぷを買って待ち。硬券でてきたよ。


戦隊ヒーローみたいな顔だといわれて、なるほどと手を打つ顔立ち。



ここから、電車に揺られて近鉄富田へ。
車窓を眺めながらのんびり移動するが、なんだか線路近くやホームに、どうも稼働中には見えない感じの機関車や貨物車が置かれていることが多かった。展示だろうか。
私鉄には珍しい貨物輸送のある路線だけど、一度貨物列車とすれ違うと長大で頼もしい。そのせいかホームが長かったり、島式で行き違い可能な駅が多かった。

少し前に事故で一部不通になっていたようだけど、幸いにも1月中に復旧していた。間がいい。

富田駅に到達し、近鉄に乗り換えて四日市へ。
さらにそこから、近鉄内部線・八王子線に乗り換える。
同じ近鉄だけど改札出て、大通りを渡って結構離れたところまで行かなくちゃいけない。


そしてこのちっちゃい電車に。762mmの特殊狭軌が今なお使われている数少ない路線。
三重県では内部線、八王子線と、他に三岐鉄道北勢線がある。三重県以外には、黒部峡谷鉄道しかない。伊勢国は特殊狭軌王国や。

とりあえず近い方、八王子線の西日野駅へ行く。ちょうど電車来たし。
2つ先の日永駅で分岐して、ひとつ行ったら西日野駅。


程なく到着。
どこに八王子なんて名前が出てくるのか、と思えば、もともと西日野より向こうの八王子まで線路が伸びていたそう。
しかし1974年の豪雨災害で天白川が氾濫して線路が破壊され、西日野より先が廃止されて今に至る。

あまり来てすぐ折り返すのは好きではないけれど、今日は予定では内部線・八王子線は乗るつもりではなかったから、近隣の見所を調べていない。
仕方なく、またきっぷを買って改札に入り、内部方面へ。

日永駅では、Y字に分岐した線路にちょっと複雑にホームが配置されている。
でもって、全列車がここで接続するようになっているそうで、乗り換え時間はわずか。


すぐやってきた色違いに乗り換え。内部方面は3両つないでるのか。

内部線は、だいたい国道1号線に沿ったところを走っている。
一度バイクで通ったことがあるはずだから、見たことのある景色もあったのかもしれない。わからんかったけど。


そう長くもない距離を走って、内部に。
内部線は廃止が取り沙汰されているけれど、けっこう乗客はあったようにも見えた。
とはいえ、軌間も車両も違うから、ここだけ運営するにはコストが厳しいんだろうと想像もつくな。

さて、内部からは、JRの河原田駅まで歩いて行く。
3キロ弱程度の道のり。


内部川を下っていく。
道路は県道631号線。そこそこ車がくる上に大型車両も多いので、河川敷に下りてみた……けれど、どうも上がるところが無いことに気付いて、途中で這い上がった。みっともない。

えー、このへんの内部川左岸は、工場ばかりで特に見るものがある感じではなかった。
で、伊勢街道県道103号線に入って南へ。


河原田駅到着。
ここまで特に立ち寄るようなところを発見できなかったが、後で気付いたところでは、県道103号線の1本西側に、旧伊勢街道が通っていたよう。そっちになにかあったかも。


駅前に雑貨屋がひとつ。
入り口に手書きの注意書きがずらずら見える気難しいタイプのお店に見えた。いもや本店ほどじゃないけれど。
店先の自動販売機で何か温かいものを……と思ったら、どこまでもアメリカンな缶にひかれてこれをつい。

河原田駅は伊勢鉄道線の駅も兼ねているので、どうせ暇だから見物。


見目鮮やかなグリーンの跨線橋。塗装が新しいだけで登ってみると結構ぼろかったけれども。


高いところに伊勢鉄道の河原田駅。
JR関西本線と紀勢本線は、わざわざ内陸の亀山に行って接続しているので、名古屋方面から津・松阪以南へのアクセスが悪い。60年代には、特急くろしおも大阪から紀伊半島を一周して名古屋まで行くのがあった。
で、河原田からまっすぐ津に行く国鉄伊勢線として1973年に開業。
1987年に第三セクター化された。

今でも南勢と名古屋を結ぶ快速みえは、この伊勢鉄道を通る。
私は一度紀伊半島一周旅行をやったのだけど、うっかり鳥羽から快速みえに乗ってしまった結果、紀勢本線の完乗ができてない状態になってしまった。
関西本線は別に乗ったことがあるから、河原田-亀山間はいいんだけど、亀山-津間が乗れていない。

なので、やってきたJRに乗り込んで、亀山へ。
亀山についたら紀勢線新宮行きに乗り換え、津に。
これで、長い紀勢本線もようやく完乗。
大阪に住んでいれば関西本線の次に身近な本線のはずが、結局東海道本線、中央本線、山陽本線、北陸本線の後と、結構後回しになったな。


津駅に伊勢鉄道の車両がいた。さわやかなカラーリング。



新宮行きは、レトロなキハ40。


津駅前。
さすがになかなか賑やか……なようで、割と市街地から離れた駅らしく、駅前はビジネス街っぽくて商業エリアらしいものは見えなかった。駅ビルのショッピングセンターくらいか。
やたらと駐車場が多いのも、多分町から遠いんだろう。


津駅西側に、津偕楽公園というところあるので行ってみる。
江戸時代の津藩主が山荘を作ったところが公園化されたもの。ミツバツツジの名所だそう。


歩いていると、なんというか絵にするのが難しい公園だな、という感じだった。
園内はアップダウンが大きい地形が面白い感じだったけれど、それを表せるように撮る術が思いつかず。


D51の展示がある。
三重県内の国鉄で昭和48年まで走っていたもので、それからずっとここに飾られている。


近くに博物館があったが、施設老朽化で閉館中。


それから、三重県護国神社もすぐ近くにあったので参拝。
偕楽園を作った津藩主藤堂高猷が、戊辰戦争の戦没者慰霊に建立したのが始まり。

駅に戻って、土産物を買ったりしているともう、帰りの特急の時間。
平治煎餅というのを買ってみたが、平治物語ではなく、津の阿漕にいた平治という男にちなんだものだそう。詳細はこのあたりで。


一日で三岐鉄道三岐線、近鉄内部線・八王子線、JR紀勢本線の完乗を達成。
三重はまだ乗ってない路線もあるけれど、まあ、乗り潰しを目的に行くなら1日で、途中でゆっくり遊んでも一泊二日で済みそうな旅程。
とはいえ、途中から不通になっているJR名松線を除外しての話で、名松線が再開なり廃止なりされてくれないと完乗は達成できないのだけど……

四天王寺など (Allegretto M4)

まったく気まぐれに、東芝Allegretto M4を手にしたので、ちょっと使ってみる。

どうもAllegrettoは、良いという人と悪いという人とが極端なイメージ。
京セラとかリコーとかフジフィルムのOEMらしいモデルも結構あるし、良い人が良いといってそうなAllegrettoというと、まあ東芝が自分で作ったっぽいM4あたりを見るのがいいかな、と。
Sora T10を以前使ったけれど、あれは、なんか微妙にいまいちなタッチパネルインターフェースと、単焦点なのに妙に起動が遅いとか、良いイメージが造られるカメラとは感じらなかったけれど。

M4は1999年モデルの単焦点200万画素機で、競合するのはどのへんだろう。
オリンパスC-21はもうちょっと格上に思えるし、ニコンCOOLPIX 700とか三洋DSC-SX150とかフジFinePix 2700とかあたりかな。


適当に。
撮ってて疑問だったんだけど、露出補正どうすればいいのかわからない。
今触っていてもわからない。十字キー左右は無反応、メニューにもない。

電源スイッチはモードダイヤルが兼ねてる形。
カメラマークに合わせると起動するが、となりにMがついたカメラマークがある。
で、昔のFinePixのようにオートモードとマニュアルモードがあるタイプかと思えば、どうもオートモードとマニュアルモードに動作の違いが見られない。
東芝のプレスリリースでは、マニュアルモードで露出補正やらAFエリア選択やらできるとある。もしかしたら、ダイヤルが壊れていてマニュアルモードに入れていない?


四天王寺の庚申堂。
ちょっと空が入ってると素直にちょいアンダーになって、色乗りが良くなる気がする。


ラティチュードが広い感じではないか。まあこんなの大抵のコンパクトデジカメじゃ辛いけれど。
庚申堂と四天王寺の間にある超願寺という真宗の寺に、浄瑠璃中興の祖・竹本義太夫の墓がある。

超願寺自体も聖徳太子の建立というから、相当な歴史はあるようだ。
近隣で火災が連発して、太子の下さった経論・仏舎利を納める三重塔が燃えそうで不安だからと土で塗り込めてしまい、それがもとで寺の山号は土塔山になり、このあたりの村の名前も土塔村になったそう。

道を渡ればすぐ四天王寺の南大門。
たまに古本市をやるので、その時に来たことはあるのだけど。なにもないときに来るのは久しぶり。

四天王寺は日本で始めての仏教寺院であるので、ほかの寺のように真宗だ天台宗だとは名乗らずに、日本の仏教の総本山として「和宗」となっている。
まあそうなったのは戦後で、その前は天台宗だったようだけれども。


それから難波方面に歩いて行くと、途中で清水寺という寺にぶつかった。
これも和宗の寺で、別にシミズ寺と読んだりもせず、京都と同じく清水寺。あの舞台作りを真似て建てたそう。


大阪市内唯一の、天然の滝がある。玉出の滝というそう。
ちょろちょろ垂れてる程度の水量ではあるけれど、大阪市では最大水量を誇る滝といっていい。



Allegretto M4は、発売時点でのウリは、2秒の起動と、撮影間隔1秒という速さだったよう。
確かに、使ってるとかなり軽快に撮影はできた。20世紀のカメラは、起動6秒・撮影後の記録時間5秒とか、そういうのも結構あったもんで。
画質は、ふつう。
ちょっと地味な色ではあるけれど、そんなにおかしな露出弾くわけでもないし、ホワイトバランスも意外とまとも。電器メーカーのカメラって、露出とAWBは酷いの多いものだけれど。
際立ってレンズの良いカメラほどじゃないけれど、単焦点ということもあってか、悪い感じではない。開放だと四隅がやや甘いのと、換算40mmでF3.2と抑え目のスペックではあるけれど。

本体天面にモノクロサブ液晶があり、電源オフ時は時計が出る。
スイッチを入れると、電池インジケーター・残り撮影枚数・ストロボモード・画質モード・セルフタイマー・マクロモードの表示がある。なんとバックライトもある。
そこまで贅沢をしているなら、いっそ光学ファインダーでの撮影をメインにしてくれてもいいと思うが、起動すると液晶オンで固定のようだ。

アルミダイキャストのボディといい、高い値段をつけても許された時代らしいお金の掛かり方はしている。各部の質感も上等だ。
電池はフジのNP-60と同じもので、まあ、ゴロゴロ手に入るようなブツ。
スマートメディアなのが難で、64MBにはファームアップが必要。最高画質で一枚900KBくらいになるので、32MBだとちょっと不安がある。

発売当時に、スナップ用カメラとして使うなら、かなり良いチョイスではあったかも。
オリンパスC-21は、ストロボモードが記憶されないでオートに戻る難点があったし。その代わり画質良かったけれど。
三洋DSC-SX150は、超高速連写とか芸はあるけど電池が持たない。

大阪城公園で梅見 (PROD-20's・PowerShot A400)

梅の季節。
ということで、大阪城公園で梅見などと洒落こんできた。

カメラは、ちょっとした弾みで安く買えちゃった、Minolta PROD-20's。
マクロもないような35mm単焦点コンパクトカメラだけではどうもならんので、PowerShot A400を一緒に。
PROD-20'sに入れたフィルムは、SUPERIA X-TRA 400。ごくふつう。


ごくふつうに大阪城公園駅からぷらぷら歩いて、廓の中へ。


梅園では、3人にひとりはレンズ交換式カメラを持って、8人にひとりは三脚つきという調子。
しかしマクロレンズつけてないとあんまり寄れなくてしんどいと思うけどな。

かくいう私のPROD-20'sも、35mmF4.5で最短撮影距離0.95m。おーい。
寄れないので、引いて撮るしかなし。
寄りすぎてピント合わせられなくても何一つ表示せんから、怖くて近づいてみることもできない。
私はまあ、いつもこんな散漫な写真撮ってるから別にいつもどおりなんだけど、ちょっとでも凝った写真取ろうとするとまったく足りないカメラだなあ。


まあ、わかっちゃいたので、花マクロはPowerShot A400で。
なぜか広角端45mmなんて不思議に長いレンズを積んでるので、マクロがちょっと長めで使える。


淀君に殉死した侍を祀るお社が、本丸近くのちょっと目立たないところに。
その近くの地面に、なんだろうこれ。


大阪市立博物館の建物はなんとなく好き。特に裏に回ると渋い。


ちょっと意味ありげなオシャレ写真気取ってみたりして。
それにしてもものすごい周辺光量落ち。

しかしこれを意図的に出せれば、一昔前のHOLGAオシャレ写真っぽくいけそうなのだけど。
あいにくPROD-20'sはプログラムオートのみで、しばしば勝手に絞られて普通の写真に。


豊国神社の秀吉公。
鳥居が写り込んじゃったヘボフレーミングは……ファインダーが適当だからだということにしておこう。


豊国神社。まあ何度も来てるね。


大阪城公園を南に抜けようと思ったら、ピースおおさかという博物館があった。
来たことなかったので入ってみると、まあ名前通り。
主に第二次世界大戦について、日本軍がやったことも、米軍がやったことも、ナチスあたりがやったことも、悲惨な写真ばかりで気が滅入る反戦資料館。



大阪城公園を出て、南へぶらぶら歩いて行く。
玉造稲荷神社に出くわして立ち寄る。


旧社格は府社で、創建は垂仁天皇18年秋、つまり紀元前12年。
仏教を受け入れるか排除するかで聖徳太子と物部氏が争った時、太子がここで戦勝を祈って、戦後には観音堂を建てたと伝わっている。


この低い鳥居はなんだろう?


秀吉や家康にも篤く祀られていた。



秀頼胞衣(よな)塚大明神。
よなというのが、胎盤とか胎児を包んでいる膜とかを指すもので、かつて大阪城三の丸に秀頼のそれを埋めて祀っていた。
2度ほど場所を移ってここにきた。


近くに利休が屋敷を構えていたとかで、その利休が「玉造清水」といわれるこのあたりの名水を採れる井戸を屋敷に掘っていたとか。近くには古田織部や細川忠興の井戸もあったそう。

いろいろある神社だが、さらに難波・玉造資料館というのもあった。
しかしこれは1週間以上前に神社に予約をしなきゃダメとかで、今回は入れず。


さらに南にどんどん歩いて行く。


三光神社というところに。
反正天皇の時代に創建したという、これも古い神社。西暦406~410年くらいか。

このあたりはもともと大阪城の出城で、大阪の陣では真田幸村が陣取ったりして、地名が真田山となっている。
それで幸村の銅像が。

神社がある山自体は、宰相山というようで、桜の名所でもあるそう。





PROD-20's、まったく格好いいカメラではある。
1920年代のカメラをイメージしたとかで、革張りにシボ加工の金属ボディ。

しかしこの格好で、中身はといえば80年代のオートフォーカスコンパクトカメラ、それもあまり上等とは言えない部類のもの。
PROD-20'sは1990年の製品だけど、中身は多分87年のMAC AUTOというものと同じ。
35mmF4.5の3群3枚レンズ、3ステップの大雑把な赤外線オートフォーカス、最短0.95m。

シャッタースピードは、MAC AUTOと同じなら1/40~1/150秒。絞りは、レンズに1:4.5 (22)と書いてあるから、F22まであるのかな。
ISO400で1/150秒までしかシャッタースピードがないとなると、それくらいまで絞れないとちょっと辛そう。まあ、今時のネガならよっぽどオーバーでも大丈夫そうだけど。
フィルムはDXコードを読み取るけれど、ISO400以外は全部100に設定されるよう。

ファインダー表示がなにひとつないみたいで、ちょっと不便。AF合ってるのかもわからんしストロボチャージもわからない。
ストロボはオート固定で、オフにしたりもできない。


まあ、そもそもオリンパスのO-productという、すごく未来的で美しいカメラが89年に大ヒットして、ミノルタが後追いをして現れたのがこれであるそう。
O-productもまあ、スペック見る限りは同じようにAFのプログラムオートカメラで、機能は大差ない。もっと寄れるのと、DXコードをちゃんと読む程度の差か。

だから、PROD-20'sも同じようなスペックでよしとなったのかもしれんけれど、しかしこれは。
どうも、元があんまり上等ともいえんカメラだけあって、なんか巻き上げモーターの音とかがガーガーとガサツな感じ。
寄れんし、写りもまあ周辺光量落ちを味と済ませられるかどうかってところ。

写真が撮れる(けどカメラと思って触ると点が落ちる)ファッションアイテムかなあ。
23年遅れて手にすると、わざわざ電池使ってガーガー音立ててこの程度の機能しかないなら、固定焦点・単速・手動巻き上げのカメラでもよかった気もする。
まあ、23年前の商品として、それだと辛かったんだろうけれどね。

知多半島の旅(1) 半田 (LUMIX FZ2)

前から知多娘。というローカル萌えキャラを仕掛けている知多半島。
ローカル萌えキャラ自体はけっこうそこら中にあるのだけど、ちょっと現れて消えていくものも多々。

まあ、あくまでローカルだから、近畿圏からせいぜい中国・中部くらいまでのキャラでないと、大阪の私まで活躍ぶりは伝わって来づらい。
VOICEROIDが出た東北ずん子、福島県白河市の小峰シロ、南に行けばおおいた萌えおこしプロジェクトとか、やっぱり大阪からは見えにくい。

じゃあ大阪の私からどのあたりが目にとまるかというと、萌えキャラというべきかはさておきいまいち萌えない娘 (と本来やるはずだったこと)とか、大垣きゅん物語であったり、そして今回のネタたる知多娘。というところ。
そういうわけで、いざ知多半島に現地調査。


とりあえず、ちょっと時間の都合があったので、前日夜からの行動になった。
いきなり宿に入るところから。

宿は半田で取った。
じゃらんで半田か武豊で……というくらいで探してみたら、名鉄イン半田駅前が知多娘とタイアップしてるのがわかって、せっかくだから萌えキャラ非常食つきプランにしてみた
日本酒の出るプランもあったのだが、まあ酒は自分で選んで買いたいなというところで。

で。

(国盛にごり酒は自分で買ったもの)

これかいな。たまげるわ。
いざ非常事態があって取り出したら、別の非常事態を引き起こすぞ。

名鉄知多半田からJR半田の間くらいのエリアは、どうも住宅はあれども飲食店などはない感じでちょっと困った。
名鉄知多半田の西側、国道247号を、さらに北か南にある程度行ったあたりにあれこれあったかな。

ともかく一泊して朝。

名古屋のあたりは、喫茶店のモーニングセットが過剰に豪華だという。
その影響だろうか、ビジネスホテルでは朝食は別途有料ということが多いけど、ここでは宿泊料に込みだった。どこでもそうかはわからないけれど。
で、バイキング形式なのもよくあるけれど、パンが5つも6つも選べる。これもその影響だろうか。


宿を出ると、駅前には「2013年 新美南吉生誕百年」とPR中。
私はさっぱり童話を与えられずに育ったので、宮沢賢治も新美南吉もとんと疎いのだけれど。
知多半田駅から名鉄で北に2つ、半田口駅に行ってから西に1.5kmほど歩くと、新美南吉記念館がある。今回はちょっと遠いのでパス。


駅前ビルはこんな感じできれい。
高層マンションなんかも建っていて、半田の駅前あたりは真新しく都会的。


しかしこのビルには、知多娘グッズショップがあるぞ。
あいにく朝の9時には開いてないだろうと思うので、今回は素通り。
知多半島は今回では半分もまわれてない感じなので、また来る機会もあろう。


知多半田駅東側を北に歩いて行くと、古い洋館が建っている。
旧中埜家住宅という、国指定重要文化財。夏目漱石の義弟が建築家で、その鈴木貞次という人が建てたそう。
中埜というと、ミツカンの創業者の一族かな。

普段はカフェをやってるようだが、狙ったように水曜定休。残念。
まあ祝日だから、開けてたけどまだだった、という話かも。


すぐとなりに、上半田山の神社という小さな神社があった。
瀬戸内は大三島の大山祇神社を本宮にする、大山積神を祀るお社。
戦国時代のちょっとまえ、1473年に、半田城の城代家老がここに何かした(看板かすれて読めず)という記録があるそうで、それより前はよくわからない。
ご神木はなかなか渋い。


もうちょい北に、龍台院。曹洞宗のお寺。
知多四国八十八箇所めぐりの20番札所になってるそう。
境内は、一直線に道があって両脇は森深いくらいの植樹。ただまっすぐ行ったらお堂がある。
さすが曹洞禅寺、ストイックな作りだ。

ほとんど写真も撮りようがないようなつくりではある。


その東隣に、攝取院というお寺。こっちは西山浄土宗という、ちょっと珍しい宗派。
浄土宗は、法然上人の没後に、念仏の解釈にブレが出て派閥が分かれていった。
初期に西山派と鎮西派に別れ、その西山派は禅林寺派と深草派と西山浄土宗にわかれている。

中では説法会でもやっていたようで、戸を立てて中で教学的な話をしているのが聞こえた。

この東側に、紺屋海道という、今の感覚では路地のような道がある。
ちなみに、紺屋と書いたら「こうや」と読むことが多いものだけど、ここはコンヤカイドウと地元ではいわれているそう。


紺屋海道の道端には、小さな秋葉社のお社が、私が気付いたので2つあった。(もう一つあったと思ったけど違うお社だった)
秋葉神社はあまり関西の方では勢力がないのだけど、静岡の秋葉山本宮秋葉神社を起源として火之迦具土神を祀る防火の神様。
江戸時代中頃に大火事があって、それから防火のために四ヶ所の秋葉神社を道沿いに作った。
防火組織として講(相互扶助会のようなもの)が作られて、それが紺屋海道講と名付けられたことから、紺屋海道の名前が残ったそう。

かつてこのあたりの交通の要衝だったという紺屋海道だけれど、秋葉神社の講の他には、どういうわけか歴史的資料には名前が全然出てこないそう。
ルートも実ははっきりしていなくて、語り継がれている所ではここだろう、と、なんとなくそう呼ばれているらしい。

そんな街道を北上すると、元カブトビール工場である半田赤レンガ建物に至る。


あいにく公開日ではなく、次はゴールデンウィークのようだけど、外からの見物は自由。
1898年に建てられたもの。


窓にはステンドグラスもはまっていた。
この、レンガの長辺ばかり見える段と、短辺ばかり見える段が交互にある積み方を、イギリス積みというそう。

カブトビールは、創業当時は丸三ビールといっていて、中埜酢店(後のミツカン)の4代目と、敷島製パンの創業者らが始めた。
1898年にドイツから技術者を招いて、本格ドイツビールを始めたのがここ。パリ万博で金賞を取ってよく売れたそうで、中京圏ではビールと言えばカブトが強かったそうな。
大正時代には三ツ矢サイダーを買収したりもして、しかし昭和初期には、日本のビール各社が合併してできていた大日本麦酒に併合された。
大日本麦酒というのはもう、アサヒ・サッポロ・エビス・カブト・東京ビールと名だたるブランドをみんなくっつけたようなところで、戦後の財閥解体まではシェア80%とかほとんど独占状態だった。

戦争中にビール製造を止められ、中島飛行機の倉庫に転用されてしまった。
軍事施設になったから、P-51の機銃掃射を受けた跡があったりも。
その後も醸造工場としては復活せず。


摂取院まで紺屋海道を戻って、東の海の方へ。
すぐに順正寺という浄土真宗のお寺があった。ここは檀家の方らしい人がよく集まって何か行事をしてらしたので、写真は遠慮。

東に歩いて、武豊線の線路を越えてもう少し。
すると、酒蔵らしい通りが右手に現れる。
中埜酒造の建物がいくつも並んでいて、これら建物の向こうは運河になっている。


その道沿い、業葉神社が建っている。
特に酒造会社が勧進してきたとかではなく、古くからの村のお社だったよう。
境内に山車とか祭りの説明看板はあるけれど、不思議と神社自体の縁起が見つからず。


で、神社の向かいは中埜酒造の「國盛・酒の文化館」。
酒好きとしてはここは見て行きたいなー、と思いきや、あいにく予約がないと入れない感じ。表に予約の空き具合を出していたのだけど、夕方まで一杯っぽかった。

ここは、明治23年3月30日の陸海軍大演習があったとき、大本営が置かれた場所でもあったそう。
大本営だった建物も現存していて、しかしここじゃなくて雁宿公園に移されている。


道沿いに南下すると、観光案内所が。
1870年に建てられた小栗家という家のお屋敷で、萬三商店という肥料や大豆の卸商をやっていたそう。
だから一階は店らしい大座敷で、二階は普通の和室。
今は観光案内所と、地元の芸術家のギャラリーを兼ねている。酒器のほか、新美南吉にちなんだグッズや絵などを展示販売していた。


割と歩いたし、喫茶店兼土産物屋があった。「魚太郎・蔵のまち」というところ。


ホテルでも朝食食ったんだけど、コーヒーだけでもモーニングつけても値段が同じということで、もう一度。
このスクランブルエッグを乗せたエッグトーストというの、大阪じゃ見かけない文化だ。

ここで、味噌カツや味噌田楽が塗るだけで作れるという味噌調味料を土産に。
それから、半田じゃなくて東浦町だけど、原田酒造合資会社(飛騨にも原田酒造というところがあって紛らわしいのでフルネームで)の「純米吟醸 よき出逢を」を買ってきた。



一休みして出ると、運河がすぐそこなので出てみた。
この半田運河から見えるミツカンの黒塀の建物、これがひとつの名風景。
しかしそれでも今は、ミツカンの建物を老朽化のために一部建て替え中。2015年にはひと通りの改修が終わって、また黒塀が並ぶ景色が戻るとのこと。


そしてミツカン本社。
企業博物館の「酢の里」もある。予約優先とのことだったけれど、行ってみると余裕があるとのことで、入れてもらえた。

やっぱりミツカンといえば酢というイメージで、実際シェア1位。
しかし売上としては酢が3割、他のことも結構やっている。
味ぽんは誰もが知っている所で、さらには納豆においても日本2位のシェアを誇る。
まあ何しろ大阪の人間は納豆をあんまり食わんから、何が有名なのかさっぱりわからないが、「金のつぶ」といえば名前くらいは聞く。

酢を一日15ccほど飲むと、体脂肪が落ちて血圧が下がり血糖値の変動が穏やかになり……といろいろ効能を解説するビデオを見て、飲用酢ドリンクの「ブルーベリー黒酢」の試飲。想像していたよりずっと飲みやすい。

それから博物館見学へ。
多くの酢は、一旦穀物なり果実なりを醸造して酒にし、それから酢酸菌で酢に醸造する。
しかし、ミツカンの初代中野又左衛門は、ここらで盛んだった酒造から出る酒粕を元にして酢を作った。そうすると値段も安く、また味が合うからと、江戸前の握り寿司が普及する要因になって大ヒット。
さすがに今は酒粕ではなく米から作っているけれど、酒粕ベースの酢も細々とながら作っている。
「三ツ判山吹」という商品がそれで、首都圏限定または通販で売っている。関西じゃもちろん見たこと無いな。


ここから、JR半田駅へ戻る。

半田駅前に、半田市鉄道資料館というのがある。
ちょうど列車が来るまで20分あったので、そっちにぶらっと行ってみる。が、あいにく開館日は一部の日曜日だけ。

しかし、蒸気機関車の保存展示はやってるようなので、そっちを見に。


C11 265。
D51なんかだと大振りで迫力もあるけれど、C11は小さくてかわいらしい。
もともと国鉄明知線というところで6年ほど走っていて、それから武豊線に来て20年。そして1960年6月30日に動力近代化のため退役。最後のさよなら列車を牽引していたのがこの265番だそう。

さて、半田駅で武豊行きの列車に乗る。


半田駅の跨線橋は、明治43(1910)年11月竣工の古い跨線橋。
構内の看板にはJR最古とあるけれど、私鉄にもっと古いのあったりするのかな?
(南海本線の浜寺公園駅は、1907年竣工の私鉄で最も古い駅舎を持つけれど、あいにくあそこは地下道で跨線橋はない)
なんでも2010年に武豊線が電化されるとき、高さが足りなくて基準を満たせないからと取り壊しの危機があったとか。

ここから武豊に行って、歩いて名鉄に移動してから次の内海町へ。

知多半島の旅(2) 内海町 (LUMIX FZ2)

半田から先は、一旦武豊で名鉄に乗り換え。
当初の予定では、名鉄の端っこ、河和と内海までさっと乗ったら戻ってきて、ずっと移動して常滑を見ようか……と思っていた。

しかし、どうも思っているより知多半島が大きい。
名鉄の線路も、内海から常滑にいくためには、かなり名古屋側に戻ってから折り返さねばならない。


武豊駅下車。
予定ではさっさと移動だが、しかし武豊は武豊で、味噌と醤油で知られる見どころの有りそうな町。うーむ。


とりあえず駅近くの武雄神社に参拝。
三社横並びの本でんで、中央が須佐之男尊を祭り、左が大己貴命と少彦名命、右が弥五郎殿命(イマタネツグノミコト)。
弥五郎殿命とは聞いたことがないが、どうも愛知県津島市の津島神社でもそういう名前の神様が祀られているよう。武内宿禰の末裔だとか。

古くからあった神社だけどいつからあるかは不明のよう。
承久の乱の後に岩田朝弘という武士がこのあたりに長尾城を築城して、その場内鎮護として祀っていたそう。


月詠の森といわれる社叢は、月見の名所だったそう。

このちょっと南側が長尾城址と、駅近くの案内看板にあったが、どうも中途半端な空き地がある程度で、遺構らしいものは目に入らなかった。
後になって地図をみたら、線路のすぐ西側に路地があって、そこから入ればよかったっぽい。
戦国時代くらいまであった城らしいけど、そういえばあんまり戦国時代に知多半島の地名は聞かない気がする。近くの勢力が大きすぎて、臣従するくらいしかしようがないのかも。


知多武豊駅前には、なぜかスーパーマーケットが2つ並んでいた。
それから、こんなご時世にまだパソコンパーツショップがあるよう。

駅に近い方のスーパーに入って、フードコートくらいあるかな……と思ったら、たこ焼きとお好み焼きを出すところがあったので、軽く昼食。


ここで時間は12時頃。さて、どうするか。
兎にも角にも、名鉄に乗って南へ。先に来たのは河和行き。


パノラマSuper。名鉄1000系というやつだそう。
このレトロフューチャーな感じはいいな。新幹線も300系が好き。

どうするか迷いながら、河和駅に到着して一旦駅を出る。
河和駅はどうも、ここから船に乗り換えて離島観光に行くところのよう。
面白そうではあるけれど、そこまでは時間取れないので、後日また機会があればということで、今回は折り返し。

河和から、富貴という景気のいい名前の役で乗り換えて、名鉄知多新線へ。
端まで乗ると内海駅。


顔の違う車両が並んでいた。
多分上が6500系で下が3700系だと思うのだけど、どうも下みたいな顔した6500系もあるみたいで、私にはよく識別できない。


駅に渋い観光看板。いい。
こんなかんじで歩いてみるのも良さそうだが……雨ふりそうやな。写真を見ての通りの曇り空だ。


駅近くに観光案内所があった。
よく見ると知多娘の内海お吉が貼られている。
知多娘、ここまでかなり多くのところで目にしている。結構やる気でやってるんだなあ。

ここでやっと決断して、常滑は諦めて今回は内海をしっかり見ることに。

駅前の看板によると、内海駅を高架にするとき、貝塚が発掘されたそう。
8,000年以上前の、東海地方最古の貝塚だそうで、先苅(まずかり)貝塚と名付けられている。


内海駅は開発の都合か、内海の町よりかなり北に外れている。
1980年に内海まで全通したそうだけど、すでに町が混み合って線路引けなかったかな。
南に15分くらい歩くと町に来る。



国道247号まで来たら、東のほうへ。
すぐ内海川があって、それを越える。

超えたあたりは、地元の観光マップによればスイーツ通りだそうで、ケーキ屋などが並んでいる。
まあ昼飯も軽かったし寄ってもいいかなーと思いつつも、あいにくイートインできるところはなかった。どこも客入りはなかなか。


高宮神社というのが見えるが、これはまた階段が長い。軽く登山の勢いだ。
すみませんパスしました。


曹洞宗の宝積院というお寺。
結構お寺の集まってるエリアのよう。


尾州廻船内海船船主・内田佐七家。
偶然にも公開日。入ってみると、ちょうど地元の方の案内を受けられた。

江戸末期から明治にかけて、知多半島では廻船が流行っていた。
大阪の菱垣廻船や樽廻船と競合するように、上方と江戸の間で貨物輸送をやっていたそう。


天井が屋久杉という豪勢さ。
このへんは細かい板だけど、床の間なんかドンと一枚だ。


欄間も下手に彫刻なんか入れずに屋久杉一枚板。


庭もなかなかの代物で、茶人の指導で設計されたそう。
廻船が荷を下ろしたら、喫水を下げるために石を積んだりしたのだけど、それでいい石があったら庭に回したとか。
しかし単なる重石のみならず、付き合いのある大名から頂いた価値あるものもあるそう。
(でもなんか、盗みが入って困りそうだからとかそんな話していたので、どれが値打ちものかは一応伏せよう。藤堂家経由で古田織部が庭に使ってた逸品を譲り受けてるとかで)

こうも豪華な屋敷を建てられるほどのお大尽だけれど、しかし、廻船業というのはあまり豊かな村では興らないそう。
船が沈んで積荷もダメになろうものなら凄まじい大損害を受けるから、かなりの博打みたいな商売。田畑が豊かなら博打に手は出さない。

私の生まれた町というのも、あまりに降水が少なくて農業がダメだった土地。
そしてやっぱり江戸時代には廻船業に乗り出していた。


四代目のご当主が文化人でもあったそうで、襖の書は当主の筆跡。
このうえには槍掛けがあって、苗字帯刀を許されていた証。

四代目は、海運業がそろそろ行き詰まることを見越して、船を売っていろんな事業に転身を図った。
銀行を始めたり、肥料屋をやったり(これはすぐやめ)、国鉄武豊駅から内海までの乗合自動車を始め(後に知多バスになっていく)、サンドスキーや鉱泉を開発して環境産業を興したり。

ちなみに私の生まれた町は廻船をやっていたのだが、その後の転身に失敗して没落した。



屋敷の2階から。


台所奥の食料庫には、50年前の梅干しとか恐ろしい張り紙をしたものがあったり、大昔の三ツ矢サイダーの瓶が。
半田のカブトビールが一時期三ツ矢サイダーを合併していたから、その縁でこの辺りでもポピュラーだったのかもしれない。



南隣に、西山浄土宗の慈光寺。
西山浄土宗の勢力多いのかなこのあたり。


あごなし地蔵さん。
隠岐島には、遣唐副使の小野篁が、阿古那という美女と分かれるのを寂しがって彫った像が祀られて「あごなし地蔵」と言われるようになったものがあるそう。
内田佐七の三代目が隠岐で風待ちをしているとき、その話を聞いて参詣して分祀してもらったそう。


本堂はこんな感じ。



隣には泉蔵院というお寺。真言宗智山派。
どうも知多にきてから、随分参道がまっすぐで敷地が細長いお寺が多い気がする。

その南側に、山の上に上がっていく階段に「一色城跡」と看板があるので登ってみる。


丘の上。看板あるのみ。
室町時代に、三河守護の一色範氏が建てた城だそう。しかし別に一色氏の根拠だから一色城というのではなく、もうちょっと北の大野城が本拠地だったそう。
後には佐治氏の居城になった。


展望台になっていて、いい夕日スポットでもあるそう。


下りていくと、知多娘の内海お吉のネタ元、唐人お吉の生まれた所があった。
唐人お吉といえば伊豆下田のイメージだけれど、ここで生まれて下田に行った人。半島から半島に行く人やな。


近くの温泉の敷地に、お吉の像が建っていた。

お吉の生家のちょっと北には、明治時代の横綱・大碇が養子にもらわれて育ったというところもあった。現在も民家が建っていて、個人宅っぽいので写真は遠慮。


ここから駅の方にもどりつつ、櫻米軒の波まくらというのが内海土産の定番というので一箱購入。
知多半島では幅広く売られているようだけど、ちょうど内海に本店があって、ここでは白赤緑の三色タイプも買えるというのでそれに。
つぶあんを求肥で筒状に包んだ、ふた口サイズのもの。

駅に戻って、内海から名古屋まで、1090円。
やっぱり知多半島が思ったより大きい。大阪-和歌山間より高いな。

時間があったので駅前の土産物屋を覗いたら、「果たしてこれは賞味期限までに捌けるんだろうか……」と思えるほどたくさんの波まくらが積まれていて、どうも心配だった。
イカナゴを安くしてくれたので1パック買って、これもおみやげに。

名古屋から近鉄で一気に帰阪だ。
と、名鉄の特急に乗った途端に雨が降り始める。私も晴れ男だなあ。



今回持ちだしたLUMIX FZ2だけども、いつのまにかレンズに不調が出てしまい、起動時にしばしばレンズエラーが出る。
そして起動中のレンズが伸びてる間にぶん殴ると、レンズがちゃんと繰り出て撮影できる……という酷い有様に。
収差酷い感じの写真も結構あったけれど、この状態じゃなあ。

どうも曇り空もあって、随分地味な色合いの写真が並んでしまった。
これもまあカメラのせいじゃないか。

換算35-420mmの12倍ズーム、これはこないだ使ったDiMAGE Z3と同じだけど、FZ2の方はなんと全域F2.8というえらい明るさ。
手ぶれ補正も搭載されていて、広角端だと1/8秒がなんとか見られる程度に写るような効き。これは感心。

しかしDMC-FZ2というモデルは、元々プログラムオート専用機だったFZ1に、取ってつけたようにシャッター速度優先・絞り優先オートをつけたモデル。FZ1をファームアップすればFZ2になる。
その結果として、立派なモードダイヤルがあるのに、「P/A/S」なんてウルトラな項目があって、それに合わせてからメニューで撮影モードを選ぶという素敵な有様に。
で、モードダイヤルにマクロモードが入っていて、マクロにするとPのみになる。えー……。
センサー小さいデジカメでボケ味も何もないから、別にPのみでも私は文句ないのだけど、マクロとなると絞り優先使いたいけどな。

Pでも絞りとシャッタースピードは表示されるし、絞りも2段階とか3段階みたいな雑なもんではなくて、ちゃんと細かく制御できるよう。

背面液晶は1.5型と小さいけれど、まあ時代からいえばおかしくはないか。
ただ、EVFを使うと、なんかもう覗きこんでる時点でわかるくらい水平が出しにくい。もともと私が水平外しまくるへたくそだというのを踏まえても、それにしてもこれはやりにくい。なんでなんだろう。

外見は、ちょうどマイクロフォーサーズの小型モデルみたいな感じの格好。ちょっとボディ部が分厚いか。
レンズしっかりしてる割にはそう重くもない。ホールディングは良好。

今回は178枚撮影して、バッテリー残量表示がゼロに入っていた。
バッテリー自体が小さくないから、思ったより持たないなあというところ。起動時にかなり盛大にレンズを動かすのと、手ぶれ補正のせいかな。


FZ1だったら、明るい高倍率ズームによく効く手ぶれ補正だけ突っ込んで小さくまとめ、ふつーの人がどう撮っても失敗しづらい、とやりたいことが明確でよくできてる。
しかしまー、P/A/Sをつけたって、この付け方では、それが付いていることを喜ぶはずのマニアはむしろ怒るよなあ。

まんがタイムきららミラクの掲載状況調査(創刊号~2013年5月号)

ふと気になったことがあったので、まんがタイムきららミラクの作品掲載状況を調べてみた。

いや、何が気になったって、いつの間に「メラン・コリー」が載らなくなってしまったんだろうと。




クリックで拡大。2013年6月号の「Lisa Step!」が抜けてるけど、ちゃんと掲載あり。

掲載されていた作品には○。
表示を飾っていたら「表」、目次ページに休載だと明記してあれば「休」。「しばらく休載します」と書き残されていたものは「暫」とした。

「メラン・コリー」は、どうも単行本第1巻が出る頃に続けて休載して、そのまま立ち消えてしまったよう。
私の趣味では、ミラク掲載作の中でも上からいくつくらいのところにいたのだけど、惜しいところ。


表にして見てると、まあ感じる所がいくつかある。

ストーリーマンガ調作品と隔月掲載

ミラクは当初隔月刊で5号までやって、6号から月刊化された。
そして6号から、隔月連載になった作品がいくつもある。


ミラクは当初、「もっと、自由に四コマを。」といったコピーでもって、これまでのきららで読者が慣れているようなパターンから外れた、新しいものを載せようという意図があったように思う。
で、いつもはこれといったストーリーがない作品が多い所、かなり壮大なSF調ストーリーを広げた作品が出てきた。


大きなストーリーのない従来の萌え四コマなら、キャラと人間関係だけ大体わかっていれば読める。
しかし、ストーリーがあるとなると、舞台設定や行動目的も掴んで、かつ前回までどこまで話が進んだかをちゃんと掴んでおかなきゃならない。前どうだったか忘れる、ということが許されない。

で、こともあろうに、そういうストーリー色の強い「Seed」が隔月化になった。
これはちょっと割りを食った感があるなあ。単行本で読まないとわかりにくい作品にされてしまったかも。
「きしとおひめさま」もまたストーリー色が強いが、しかし2ヶ月に1度のペースで休載する。損してるなあ……

ゲスト原稿の扱い


きらら系には、とりあえず新作の第3話までは「ゲスト」という扱いで掲載され、人気が出るようなら4話から「新連載」といって続きが載る、というしきたりがある。

ミラクは、ゲスト原稿の割合が多い。
キャラットやMAXだと、毎月24本前後の作品が載っているが、ミラクは19本前後しかない。
(ページ数はどっちも同じ220ページだけど、ミラクは10ページ連載が多い。MAXやキャラットは8ページが多くて6ページもある)

それでいて、ミラクのゲスト原稿は少なくて3本、多いと7本、平均5本くらい載る。
キャラットやMAXは、あまりちゃんと数えてはいないけど、多く見ても同じくらいの平均5本、もうちょっと少ないかなというくらい。


キャラットやMAXの場合は、以前十分に人気がある連載をやっていた、安定した実力のある人が、慣習に従ってゲストから始めてる感じのものも多い。
ミラクの場合は、まだそういう実績を積める期間が過ぎてないので、ゲスト=ほぼ新人さんとなる。

新人だったら即ダメだというような話ではもちろんないのだけど、ゲストから連載として定着した事例が、ミラクには随分少ない。
ゲストとして掲載され始めた作品は32作。まだ連載化するかがわからない5作(「おふとんランデブー」「おゆうぎ小町」「ラブリストリズナー」「暖色タイム」「らくれすがーる。」)を除くと27作。
で、定着したのは5作しかない。
「TEI OH-!」「城下町のダンデライオン」「わたしと姉は正反対」「寄り道ファミリ」「飛ぶことを許された迷路」だけ。

実に22作も、ちょっと載ってそのまま消えていったことになる。
ちゃんと数えてないけれど、実績ある人の新連載もゲストになるキャラットやMAXでは、こんなに定着率が低いことはなかろうと思う。
(……といいつつも、3回で終わるゲスト作品ってあまり印象に残っていないことが多く、キャラットやMAXでも同じような割合で消えていても気づいていない可能性はあるけれど)

単発ゲスト

ミラクの場合、月刊化とともに5本の隔月連載が出たが、これがどういうわけか、奇数月に4本と偏っていた。
偶数月にはゲストの需要が増え、奇数月には減る。

その結果、新人さんのゲスト掲載だというのに、3ヶ月続けて載るのではなく、飛び飛びになってしまう事例が多かった。
これは新人さんには逆風だったんじゃなかろうか。

また、1回きりしか載らなかったものが8本。
最初からその予定だったか、単に本数合わせでそうなっちゃったのかはわからないけれど。
状況的には、とにかく1ヶ月の足りない分を埋めるために、という作品が増えてしまう土壌はある。
(というか、「きしとおひめさま」が休載した時に1回きりの作品が載るケースが多い。8本中5本)

まあ、1回きりの作品のあと、同じ作者が別の3回続くゲスト作品を書いてるケースが多い。
描く機会があるのに別の作品になるということは、これらは最初から1回だけだったと見てもいいかもしれない。
  • なつきゆう「けーたろいど☆コミュニケーション」(1回) → 「ゆめおいドミトリー」(3回)
  • ぼるぴっか「みかりんバイトデイズ」(1回) → 「エスパー女子高生さえか!」(1回) → 「柳暗花明」(3回) → 「ラブリストリズナー」(2回)
  • むうりあん「ナニソレコワイ」(1回) → 「おふとんランデブー」(2回)
  • さくらいす「スター☆コンプレックス」(1回) → 「メイドなボクとお嬢さま的あるじ」(3回)
  • ちょこらて「塩味Life!」(1回) → 「Eイズム」(3回)
  • 石見夕/よしだひでゆき「青空」(1回) → 「暖色タイム」(2回)

単行本化について

まんがタイムKRコミックスの単行本は、大体いつも一冊120ページで出る。
で、毎月の連載が8ページなら、単純に割ると15ヶ月分。実際は、12~4ヶ月+描きおろし+あとがきや奥付など、という構成になるよう。
ミラクの10ページで連載している作品なら、10~11ヶ月分あれば1冊になる。

私がミラクで単行本を買ったのは「Lisa Step!」「月曜日の空飛ぶオレンジ。」「幸腹グラフィティ」の3つ。
創刊当初から休みなく掲載されていた前者ふたつは、12年8月号までの11回分が1巻に収録された。「幸腹グラフィティ」は、10回分で1巻になっている。

「メラン・コリー」は連載12回で立ち消えてしまったから、おそらく単行本1巻に未収録の回ができてしまっていそう。
「Seed」は11回分で1巻が出て完結。

3巻はどうなるか

創刊以来、一度も休まずに連載している作品は3作。
「桜Trick」「夜森の国のソラニ」「月曜日の空飛ぶオレンジ。」の3作で、いずれも最新号では10ページあった。
「Good Night! Angel」「Lisa Step!」も、休みは1回だけ。
現在、通巻20号。

きらら系萌え四コマの過去の実績として、単行本2巻で終了することが多い。
8ページ連載で24~28回くらい、10ページ連載で20~22回程度というのが、終了にちょうどいいタイミングになる。

今月号のどの作品にも、「来月で最終回」という告示はない。
すると再来月、連載22回をもって終了する作品が出始めそう。

もちろん人気が高ければ、2巻の壁を超えて晴れて3巻以降に突入することもできる。
しかし「月曜日の空飛ぶオレンジ。」が人気作かといわれると、ちょっとそうとは言いにくいように思う。掲載順位も後ろが多い。
私は単行本買ってるくらいだから大好きなのだけども。シュールな発想と、それを絵にする、ちゃんとコマの中を奥行き持たせて描ける高い画力。
でも、まー、難しいのかなあ……


「桜Trick」の方は、これは尖った作品が多いミラクの中では、通常のきらら系萌え四コマの読み方で対応できるわかりやすい作品。
百合色は強いけれど、相応の人気はありそう。掲載順位も前のほうが多い。

しかし、表紙を飾った実績がない。
まあ、MAXやキャラットでも、表紙になったことがない長期連載はあるから、表紙が必要条件というわけではないけれど。
ただ、キャラットなんか、ひだまりスケッチにGAにキルミーベイベーにAチャンネルと、アニメ化された強大な既存作を押しのけて表紙になるといえば大変。だから「はるみねーしょん」と「セカイ魔王」は2巻超えてるけど表紙はない。
ミラクだったら、表紙になることがそこまできつい壁ではないように思う。実際、「幸腹グラフィティ」は単行本が出るタイミングで表紙にねじ込んで行ったわけだし。

一方で、創刊以来の連載だし、現状のミラクは連載の弾不足感もあるから、残すという判断を取ってもおかしい気はしない。
どっちに転ぶかは難しいなあ。

(追記訂正)
うっかりしていたけれど、「桜Trick」は2巻が2月27日時点でもう早々と出ていた。失敗。


住吉公園の桜 (COOLPIX S8)

少しは桜くらい見ようか、でも混みすぎるところは嫌だなあ、ということで、住吉公園に。





まあ何度も行ってるところなので、桜ばかり。
しかしCOOLPIX S8、思ったより寄れなくて困った。
マクロモードでズーム中域なら4cmから……というのだけど、実際はどうあれ奥ピン乱発。画面真ん中に花を置いてるつもりでも外してること多々。

ただ、気づかなかったけどちょっとレンズにズレがあるのかして、画面右側に顕な乱れがある。マクロ怪しいのもこのせいだったろうか。


住吉公園から住之江公園まで歩いてみた。
ちなみに住吉川北岸の遊歩道を歩いていると、姫松橋で渡らないと次は新なにわ筋まで渡るところがない。


公園に隣接して、大阪府護国神社がある。
石垣をふと見たら、大鵬と柏戸の名前があった。
関東では「巨人大鵬卵焼き」というが、関西では「阪神柏戸お好み焼き」なんて言うたそう。


桜と拝殿。貴様と俺とは同期の桜。
あ、指写り込んでら。


COOLPIX S8は、うーん。
私が初めて屈曲光学系のレンズを持ったデジカメを使ったのは、SANYO Xacti J1だったのだけど、あれはカメラとしては悪くないけどいかんせん画質が辛かった。ひどく逆光に弱くて……
ニコンならきっとなんとかしてくれる、とちょっと期待したけど、うーん。

まあ、さすがにレンズエレメントにズレがあるっぽい、と思われるような絵を吐いてる個体だけど、歪曲収差は大きいし、周辺光量も落ちるし……と、どうも頼りない感じ。
ピントがどこいくかわからん感じで、なんか思わぬピンぼけ写真が多かった。Xacti J1やJ4もAFが頼りないカメラだったけど、屈曲光学系なのと関係あるのかな。
屈曲光学系だと、例えばシンプルに全群繰り出しでピントを合わせるわけにもいかんだろうから、単なるピント合わせ動作がややっこしい動きになる、とかはあるかもしれない。

曇り空だったからある程度しかたないけれど、それにしでも随分アンダーで随分地味な絵作りにも思える。
(今回の写真はもう全部標準露出で撮って後から直した。なので、今回の写真の露出がバラバラなのは私の補正が雑でバラバラなだけ。ただ、すべてのカットをオーバーに補正してはいる)
いや、それならそれでいいんだけど、露出補正がメニューの中にあったりする初心者仕様。
なんか噛み合ってない気がする。初心者向けの絵ではないような気がする。晴天で撮れば違うだろうか。

また、マクロモード切り替えるべく十字キー下を押したら、いちいち「ON/OFF」の選択メニューが出る。そしてもう一度下を押してONを選択し、OKボタンを押して確定しないと切り替わらない。
なんというか、基本的に頭の良い人しか相手にしていなかった秀才が、急に「誰でもわかるように親切にしろ」と言われて、よくよく考えて必要以上に丁寧にやったみたいな……

その十字キーもまた、OKボタンの周りにロータリースイッチ、その外周の薄い枠のような部分が上下左右ボタン、となっている。
薄い枠だけ押すのは押しづらい。ロータリースイッチごと押せばいいようになっている(ロータリースイッチは傾くけどそれ自体は反応しない)けど、気持ちが悪い。
なんでこんな、安上がりでもなさそうなもん使うんだろう。ロータリースイッチを使う機会なんかさっぱり見えんかったのに。

で、指が写り込む。
私はいわゆるライカ持ちに近い、左人差し指の上にカメラを載せて、親指でカメラ上左端を押さえる、という持ち方をするもので、広角側だと指が入ってしまう。
左上隅に人差し指を掛けるような持ち方をしても当然写り込むだろう。
結構レンズが正面から見て右上隅にあるのは多いけれど、どうなんだろう?


そんなこんなで、どうにもしっくりこないカメラだった感じ。
多分、ふつうの人向けのカメラなんだろうと思う。好きな人が一眼レフのサブに持つとか、そういうもんじゃないんだろう。
どうも時代によってやり方は違うけど、ニコンはふつうのひと向けと決めたモデルは、ある程度分かる人の感覚は遠慮なく無視するようなイメージがあるなあ。
COOLPIX S01なんて、ストロボモードがいちいちオートに戻るなんて仕様でなければ、出てすぐにでも買ってたのに。

TOMOS Classic I 乗り始めインプレ

先日のK-01の記事でそれとなく写していた、孝子徘徊の記事で乗り回していた、レトロ調だけど実のところ別にレトロでもない現行商品、TOMOS Classic I




7600kmほど乗った中古車を、伝手で安く譲ってもらった。
なので新品ピカピカとはいかないが、ワンオーナーで室内保管だったそうで、まあまあ綺麗なもの。
乗らなくなってほったらかされていた、とのことだけど、最初掛からなかったエンジンも、キャブを開けてもらって組み直したらなんか掛かった。

TOMOSはオランダ製、と聞いたことがあったんだけど、TOMOSという会社はスロヴェニアにあるそう。
そして工場がオランダにあり、Made in Hollandと車体に書いてある。タイヤとか一部部品はMade in Slovenia。
2007年にオランダ工場を閉鎖して中国に移すと発表があったそうで、発表から実施がどれくらいの期間かわからないけれど、現行はMade in Chinaになってるらしい。
オランダ製の私の個体は、少なくとも6歳くらいの車齢はある。


6年の歳月に対して妥当な劣化かどうかはわからないけれど、メッキパーツの劣化はちょくちょく出てきている。
塗装部分は問題ないけれど、ホイールリムがメッキで、ここはかなり傷んでいる。サビが出ちゃってメッキがやられ、どんどん広がっちゃってた。
泥除けの表などのメッキは、白い斑点が出る程度。

ごく細かいスチールウール、あるいは真鍮ブラシで磨いてやるのがいい感じだった。これならメッキを潰さずサビを削れた。
耐水ペーパーとか、簡単に手に入る粗いスチールウールは、ちょっと研磨力がありすぎてメッキに傷が付く。

サビを落としたら、ちょっとメッキの輝きは落ちるけれど、KUREのスーパーラストガードを塗っておいた。
ワックス塗るという手もあるけれど、持続時間がなー……。


あとは、タイヤは本来交換しなきゃいけない状態で、サイドにヒビが出まくってる。
しかし困ったことに、結構特殊なサイズのタイヤ。2.25×16というのは、モペッド用としてはポピュラーだけど、日本では普通に手に入らないサイズ。
まあTOMOS用のアフターパーツとして売ってるところはあるけれど、高いのだ。
2.50×16を履かせるという手もあるらしいけれど……。


ま、タイヤは一応おいといて、走りだす。

およそ極めてシンプルな構造のバイクで、セルスターターなんて贅沢なもんはない。
そのかわり、ペダルなんて贅沢なものがあるので、これを逆回しするように漕ぐと、エンジンのキックスターターとして作用する。

うちの個体は始動良好。
まあ真冬のうちは、始動してちょっとして力尽きたり、アクセル開けると逆に止まったりするので、しばらく暖気は要った。最近は大丈夫。
ただ、しばらく走って暖まってから停車して、買い物とかして再始動しようとすると、掛かりにくい感じがある。なんだろう。


2ストロークだけど、思ったよりバリバリうるさいわけでもない。
ぶんぶんぶんぶん、と割とおとなしくアイドリングする。

走りだして回転ががーっと上がっていくと、25キロくらいでシフトチェンジされる。オートマ。
チェンジ直前、1速で回転が上がっている状態では、エンジン音と振動でかなりガーっと音が出る。この時はちょっとうるさいっちゃうるさい。
しかし2速に入ったら一気に落ち着いて、制限速度くらいでは、モーターみたいにミューンという音になる。振動もあるけどひどくはない。

制限速度くらいで走ればまあまあ快適だけど、1速25キロのガー状態を踏まえると、2速で40キロ以上出したらやっぱりガーっと来ると思う。
2.4馬力くらいでパワーもないし、ギア比もまたスピード出すようになってない感じ。
振動で電装系の半田が切れたりする場合もあるらしいから、おとなしい30キロ前後で走るのがベターな単車なんだろうと思う。

ブレーキはあんまり効かない。30キロからじゃロックさせることもできなかった。
ライトは暗い。アイドリングでは電圧下がってもっと暗くなるっぽい。
ハンドルの切れ角も妙に浅いので、地味に押し歩きの取り回し悪いような……
ウィンカーもプッシュキャンセルなんて贅沢なもんはなし。

ちょっと気になるのが、ホーンのスイッチの位置が遠い。
右ハンドル根本に四角い箱があって、その手前にヘッドライトのHi/Lo、天面左にホーン、右にキルスイッチとある。実際問題としてアクセル離さないと押せない。
ホーンの音はなんというか、ぶびびびび、とすごい不快音で面白いのだけど……

エンジンキーとかいうものは存在しないので、キック始動したエンジンはキルスイッチ押さないと止まらない。
ハンドルロックはあるけど、私のは鍵紛失で使えない。
車体自体はノーロックということになっちゃうから、馬蹄錠常備。サイドバッグがあるから入れておけば丁度良し。


暫く走り回って給油。
燃費を測ってみたら、167.5kmを3.41Lで走って、49.12km/lという数字を出した。
よく走るなあ。

燃料計もないし、トリップメーターもないから、燃料が切れてエンジンが止まったらリザーブに入れてガソリンスタンドを探す、という運用になる。
今まではトリップメーター見てガス欠前に給油するという運用しかしたことがないから、ちょっと怖いといえば怖い。いきなりガス欠で減速して追突されたりしたら嫌だなあ。

モペッドだからそんなとき、急遽ペダルを漕いで走行することが!
……なんて、買う前には思ってたのだけど、実際にペダルを踏んでみたら、ギア比が自転車じゃなくてバイクのそれだから、漕いでも進まない。変速付き自転車で目一杯軽くしたようなギア比。
漕ぐのは無理に近いなあ。遅すぎて転びそうになるレベル。

リザーブに入ってすぐガソリンスタンドを探すと、3.2Lとか3.4Lとかそれくらい入った。リザーブまで3L・50km/Lとして150kmくらいごとに給油になるかな。


給油にあたっては、2ストロークだからエンジンオイルがいる。
これは日本のスクーターみたいに分離給油(オイルだけのタンクがあって、勝手に適宜ガソリンと混ぜてくれる)ではなく、給油時にガソリンと一緒にオイルを入れる混合給油。

1回の給油は大体3リットルちょっとになる。
2%ほどオイルを入れてやることになってるので、60ccほどオイルがいる。
幸い私のトモスはサイドバッグがあるから、そこにホンダのUltra 2 Super(一番安いの)と、60ccのポリボトル(ホームセンターで売ってる)を放り込んである。
給油したら一杯注ぎ足す。そんな1cc単位でシビアに計って入れる必要もないだろうし。

2ストロークオイルは、混合給油ができるやつとできないやつがあるそう。
一応私はヤマハ党ということにしてるからYAMALUBE使おうかと思ったけれど、名前がかっこ悪い(なんでEFFEROから変えたのか……)し、混合対応かどうかはっきりわからんかった。
ホンダのは全部混合対応になってるから安心。


思えば、乗って走って給油するだけでも、やたらやることが多くて面倒 初めてのことが多くて興味深い。
混合給油のバイクなんて乗ることがあるとは思ってなかった。

タイヤ交換は自転車に近い感じでやれるらしく、自転車だったら自分で換えたこともあるから、一度試してみようかな。

桜ノ宮公園 (トダ精光 DKM-180S / T-038S)

花見シーズンも終わりに近づいてきたけれど、少し桜の宮を散歩に。
藤田美術館の「茶道具いろは」を見てきたかったので。
それと映画館で「劇場版花咲くいろは Home Sweet Home」も観る。いろはが被ってしまった。

今日は、トダ精光コンパクトデジカメ用フロントコンバージョンレンズなんてアイテムを持って遊びに。

一個2000円と安く売ってたので、0.38xワイドコンバーター T-038Sと、180度フィッシュアイコンバーター DKM-180Sを買ってみた。

レンズ前に輪っか状のマグネットを貼り付けて、磁力で固定する仕組み。
輪っかのサイズはSサイズとLサイズがあり、安かったのはSサイズだけだった。
外形21mm・内径17mmのリングで、届いて試してみると、確かにレンズの前玉が大きいカメラが多く、Sサイズだと使えるカメラは結構限られる。
別途、手元のカメラで試してみてリストアップしたので、そちら参照のこと。


最初はコニカKD-400Zで試した。1/1.8型の大きいCCDを積んだ高画質モデルで、かつ前玉が小さいSサイズリングが使える、という例なので。
しかし、広角端38mmだと、あいにくちょっとケラレてしまう。


35mmでもちょっと足りないんじゃないかな。
最近のコンパクトデジカメは28mmから始まるのが多いので、そのへんを使うと確実。


で、KD-400Zで使ってみたら、えらくピンぼけした画像になった。
まあフロントコンバーターなんて元レンズとの相性も大きいだろう、とは思ったのだけど、どうも近接撮影ではピントが出てる感じ。

よく確認すると、DKM-180Sは、前玉固定部がネジ止めになっている。

ここのネジが緩んでいると、無限遠が出なくなったりして画質に支障が出るようだ。締め込むと、ちゃんとピントが出た。
どうも、購入時から緩んでいたような……。

で、その後、またうっかり緩めてしまったと思ったら、中のレンズエレメントが外れた。
こりゃいかんと思って組み直したら、どうも裏表か順番を間違えたようで、ちゃんとした画像が出なくなってしまった。

T-038Sの方も、よく見ると同じようにネジ止め構造のようだけど、こちらは接着剤でも入ってるのか、ちょっと手で回そうとした程度じゃ回らなかった。
多分こっちが本来の状態かな。


さておき、まだ壊していないDKM-180Sを、PENTAX Optio RS1000に取り付けて花見に出発。


28mmだと、かなり余裕がある。35mmだとギリギリくらいかな。
それと、周囲が黒くなるから、露出はちょっとアンダーに振るほうがいいかもしれない。
今時の評価測光なら、ある程度中心を重視して露出を図るはずだから、どオーバーになりまくるということもないと思うけれど。

AEモードに中央重点かスポット測光があれば、それを選んでおくとましかも。
Optio RS1000は評価測光だけで変更できないので、全体的にちょっとオーバーになった。


画角は嘘偽りなく180°ある。
立ち木の下から上を見上げて写しても、木は必ず全部収まる。

しかし、収まるからといってこれは別に面白い写真でもないか。
魚眼レンズなんて初めてだから、どう使えばいいのか……?


寄ってマクロにしてみる。うーん?


地平線を画面中央近くにすると、あまり曲がらない。
うまくすると一見魚眼っぽいくなく撮ることもできると聞いたことがあるけれど、そこまでカメラを下げると足が写ってしまいがち。なんせ180°の画角。


左手に太鼓橋が写っているけれど。


太鼓橋の上から撮ると、太鼓橋すら反ってしまう。あ、指写った。


ジャングルに足を踏み入れる(ように見える)。


森の中のカットを、対角魚眼風に切り出してみる。
普段は1400万画素なんて無駄にしか思えないけれど、対角切り出しをやるなら画素数の余裕は欲しいか。
28mm・1400万画素を4:3のアスペクト比で切り出すと、2000×1500くらいで取り出せた。約300万画素。


道や木立は魚眼に合うかも。
手すり付きの遊歩道はぴったり。
どうせならしゃがんで視点下げて撮ったりしてもよかったか。


ここで、180°円周魚眼のDKM-180Sから、130°くらいの画角という0.38倍ワイドコンバーター・T-038Sに切り替えてみる。


……これはワイコンというよりか、準魚眼、くらいに考えるべきか。

不良品かもしれないDKM-180Sより、ずっとシャープに写る。
また、130°の画角だと、やたらと自分を映し込んでしまうこともなく、かなり扱いやすい。
元レンズが28mmでもちょっとケラレてしまうが、最近たまにある24mmスタートのやつなら全部入るかも。
また、ちょっとズームしてケラレを画面外に追いやる手もあるか。
対角魚眼風に使うならそれでもいいと思う。後からトリミングするより画素は広く取れるだろう。


同じカットを4:3にトリミング。これならほとんどワイドレンズ。
実際はかなり歪曲収差があるし、周辺画質は相当きついのだけど、被写体次第で使えるか。


ちょっと意地悪。これだけ曲がるから、やっぱ魚眼は魚眼だ。


こっちはどちらかといえば、トリミングして超ワイドレンズ風にしたほうが使えるかも。


3:2に切ってみた。構図次第でこっちもありだな。


1:1となると、奥行きの強調を上手く活かせないと難しい。一番端の、大きく歪む部分を捨ててしまうことになっちゃう。


桜の木がフック状に。
慣れたらレンズの歪曲と現物の曲がりを上手くコントロールできるだろうか。


桜の花びらが水に溜まっている。
この翌日には暴風雨が来るから、桜の宮の桜も一気に終わりに向かう。


今日はここまで。
新鮮で面白い撮影ができた。

DKM-180Sの方は、あいにくエラー品っぽいせいもあってか、ちょっと画質は苦しい。
T-038Sは、端は仕方ないけど中央部に関してはちゃんとシャープに写る。DKM-180Sも本来はこれくらい写るものなのかも。
一眼レフに魚眼レンズを買うことを思えば、ぐっとリーズナブルに楽しめたから、画質は妥協の範囲内。(まあ、私は破格で買えてるのだけど)

やはり円周魚眼のほうが魚眼らしい絵にはなるけれど、なかなか私には使い方が難しい。使いこなせれば面白いんだろうけれど。
T-038の方で、超ワイド風に使うというなら、私にも扱いやすい。

T-038は130°の画角があるというので、それを3:2なり4:3なりにトリミングして対角130°の画像としたら、焦点距離はライカ判で10mm相当になる。(計算間違ってるかもだけど)
まあ、収差をちゃんと補正した10mmレンズとは、だいぶ写り方も遠近感も違うはずだけど。

最初から対角魚眼として使う場合、Optio RS1000の場合、ズーム比2倍(焦点距離27.5×2=45mm相当)のところでケラレがとれた。
RS1000は、ズーム位置を記憶するように設定もできる。ちょっと便利。


磁石で止まる程度の重量しかないから、別に持ち運びも苦にならない。
磁石のマウントも、取り付け・取り外しは簡単だし、振り回したりしなければ飛んでいくこともなく、なかなかいい。位置決めちょっと頼りないけど。
ちょっとしたお遊びアイテムとしては上々の品。

トダ精光マグネットマウントS 対応調査

先日購入してみたトダ精光コンパクトデジカメ用フロントコンバージョンレンズ
これはマグネットマウントと称して、レンズ前にリング状の磁石を貼り付け、コンバーターを磁力で取り付ける仕組みになっている。

よって、レンズによってはその磁石を貼り付けられず、使用不能なデジカメがある。
せっかく手元に古いデジカメが大量にあることだから、使えそうなものとダメそうなものをざっとリストアップしてみた。


マグネットマウントSは、内周17mm・外周14mmのマグネットリングを貼り付ける。
取り付けるレンズはもう少し大きい。

180度円周魚眼レンズDKM-180Sの場合、カメラのレンズが十分に広角でないとケラレ発生。
ライカ判換算38mmのレンズではケラレ。28mmのレンズでは全周がフレームイン。


使えたもの
  • PENTAX Optio RS1000 (28mm)
  • Konica KD-400Z (手動レンズバリア非干渉・38mm)

使えそうなもの
(手動レンズバリアがあるものは、取り外さないと電源オフ不可)
  • OLYMPUS μ-760
  • OLYMPUS X-2 (手動レンズバリア・隙間あり)
  • OLYMPUS X-1 (手動レンズバリア・隙間あり)
  • Fujifilm FinePix F610
  • Nikon COOLPIX 3700
  • Nikon COOLPIX 7900
  • SONY Cybershot P92
  • SONY Cybershot F55K (取り付け時レンズ収納不可)
  • KonicaMinolta DiMAGE G600 (手動レンズバリア・隙間あり)
  • KonicaMinolta DiMAGE G400 (手動レンズバリア・隙間あり)
  • PENTAX Optio 230
  • RICOH Caplio RZ1
  • RICOH Caplio RR10
  • EPSON L-410
  • Kodak DC80
  • Kodak DC25
  • TOSHIBA PDR-M4
  • Hitachi HDC-331
  • Exemode DC132

使えない可能性あり
  • OLYMPUS X-200 (手動レンズバリア・隙間未確認)
  • OLYMPUS μ-40 (自動レンズバリア干渉?)
  • Fujifilm FinePix F401 (自動レンズバリア干渉?)
  • Fujifilm FinePix A303 (自動レンズバリア干渉?)
  • Panasonic DMC-F7 (自動レンズバリア干渉?)
  • Nikon COOLPIX S8 (レンズふちに干渉?)

使用不可
(特に記載がなければレンズが大きすぎて不可)
  • Fujifilm FinePix 6800Z (自動レンズバリアに干渉)
  • Fujifilm FinePix 4700Z (自動レンズバリアに干渉)
  • Fujifilm FinePix 2600Z
  • Fujifilm FinePix A202 (レンズ周囲が貼れない形状)
  • Fujifilm FinePix 2300 (レンズ周囲が貼れない形状)
  • Fujifilm FinePix 1300 (レンズ周囲が貼れない形状)
  • Nikon COOLPIX P2
  • CANON PowerShot A10
  • OLYMPUS X-450
  • OLYMPUS C-3040Z
  • OLYMPUS C-2000Z
  • OLYMPUS C-40Z
  • OLYMPUS C-300Z (レンズ周囲干渉)
  • OLYMPUS C-2 (手動レンズバリアに干渉)
  • OLYMPUS C-410 (レンズ周囲干渉)
  • Panasonic LUMIX DMC-TZ1
  • SONY Cybershot DSC-S40 (レンズ周囲干渉)
  • SONY Cybershot DSC-L1 (レンズ周囲干渉)
  • SONY Cybershot F88 (レンズ周囲干渉)
  • Konica KD-200Z
  • CASIO QV-3000EX
  • RICOH DC-4u
  • RICOH RDC-5000
  • RICOH Caplio RX
  • KonikaMinolta DiMAGE Z3
  • SANYO Xacti DSC-J4 (手動レンズバリアに干渉)
  • SANYO Xacti DSC-J2 (レンズ周囲干渉)
  • SANYO DSC-MZ1
  • SANYO DSC-R1 (手動レンズバリアに干渉)
  • SANYO DSC-SX1Z
  • SANYO DSC-SX150 (手動レンズバリアに干渉)
  • Kyocera Finecam SL300R (レンズ周囲干渉)
  • Kodak Easyshare Mini (レンズが小さすぎ)
  • Kodak DC215
  • Kodak DC240
  • Kodak Easyshare CX7300 (レンズ周囲干渉)
  • TOSHIBA PDR-M60
  • TOSHIBA Sora PDR-T10 (はみ出る)

四條畷 (Cybershot DSC-F77)

ひょんなことから3連休ができたから、ゆっくり遊びに、一泊になってもいいつもりで出かけようか……と。
まだ行ったことがない街で、日帰りか一泊という距離にあるのは、さしあたり思いつくのは伊賀上野と敦賀。朝早くに出れば日帰りOKかな。
と思ったら、朝っぱらから淡路島で震度6弱の地震。

まあ被害なんかはなかったけれど、鉄道ダイヤがめちゃくちゃになった。
ところで今Google日本語入力が「めちゃくちゃに泣いてしまいたい」をサジェストしてきたのだけど、私が割と工藤静香好きなことまでGoogleは掴んでいるのか。でもあの曲そんな好きでないことまでは掴んでいないようだ。
で、早く行くも何も、大幅遅れから到達不能まである事態に。東海道本線が神戸から京都まで運行停止、ほかほぼ全線に遅延発生。

そういうわけで、急遽行き先を変えて、近くの四條畷に。

今日のカメラは、サイバーショットDSC-F77。初代サイバーショットF1以来、伝統のレンズが回るシリーズ。



片町線を使うのも久々。東西線・片町線は少しの遅れで運行中。

四条畷駅は、意外と四條畷市内にはなく、隣の大東市にある。
ほんのちょっと北に歩くと四條畷市入り。
四条畷駅の北隣の忍ヶ丘駅が四條畷市北寄りにあり、そのちょっと北にすぐ交野市との境界がある。四條畷市は南北には短い。
しかし東西には意外なほど広くて、東に見えている飯盛山を越えて、奈良県に思えるようなところまで四條畷市。

商店街を通って駅西側に。
昭和な雰囲気で、道も狭い窮屈な商店街だけれど、活気をなくしている感じではない。
駅前に四條畷学園小中高短大が並ぶ学生街でもあるせいか、イオンが作れるほど土地の余った田舎ではない程度に都市部に近いせいか。


突き当りまで行くと、小楠公こと楠木正行の墓所がある。
南北朝時代の四条畷の戦いといえば、北朝・高師直の6万の大群に、わずか3000の楠木正行が果敢にも戦って負ける。
そしてここに、自害した正行を祀る小さな石碑が立っていた。そして没後100年ほどして、誰かが楠を2本植樹したが、それが550年を過ぎて、2本が融合しながら大木に育って今に至る。


さっぱりカメラに収まらない、かなりの巨木。

商店街は楠公通り商店街だし、近くの地名も楠公となっている。
商店街の商品にも楠公にちなんだネーミングのものがあったりして、楠公とともにある街という感じ。


商店街を戻り、駅を過ぎてさらにどんどん東へ。
この交差点が国道170号線旧道との交点。このあたりでは、旧170号=東高野街道でもあり、そこに四條畷神社の大鳥居がある。


どんどん東へ行くと、飯盛山の裾にさしかかって登り坂になっていく。
途中で、なんというかものすごいセンスの豪邸を見かけたりしつつ、坂をどんどん上がる。


そして突き当りが四條畷神社。
土地の名前がついた神社というと、その土地の産土神を祭ってるようなイメージがあるけれど、ここは四條畷の戦いで亡くなった小楠公ほか一族24名を祀っている。
隣に住吉平田神社というところがあるが、そこの神主さんが明治11年(1878年)に、小楠公を祀る神社を建立したのが始まり。


境内の雰囲気なんかも新しい感じ。
各県にある護国神社は、できた経緯とかその後の扱いなんかで、古い神社とはかなり違う雰囲気を持ってるものだけど、四條畷神社もわりとそんな雰囲気がある。


拝殿が横並びに繋がって、御妣神社には正行公の母が祀られている。


この神明鳥居は、伊勢神宮から贈られたものであるそう。


楠公慰霊塔。
豊中市の杉野製作所という会社が山林を買収したら、その山中に人知れずあったものだそう。
楠公(ここは大楠公・正成公のほう)が桜井の別れのあと、うちの寺に泊まって、それから兵庫湊川で自害なさった、という記載があるそう。
うちの寺、というのは、「大内河内守義弘 安楽寺」とある。大内義弘……という人をぐぐっても、時代も場所も官職も違う周防大内氏の義弘しか出てこない。
豊中に今でも安楽寺というお寺はあるようだけど、同じところだろうか。

ほかに、桜井の別れを表した彫像があったり、菅公を祀る楠天神社、飯盛山の東にある有源山にあった成人教学研究所にちなんだ有源招魂社というのがある。




北隣に、住吉平田神社。
由緒を書いた看板があるのだが、かなりかすれて読みづらい。
神社由緒記には、寛平年間(889~901年)に鎮座した、と書いてるけどよくわからないらしく、まあ700~1000年くらい前だろうとのこと。

住吉・平田と並んでいるのはどっちも地名じゃなく祭神で、住吉大神と平田大神を祀る。
平田大神ってどういう神様だろう?

今回は行っていないが、北に御机神社という式内社もあって、飯盛山はなかなか霊山ぶりを見せる。



階段がながい。
四條畷神社もかなり階段をのぼるのだが、その高いところから北に伸びる山道があった。もしかしたら一旦下りて登り直さなくても直接住吉平田神社に来れたのかもしれない。


社殿も新しい。最近になって立て直したようで、寄進者の名前を掲示していたりもした。


観光マップに従って、ちょっと北の川沿いにある弥勒寺というところに向かう。


が、別に大伽藍を誇るような寺ではなく、こぢんまりしたもの。


弥勒寺十三仏という、見るからに歴史ある石仏があった。
もうちょっと説明とかあるといいのだけど……


川沿いに下りていって、東高野街道に出てもうすこし北上。


和田賢秀(にぎたけんしゅう)の墓所。小楠公とともに四條畷の戦いで散った武将で、四條畷神社の祭神にも加えられている。
なんでも討ち取られる間際には敵将の首に噛み付いて離さず、その敵は噛み傷がもとで死んだという伝説があって、歯噛(神)様と地元ではいわれているそう。


その向かいのセブンイレブンのところから、東高野街道が真北に、国道170号旧道が北東にと分岐する。


東高野街道の方を北上していくと、四條畷市立歴史民俗資料館がある。

四條畷というのは、朝鮮半島から牧畜が伝わってきた時、それに適した土地だからと日本初の牧畜をやっていた土地だそう。

また、珍しいものとして、日本で最も古いキリシタン墓碑が四條畷で見つかっている。
飯盛山城に三好長慶がいたころ、キリスト教の受け入れが行われた。その家臣団のなかで、四條畷市の山の東側、田原地域を治める田原氏がキリシタンになって、レイマンという洗礼名を得た。
その田原レイマンの墓標と思われるもの。1581年没だそう。
日本人の墓石は立てるけれど、キリシタン墓碑は寝かせるから違いが歴然で、禁教になってからはかなりキリシタン墓碑は破壊されていっちゃったのだけど、この田原レイマンのものは、田原氏の菩提寺である千光寺の敷地に隠すように埋めてあったそう。


ここから東高野街道を通って駅に戻って帰宅するんだけど、途中の電器屋にやたらレトロな電卓やらが。


左はたしか東芝のロゴがあったっけ。右はカシオのFR-2650A。


ニッポ電機の小切手印字機。


コクヨKC-80A。シャープのOEMだそう。

レトロ電卓について検索してみると、電卓博物館という面白そうなサイトを見つけたので、あとで読んでみよう。



今日のサイバーショットDSC-F77。
まあこのシリーズは、前にF55F88を使ってみたりもしているので、お馴染み。
F55が1999年、F77が2002年、F88が2004年。
同時にFX77という、Bluetooth搭載モデルなんてのもあった。

F88は1/2.4型500万画素CCDで3倍ズームレンズだったが、F77は1/1.8型400万画素CCD。そして換算37mmF2.8の単焦点レンズ。
ヘンな格好しているわりには、かなり画質もよさそうなスペックを持つ。
2002年頃の、ソニー製1/1.8型300~500万画素CCDは画質良かったもんで、私はこの世代のカメラに好きなものが多い。

F77はといえば、期待されるレベルの画質は出てるな、というところ。
同じであろうセンサーのコニカKD-400Zほどカリカリにシャープではないけれど、あれはあれがシャープ過ぎるだけなので。
ただ、ちょっとコントラストが高すぎて、白飛び黒つぶれが出来てしまいやすい感じがある。

レンズはまずまず、ちょっと四隅に周辺光量落ちあるくらいか。F5.6ぐらいでも、四隅に空があると視認できる。まあ実用上の問題はないか。
ただ、逆光だとやっぱりある程度ゴーストとか出るみたい。(四條畷市立歴史民俗資料館の写真にちょっと出てる)
まあ、サイバーショットは時々びっくりするくらい逆光弱いモデルが出るので、その中では良い方。

プログラムラインは、あまり開放端を使おうとはせず、F4まではすぐに絞り込む。
F4のまま1/500秒までシャッタースピードを早めて、今度は1/500秒を堅持したまま絞り込んでいく。F8まで来たらまたシャッタースピードが早まるよう。
開放F2.8じゃ少し画質が落ちるとか、F4での画質に自信があるとか、そういうのがあるのかも。

起動は実に早くて、レンズを回すともう撮影可能な状態。
レンズを回す操作に慣れがいるものの、さっと出してさっと撮れるカメラではある。
なんとか胸ポケットに入るサイズでもあり、携帯性もまあまあ。閉じてしまえば突起部がほとんどない平板な形状なのもよい。
まあ翌年にはスイバル最薄モデルの京セラSL300Rが出るし、3倍ズームで抜群に小さかったカシオExilim ZOOMとペンタックスOptio Sが出てくるから、ここらとは比べるべくもないんだけど。

伊賀上野 (K-01 / DA21mmF3.2Ltd.)

この週末は月曜まで休みとなったので、たまにはちょっと遠くまで行こうかと思ったら土曜日早々に地震。
で、土曜から日曜に予定をずらして、伊賀上野に出かけることにした。

カメラはちゃんとK-01を持って。

関西本線をずっと快速で、辿りつけたのは加茂まで。
ここから亀山方面に乗り換えねばならんのだが……ここで50分待ちと足止めを食らった。

一旦途中下車して近くを一周りしてみようと思ったが、しかしあまり駅近くで見るところがある街では無さそうだった。
一日加茂で過ごすつもりなら、歩きまわるところはどこなりありそうなんだけど……


結局50分だらっと待って、やってきた各駅停車に乗り込む。
キハ120という型だそう。乗ったことなくはないはずだけど、そうしょっちゅうは乗らないな。
関西本線のこの区間と、越美北線で乗ったことあるはず。

とことこ揺られて、伊賀上野駅へ。
ここから、伊賀鉄道に乗り換え。

全長16.6kmとそう長くもないのだが、伊賀上野駅⇔上野市駅間と、上野市駅⇔伊賀神戸駅間で分かれて運行しているようで、直通しない。
今回はもちろん上野市駅が目的地なので、何ら不都合なし。


(柱に惑わされて水平外しまくり)
上は松本零士デザインのニンジャ列車。

かつて東急で走っていたのを譲り受けてここに来た車両だそうだけど、車幅がちょっと広いから、駅のホームを削って合わせたとか。
最近全部これに入れ替わったばかりらしく、中は結構きれい。クロスシートがあるくらい。


下りて観光マップを貰ってみれば、あれこれ見るところがある。


とりあえず駅に近い、だんじり会館というところに。


忍んでないなこいつ。

中はもちろんだんじりの展示。
けんか祭りするようなところではないので、わりと繊細な装飾がされてある感じだった。
それから300インチの大型スクリーンが自慢で、そこで上野の祭りの紹介映像が流れる。
(しかし大型というても遠いから、すごい迫力というようなもんではなかったような……)

街にやたらとニンジャ装束の子供(たまに子供でない人も)がいると思ったら、街をあげてそういうイベントを開催中だった。
その衣装を借りだして着替えていく拠点にもなっていたよう。

土産物屋が併設されていたので、伊賀名物の堅焼を購入してみた。
元はといえばニンジャの携行食だったそうで、叩き割って細かくし、口に含んで唾液でふやかして食べるようなシロモノだったとか。
もっとも、今は土産物化して、そこまでガチガチに固くはしないよう。


それから、ダジャレ一本。
生姜味はほどほど。



だんじり会館の斜向かい、上野歴史民俗資料館へ。
1階に昭和30年台の民家を再現したエリア。
2階では古民具と、近隣の遺跡から発掘されたものの展示。

しかしまあその、なんだ、昭和の暮らしの再現とか古民具の展示というのは、特にネタのない民俗博物館でよくやる手で、特にここで見なければというものかというと難しい感。
上野市自体にこれといったものがないというより、これといったものは他の数々の展示施設にみんな持っていかれてる感じかな。


私にとってはお楽しみ、伊賀信楽古陶館。



1階は今作られている窯元の作品が展示販売されている。
やっぱり伊賀焼というとこのビードロ釉かな、と思って、小皿一枚とスプーンを買ってみた。
ヒビ、気泡、光沢、色の濃淡、面白い。

信楽焼と伊賀焼は、場所が近くて土質も似ているということで、かつてはよく似た作風だったそう。
しかし桃山時代から茶の湯ブームにあやかって、筒井順慶の養子・定次時代から茶器を始めた。
この頃は、ビードロ釉をかけるんじゃなくて、自然に灰や煙からガラス質が流れて色みを生んでいたそう。
川端康成がいうには、この頃の古伊賀が日本一位が高い花生けだ、との話。水に濡らすとなお艶っぽいと。

2階には古伊賀の展示。
壺とか花入れとかの大物が多い。


次は城の方へ。
途中で古道具や陶器の市が開かれていた。
蚤の市みたいな露店もあれば、なんか値打ちありげな古陶器を並べる露店もあり、なんだか不思議な雰囲気。


おくのほそ道の特別展で、数々の古い絵図や本が展示されてあった。
あいにく俳句はほとんど知識がないから気の利いた見方はできないが、黙読してみれば面白いような気はする。でも味がわかるようになるまでは、たくさん触れてみないとどうにもならんか。
建物自体も、そろそろ風情が出始めの古さ。築50年ちょっと。趣味がいいんだろう。



そろそろ腹も減ったので、蕎麦屋があったので入ってざるそば大盛り。
別にそばが伊賀名物ってわけでもなく、別に良いそばって感じでもなく、しかしニンジャや芭蕉を見ながらハンバーガーやパスタ食うってもんでもなし、こういうのでいいのだ。


古民家を改造して、ニンジャ屋敷によくある仕掛けを作ってある。壁が回る隠し扉とか、床跳ねあげて隠してる武器を出してくるやつとか。
子供向けのもんかなー、と思いきや、再現した仕掛けを実際に使ってみせるコンパニオンのお姉さん、えらく鋭い身のこなしでやるもんで、回転扉を使えば文字通り一瞬にして姿を消す。ちょっと驚くレベル。

そのまま地下に下りると、ニンジャ道具の展示施設になっている。
入って最初の展示道具が五寸釘。石垣登ったりするときに使ったりとか便利なもんだそうだけど、手裏剣でもまきびしでも苦無でもなく五寸釘から入るのが渋いね。
子供の頃、「刃の数が多い八方手裏剣はどこでも刺さるから使いやすいが、浅くしか入らず威力がない。棒手裏剣は投げるのが難しいが、深々と突き刺さって強力」とか聞いたことがあり、そりゃそうだろうからずっと疑ってなかったが、ここでは「普通毒を塗って使う」という身も蓋もない説明が。
まあ別に威力云々の話も間違いではないみたいで、八方手裏剣なんか服の上からは刃が通りにくい気もする。
あと水蜘蛛は水上じゃなくて湿地の上を歩くためのものだそう。水の上は絶対無理だと思ってたから、あの道具自体がフィクションだと思ってたら、そうではなかった。

さらに裏手に、蔵を改造したような建物に、ニンジャの生活や歴史を解説する施設。




俳聖殿。
なんともすごい形だが、芭蕉生誕200年記念に、1942年に建てられたもの。
上層の丸く波打った屋根が笠、その下が顔、下層の屋根が蓑と服、堂が足、回廊の柱は杖を表しているそう。
こんな特異な日本建築はなかなかないせいか、そう古くもないけど国指定重要文化財になっている。




そしてようやく上野城の天守。

現存天守ではない。
1608年にやってきた藤堂高虎が、元々筒井氏の城としてあった上野城を拡張したのが1611年。
ところが1612年に台風がきて五層の天守閣が倒壊。
すぐ大阪の陣があって徳川の治世が始まると、再建されずにそのまま。

今の天守は、地元の名士・川崎克氏が1935年に建てたもの。
当初は「伊賀文化産業城」と称して、地元の産業製品を展示する施設だったそう。
今は、甲冑・武具の類や伊賀焼の作品、藤堂家の調度品などが並ぶ。



小堀遠州の遠州七窯に列せられていた頃の品。
彼の趣味だけあって端整。


藤堂高虎が秀吉にもらった唐冠形兜。すんげえ広さ。


現存する最も高い、30メートルもある高石垣が本丸を囲む。確かにちょっと見たことがない高さ。
藤堂高虎が来た時に作ったもの。


城から下りて、国道25号に。
ここから西へ歩いて行く。


程なく、旧崇廣堂。津藩の藩校で、1821年に藩主・藤堂高兌が開いた。
藤堂高兌はまれに見る名君だったそうで、藩政改革・財政再建・綱紀粛正・産業育成・領民保護・教育の実施と様々な政策を成功させて、領民からもたいそう愛されていたそう。


庭が絵になるなあ。

もともとは今の2倍ほどの規模だったらしいが、地震でつぶれたりとかもあって、現在は半分ほど残っているだけ。西側、今中学校の敷地のあたりまであったようだ。
今の建物は、あらかた創建当時のもの。台所が復元、あとは寮になっていた離れが明治時代の新築。

明治から昭和58年までは図書館にしていたそう。
1983年だったらほんの30年足らず前でしかないけど、こんな和風の建物が図書館になってたってのはどういうもんだったんだろう。


さらに西に歩いて行くと、大和街道の鍵屋の辻にくる。


そこには伊賀越資料館というのがある。
鍵屋辻の決闘資料館という調子の施設。

備前岡山藩士河合又五郎が、(衆道の揉め事で)同僚の渡辺源太夫をSATSUGAIした。
源太夫の兄・数馬は、姉婿の荒木又右衛門に助太刀を頼んで、4年後に仇の河合又五郎を発見、ここ鍵屋の辻の茶屋で待ちぶせて敵討ちを成し遂げた。
江戸時代の初期だから400年近くも前のことなのに、荒木又右衛門の自筆の起請文やら、使っていた武具やら、随分色々出てくる。

そういえば、ちょっと前に荒山徹というすごい作家の噂を聞いて、「竹島御免状」という作品を読んでみたら、荒木又右衛門が思いもよらぬ形で登場していた。すごい作品だったな……


大和街道に沿って東に戻る。
そのまま行けば、伊賀上野駅南側の市街地に出る。


うっ……なんだこれ……
中を覗くと、なんか昭和レトロを売りにした店をやっているよう。
停まっているのは、ちょっと角度的にわかりにくいが、「中二病でも恋がしたい!」の痛車。

今ネットで調べたら、どうやら昭和ハウスという昭和ショップのよう。
こういうのもあるのかー。


大和街道沿いに街を行くと、なかなか趣ある町並み。


よもぎ餅と伊賀牛串焼きを売る屋台を地元のお父さん方が開いていた。
こんな美味いもんは他所には絶対ない、とまで威勢よく売り込む声にキャッチされて、つい購入。
どちらもやわらかくて美味し。

途中の商店街で、古いカメラを多数展示している店があったんだけど、あいにくショーウィンドウが半分見えるくらいにだけしかシャッター開けておらず、「店は休みだけどカメラは見せてる」って感じだった。


大和街道は、途中で菅原神社にぶつかる。
上野天神宮ともいわれ、この地の鎮守であり、また松尾芭蕉が俳人として立身すると決意して、処女作「貝おほい」を奉納した神社でもある。



菅原神社のちょい東で、大和街道は北に向きを変える。
そのまま東に行くのは、ここが起点の伊賀街道。


途中で酒屋を見つけ、地元の酒蔵・森喜酒造場の「忍の里の隠し酒 伊賀 五右衛門」を一本。
石川五右衛門は、百地三太夫について伊賀流忍術を身につけたというような伝説もある。

しかし伊賀街道からはすぐ外れ、農人町というあたりで北へ折れる。
するとそこには、愛染院というお寺がある。
松尾芭蕉の生家・松尾氏の菩提寺とのこと。


中には、芭蕉翁故郷塚というのがある。
芭蕉は大坂で亡くなって、遺言によって琵琶湖沿いの膳所というところにある義仲寺に葬られているのだが、伊賀の門人が遺髪を持ち帰って祀ったのがこれ。



国道25号まで北上し、西に戻って大和街道が交差するところに、芭蕉の生家がある。

入ってみると結構こぢんまりしたもので、まあそりゃ町家なんだから仕方ないが、芭蕉ファンなら「ここが芭蕉翁の生まれたところかー」という感動はあるのだろうけれど。


細長い作りの通り土間を裏まで抜けると、裏庭に釣月軒という草庵がある。
芭蕉はここで「貝おほい」を執筆したそう。
しかしちょっときれいすぎる気がせんでもないが、再建なんだろうか?


これで上野市駅に戻れば、一回り。
伊賀上野の町は、駅の近くに見どころがいっぱいあるので観光しやすい。
歴史や文化財もいろいろあるし、焼き物もありニンジャもあり芭蕉もあり、街道沿いの町並みもあり、それでいて時間は一日でまあ足りる。

帰りは伊賀神戸方面に乗って、そのまま近鉄で帰阪。
基本的には近鉄で来る方が便利そう。JR関西本線の本数の少なさが辛い。

カメラ好きなので「フォトカノKiss」を買ってみました


買いました。
PSPの前作の時から気になっているタイトルではあったんだけど、ちょっと携帯ゲーム機が苦手なのでPSP自体に手が出ず、結局プレイできずじまい。
私は外出中の空き時間には本を読んでしまうから、持っていてもゲーム機に手が伸びない。おかげで、Nintendo DSもあまり使わず死蔵してしまった実績があって。
さらに、中学の時にセガサターンを選んで以来、現在もXbox360で洋ゲーばかりなので、プレイステーション系のゲーム機を買ったことがない。文化的に馴染みがないし、プレステの有名作もほとんどやったことがない。

しかしまあ、Vitaであれば、GoogleマップとReaderアプリが使えるので、最悪ゲームやらなくても使い道がある。
値下げも決め手に。




3G版PlayStation Vitaと、8GBメモリーとポーチとかストラップがついてるアクセサリーキット、それに「フォトカノKiss」を合わせて、イニシャルコストがちょうど3万円。
Googleマップを使いたいから同じ値段なら3G版がいいけど、ボディカラーはクリスタルブラックだけ。色は赤がよかったんだけど、3G版はもう赤は作ってないとかで。

フォトカノはゲームとしては、トゥルーラブストーリー系列というやつだそう。
評価が高いのは知っているけれど、なにせプレステ持たないので円がなかった。一応、PS2を借りてアマガミをちょっとだけ。なんか難しくてすぐ投げちゃったけれど。
それ以外の恋愛ゲームも、サターンの頃の初代ときメモとか、ToHeartからこみっくパーティーくらいの時代から、ずっとブランク。
まあXbox360でドリームクラブを結構やってはいるけれど、あれはあんなバカなことをやる心意気を買ったようなところがある。
今回も、ほとんどカメラ撮影パートに興味があってのことで、恋愛ゲームとしての期待とかは正直、あんまりない。
なので、恋愛ゲームとしての良し悪しは、あんまりわかる自信がない。


ともかく、SIMカード抜いたりWiFiやら設定したり、ひと通り済ませてゲーム起動。

最初のうちはゲーム内容の説明という調子。
カメラ撮影パートには種類があるようで、ほとんど操作できずにすぐシャッターを切らなきゃならないシーンや、ある程度操作できるけど数十秒くらいの間に1枚決めるだけのシーンなどあるよう。
何やらリズムゲーム調にタイミングよくシャッターを切れ、なんてものもあった。これ結構難しい。
チュートリアルが簡単に済んだら、「あとは電子マニュアル内蔵だからそれ読め」と見事に割り切りが。

ゲームに入ると、一日4回の場所選択で会える人を探す。
こういうのは昔ながらのシステムだけど、変わらないもんだなあ。
まあ昔のは、どこに誰がいるかの情報開示ゼロだったり、ランダム性がいやに高くてさっぱり進めなかったりしたものだけど。ホワイトアルバムなんかきついというか理不尽だった……
フォトカノKissにおいては、まあ場所と居そうな人物が結びつきやすいし、不条理な感じはない。特に見なくちゃいけないイベントの時は、事前に表示される。

会えたら、マッチング会話というのをやる。
アマガミやってみたときのマッチング会話は、どうも要領がわからなかったんだけれど、今度のはひと目でルールがわかるのでやりやすい。
マッチング会話をつつがなくこなして、そのまま頼み込めば、フォトセッション、つまりポートレート撮影モードに入る。

で、フォトセッションをカメラ好き目線であれこれつっつく。


Vita版で新たに追加された「ジャイロモード」というのを使うと、Vitaに内蔵されている傾きセンサーでもって、あたかもカメラを持っているかのように向き・アングル・縦横を操作できる。
他にスティックや画面タッチでカメラを操作するモードもあって、それは任意に選択できるのだけど、まあ、少なくともカメラ好きがやって面白く、かつ操作がしっくりくるのはジャイロモードかなあ。
ジャイロモードのほうが、アングルの自由度も高いらしい。

角度はジャイロセンサーで、カメラマンの立ち位置・高さをアナログスティックで操作できる。
立ち位置は、ちゃんと机にひっかかったり、下がりすぎると壁に当たったりも。他にも制限はあるみたいだけれど、場面によっては後ろに回り込むことができたりもした。
高さも結構大きく変えられるので、なんか机より低い位置まで下がったりするので、中が見えてるローアングル撮影なんかもできちゃう。

ただ、カメラ側の操作は、リアルなカメラとはやや違う。
ズームは3倍くらいはあるかな。
カメラに慣れていると、パースコントロールはズーミングで行うもんだと思うけれど、フォトカノKissでは別途、パース変更ボタンがある。
このへんはどういう理屈になってんのかなあ。
多分、ちゃんとズーミングで圧縮効果は出てると思う。広角で寄るのと望遠で離れるのとでは違うパースになってる。と思う。

細かい話だけど、ズーミングするとモーター音がする。つまりはパワーズーム。
デジタル一眼レフでパワーズームといったら、PENTAXの上位モデル、K-10D・K-7・K-5あたりが対応している。
つまりこの主人公はペンタックスユーザーなのだろう。
(ソニーαにもあるかもしれんけどユーザーじゃないのでわからない)
あ、レンズ交換式デジタル一眼レフだ、とは一言も言ってないから、オリンパスE-20とかソニーDSC-R1だとか、そのへんの線もあるか。(あれ、E-20とかR1は手動ズームかもしれない。C-1400XLとかいっておくべきだったか)

ゲームが進むとカメラの機能拡張もあるようなので、「現時点では」と注釈がつくけれど、露出絡みは完全に適正露出固定。
ポートレートだったら、わざと露出オーバーで白飛ばしに撮るなんてよくある話だけど、今のところそれはできなかった。
まあ、毛穴やらを消し飛ばすための手口だと思えば、ポリゴンキャラにはそういう必要はないんだけども。
絵作り的な意味では、明るさくらい変えれると嬉しい。

またダイナミックレンジも気にしなくてよさそうで、夕方の窓際に立ってもらっても、顔が暗くなったりすることもないみたい。
つまり、ストロボの強制発光だとか、スポット測光で顔の露出を拾うとか、+1.5段くらい露出補正とか、そういうことはしなくていいしできない。
それでいて、ライトを追加して顔に光をあてるコマンドがある。これは用途が違うっぽい。
今のところ暗いシーンでの撮影はないけれど、多分この感じだったら手ブレを気にする必要もないのかな。ジャイロモードだと結構ファインダー揺れるんだけども。

他に、被写界深度有効の設定項目がある。
これをやると、被写体のキャラ以外の背景がボケる。
つまり、自分で絞りを開いたり、望遠で寄ったりしてボケをコントロールすることはできない。被写界深度有効を使わないと、望遠端でもなんでもパンフォーカス。
よって、ピントを外すこともまたない。

あとは、モノクロモードが使える。見た感じ、他のカラーモードもゲームを進めれば追加されそう。


撮影時に、あんまりローアングルでぐずぐずしていると怒られる。寄りすぎても嫌がられて、あまり度が過ぎると撮影を打ち切られてしまう。
撮影時のポーズも指示できるが、これは序盤はほぼ棒立ちだけ。ゲームが進むと増えていくようだけど、今のところ座ったり横になったりが出ている。
好感度はもちろんとして、周りに人がいるかいないかとか、おそらくポーズや服装によって、嫌がられて打ち切られるしきい値が変わる。状況によってはポーズを拒否されたりもする。

また、視線をよこせとか外せとか、表情を指示したりもできる。
表情については、ローアングル狙ってると怒り顔になったり照れ顔になったり、アクティブに変化したりも。

撮影時の服装に関しては、たいていは制服だけれど、場所や状況によってはスクール水着や体操服だったりする。ゲームが進めばあれ着ろこれ着ろと指示もできるだろうか。
トゥルーラブストーリーの系列のゲームは、なんというか悪ノリするイメージがあるから、多分とんでもないポーズやらひどい衣装やらが追加されるんだろう。

やれることも多いし、被写体側にある程度動きがあるからタイミング待ちになったりもして、なかなかそれっぽく撮影できる。
絞りや露出など省略されていることもあるけれど、カメラシミュレーターだと言ってるわけでもないから、これくらいのほうが楽しめる門戸は広いだろう。
まあ針式露出計がついてるだけのフルマニュアル銀塩一眼レフを使わされるマニアモードがあったりしても、それはそれで喜ぶ人は喜びそうだけれど。


そうして撮影が終わると、写真に評価点がつけられる。多分1000点満点か。
しかし採点基準はいまひとつ掴めない。
大きく引いて部屋全体を広角で収めて、ヒロインを小さく情景らしく撮ってみたら、思いっきりBAD評価の200点とされてしまった。

無難に顔アップ・バストアップを撮っていれば、まあ700点以上くらいは出る。高いと870点くらいまでは出たけれど、900点台は今のところ見たことない。
表情の点数も結構あるみたいで、むっつりしてるより笑顔作ってもらうほうが点は高い。

で、BeautifulかEroticか、という区分でも判定もされる。
まあ、普通に狙えばBeautifulが出るし、ローアングルとか変なことやってるとEroticになる……のだけど、時々謎の判定もある。
上に貼りつけたカットは、これでErotic判定860点。何がどうEroticかさっぱりわからない。
逆に下着が写っていてもBeautiful判定が出たりもするとか。

撮った写真を見せることもできて、好感度に影響するんだけど、うん、コレがエロ写真扱いされたのを忘れていて見せちゃって怒られた。

さっきから貼り付けていることからわかるとおりで、ゲーム中に撮影した写真はスクリーンショットとして保存でき、PCに転送もできる。


シナリオについては、序盤にろくでなし写真部と、生徒会長肝煎りで真面目な写真を撮るフォト部のどちらに属するかの選択を求められる。この選択によってストーリーが変わるそう。
この部活対立の構図は、やはり春風高校光画部と、生徒会肝煎りの写真部との対立をオマージュしているんだろう、と勝手に決める。
ということで、生徒会長(上の写真のキャラ)はつまりポジション的に西園寺まりぃ。

まだゲーム中時間で10日ちょっと。
約2ヶ月の期間があるらしいので、まだまだ序盤か。
この先の進捗次第で次の記事に。

(大訂正あり) 「フォトカノKiss」のズームとパース

ズームレンズというのは、より広い範囲を写すか、より遠くのものを引き寄せて写すか、という操作ができる。というのは当たり前。
しかしちょっとカメラが好きな人は、ズームは単に遠い近いを変えるのではなくて、パース、つまり遠近感をコントロールするために使う。

ズームを引いて広角側、より広い範囲が写る状態にすれば、近くの物はより大きく、遠くの物はより小さく写り、遠近感が強調される。
ズームを伸ばして望遠側、狭い範囲が写る状態にすれば、遠近の物の大きさの違いが少なく写るので、遠近感が弱くなる。

まあそんなことはカメラの基本であるからして、もっとちゃんとした説明がネットなり書籍なりにいくらでもある。

しかしフォトカノKissのフォトセッションモードには、画面写真を観てもわかるとおりで、画面左にズームのインジケーター、画面右にパースのインジケーターがある。
パースだったらズームを操作したら変わるはずなのだが、なぜか別物としてズームとパースをそれぞれ操作できてしまう。
ズームはある程度の範囲(3倍くらい)でなめらかに動くが、パースの方は、ボタンを押すたびに35・50・200と変わる。

はて、この「パース」という操作機能は一体なんなのか。
35mmとか200mmとかそんな表示があるから、レンズの焦点距離のことのように見えなくもない。
けれど、35mmと200mmなんて6倍近く画角が変わるはずだけど、変えてみたところでちょろっと変化する程度。
しかも35mmにしたほうが、やや望遠あるいは被写体に寄ったような状態になる。
(ただ、フリーフォトセッションでは微々たる変化しかないが、イベントのシャッターチャンスではもっと大きく変わることもあった。そっちでは逆に、ズームの操作レンジが著しく狭く制限されたりもする)

何がなんだかわからないが、とにかく、「パース」という別の設定項目があるからには、「ズーム」というのが、実際のカメラのズームと違って遠近感が変化しないようなズームなのだろうか?
コンピューターの3D処理というのも、最終的に2Dの画面に投影せねばならないから、パースに相当する演算をして結果を出すだろう。そのへんの兼ね合いで、「ズーム」と「パース」が別個になってしまうのかもしれない。

というわけで検証。
新見さんのバストアップをズームの焦点距離を変えて撮り、背景の噴水とのパースのつきかたを比べてみた。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ズーム望遠端・パース35mm / Beautiful 782 pts.

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ズーム広角端・パース35mm / Erotic 793 pts.
半目はわざとではないのだが、まあどう見ても明らかにパースのつきかたが違う。
見ての通り、望遠端では噴水が大きく近く写っていて、噴水-新見さん間の距離も詰まって見える。こういうのは「圧縮効果」という。
広角端では、はっきり噴水が遠い。

つまり、ズームだけでちゃんとパースは操作できている。

じゃあ、ゲーム内での「パース」とはなんだろう。
もうひとつ比較してみる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ズーム広角端・パース35mm / Erotic 793 pts.

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ズーム広角端・パース200mm / Erotic 906 pts.
大きな差ではないけれど、少し差がある。
「パース」200mmのカットのほうが新見さんがやや小さいが、しかし校舎はむしろやや大きく写っている。
まあ、本当に焦点距離200mm相当と35mm相当のパースを比べたら、こんな微々たる差であるはずはないのだけど、とにかく差はある。
程度は小さいが、35mmのほうが遠近感が強く、200mmのほうが弱い、という順逆は正しい。

なんでこうなるのか、という原理はさっぱりわからないんだけど……
起きていることから見ると、35mmに設定すると、レンズが広角になって撮影位置が前に出る。200mmに設定すると、レンズが望遠になって撮影位置が後ろに下がる、という動作になっていると思われる。(5/3追記)

そういうわけなので、遠近感を出したいカットの時は、ズームを引いて「パース」も35mmにする。
圧縮効果を出したいカットの時は、ズームを伸ばして「パース」は200mmにするのがよい。

(5/7訂正)
記事を書いた後、さらに撮影中にパース変更ボタンを押していて、何かおかしいような気がしたので再確認。
すると、前の検証はパースの設定値を勘違いしていたことが発覚。

正しくは、35mmに設定したほうが望遠レンズになり、200mmに設定したほうが広角レンズになる、というあべこべな動作をしていたよう。
まさかまるっきり逆だなんてことないだろ、と先入観あったのかな……。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ハイパーズーム広角端・パース35mm

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ハイパーズーム広角端・パース200mm
ちょっとカメラの視点高さがズレちゃってるけど、右の土手の奥行き感とか、パラソルの距離感とかを見ると、「パース」35mmのほうが圧縮効果が出ている。
つまり、「パース」35mmは望遠レンズになり、200mmは広角レンズになる。

ズーム広角端だとこの程度の差しかつかないのだけど、ズーム望遠端では「パース」の影響がもっと大きく出る。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ハイパーズーム望遠端・パース200mm
Image may be NSFW.
Clik here to view.
ハイパーズーム望遠端・パース35mm 

これだけ違えば、操作してる間に気付けちゃうなあ。

そういうわけで、圧縮効果を使いたいなら、ズームを望遠側にして「パース」は35mmに。
遠近感を強調したいなら、ズームを広角側にして「パース」は200mmにする。
「パース」が謎のパラメーターだということがわかってしまった。

(ここまで5/7訂正)



まあ、このゲームの場合、パースや圧縮効果を意識して撮影したって、写真のスコアにつながる感じがしない。
しかし、アルバムモードの見栄えというものがあるから、自己満足であれ格好のいい写真を撮っておきたい。

写真の一般論として、背の高い男性が目の高さにカメラを構えて、広角端のまま女性に近づいて撮影する、というのは、あまり好ましくない。
広角端で遠近感が強調され、顔が大きく胴長短足に写ってしまう。
なので、ズームがあるなら望遠にして(12倍ズームとかなら中程でいいけど)、ちょっと距離を撮り、そして膝立ちくらいになってカメラの位置を下げる。
そうすれば、不必要に巨顔に写ることがない。

これはフォトカノKissにおいてもその通りになる。
序盤の親愛度が低い、近づきすぎると表情が硬くなる間などは、そんなベターな撮り方しておくのがスコア的にもいいようだ。

「フォトカノKiss」もろもろ

今のところフォトカノをやるためだけに存在するVitaには3万円の費用を突っ込んでいる。
おかげでこのGWは、旅行もせずにひたすらフォトカノ。
すっかりダメな人といえよう。

黒バックで撮影


屋上夕方、ポーズ「壁にもたれて・入口付近」だと、出入り口の日陰側に立ってくれるので、バックを真っ黒にして撮影できた。切り取って画像素材にするのに便利かも。
欠点は、髪の黒いキャラでは背景と髪が区別されにくいであろうことと、キャラの左側はほとんど余裕がないこと。

髪と壁の色の差については、「ライティング」を有効にしてやるといいかな。


フリーフォトセッションなら、撮影場所に「非常階段」があって、ここは昼を選ぶと見事に青い空がバックになる。
こっちはこっちで手すりが邪魔になるけれど、上半身なら加工用ブルーバック写真に使えるかも。

「ハイパーズーム」の望遠端

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Beautiful 543pts.
そんなにひどい写真でもないだろうと思うのだけど、スコアが低い。
それほどちゃんと検証したわけじゃないのだけど、「ハイパーズーム」(Erotic評価が高まると得られる、ズームレンジが広がるオプション)をつけてから、時々低スコアが出る気がする。

ハイパーズーム有効時に、望遠端まで伸ばして、横位置でこんな構図を撮ろうとしていると、「どうしてそんなに離れるんですか?」といったセリフが出たことがあった。
もしかすると、スコアの減点になるくらいの遠さになっているのかも。
ハイパーズームはちょっと注意すべきか。

もっとも実際のところ、フォトセッションでそれほど高得点な写真が撮れる必要はない。
Beautiful 800pts.以上の写真を見せれば好感度は2上がる。
けれど、マッチング会話1回で5も上がるわけだし、恋愛レベルアップイベントを見るまで好感度が上がらなくなるラインがあるから、写真の2アップはあまり影響しない。
さらには、イベントで出るシャッターチャンスでは非常に高得点が出やすいから、それを見せておけばいい。
カメラファンなら、ゲームほったらかしでフォトセッションで自己満足しまくってても問題なし。

「ライティング」の使い道

Image may be NSFW.
Clik here to view.
Beautiful 1000pts / ライティング有効
イベントだったら簡単に出るのだけど、フリーフォトセッションで1000pts.はなかなか出ない。多分これともう1枚しか撮れてないなあ。

私は、ライトやストロボを追加してポートレートを撮るなんてことをしたことがなく、しようと思ったこともなく、どうやるのが基本なのかも知らない。
なので、フォトカノにおける「ライティング」という機能も、いまいち使い道が見えてなかった。
ご都合主義ライトっぽいから、キャラに当てた光がそのまま背景にも当たってしまう、ということがなく、おかげで不自然なほどに背景とキャラが浮き上がったりするし。

ところで、ライティング技術というほどじゃなく、カメラが自動でやってくれるレベルの基本として、「逆光で人を撮ると顔が暗く沈んでしまうから、フラッシュを焚いて前からも光を当てる」というのがある。
結局まあ、フォトカノでもそのように使うのがとりあえずベターな感じ。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ライティング無効
フォトカノでは結構夕方のフォトセッションが多い。
夕方は太陽の位置が低くて、画面に入って大逆光になってしまいがち。
フォトカノのカメラはいささかご都合主義的な性能なので、こんなカットでも十分よく写ってしまう。ホンモノならこうはいかない。
しかし、それでも背景よりキャラのほうが暗い、という絵にはなる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ライティング有効
やっぱりここまで極端な逆光だったら、ライティング有効のほうが、背景にキャラが負けなくていいように思う。

特に柚ノ木さんは髪の色が明るくて、ライティングするとかなり見栄えする。
まだほとんど撮ったことないけれど、多分新見さんや大谷先生も効くだろう。

小ネタ写真


人工衛星なんつって。

ののかの「横になって」ポーズ


ののかは「横になって」で、うつ伏せになって上半身を起こすポーズになるので、コレは結構絵になるかと思ったら逆に難しい。
前の記事で「高めの位置から人の写真を広角で撮ったら、巨顔・短足に写ってしまうからダメ」と書いたけれど、まさにその見本みたいな絵になりがち。
これは多分ある程度望遠に寄せて撮ってるけど、それでも撮影アングルが極端なせいで、見事な短足写真。
ゲーム的なスコアには問題なくても、これは不細工な写真というもの。


絵にするならこれくらいにするのがいいだろうか。

我々素人レベルの話であれば、構図に迷ったらとりあえず、寄りすぎるくらいのつもりで寄ってしまうのが、安直な解決法になる。
余計なものが変な形で写っている、というミスは、とにかく寄れば画面から追い出されるので。

使用カメラについて

以前の記事では「レンズ交換式一眼レフとは限らない。レンズ一体型一眼レフかもしれない」と深読みをした。
が、柚ノ木さんとの会話シーンで「デジイチとは、俺が持ってるみたいなレンズが交換できるカメラだ」というようなセリフが出た。
ということは、やっぱりレンズ交換式一眼レフではあるようだ。ついでに、フィルムでもない。

それと、実原との会話で「35ミリフィルム換算で28~80mmくらいのレンズがついてる」と指摘があった。
よくあるAPS-Cサイズセンサーのカメラなら、大抵標準でついている18-55mmのレンズを使えば、換算28-80mくらいになる。

そして前の記事で気付いていたとおり、パワーズームを使っている。

「レンズ交換式デジタル一眼レフ」「換算28-80mmくらいの標準レンズ」「パワーズーム対応」という3つの条件を満たすカメラは何か。

ニコンは、パワーズームをやっていないと思う。
キヤノンは少しはやっていたようだけど、最近のボディでパワーズームレンズを使えるかどうかといった情報が見つからない。
(やはりユーザーじゃないので怪しいけれど)

PENTAXには、ボディはAPS-Cサイズセンサーのものしかなく、パワーズーム対応標準レンズは28mmスタートのものしかない。
ということは、取り付けたところで43mm~のズームレンズになってしまう。
つまり、PENTAXではありえない。

SONY αシリーズなら、かつてのMinoltaのパワーズームレンズが使える。
センサーサイズがAPS-CだったらPENTAXと同じ話になる。フィルム時代に18-55mmとかはまず無いと思っていいだろうし。

ところがαの場合は、フルサイズセンサーのα900がある。
これなら、昔の28-80mmパワーズームレンズをそのままの画角で使える。
高校生が使うには高価なカメラだけど、発売は2008年だから、「親のお下がり」はあってもいい時期だろう。α99という新型もあるし。

まあ、ゲーム中に表示されるカメラの姿と全然似ていないんだけど。

シャッターエフェクト

このゲームでは、撮影した時に「周囲から羽状のものが中心に向けて閉じてくる」というシャッター演出がある。
しかしあれはレンズシャッターというものの動きのイメージで、デジタル一眼レフではああいうシャッター使わない。
(PENTAX Qがレンズシャッター採用だけど、一眼"レフ"ではない)

デジタル一眼レフなら、フォーカルプレーンシャッターというのを使っている。
フィルムの一眼レフでも同じ物を使っていた。フィルムだったら、裏蓋開けて空シャッターを切ればどういうものか見れる。
金属の薄い板が何枚か縦並びに配置されていて、それが上下に動いて開閉する。


考えてみれば、デジタルから入った人は、シャッターユニットを目で見ることも少ないんだなあ。
ちなみに昔は金属幕ではなくて、布幕が横に走るやつもあった。まあデジタルではそれはないけれど。
さらに言えば、フィルムの頃にはレンズシャッターの一眼レフというのもあった。

なお一眼レフでも、撮影する瞬間を前から見ていれば、レンズの中で「周囲から羽状のものが中心に向けて閉じる」動きをする装置が見える。
しかしあれはシャッターではなく絞りというもので、完全に閉じてしまうことはない。


「シャッターを切った」というエフェクトは、フォトカノに限らず、レンズシャッターのイメージでやってるものが大抵ではある。フォーカルプレーンシャッターのイメージでやってるのなんて見たことがない。
そもそも、シャッターの動きをファインダーから目視する、ということ自体が事実ではないし。
前から見た絞りをシャッターと誤認して、イメージとして定着したのかなあ。

「フォトカノKiss」もろもろ その2

まだまだフォトカノKiss。

ここまで楽しみまくれるとまでは思ってなかった。いやまったく楽しくて仕方ない。



Why 乳袋 ?


最初は室戸先輩、次は果音とプレイして、その次にののかと柚ノ木さんへと進んだら、ものすごい標高差であった。
室戸先輩では露ほども問題にならんから、最初は気にしていなかったけど、このゲームでは衣服がものすごい乳袋
制服でも体操服でも、見事にアンダーバストに回りこむ布地。どういう力がそうさせているのか。ファンデルワールス力か。
普段は別に乳袋を嫌ったりはしていないのだけど、こうもいろんなアングルで見まくるゲームでは、やはり不自然さが目につくのは否定出来ない。

乳袋にしちゃったのは何故だろう。

バストに持ち上げられた布地がまっすぐ垂れると、太っているように見えてしまう。
そうならないように布を回りこませてた……というのが、乳袋の発祥であるそう。
たしかにまあ、このゲームは少々巨乳の度が過ぎる。
乳袋にしないと、柚ノ木さんが実は食べ過ぎでえらい出っ腹になっていても、わからなくなってしまうだろう。

一方、乳袋でなければ、服や姿勢によっては、腹部に隙間ができてへそちらを狙えるようになるかもしれない。
どうせ散々スカートの中をローアングルで狙えるようなゲームであるのだから、それくらいあってもよかろう。
それに、乳袋化したぴったりした服だと、姿勢によってシルエットが変化しなくなっちゃう。せっかくポーズがあれこれ選べるのに、見た目の違いが小さくなっちゃって、ちと損な気もする。

どっちがよかったのだろう。
まあ、乳袋ならざるフォトカノを見てみなければ判断できないが。
柚ノ木さんや大谷先生がすごく太って見えてどうにも仕方ない可能性もあろう。


それから、これは妄想なのだが、レンダリング処理の簡略化のためなんじゃないか。
乳袋は胸を云々というより、胴体と服のラインを一致させる目的。
乳袋でない、下から覗き込むことができるような隙間が発生する造りにするということは、体と服が別体になる。別体になると、レンダリングの量も増えるし、衝突も判定しないとならん。
まあ、このあたりは根拠を持ってこれるほど3D技術に詳しくないけれど。


もし、どうしても乳袋の不自然さがイヤとあれば、エプロンつけたら解決する。
エプロンは、ちょうど胸の下あたりから出てる紐を、背中に回して結ぶようになっている。
柚ノ木さんやののかなどは、わざわざ帯を使って胸の下をぐるっと締め付けている。
なので、不自然な力が働いているわけではなく、当然の物理現象として乳袋様になる。

ここまでの進捗

室戸会長(L)→果音→ののか(L)→柚ノ木さん(L)→深角さん→大谷先生、という順番で進行。

フォト部のLoveルートよりも、写真部のHappyルートのほうが笑える、という話は聞いてはいるのだけど、2周めの果音の時に写真部を選んでみたら、ちょっと騒々しく感じられた。
(果音のストーリーに写真部は絡まないが、別キャラのイベントもある程度見るし、そこで見た写真部の面々がちとうるさかった)
プレイヤーの私のテンションと噛み合いにくいので、とりあえず先にLルートをひと通りやろうと思う。

Lルートは、ストーリーは王道すぎてやや退屈なくらい、とも言える。
でもまあ、私はそんなに刺激的な話を求めていないから、これでいい。


ここまでで、ストーリーが良いと感じられたのは深角さん。
「別に主人公が写真やってなくても関係ないじゃないか?」と思えるシナリオもあったけれど、深角さんのシナリオでは写真がちゃんと使われ、また使い方がニクい。
(ネタバレ伏せ)自信のない深角さんを肯定してあげて明るく変えていく、というストーリー運びだけど、最後の学園祭に、変わる前の一人でいた深角さんの写真を持ってくることで、その頃の深角さんをも肯定するというメッセージになる。
変えてくれた主人公がいなくなる転校先で、もし上手く行かずにまた元の孤独な深角さんに戻ってしまったとしても、その姿も肯定する、という形になって、別れのシーンにしっかり骨が通る。
話自体はありふれたもんだけど、写真の持つ、ある時点を記録して残す性質を上手く使ってみせて、ただの王道より一枚上手に仕上げてある。

あとは柚ノ木さんも、写真やっててこそだな、という話ではあった。
せっかく共同作業的な話なんだから、主人公側の「いかにして撮るか」をちゃんと描いてほしくはあったのだけど。実にあっさりしちゃってた。
まあ写真技術云々の話になっても鬱陶しいかもしれないが、せめて試行錯誤くらいあっても……

それでも、深角さんの次くらいには良かった。
終盤の展開も、カメラにハマると一度はぶつかる問いでもある。あんな形でいきなり叩きつけられたりはしないにしても。
ただ私がやったときは、シナリオ途中で「危ない水着」を解除してしまい、学園祭の写真展示が海デートのものだったもんだから、どう見ても水に入ったら即脱げるバカ水着の柚ノ木さんがどーん、というところでイイ話が展開するシュールな光景に。もったいない。

深角さんの「横になって」


ののか同様のうつぶせポーズだけど、顔は横に向ける形。
ののかが意外に撮りづらいポーズだったのに対して、深角さんは意外に撮りやすい。

このゲームでは顔の向きを変えてもらう指示ができるけど、首の可動範囲が狭いもんで、元の角度から大きく違う方には向いてもらえない。
ののかが撮りづらいのは、まさにこのせいだろう。
深角さんの横になってポーズは、可動範囲を使いきれる、ちょうどいい向きを向いている。
おかげで、足側からでも頭側からでも、顔と目線が使える。

深角さんレンジとアンチエイリアス


深角さんが被写体だと、距離をとった写真にしたくなる。
この寂しげな雰囲気を活かすには、距離を取ってズームは広角にすることで、空間の広さと距離感を出すようにして、ぽつんと深角さんがいる、という形が似合う。


しかし、写真の画素数が少ないので、引きで撮ると深角さんの顔が潰れてしまいがち。



そこで、アンチエイリアスを有効にしてみると、効果てきめん。
全体的に写真の解像度が上がるような効果があるから、これは最初からずっとオンにしておいてもよかったかなあ。もったいないことをした。
(中庭噴水前など処理落ちしやすいシーンがあるから、処理量が増えるアンチエイリアスはやめておくほうがいいかも……と思っていた)

設定の切り替えは、フォトセッション中にスタートボタンからメニューを出し、スパナアイコンから設定変更メニューの2ページ目、「アンチエイリアス」をONに。
「写真補正」の方は、撮ったあとの写真にボカシ処理を加えるだけみたいで、酷い画質になる。


なお、こういう遠景写真で「被写界深度」は使わない。
ピンぼけした景色に、なぜかシャープに写る深角さんが、異次元的に浮かび上がる。

「被写界深度」とはいうものの、写真用語の被写界深度をちゃんと再現しているわけじゃなく、人物と背景を分けて背景にだけボカシ処理を入れてるだけなのがわかっちゃう。
まあ、光学的な被写界深度を再現するのは難しそうだから、これはこういうものと割り切って使おう。


手前に遮るものを入れてみる、なんてのも、深角さんの距離感を出すのにいいかも。
保健室だと、ベッドの他にもカーテンが使える。


また、このゲームでは、被写体のキャラ自身の影が出ない。
夕方に長く影を引いてくれたら、もっと距離を撮った撮影で見栄えがするシーンも増えるのになあ……。

図書室で座ってもらうと、ちょうど柱の影がいい位置に来て、深角さんの影が落ちてるみたいに見えたりはする。

カラーフィルタ「ミッドナイト」


イベントを進めてアンロックしたものの、かなり使い方の難しいフィルタが多かった。
どのフィルタでも、基本的に昼の撮影に使うもので、夕方では夕陽の黄色とフィルタが混じってかなりカオスなことになる。(それを活かす手もあるかもだけど)

「ミッドナイト」は、直射日光の当たった床などが入らないアングルで使うと、それらしく夜っぽく見える。
まあ直射日光が当たっていても、街灯とか月の明かりだと思うことはできるけれど。

体育倉庫のような暗い場所だと、背景の暗さに対してキャラが明るくて、浮いてしまうことがある。
このカットはフィルタ無しだとすごく浮いたが、ミッドナイトフィルタだとある程度ごまかせる。


主人公の名前

デフォルトネームが「前田一也」という、なんとも普通な名前。
キミキスで相原光一、アマガミで橘純一ときて、前田一也。ちと普通度が高い。

私は、とりあえずデフォルトネームを少しひねって格を上げ、「大前田 庄衛門」としてある。
代々受け継がれてきた豪商・伊勢屋を、落ち首拾いの身から一代で築き上げた戦国の大商人の名を取れば、格で負けることはないであろう。

あんまり変な名前つけたら、クライマックスシーンで名前呼ばれて興が冷めるけどな。

ドン・マッコウ氏

エンディングのスタッフロールを眺めていたら、私にとっては久しぶりに、ツーファイブレコードのドン・マッコウ氏の名前を見かけた。
別に氏の活躍がなくなったわけではなく(キミキス・アマガミも音楽をツーファイブで作っている)、ただ私の行動範囲と重なったのが久しぶり。

前に氏をよく見ていたのは、声優の望月久代(もっちー)がブーム化したときに、「望月久代のプリン・アラモード」というラジオ番組でもっちーと一緒にパーソナリティやってた頃。
当時の仲間内ではシスタープリンセスが大流行中で、その友人ひとりを一方的に花穂の心のお兄ちゃまでもっちーの大ファンだ、ということにしていた。
別に火のないところに煙を立てたわけではないのだけど。

あの頃は若かったな、と久しぶりにドン・マッコウ氏やツーファイブレコードについて検索してみたら、PS Storeのゲームアーカイブスに、パカパカパッションが1・2・スペシャルと全部あることを知った。
フォトカノが片付いたらダウンロードしちゃおう。

大山崎町・島本町 (DiMAGE F100)

別にフォトカノだけやってるわけではないのです。

雨なので街歩きもつらいので、室内で楽しめる所。
そうなると私は美術館か博物館か映画になるが、西洋画を見たい気分だったので美術館を探して、大山崎山荘美術館に行ってみることに。

持ちだしたカメラは、Minolta DiMAGE F100。
KD-400Zを買うときに対抗馬として考えてたモデルで、プログラムオートで専用電池だったKD-400Zよりも、P/A/S/Mで単三電池使えるこっちのほうが、カタログ比較では有力だった。
結局、DiMAGE F100はその後現物を触る機会もなく、ここ数年の古カメラ漁りでも、後継のF200・F300も含めて不思議なほど遭遇せず。あんまり売れなかったんやろか……。


阪急の準急で一路、大山崎駅へ。
以前このあたりには、サントリー山崎蒸溜所に来たことがあったが、今回は違う向き、天王山へと登っていく。


登り口に、俳諧師の山崎宗鑑が冷泉庵という庵を結んで隠棲していたところの跡があった。
俳諧やらには弱いから、ほとんど知らない人だけど。

ここでDiMAGE F100の動作が異様に遅いことに気がつく。
1枚撮るたびに10秒くらい待ち時間が出てしまう。なんだこれ、SDカードの相性か何かか。
後で気付いたけれど、このカメラは画質設定を最高にしたらTIFFで保存されるようで、1枚10MB以上のファイルサイズに。この時期のもんだったら10MBは辛いだろう。


急な坂道を、案内板に導かれるままに上がっていく。


と、こんなトンネルゲートが。
さすがに雨と暗さでフラッシュ飛ばさざるを得なかった……けれどまあ、この写りはカメラのせいとかじゃないなあ。

さらに山中の道を上がっていく。
美術館に入る前から、すでに山が見モノ。
道沿いに洒落た建物がいくつかあったけれど、私有地らしいので写真などは遠慮した。


上がりきったら、庭園の向こうに和洋混じった感じの建物が。
これが大山崎山荘美術館。

美術館だから展示もあるのだけど、建物がまずものすごい。
実業家で、大日本果汁(今のニッカウヰスキー)創業にも関わった加賀正太郎という人物が、昭和初期に建てたもの。
一時は潰してマンションにするなんて話が出て保存運動が起こり、ニッカの親会社にもなってるアサヒビールが乗り出して、アサヒビール創業者の山本為三郎のコレクションを展示する美術館となって今に至る。

本館は、柱や梁の木材が見えるところは彫刻で細やかに飾られ、壁や窓から調度品、作り付けらしい冷暖房の操作盤まで、360度どこを見ても贅沢。掛かってる手間がありあり見えるような品だらけで。

山本為三郎が民芸運動と関わっていたそうで、展示品はバーナード・リーチと河井寛次郎の焼き物が多かった。ルーシー・リーも少し。
リーチの作品って、やっぱり民芸そのものっていうよりは、民芸にインスパイアされてみました的なズレがあって、そのへん面白い。


一階の池を眺めるテラスからは写真撮影OK。雨だと結構渋い眺め。


本館二階に上がっていく階段には、ステンドグラスとバルビゾン派の絵画。
テオドール・ルソーのだったか、農耕牛をメインに置いた農作業風景、いかにもバルビゾン派のやつ(メモとってないどんくささ)。
私はバルビゾン派は好きなので、ここまで西洋画を見に来たはずなのに焼き物を見ていた状態は、この一枚でかなり満たされた。

上がったところのホールから上を見上げると、実にいい格好。
3階は上がれなかったけれど、多分客室になってるのかな。

2階展示室では、加賀正太郎がやっていた蘭の栽培を絵にしたものが展示されていた。
ホールから3階を見上げるといい感じ。
カフェもある。今はなにかホテルと協力していいケーキを出していた。
(飲み物は特別なものが出るわけではなかった)

カフェの向こうのテラスからは、木津川・宇治川・桂川の三川合流ポイントが見られる……のだけど雨で霧みたいになってもうひとつ。うーむ。


反対側の、ちょうど池のところの真上にもテラスがある。あの遠くに見える細長い建物はなんだろな。


さらに別館、地中館へ。
安藤忠雄の手によるもので、コンクリート打ちっぱなしの狭い階段を下りていくと、半地下になった丸い展示室。
そこに、クロード・モネの「睡蓮」連作が丸く並ぶ。
実のところ私は印象派は見方がわからんので、ちゃんと鑑賞できてる気がしないのだけど。

ホールに立っていたSECOMのガードマンが詳しい方のようで、学芸員のごとく来客に絵とホールについての説明をしていた。制服でものものしい存在かと思いきや、その人が解説してくれるとは粋なもんだね。

モネは常設らしいけれど、後ろのシャガールとモーリス・ド・ヴラマンク、オディロン・ルドンの3つはどうだろう。
ヴラマンクって知らなかったけれど、ローキーで色の強い感じが私好みだ。気にしておこう。


もう一つ、山手館という別館もある。
こっちはきっちり四角い部屋。
須田悦弘の「睡蓮」、薄削りの木材で睡蓮を形作った作品。
さっぱり言い表せる語彙が出てこないけれど、なんといったらいいんだろう……。写実的かそうでないかすら、はっきり言える気がしない。


美術館を出ると、往路には「脇道があるな……」としか思ってなかった方が庭園になっているのに気付いて、そちらに足を向ける。


結構広い庭園で、絵になる角度も多かった。
雨でなければもっと撮りまくったとこなんだけど、しかし雨なら雨で景色はよかったな。

展示もいいんだけど、建物自体も面白くて、二倍楽しめたような気になれる美術館だった。
また展覧会変わったら来よう。


ここから西国街道に降りてきて、淀川を川下の方に。
水無瀬神宮に行きたいんだよね……と歩き出したが、道標を見ると西国街道から外れるように案内が出ていた。
西国街道沿いに歩いて、途中で一回折れたら到着するはずなんだけど……。

しかし今日は、PlayStation Vitaに3G SIMを入れて、マップアプリを使ったらどんなもんかなー、とテストするつもりで来た。
……のだけど、128kbpsの3G回線でGoogle mapsは相当ハードで、1画面表示させるのに数分待ちになる有様。これはちょっと使えない。
ので、今日は地図なし。
迷ったらいかんので、とりあえず案内通りに移動してみる。

が、案内は最短コースを指示していたようで、特に何もない線路沿いの道を1.2kmほど行ってやっと到着。
西国街道を歩いていっても1.4kmほどにしかならんかったから、これなら西国街道行ったらよかったな……。


水無瀬神宮は、神宮というだけあって、後鳥羽天皇・土御門天皇・順徳天皇を祀る。
かつては後鳥羽天皇の離宮があったそうで、その跡地が神宮になった。

神社には珍しい門があるが、薬医門造りというそう。
石川五エ門が盗みにはいろうとしたけど、神威に撃たれて中に入れず、手形だけ残して立ち去ったとか。


参拝。
「離宮の水」という湧き水があって、名水だそう。
今度大山崎山荘美術館に来るときは、入れ物もってきて立ち寄ろう。


西国街道に戻って、大坂方面にぶらぶら。


JR島本駅近くに来ると、あたりは「桜井駅跡」という国指定史跡になっている。
無論鉄道駅なんかではなく、伝令のために馬を置いてある役所の一種。
続日本記にそれらしい記述があるのが最初らしいけれど、後に楠木正成・正行親子がここで別れた太平記のワンシーンで有名になった。


旗立松、今は枯れてしまってこの有様だけど、この樹の下で楠公と小楠公が別れていったとか。
江戸時代の名所図会にも描かれていたようなスポットだったそう。


どーんと立派な。



その向かいに、島本町立歴史文化資料館がある。

入ってすぐ、やたらとでかい土器の瓶が置いてある。直径2メートルくらいか。
川沿いで発掘されたそうなんだけど、割れずにそのままこんなでかいのが出るのは見たことがなかったし、実際日本にいくつもないレベルのものらしい。

他に、水無瀬駒という将棋の駒についての展示。
かつては水無瀬兼成という能書家が書いた駒がもてはやされ、天皇や将軍に献上されるくらいのものだったそう。
今の、手前が分厚く先が薄い形なんかも水無瀬駒が発祥だそう。

この中将棋の駒が島本町指定文化財1号で、それにちなんでか、中将棋のルールブックを作って配布していた。
今やってる将棋は小将棋で、中将棋はもっと駒が多くて盤も12x12、王の他に、成ったら太子になる駒があって、太子が現れたら両方取らないと勝ちにならないとか。

他に、多分江戸時代くらいだと思うけど、焼き物をやってた時代もあるよう。
あとは、この手の施設でよくある古い道具の展示もあったけど、なんか役所で使ってたものを持ってきたらしい事務用品があって、三洋電機のえらい古い電卓があったりとか。


そして島本駅から帰宅。
このあたりは場所柄もあってか、いろいろ歴史や文化財があって興味深い。
天気いいときにまた来たいな。



今日のDiMAGE F100は、なんというか動作がちょっと遅いカメラだったかな。
最高画質でTIFF保存の状態になってると、記録に10秒かかってしまう。再生なんかもっと掛かる感じ。
多分まあ、2002年のモデルがJPEGでそんなに遅いわけもないと思うけれど。

そうでなくても、起動もかなりゆっくり。
結構高級なモデルだったから、レンズのモーターもいいものを使っていて、動作音が静か。そして静かだから、音で起動終了を判断することもできなかったりして……。

他に、マクロモードはテレマクロ固定なのだけど、マクロにしてシャッターを半押ししたところでズームが動いてピントを合わせに行く。全押ししてたらそのまま撮影までしてしまう。
予想外のところでいうこと聞かなくなる感じで、しかも動作がゆっくりしてる。


しかしカメラとしては真面目なつくり。
一度AFを取った被写体が移動しても、そのままAFを追尾するなんて機能もある。もっと後の一眼なんかにはあるけど、この頃のこのサイズのカメラには珍しい。


CCDは1/1.8型400万画素、補色フィルタ。
F200/300は原色フィルタになった。
補色のほうが原理上感度が高いし、ちょっと色の出方の雰囲気が違う。
今日は悪天候で画質には厳しい日だったけど、ISO400でもちょっと偽色出るくらいで、なかなか。2002年のもんだと思えば上等。

ISOオートで撮影しても、テレで1/90秒、ワイドで1/30秒からゲインアップするよう。
1/8秒までゲインアップしない、オートとはいえんようなオートも多かった頃だから、これも評価高いところ。
今日の天候でも、酷い手ブレは殆ど無かった。

レンズは38-114mm F2.8-4.7。まあ普通。
ちょっと歪曲があるし、少し絞ってカリカリにシャープになる、というようなもんでもない。

今日の写真が露出アンダーなのが多いのは、私の趣味で雨の日は-1.0EVくらいで撮るからで、カメラがおかしいわけではない。

今日はRCR-V3で運用したから、単三で使うとどれくらいのバッテリーライフかはわからない。
電池さえ持つなら、ちょっとゆっくりしてるだけでよく出来たカメラだから、当時買ってたとしても文句なかっただろうな。

「フォトカノKiss」もろもろ その3

フォト部で全ヒロインのエンディングまで到達。



ヌルゲーではあった、けれども

残り3人、実原・麻衣ちゃん・新見……さんを残していたので、一気に3人同時進行にしてみた。
まあ1プレイで4人Lv.6にするなんてトロフィーがあるくらいだから、3人は十分できる。
4人となると多分、?のイベントは拾わないとか、もっと厳密な進捗管理がいるんだろう。


実原のシナリオは、キミキス・アマガミからの流れでフォトカノを見れば、こういうシナリオを期待されてそうな内容であった。
少なくとも今回、(フォト部の)前田一也が変態紳士などと呼ばれるとしたら、実原相手の時が一番。

それにしても、妙に力が入ってる気がした実原シナリオ。
話し言葉の調子が、恋愛レベル3か4くらいからちょっとぎこちなくなってたと記憶してるけれど、これは上手い仕込みだと思う。
それからあのイベントにおいて、「そんなことをしても三脚代わりにはならん」と実原はわかってるはずなのにあの振る舞い。


一方、噂では新見さんがすごいタマだと聞いていたけれど、フォト部ではそれほどでもなかったような……


さ、次はラブラブデイズモードだ。


カラーフィルタ比較テスト

カラーフィルタを色々撮り比べつつ、使いドコロを考えてみた。
「レッドルーム」とか「ブルールーム」はあまりにも極端だから、特殊撮影を考えないとどうにもならんので省略。
「モーニング」とか「サンセット」などの時間変更ものは、昼間に使うと大体フィルタ名通りの効果になるので、今回のテストではあえて夕方に使ってみる。

それから、カラーフィルタつけるとアンチエイリアスが効かなくなる。残念だな。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
モノクロ
モノクロはどうもこう、妙な調子で写る。
昼間使う分にはそれほど変でもないんだけど、夕方だとしばしばものすごいことに。
白飛びが激しくなりつつ(コントラスト上げてる?)、明度は全体的にちょっと下る。

しかもポートレートを撮るゲームだというのに、肝心のモデルの肌にできる影がほとんど再現されなくなる。




なんとかモノクロの使いどころを探してみて、こんなカットがひとつ出た。
とりあえず、日向は白飛びしがちで難しいから、日陰を探す。
背景が空とか、陽の差し込む窓だったりしても、真っ白になるからアウト。
日陰で、かつ明暗差を背景に取り込めるところ、で、食堂がよさそうに思えた。

ちなみに、体育館では窓から差し込む光が床に落ちてるけど、これはモノクロフィルタでは上手く使えなかった。あんまりコントラストでない。


Image may be NSFW.
Clik here to view.
セピア
モノクロは難しい一方で、セピアはやりやすい。
フォトカノのカメラの特性、ダイナミックレンジが広くて白飛びも黒つぶれも起きにくい、すなわち軟調な写りがそのままセピア向きに思える。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
クールモノクロ
ただのモノクロは使いにくいけれど、クールモノクロはそれほど難しくない。
ちょっと青味がかって、完全にモノクロだとはいえない結果になるけれども、モノクロっぽいものを撮りたいなら無難なチョイス。


昼間に濃い青空のシーンで使うと、空が真っ暗になったりも。これはクールでないモノクロでも起こる。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
サンセット
夕方にあえてサンセットフィルタを重ねると、なかなかサイケな色に。
クロスプロセスやってみました風のオシャレ写真をでっち上げるのに使えないかな。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
モーニング
モーニングフィルタだと、なんとなく、夕暮れ直後に夜になりかけてるくらいのタイミングの色合い……に見えなくもない。ちょっと明るすぎるけど。
もちろん、クロスプロセスもどきに使ってもいい。

Image may be NSFW.
Clik here to view.
ミッドナイト
ミッドナイトフィルタにすると、モーニングとほとんど同じ色味で明度だけ下がる。
しかしこれはちょっと暗すぎる。中間くらいの明度がいいんだけど。


復活のアホ毛あっぴー

ゲーム中にアホ毛あっぴーを探しまわり、ついにすべて発見した。
最後は中庭のやつで、結構ヤなとこに隠してあった。ありそうな場所ではあるんだけど……

しかし全て発見して喜多川先生のフリーフォトセッションを解除したと思ったら、すべてのアホ毛あっぴーが復活した。
やたらと目立つ位置にも居るので、撮影の邪魔になる……。

が、邪魔にするだけでは芸がない。




ちょっとネタ写真に利用してみたりとか。
私はこういうのを考えつくのは上手くないけれど、まあ他の誰かが面白いの見つけるだろう。

ところで別の話だけれど、左の実原の写真みたいに、ちょうど首のところに背景の横線が入っちゃうのはダメな例。生首みたいになっちゃって、線が悪目立ちする。
これはプールの底のラインだけど、水平線とかでよくやりがち。
気付いて線をずらすなら、上にずらして顔を横切らせてもやはり悪目立ちするので、下にずらして肩を横切るほうがよい。


カメラとビデオはエキサイト

実原の携帯は、メール着信音がリパブリック賛歌
関東ではヨドバシカメラがCMに使ってた曲だそうだけど、関西では「エキサイト」というカメラ店のCMだった。当時はヨドバシは関西未進出。
聞けば上新電機とヨドバシが提携してやってたらしいから、どっちにせよヨドバシ。

♪日本橋の真ん中に
大きなカメラの店がある
だれでも知ってる合言葉
カメラとビデオはエキサイト

今でも歌詞が出てくる。

♪大阪地下鉄恵美須町
駐車もできます200台

で始まるのもあったっけ。後半どうだったかな。
複数バージョンあるだろうから、よく思い出せばいろいろありそうだけど。

しかし、大阪育ちとはいえ、文化的にも歴史的にも大坂・堺より和歌山に近いような地域で育ったから、エキサイトがある頃にはでんでんタウンなんてめったに行けなかったな。電車代だけで小遣いなくなる。
子供の頃はカメラはあまり興味がなかったから、エキサイトには特に足を向けなかったし。


実原のカメラとその会話

実原のカメラは、恋愛レベルアップイベントでの会話から、ズームレンジが28-140mmのコンパクトデジカメだという。
見た目もある程度大きいし、マニュアル露出も使えるような高級機。
多分PowerShot G12あたりかな。見た目もゲーム中のものに近いし。
スカートのポケットに突っ込むのは辛いかもだけど。

このズームレンジが話題に出るイベント、ちょっと会話がおかしくなってる。
最初、主人公のカメラは「35mm版換算で28-85mmのレンズがついてる、と実原の指摘がある。(私はうっかり28-80mmだと覚え違えていたけど、改めて見たら85mmだった)
それから実原は「自分のカメラは28-140mmで、広角が好きだから28mmとか35mmをよく使う」という。
しかし次に主人公がなぜか「俺のカメラは35mmだから28mmは使えない」と言い出して、実原も間違いを訂正せずに「レンズ交換すればいける」と続けてしまう。


ところで主人公のカメラの方は、大谷先生のシナリオにおいて、いきなり水中撮影を敢行してなんともなかったから、もう何か異世界のカメラだと思っておくことにしよう。
まあプールに持ち込むんだから、防水ハウジングつけてたんかもしれんけど……。
Viewing all 157 articles
Browse latest View live